7点差からの逆転劇! 日大に勝利し優勝争い踏みとどまる/関東学生秋季1部リーグ戦

2016.09.19
 怒涛(どとう)の巻き返しをみせた。優勝には勝利が絶対条件の中、首位・日大に押され前半は7点ビハインドで折り返す。後半はチームを立て直すとゴールキーパー・前原大輝(商1=横浜創学館)も好セーブを連発。徐々に点差を縮めると残り2分で門間優次郎(法2=法政二)がサイドシュートで同点へ。そして残り14秒で主将の吉野樹(政経4=千葉県私立市川)が逆転シュートを放ち見事決めると、その1点を守り切り勝利を収めた。

 劇的な逆転勝利を果たした。前半日大にペースを握られ10―17の7点差で迎えた後半。3分30秒に相手が反則で1人2分退場になり得点のチャンスが訪れると、海老原貴史(農3=藤代紫水)のサイドシュートを皮切りにその2分間で3得点。4点差まで縮めた。さらにゴールキーパー・前原が相手のシュートを足でセーブ。その2分後にも相手に与えてしまった7mスローを止めた。「位置取りが良かったから」(前原)と相手のコースを読み見事シュートを止めてみせた。前原の活躍もあり少しずつ点差を縮めると残り4分で松本崇雅(政経2=岩国)から中川翔太(営1=法政二)がパスをもらうとその勢いでシュート。ついに同点へと持ち込んだ。パスミスから再び1点リードされるも今度は門間がサイドシュートをゴールに沈め再び同点に。結末が全く分からなくなった中、29分29秒に明大がタイムアウトを取り終えた直後、吉野が逆転の1点を決めた。「すごくしびれた」(吉野)とチームと場内は大歓声。日大がすぐさま攻撃に切り替えるも、全員必死のディフェンスで何とか逃げ切り30―29で見事大逆転を成し遂げた。

 出だしはペースをつかめなかった。7点差の巻き返しをみせた後半だが、前半はディフェンスがうまく機能せず。さらにはシュートを放つも外してしまうことが多く見られ得点は10点にとどまった。それでも松本勇監督が「後半よく立ち直った」とコメントするように見事持ち直し勝利を挙げるだけの実力を確実に付けてきた。

 リーグ戦も残すところあと1試合。最終戦は国士大との戦いになる。体格の良い選手がそろう国士大との勝負のカギとなるは速攻。明大の優勝には現在首位・筑波大の敗北、そして明大の勝利に加え得失点差も意識しなければいけない厳しい状況となっているが、最後の試合まで諦めずに有終の美を飾りにいく。

[村田萌衣子]

試合後のコメント
松本監督
「立ち上がりからやっぱり昨日の疲れかな、足が動いてなくて戻りもディフェンスも。でも後半よく立ち直った。ディフェンスのシフトを少し変えて機能したという感じだね。(前半の7点差から追い付いた)それだけ力が付いたということだし、まあ吉野がマンツー(マンディフェンス)付かれなかったから最後まで勢いよかった。多少肝心なところでシュート外したりするけど、まあ1試合ずつやって経験積んでいるけれども、個々でもう少し反省しないといけないな。昨日よりはちょっと少なめで。今日はそれぞれ良い悪いがあってその中でキーパーがどうしようもなく全然当たらなかったから後半、前原頑張って、ああいうところで代えてある程度今日みたいなものが出てくればチームとしては機能する。7点をよくひっくり返したよ。そういう意味ではチームが一体となった。まだ優勝も少し残っているからよく頑張ったという感じ。(国士大は)すごい大きさもあるしセットで取るのも難しいからある程度速攻を意識しないと、全体的に今日後半はいいんだけど切羽詰まらないと戻りがものすごく遅くなるんだよね。前半は戻りが遅くて最初の何分かはみんな速攻で決められていた。やっぱり春と比べると全然戻りが遅い。春はもっと意識が高くて帰っていたんだけど、シュートで終わって戻れてなくて打ち込まれることが前半あって後半は帰ったよ。そこでしかないんだよ帰るところが。今日も1点、昨日も1点差。当たり前のことなんだけど1点の重み。いっぱいあるんだよ1点が1時間の中に。だからその1点にもっともっと守りもそうだし今日の最後の守りみたいな気持ちがもっとあれば。やっぱりそういう気持ちが1試合ずっとは無理にしてもどれだけ長い時間緊張の持った試合ができるかどうか」

吉野
「ディフェンスでどうしても上から打たれてしまって、僕らもだいぶ修正したがそれよりも遠くから打たれたりとかして守れなかったので、後半は攻撃的なディフェンスに変えて、変則ディフェンスに変えました。それで守りに入るのではなく攻撃的にどんどん追い付こうというプレッシャーを与えながらやっていきました。どうしても良い勝負になったりすると慌ててきちゃうが、慌てて良いプレーできないのでそこは落ち着いてと常に全体で話し合いながらしていました。(最後の逆転シュートは)後半の途中から僕がセンターに入ってポストと攻めるというのが機能し始めていて、最後も同じプレーでそれが無事決まって良かったです。(決まった瞬間は)すごくしびれました。でも決めた分そのまま日大が攻めてくるので何としてでも守ろうと一生懸命守りました。(前半は)ディフェンスも駄目だったしオフェンスもカットされたりとかミスしたり、シュートにいけているのに入らなかったり。全然なかなか明治ペースをつかむことができなかったのでシュート一本一本の重みっていうのをやっぱすごい痛感した試合だったのかなと思います。優勝は筑波が負けなければ僕らには絶対ないので、せめてインカレシード権のために4位までには絶対に入りたいと思っていたので負けは許されない試合だったので、前半大差をつけられましたが最後まで諦めないで一丸と戦えてよかったかなと思います。(最終戦に向けて)国士はサイズがあって、セットオフェンスとかがうまく崩せなかったり、日大のようにシュートを外して自分のペースに持っていけなかったりとかあると思うんですけど、やっぱ速攻とかで押して、ディフェンスから速攻で戦いたいなと思います」

前原
「前半は日大の押せ押せの雰囲気に呑まれてしまって、みんな自分のプレーができていなかった。自分も出るとこ出られなくて、引くべきじゃないところで引いてしまった。(後半途中出場した時)あの時はもう本当に負けると思っていました。でも追いつけない点差ではなかったので、自分の仕事をするだけでした。やることやっただけです。(7mシュートを止められた要因)それまでに2本流しで打たれていたので流しに立って、そしたら素直に引っ張って打ってくれました。位置取りが良かったから止められました。中川や山田はすごい人です。自分は比べられるレベルでもないので、ストイックに練習でシュートを研究しています。もちろん2人のシュートもです。最終戦勝てば優勝の可能性が残ってるので、勝ちたい。でも1戦は1戦なので、特に深いことは考えずいつも通り、自分と飛知和さん(龍哉・営3=法政二)で国士大の対策をしっかりやって挑みたいです」