
専大に3-0で完封勝利 2位との勝ち点差を9に広げ独走/関東大学1部リーグ戦
圧巻の無失点勝利を収めた。「練習試合も含めて立ち上がりに失点する」(小出)ことがチームの課題で、前節の国士大戦でも開始6分に相手に失点を許し、前半は苦しい状態に陥った明大。そんな中で臨んだ今試合は、開始からハイプレスを積極的にかけ、自陣に攻め込ませない守備を展開。専大の4-3-3のポジションに対応する守備を意識した。「33番をケアしたことによってラインも押し上がっていった」(栗田大輔監督)と序盤は相手のボランチの選手に苦戦するも、丹羽詩温(文4=大阪桐蔭)を下げることによって中盤での数的不利を解消した。また、「球際、運動量、切り替えを意識した」(河面旺成・政経4=作陽)と基本を徹底し、守備の3原則で相手の得点を許さず。リーグ優勝には高い守備力が必要不可欠、堅守を武器に快進撃を進めたい。
ゴールに懸ける思いもひとしおだ。前半35分、高い位置でボールを奪った早坂が素早くパスをつなぐと、ボールは櫻井の元へ。ペナルティーエリア右でボールを受けた櫻井は空いたコースに速いモーションでシュート放つ。鋭い回転のかかったボールはゴールに吸い込まれた。「イメージ通り」(櫻井)と満足気にゴールした瞬間を振り返った。前節のリーグ戦初ゴールから2試合連続ゴールをマークした櫻井。しかし、以前先発出場した天皇杯予選東京都トーナメント1回戦立正大戦では悔しくも不発に終わっていた。それから夏のトレーニングではシュートとラストパスにこだわり、課題であった得点力を改善。「次使ってもらえたら、絶対点を取ってやろうと思っていた」(櫻井)と言葉通り得点を挙げ、爪痕を残した。
勢いが止まらない。リーグ戦で現在、1位を走っている明大は2位と勝ち点を9に広げ、独走状態に入った。8月の総理大臣杯で創部初優勝を果たし、リーグ制覇に向けても大きくリードしている。「チームの状態が非常にいい」(栗田監督)と2試合で7得点1失点と攻守にわたり絶好調だ。しかし、勝利は約束されていない。6年ぶりのリーグ制覇に向け、着実に勝ち点3を物にしていきたい。次節は現在10位の駒大戦。駒大は攻撃に重きを置くチームだが、明大の堅守で圧倒してみせる。
[古賀章太郎]
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試合後のコメント
栗田監督
「非常にいいゲームだったかなと思います。トレーニングをみんなきっちりやっていて誰が出ても同じ絵が描けているので、起用する選手に全く不安を抱えないで送り出せているのでいい状態だと思います。(今日の狙いは)専修さんのシステムの4-3-3にどう対応するか。球際や切り替えという縦に推進力のあるチームなので、基本のスキルをきちんとやるように。3つ目はポジションに対応した守備。どこでどういうサッカーをするのかという狙いをきちんと持つことというのを意識して試合に入りました。そういう意味では狙い通りのサッカーができて、1点1点積み重なったので、非常に相手にはボディーブローの他に効くサッカーだったんじゃないかなと思います。(1枚目の交代が富田選手でしたが)丹羽が前半立ち上がりに膝を強打してしまったので、連戦もあったので大事を取って交代しました。(スターティングメンバ―に早坂選手の起用)国士大戦の後半で早坂が非常にゲームを変えてくれた好調ぶりをそのまま維持した形でということで早坂にしました。ハーフタイム終わって、立ち上がりがすごく大事だということで送り出したのですが、思ったよりも頭が止まっていたのかなという印象があります。なのでピッチサイドから、頭回転速くしろと支持して、そういう中で選手が修正していきました。相手ボランチの33番の選手が、どうしても捕まえるところが迷っていたので、FWが1枚降りるように指示していたんですけど、そこをはっきり丹羽に見させて、33番をケアしたことによってラインも押しあがっていった気がします。残り9試合あるんで、9敗してしまったら逆転されてしまいますから、一試合一試合やっていかないといけないなと思います。ただ、追い風というか風が吹いているかなというような今日の結果かなと思います。(選手のケアについて)大臣杯で1週間に5試合やっているのが経験になっていると思うので、コンディション整えて戦いたいと思います。(駒大との対戦について)今チームの状態が非常にいいので、気を緩まさずに全員が目標に向かって浮つかなければいいゲームになるんじゃないかなと思います」
