男女8艇が決勝進出! 王座獲得に挑む/全日本大学選手権

2016.09.24
 三大大会の一つであるインカレの決勝が25日に行われる。22日から始まった予選を勝ち上がり、明大からは男女計8種目が決勝進出を決めた。息の合ったこぎでレースを展開し、史上初の男女総合優勝を狙う。

 男子の4種目が決勝に臨む。ルーキーの中村智哉(政経1=下諏訪向陽)が乗る男子シングルスカル、鳥取県出身の古田直輝(政経2=米子工)と石畑修一郎(営1=米子高専)の同郷の先輩後輩で構成されているダブルスカル、そして今大会の対抗クルーの男子エイトとどの艇も目が離せない。男子舵手なしクォドルプルクルーとして、創部初の優勝、創部初の連覇の経験をしている濱口稜(政経4=法政二)は「牙城は絶対に崩さない」と自分たちが築き上げた歴史をさらに塗り替えるべく、3連覇に強く意気込んだ。
 女子は出場した4種目全てが決勝に進む。予選は惜しくも2位だった女子舵手付きクォドルプルだが、一度原点に戻って修正をし、敗者復活戦では1位通過で決勝進出への切符をつかんだ。クルーリーダーの植松香穂(文3=岐阜県立加茂)も「山あり谷ありでやってきたけど、今が一番ベスト」とコンディションは最高だ。

 目標である「インカレ男女総合優勝」を目指して練習してきた日々の集大成を発揮する時だ。「全クルー優勝して気持ちよく終わりたい」と櫻井克茂主将(法4=岐阜県立加茂)が描いた思いを全員で実現させる。インカレ最終日に男女総合優勝を飾るのは明大だ。

[臼井美理亜]

決勝に向けた意気込み
男子シングルスカルクルー・中村

「(準決勝までを振り返って)全体でもいいタイムを狙っていて、タイムを見て、自分で納得のいくこぎができたなと思います。予選と準決勝でつくったいい流れを決勝でも生かしたいです。(初めてのインカレについて)1レース1レースを楽しめてできているかなと思います。日大に強い先輩がいるんですけど、そこにどこまで食らい付いていけるかどうかです。自分は常に攻め続けるレースがしたいので、それができれば昨年の古田さんに続くことができるんじゃないかなと思います。(明日の決勝については)1年目でチャレンジャーということで、ここでいい結果を残して、いい流れをつくりたいです。明日のレースは楽しみながらも上を狙っていきます」

男子ダブルスカルクルーリーダー・古田
「(準決勝までを振り返って)練習の期間が短くて、合わせるべきところを合わせられなかったので、予選や敗者復活戦や準決勝は練習ってことで、準決勝ではちょっといいこぎができたので、次に繋げられたかなって思います。(悪天候の中でのレースは)アップの仕方が少し変わったりするんですけど、いつも通りやることが一番なので気にせずにやりました。そのためにいつも雨の中でも練習しているので、練習の成果を出していつも通りやりました。(1年生の石畑とのクルーになるが)石畑が1年生で、今年初めてのインカレということで緊張もあると思います。レースで緊張させるというよりは責任感を持ってもらうことに緊張してもらって、レースというよりは大学のためにこいでもらうようにとフォローをして、先輩として緊張感を持たせるようにしました。でも、アメとムチをうまく使って厳しいことも言うんですけど、いい時はちゃんといいぞって言う、ってことを意識してやっていました。最後、準決勝でいいこぎが出始めたので成長してもらえればいいかなと思います。(2人乗りならではの難しさは)自分が世界選手権に行って、帰ってきたのが8月の後半で、練習の期間が2、3週間しかなくて、そこでダブルスカルで2人で息を合わせるのはなかなか難しくて、期間の問題でもあるし、2人の力の差もあって、そこをカバーし合うのが大変でした。(明日の決勝については)楽しくやりたいです。ただ楽しむだけじゃなく、レベルの高い「楽しむ」っていうのを実現したいです」

男子舵手なしクォドルプルクルーリーダー・櫻井
「(準決勝までを振り返って)やっぱり本番に強いクルーだったし、予選ではそれなりのこぎをすることができました。準決勝ではタイム差があって少し油断した部分はあって、悪いこぎが出てしまった部分がありました。ただ試合の中でいいものと悪いものを経験することができたので、決勝では悪いこぎを出さないようにしたいです。(明日はクォドの3連覇が懸かるレースだが)ここまできたらあまり緊張はしていないです。本番の緊張感がいいように作用してくれているので、練習ではない集中力を発揮できていると思います。(8艇が決勝進出となったが)スカル三つとエイトは順調に上がってきてくれているのでそこは良かったと思いますが、他のクルーの成績が思ったように振るわなかったので、まだ先のあるメンバーばかりということもあるし引き続き頑張ってもらいたいです。シングルとかダブルも好順位に付けられているし、次のクォドを任せるのに不安はないので自分たちで連覇を途切れさせないようにしっかりと優勝したいです。(男女共に総合優勝が狙えるが)僕たちの代で成し遂げたいと思っていたし、決勝に上がったクルーの数的にも夢ではないので明日全クルー優勝して気持ちよく終わりたいです」

