
早大を4―1で破り開幕5連勝 リーグトップに躍り出る/関東大学リーグ戦
ピンチが続く中、失点を許さなかった。2―0で迎えた第2ピリオド、ペナルティーを立て続けに犯してしまい、ディフェンディングゾーンで我慢の時間が続いた。最大のピンチは10分、1人少ないことで生まれてしまったゴール正面のスペースにパスを通され、決定的なシーンを許してしまう。しかし、磯部がシュートに対して素早く反応。「1点も与えたくなかった」(磯部)と気迫のこもったセーブでチームを救った。その後は「普段練習しているキルプレーセットの形が冷静にできた」(FW工藤翔介・政経4=北海道栄)とディフェンスでは数的有利を利用してパックを広く回す攻撃に対して、声を掛け合い相手選手を徹底的にマーク。簡単にシュートを打たせなかった。また、攻撃の芽を摘むフォアチェックもうまく機能し、終わってみれば5回に渡るキルプレーを無失点。要所での集中力で早大を見事シャットアウトした。
今秋の明大はスタートに強い。昨年から立ち上がりが課題といわれていた明大だが、この日も幸先よく先制した。第1ピリオド6分、センターライン右側でパックを受け取った工藤は相手を置き去りにするスピードでアタッキングゾーン深くまで前進。そして、ゴール前へ走り込んできたFW松本昂大(商2=北海道清水)へとラストパスをつないだ。松本は迷いなくスティックを振り抜き、ゴールへ勢いよく射抜いた。「翔介さんに『俺のパスから今日こそは決めてくれ』と言われていた」(松本)と笑って振り返る。その後12分にも追加点を挙げ、序盤からリードを奪った。
順調に白星を積み重ねている。現在、王者・中大が東洋大と引き分けたことで明大は単独トップとなった。次戦の相手はその東洋大で「チェックがうまくアグレッシブ」(工藤)と中大と引き分けた実力は本物だ。接戦が予想されるが今の明大の勢いでしっかりと勝ち切りたい。どのセットでも自分たちのホッケーが行える選手層の厚さがうかがえる。王座奪還に向けて視界は良好だ。
[鈴木貴裕]
試合後のコメント
工藤
「勝てたことは素直にうれしいです。春から早稲田に負けてないですし今回も勝てたことは成長してると思います。(先制点のアシストは)見えていたんですけど自分のパスはパックが泳いでしまって、あれはレシーブしてくれた松本くんがすごいプレーをしてくれました。やっぱりあれが決められるのはすごいプレイヤーだなと改めて思いました。立ち上がりから2点決められてスタートから自分たちが意識していることができて、最後の方は課題も残りましたけれど明治のプレーはできたかなと思います。最後の課題は反則が多くて、足が止まってしまっていたので3ピリまで走れるようにするのが課題です。普段練習しているキルプレーセットの形が冷静にできました。大量リードの攻めに行きすぎてしまうことがあるので攻め急がなければもっと点数は取れると思うし、今日もそうなんですけど守りにリズムができて0点に抑えられると思います。(次戦に向けて)チェックがうまくアグレッシブなチームですが明治もそれに負けないと思うので、体を張って勝ちにつなげられればと思います」
DF松金健太(法4=釧路江南)
「スコア以上にお互いに決定的なチャンスがありました。明治はキーパーに助けられた部分がありますし、もっと点数を取りたかったです。シュート数からの確率的には点数は悪くないがやっぱり決定的なチャンスがありましたが、そういうのをものにしていかないとこの後の東洋中央にはなかなか簡単に勝つのは難しいと思います。今日はペナルティーが多い中でPKでの失点は0だったのでそこは自信を持って良いと思うしキーパーを含め守備陣が良かったです。守りの意識は春よりは高いとです。失点が少ない理由としてはフォアチェックがはまっていることだと思います。相手の攻めだしを思うようにさせずに攻撃の芽を摘むといったところができてます。ゾーンの中というよりはラッシュで防げています。夏から強化しているトラップはこの調子でという感じです。キルプレーは少ないに越したことはないですし、東洋中央相手には流れを引き寄せることは難しくなるので今後もテーマになってくると思います。東洋も慶応に引き分けて気合入っていると思いますが、自分たちが入学してからまだ東洋には負けていないのでいいイメージを持ってプレーしていきたい」
松本
「去年苦戦を強いられていたので、すんなりではないですけど勝ててよかったです。先制できたのはいつも翔介さんに俺のパスから今日こそ決めてくれと言われている中、いいパスが来て今日は決められてよかったです。この前の試合はウイングで起用してもらったのですが、今回はセンターだったので体張ったプレーをして守りも意識していました。毎試合、入りは気を付けようと話していて良い間で点数が入ったのでそういう面では良い試合でした。今日の反省点は反則が多かったことで、やっぱりそれが多くて早稲田はパワープレーがうまくて守るのも必死でしたし、あわよくば点数が入りそうでした。今日はキーパーの磯部がしっかり止めてくれたので感謝したい。キルプレーを強いられてシュート数も減ってしまったけれど、明治のスタイルを変えずにパスを多くしてゴールにつなげたいです。個人としては点も決めたけれどまだまだ良いプレーができると思います。川村キャプテンがいないので翔介さんをはじめとする4年生について行って援護射撃ができるように頑張りたいです」
磯部
「勝ったのはうれしいけど今日自分は完封というのを目標にしていたので最後1点入れられたことに関してすごい悔しいです。まだ春の大会を通して1回も完封したことがないので、やっぱりそろそろしたいという気持ちがあって他の選手にも言っていたのですが個人的には悔しい結果です。(キルプレーでシュートを止め続けて)無失点で抑えようという気持ちがあったから止められたし、1点も与えたくなかった。DFもFWも体を張って守ってくれたのでプレイヤーに感謝です。今日は別ですがいつもは点を入れられようが勝てば良いと思っているので勝ち切る試合をつくろうと思って臨んでます。(次戦へ向けて)完封をするという目標は変えずにまずは勝つということで一つのヤマ場だと思うのでチーム全員で頑張っていきたいです」
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