河面
「全体としては、球際、運動量、切り替えを意識したらおのずと結果はついてくるという話はしてたんで、そこで相手より差を付けることができたのが大きかったです。あと、前回、立ち上がりというのが課題になったんですが今回は克服できたと思います。僕のサイドは比較的は張ってくる状態が多かったんで1対1が増えたんですけど、そこでしっかり戦うことができました。14番のトップ下のところで、付きづらい部分があったんですけど試合の中で修正していったのでストレスを感じずにできました。ハーフタイムでは、もう1点取りに行くっていうのと、守備は絶対0で抑えようという話がありました。コーナーの数が多く、道渕がいなかった分、僕が両サイドで蹴る場面が多かったので、1本ぐらい決めてくれという気持ちで、蹴ったら中で合わせてくれるとは思っていたので決まってよかったです。首位とかあまり考えずに、次もしっかり勝って結果を出したいです」
小出
「点を取ったことはうれしいはうれしいですけどそんなに意識はしていなくて、無失点で終われたというのが一番自分たちが今日こだわったことなのでそれができて本当にうれしいですね。(試合に入った時の狙いは)練習試合も含めて立ち上がりに失点するというのがチームの課題として話し合っていて、立ち上がりにまず守備から入ってゲームを自分たちの流れで進めると意識をしていたので、まずやっぱりそこは0点で抑えたことが試合を通じて無失点で終われたということにつながったのかなと思っています。(専大の縦に速いサッカーへの対応は)セカンドボールのところは意識しようという話をしたくらいで、特に相手のキッカーについて意識したのは他には奪ったあとにどんどん前に出てくるので、そこはしっかりマークついていくことだったり単純なことなので、そういったところは意識していました。(相手FWへの対応は)相手は中盤が人数多くて自分たちも後半最後の方相手のポジショニングに苦しめられたんですけど、最悪ディフェンスラインはマンツーマンで守り切れるくらいの守備の仕方をすれば問題ないと思っていたので、そこはもう割り切ってやっていました。(相手は4-3-3のシステムでしたがポジショニングの面は)ポジショニングうんぬんというより今日は球際で負けないことだったり切り替えで負けないとか最後失点しなきゃいいという気持ちでやっていたので、そこでのストレスというのはそんなにはなかったです。(ゴールシーンは)あれだけコーナーキックあったら一本くらいはチームとして決めなきゃいけないなと思っていたので、思い切って打ったという感じです。ボールが本当によかったので相手も思うようにクリアできなかったりマークつきにくかったというのもあると思いますね。ボールが本当によかったですね、河面の。(2位と勝ち点9差での首位です)あまり意識しないで一戦一戦全勝すれば単純に優勝できるので、あまり他のチームのことは気にしないで目の前の試合にしっかり勝っていくということを意識してやっていきたいと思います。(次戦は駒大との一戦です)ディフェンスラインの跳ね返しであったり相手のFWに負けないというところが本当にキーになってくると思うので、そこを意識してしっかり取り組んでいきたいと思います」
早坂
「(今日の試合を振り返ってみて)前節の前半の立ち上がりがあまり良くなかったので、今回の試合は立ち上がりから失点しないで、前半を折り返そうっていうのが一つ自分たちの中のではあって、そこで運良く点を取れて前半折り返せたのが後半の結果とかにも繋がったので、理想的な試合運びだったと思います。(守備面で意識したこと)柴戸と話し合って、相手の中盤の選手が3枚いて、1枚多かったので、数的に不利な状態で、どうやって守るかっていうのはよく話し合っていて、そんな中で前半に2、3回僕らが食いついてしまって、ボランチ二人が置いていかれる場面が何度かあったので、そこを修正しようっていう風に後半臨みました。(1点目はご自身のパスカットが起点となったが)イメージ全体として下がらない守備っていうのが全体のテーマとして置いてあるので、高い位置で失った時に、全体が前で守備をするっていう意識があったのが、たまたま得点に繋がっただけです。