
2部リーグ全勝優勝も入替戦で早大に惜敗/東日本学生リーグ戦
入替戦無念の敗北
悔し涙を浮かべた。1部昇格をかけた早大との一戦。5勝先取で決まる戦いは、4-4と最後の大将戦までもつれ込んだ。大将・根岸(政経3=埼玉栄)はチーム全員の期待を背負って土俵に上がった。立ち合いから激しい押し合いの後両者は同時に前へと倒れこんだ。根岸は勝利を確信しガッツポーズ挙げるも判定は取り直し。再戦となった1番は相手にすぐに後ろまわしを取られ下手投げを決められた。これで1部昇格はお預けとなった。土俵上で仰向けになった根岸は顔を覆い、立ち上がることができなかった。2番取ることになり「気持ちが途切れてしまった。勝ちへの意識が足りなかった」(根岸)と反省を口にした。
1部昇格をかけた1戦は全員にいつも以上の重圧がかかった。名和闘志主将(政経4=埼玉栄)は2-1で勝負の時を迎えた。ここで勝ち勢いをつけたい場面でエースの登場。引き締まった表情で土俵に上がり、ゆったりと構えた。しかし立ち合いからすぐに胸の中に入り込まれると重心が後ろに下がる。体勢を立て直したい名和だが勢いを止めることはできず押し出しを決められた。二陣、三陣と1年生が生み出した勝利の流れをつなげることはできず、明大はこの1番から3連敗して崖っぷちの流れとなってしまった。「プレッシャーがかかり消極的になってしまった」と普段キャプテンとして、エースとして明大を引っ張る名和は悔しさをかみしめた。
完全優勝
2部では敵なしの明大。入替戦前日に行われた2部リーグ戦は7戦全勝で優勝を成し遂げた。その中でも輝きを見せたのは大将・前田将吾(政経2=宿毛)。優勝をかけた法大との一戦は圧巻だった。立ち合いから相手の胸へともぐりこむとまわしを下手からつかんだ。体を寄せ、相手を上へと持ち上げると寄り倒して土をつけた。堂々とした取り口でリーグ戦全勝を挙げた前田は敢闘賞を獲得。その他にも東、名和、北川が全勝で賞を獲得し、優勝に花を添えた。全員が優勝だけを考えたという2部リーグ戦。チーム全体で49戦中43勝を挙げ他の大会では1部で戦っている明大は格の違いを見せつけた。
[鈴木貴裕]
試合後のコメント
小川清彦総監督
「チームとして負けたのだから誰がどうこうというわけではないけど、気持ちで負けた。先鋒(せんぽう)の立ち合いの変化、あれは予想していなかった。それで歯車が狂ったかね。先鋒は勝っても負けても思い切ってやって後につなげてほしかったが、あの相撲(立ち合いで変化をしてしまった相撲)は先鋒として駄目だった。(昨日との違い)どうしても「絶対勝たなきゃいけない」という気持ちが。勝たなきゃいけないんだけど、特にキャプテンの名和は自分が勝たなきゃというプレッシャーに負けて立ち合いで当たってすぐ変化してしまった。負けても当たって砕けろくらいの気持ちでやればいいのだが、今年見ているとやっぱり4年生ひとりで出ていて勝たなきゃという気持ちがのしかかっている感じ。負けてもいいんだけど本人はそれを言ってもどうしても勝たなきゃ、と。2人のせいというわけではないが、消極的で向かっていく気持ちに欠けていたことが敗因。早大も(逆転1部最下位で)気持ち的には落ちていたところで入替戦なわけだから、こちらにチャンスはあったわけだけど自分でつぶした感じ。(2-4から4-4まで持ち直した所)前田は昨日の全勝に引き続いて、今日も辛抱して十分になったところで前へ出ていって、力をつけている」
守重佳昭監督
「(入れ替え戦は)実力でいえば勝っていたし、大学で積んできたものはこっちのほうが多い。実力があるにも関わらずその実力を100%、120%発揮できなかった。土俵の上で自分たちの相撲ができたかの違い。それぞれが思いっきりできるオーダーを組んだので、前に出る相撲を取って欲しかった。115㎏では相手は堀越(早大)が来ることが分かっていたので去年負けた川村ではなく藤原を当てた。名和にはチームを引っ張れるように四陣にした。川村は粘って勝ったが、あれが川村の相撲。根岸は体がガチガチになっていて自分の相撲が取れていなかった。今回は悔しい結果になってしまったけど、これをバネにインカレに臨んでほしい。前に行って勝つというのを心掛けてほしい」
名和
「自分はキャプテンとして負けられないという気持ちで臨んだ。そういった負けられないというプレッシャーがかかってしまった。プレッシャーは理由にならないが消極的な相撲になってしまった。自分が負けたことが今日チームが敗れてしまった原因だと思う。去年よりもチームの状態はいいし、強くなっている。ただ、試合になったらガチガチになってしまうことがある。普段の練習から明るくチームとして楽しんで試合に臨めるようにしたい。今日の悔しさを胸にインカレまでしっかり稽古していきたい」
根岸
「みんな頑張って自分まで回してくれて、負けてしまったことは本当に申し訳ないです。敗因は単に稽古量が足りなかったです。(取り直しの末敗れたが)1回目の後、気持ちが途切れてしまった。はじめは勝つ気が強かったけれどそういった部分が無かったです。自分をはじめチームとして勝ちへの意識が足りなかった。体を大きくして、稽古量を増やしてチームに貢献していきたい。個人で勝つことも大事だがチームで勝つこと、勝たなければならないと思うので今日の反省を次につなげたい」
前田
「どんな場面でも回ってきたら絶対に勝つつもりでいた。とにかく気合を入れて臨んだ。相手は去年のリーグ戦で負けた相手だったので、リベンジしたいという気持ちも強かった。チームとしても4敗で負けられない状態だったので勝つことだけを考えてやった。一番一番勝利だけを考えてこれからもやっていきたい。チームのためにも前に進むだけです」
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