男子舵手なしクォドルプルクルー・濱口
「(準決勝までを振り返って)予選で中央大学と当たったのは何かの縁だったと思うし、予選は1艇上がりだから中央に勝てなかったら敗者復活に回るということもあって、攻めたんだけどスタート出られてしまいました。中盤2艇身くらい出られちゃったんだけど、もう一回ギアを入れ直して最後は1艇身差を付けて勝つことができました。タイムも全体の1位で日大にも大幅に差を付けて勝てたので、いい流れでできたと思います。今日はトップタイム上がりということもあり、準決勝はいい組み合わせでできました。今日の目標は予選でダメだったスタートで1着を取ろうということで、500mまでで出ることはできたんだけど、そこからのコンスタントが予選と比べてもうまくいかなくて、2位の岐阜経済大学と750mくらいからずっと同じくらいの間隔でいってしまいました。決勝に上がることは当たり前のことで、今日やったスタートの切れプラス、持ち味である中盤のコンスタントでさらに加速してそこで勝負を付けられるようにしたいです。3連覇はマストだと思っているから、そこの牙城は絶対に崩さないように頑張っていきたいです」

男子エイトクルー・大竹崇寛(商4=東濃実)
「(準決勝までを振り返って)今日は結構予選で悪かったところを修正できていて、本番ならではの緊張感で練習では出せなかったものを出せたと思います。レース前に立てたプラン通りにみんなが反応してできていました。まだ直すところはたくさんあるけど、決勝までには完璧なものに仕上げていきたいです。(今年はエイトが対抗種目)明治大学として8人乗りのエイトを初めて対抗種目で出すことは大きな挑戦でした。今こうやって出場してみて、自分たちの力がインカレで通用しているレベルになってきていることにすごく誇りを感じています。今までは4人乗りを対抗とかにしていたけど、8人乗りこそ対抗にして8人乗りが頑張っているから他のクルーも頑張るというふうに変わってきています。(明日の決勝については)ワクワクしています。昨年早稲田が日大の10連覇を阻止して戸田がすごく盛り上がった。今年はもう早稲田がいなくなって、明治が日大を倒す。112年目になるけどエイトで優勝したら初めてのことだし、大きな決断だったけどここまで来ることができたのはみんなのおかげだから最後は笑って終わりたいです」

男子エイトクルーリーダー・大久保亮(農3=猿投農林)
「(準決勝までを振り返って)調子は僕含め全員まだあんまり上手くいっていない状態です。コックスの原(勇二・法3=徳島市立)がレース展開だったり、コックスの勉強しているみたいで、ベストコンディションなので、あとはどれだけこぎ手が原の声掛けに反応できるかが、カギだと思います。こぎ手のベストが出せれば。決勝で出します。(エイトが初めて対抗種目になってのリーダーということで気持ちは)一週間くらい前まで気持ちが入らなくて、まずあまり実感がなかったというのが一番です。やはり自分でそこをしっかり切り替えられなかったのが初めてでした。いつもだったら大丈夫ですが、今回は気持ちがうまくいかなかったです。いつもは一人でやってしまうことが多いのですが、今は原に結構頼ったり、ミーティング頼んだり、いつもやっているクルーリーダーより楽にやれています。自分的にはリーダーらしくないリーダーになってはいますが、皆をうまく使えるように、動かしたり譲ったりできるようになりました。良いか悪いかはわからないですが。(明日の決勝については)やるしかないですが、勝ちのイメージがすごいできています。強気。意気込みは皆で勝とう、です」

