櫻井克茂主将インタビュー

2016.09.20
 第4回は櫻井克茂主将(法4=岐阜県立加茂)のインタビューです。1年間チームを引っ張ってきた櫻井の最後のインカレに懸ける思いに迫ります(この取材は9月12日に行ったものです)。

――インカレ直前の心境を教えてください
櫻井
:感慨深いですね。全日本があるので明確には最後ではないですけど、大学の中で一番大きな大会なので体力的にも気持ち的にも全力で挑めるのがこの大会だと思います。悔いなくやっていきたいということで、気持ちを入れてやっています。

――印象に残っているインカレはありますか
櫻井
:2年生と3年生の時に先輩と乗らせていただいて、先輩のためにこぎたいなというか、人のために競技をすることのうれしさを知ることができた大会でした。今までは自分のためにこいでいたんですが、その2大会は先輩を勝たせたいという気持ちでこいで勝つことができたので人間的に成長できた大会でした。

――昨年主将に任命された際の気持ちを教えてください
櫻井
:何で?っていう感じでした(笑)。まさか選ばれるとは思っていなくて、僕よりもまとめる力がある人だったり、1年の時から人間的に成長した頼れる同期がいたので、僕ではないだろうと思っていました。副主将になって支える立場がいいなと思っていたら、主将になったので。最初は戸惑いしかなかったんですけど、ここまで約1年間やってきて本当に大きく成長できましたし、今思うと主将をやって良かったなと思います。人の前で話すこととかやってこなかったので、半強制的に人の前で話す立場になって、みんなに何を伝えるかとかを考えることで成長できたと思いますし、次第に楽しくなっていきました。70人近くの人に自分の考えを伝える経験はなかったですし、主将になってから部員との距離も近くなったと思います。

――チームを引っ張る際に意識してきたことは何でしょうか
櫻井
:体育会のイメージが厳しくて、上下関係があって先輩は絶対だみたいなイメージが個人的にはあったし、周りからもあったと思います。でも僕としては本当に家族のような部を作りたくて、下からも意見が言えるし、仲が良くて、でも甘やかし過ぎないで教育するころはしっかりとあってという家族のような温かさを持ったチームを目指して1年間やってきました。

――主将として悩んだ時期はありますか
櫻井
:毎日ですね(笑)。最初は一人で考えてしまうことが多かったんですけど、同期をはじめとして次の代である3年生にもできるだけ愚痴はこぼさずに、こういうことが大変なんだよということを少しでも分かるようにしてもらいつつ話を聞いてもらいましたね。

――同期はどんな存在ですか
櫻井
:とても大きな存在です。競技では同期に負けたくないという気持ちがありますし、やっぱり同期にも勝ってほしいという気持ちがあります。4年間やってきてまだメダルを取っていない同期もいるので、インカレでは取ってほしいと思いますし、全日本で一緒に乗ってメダルを取ることができたら面白いかなとも思っています。最後の最後になって同期愛がより一層大きくなってきています。

――目標としたチーム像には近付いていますか
櫻井
:まだまだ足りないところはあります。自分たちの代で一番いい部が完成するとも思っていないので、僕たちのつくった雰囲気を次の代でも伸ばしていってもらって、次の世代になるに連れてより良くなっていってくれればいいかなと思います。

――練習や寮生活で具体的に変えた部分はありますか
櫻井
:1年生の仕事の負担が少し減りました。1年生も選ばれて入ってきた優秀な選手たちばかりなので、1年生も自分の力を最大限に発揮できるように1年生の負担を少し減らして、みんなで使うようなところはみんなで掃除するようにしました。少しでも競技面に力を入れられるような環境をつくりました。練習はそんなに変えたところはありませんけど、前よりかは各クルーでメニューの意味とかも深く考えるようになりました。自分たちの必要なメニューをやれるようになったと思います。

――男子舵手なしクォドルプルは3連覇に挑みます
櫻井
:本番での強さは僕とか濱口よりも菊池の方があると思いますし、蓮沼も1年生でフレッシュな気持ちでこいでくれると思います。前までは遠慮して話さないこともあったんですけど、今では練習中でも練習を取りやめて「今のこぎはだめでした」とか後輩から言ってくれますし、思ったことを言い合えるクルーだと思います。ここまできたら3連覇を達成して4連覇、5連覇を後輩たちに達成してもらいたいというのがあるので、最後のボート生活なので悔いは残したくないです。高校時代に悔いを残したから今ここにいるので、また悔いを残すと次もやると言いかねないので、大学できっぱりと辞めるためにも精一杯やりたいと思います。

――他大からのマークも厳しいのではないでしょうか
櫻井
:どうなんですかね(笑)。正直これまでの練習であまり進めていませんでしたし、他の大学と並べて負けることもあったので、今はちょうど良くマークも外れてきたんじゃないですかね(笑)。それに対するプレッシャーも感じたりするメンツではないですしね。

――最上級生として臨むインカレで昨年までとの違いは何でしょうか
櫻井
:今までは頼れる先輩方がいて、先輩が頑張っている姿を見て、この人たちのために勝ちたいと思ってやっていたのが今回は違って、見方を変えたら僕たちが後輩を勝たせる立場になって一時期は頑張りどころが分からなくなった時もありました。でも後輩からメニューを提示してくれたり、こぎについて一生懸命語ってくれる姿を見て、今までの先輩たちに思っていた思いを後輩に対して感じていて、この後輩たちを勝たせて次につなげていってほしいと思います。

――総合優勝に向けてチーム全体の仕上がりはどうでしょうか
櫻井
:まだまだうまくいっていないクルーがあります。今回はエイトを初めて対抗で持ってきていて、エイトの仕上がりは順調で優勝を争ってくれるレベルには達していると思うんですが、その他のクルーはまだまだいろいろと詰めていかないといけないです。良くも悪くも10日あるので仕上げていってくれると思います。女子は男子よりも屈強なというか、強い選手たちが乗っているのであまり心配はしていないです。クルーボートの面でリーダーたちがうまくまとめてくれたら何の問題もなく総合優勝できてくれると思います。

――最後にインカレに向けての意気込みをお願いします。
櫻井
:勝ちます。3連覇をして次の後輩たちに4連覇をつないでいってもらうためにも、勝って終わりたいです。

――ありがとうございました!

[鈴木拓也]

 次回はインカレの展望をお送り致します。更新は明日9月21日です。お楽しみに!