女子シングルスカルクルー・高島美晴(政経1=米子東)
「(準決勝までを振り返って)予選も準決勝もあまり納得のいかないこぎで、1着でもやっぱり満足できないこぎでした。(悪天候の中でのレースは)雨は降ってましたが、風は大して吹いてなかったですし、ボートだとよくあることなのであまり気にならなかったです。(初めてのインカレについて)一人乗りに乗ることは高校時代からよくあったんですけど、インカレに今回出場してみて、高校までのレースとは違うなって実感してます。高校だと、みんなが、がむしゃらに行くんですけど、大学になると、みんなが頭を使い始めて抜いたりとかがあって、タイムを見ても予想ができなくて、難しいなって感じます。入学してから今まで、軽量級選手権や東日本選手権など、大きい大会がいくつかあったんですけど、自分自身が日本代表の方の活動をしていて出場できなかったので、そこで明治の力になれていなくて「明治に入学したのに」っていうやり切れない思いがあったんですけど、今回はインカレでシングルスカルで優勝を狙えるチャンスなので、ポイントを取りに行きたいです。(明日の決勝については)、一緒にU-23で代表になっていた子が、立大から出場していて、あと龍谷のクルーの子も、高校時代から知っていて、二人とも速いので、そこは負けられないなって思います」

女子ダブルスカルクルーリーダー・成瀬歩美(政経2=恵那)
「(準決勝までを振り返って)レースを3本やって、徐々によくなっています。予選は焦っていたかなと思います。敗者復活では、予選で失敗してしまった部分を修正することができました。(悪天候の中でのレースは)寒かったですが、私は天候に左右されない方です。思い切ったパフォーマンスができました。(去年はシングルスカルと今年のダブルスカルの違いについて)シングルは割と自由にこげますが、ダブルは自分だけではなく相手のことも思いながらこいで、お互いがより繊細にならないといけないので、船を進めるためだったら自分がやりたいこぎを犠牲にしてでも相手に寄り添いながらこぎを合わせました。(2年生同士ということで)思ったことをお互いに素直に言える関係なので短期間でここまで伸びることができました。(明日の決勝については)ぶっちぎりで優勝します」

女子舵手なしペアクルーリーダー・有山裕美子(文4=浦和一女)
「(悪天候の中でのレースは)正直いうと、あまり調子は上がってきていなくて一週間前くらいに体のキレがあがったぶん、体を動かしすぎてしまいました。2人のリズムがかみ合いづらくなっていましたが、予選、敗復と徐々に修正できてきたので、決勝では自分たちのこぎをして勝負したいと思います(最後のインカレですが)まりん(中尾真琳・農4=熊本学園大付)とか1年の初めてのインカレに一緒に出て、一緒に頑張ってきて、まりんの分までというか、誰が出ても優勝するだけだけど、今回は私がこげるとなったから、私は自分の責任を全うするだけです。まりんにはまりんにしかできない役割があるし、一緒にやってると思っているので、他の4年生の気持ちを背負うとかではなく一緒に頑張っています。でも、やっぱり乗れない人はすごく悔しくてそういうことも分かってるし、その気持ちをくむという気持ちもあります。4年生で最後だと、この1年は一番部のことを考えて動いてきたから特に4年生は個人で優勝とか自分がどの種目出るとかそういうことを越えて、本当に皆で話し合ってきました。まりんや同期の存在が心強くて、4年生になって部で勝つとかそういう自分のクルーだけじゃないというのが大きいです。とにかく女子部は全部決勝に進めてスタートラインに立てたので、頑張っていくだけです。乗っている、乗っていない関係なく皆が同じところを目指している限り、私たちチームは一つだから、皆で戦っていきます。(明日の決勝については)早大のペアは高校時代の同期が乗っていって、自分の親友でもある子が乗っています。絶対負けたくないと思っています。私もいろいろあって、就活のストレスとかで辛い時期がありました。そこで、きょうか(山本京香・政4=浦和一女)が一緒に頑張ろうって言ってくれたから、私はここまで頑張れて明日やっとその舞台に立てて、きょうかにも感謝しつつ、早大とも戦えるから、明日は本当に4年間で一番わくわくする舞台が待っているので、あとはやるだけなので、絶対勝ちます」

女子舵手付きクォドルプルクルーリーダー・植松
「(準決勝までを振り返って)調子は上がってきています。予選で早大とあたったので、自分たちが思っている以上に緊張してしまって、今までしたことないような最悪のこぎをしてしまい、監督に喝を入れてもらいました。頑張りたくていろんなことに手を出しすぎてしまったので、一度原点に戻って、ここだけは守るというポイントを一つだけ決めました。それがうまくはまって調子が戻ってきて、準決勝はいい感じでした。やっと練習してきたこぎができるようになりました。(一番意識したポイントとは)ファイナルでの足のタイミングを合わせることです。(明日の決勝については)山あり谷ありでやってきたけど、今が一番ベストで、早大や1年生で勢いのある中大やJAPANがたくさんいる筑波大と戦って勝てる状態だと思っています。周りにたくさんいて惑わされるかもしれないけど、自分たちに勝つ」