今までやってきたことが得点に現れたのかなと思います。(今日の相手、専大に対する対策は)専大の攻撃は独特で、ボランチがサイドに開いてサイドで縦に速くっていう風な攻撃なので、相手の中盤についていくのか、受け渡すのかっていうのはピッチの中でも頻繁話し合っていたので、結構展開は早い感じに思えたんですけど、中でやっている分にはそこまできつさはなかった。みんなでうまく、人ではなくて、場所を守るっていうのが90分通してできたと思う。(柴戸との相性)海(柴戸)が結構運動量豊富で、いろんなところに走り回ってくれるので、僕は落ち着いて周り見て捌けるっていうのがあるので、非常にいい関係でやれていると思います。(次の試合に向けて)一週間で3試合あったのを最後の試合に勝つことによって3連戦で勝ち点9と下との差を広げるとともに自分たちでも勝ち点51っていうのを目標に掲げているので、他のチームとは関係なく最後、リーグ戦が終わった時に51に積み上げられるようにまず次の試合も勝ちを目指してやっていきたいと思います」
櫻井
「(ゴールシーンについて)前回右足でシュート決めてて、それで相手も右足を結構切ってたので、それを利用して、カットインしてイメージ通り決められた。(イメージ通りだったか)切り返して左足で打つっていうのはイメージ通りだったんですけど、少しシュートスピードが甘くて、それで相手に当たって、コース変わってゴールになりました。少しラッキーなゴールでした(決めた瞬間は)結構喜びました。やっぱり、道渕くんが前節ああいった形で今日の試合出れないってなって当然すごい悔しい気持ちがあったと思うので、自分が代わりじゃないですけど、絶対選手が変わっても、明大は強いんだということを証明したかったので、それで自分が結果っていう形で表せたので、すごい嬉しかったです。(道渕を脅かす活躍ができたと思うか)絶対結果を残してやろうという気持ちで入ったんで、ゴールが決まった瞬間はすごい嬉しかったです。スタメンだけ強いっていう形ではチームとして、底上げっていう点で一人抜けたらダメだっていう感じではこの先のリーグ戦で戦っていけないので、そこはもちろん道渕を追い抜くっていう形でやってるんですけど、良いところ認めて切磋琢磨していきたいです。(今日の結果でアピールできたか)もちろんもっと自分の中で上を目指してやっているので、1ゴール取れたってことで、アピールはできたと思います。(前の試合でも点を取ったが)前節決めたから、今日ももちろんで入ったんですけど、やっぱ、途中出場とスタメンっていうのは気持ちの準備の仕方も違うので、スタメンでも全然やれるんだぞっていうところをアピールしたかったので、点を絶対スタメンで取ってやろうと結果にこだわってやっていました。(天皇杯でああいう結果に終わり、スタメンを外されたことで自分なりに考えたことは)ああいった形で立正大戦で敗れて、自分がスタメンできようしてもらったのに、結果を残せなかったのは、すごい悔しい気持ちだったので、次使ってもらえたら、絶対点を取ってやろうという気持ちでこの夏の中断期間中ずっとやってきたので、今日は点を取ることができたんですけど、これを継続していかないとスタッフからの信頼は勝ち取れないと思うので、一喜一憂せずにこれからもずっと結果にこだわってやっていきたいです。(夏の間に自分で強化していたことは)今まで、ずっとラストパスの精度とシュートの部分で結果を残さないと良い選手とは言えないと言われていました。(道渕にはない自分の特徴は)ゴール前の一対一です。道渕くんはパワフルなドリブルでどんなところからでも打開できるんですけど、自分はそういったところがないので、ゴール前のシザースからのシュートとか一瞬のスピードです。(勝ち点が2位9差ですが優勝についてどう考えているか)総理大臣杯で自分は途中交代をしてて、優勝してるが、結果は出せていなかった。嬉しいんですけど、やっぱり悔しい気持ちでいた自分もいたので、このリーグ戦では結果を出し続けて、優勝した時にチームに貢献したって胸張って言えるようにやっていきたいです」
柴戸海(政経3=市立船橋)
「3ー0という形で終われることはすごく良かったですし、無失点という目標を掲げていた中で守備をしっかり抑えることができ終われたので良いゲームだったなと思います。前節の立ち上がりだったり、前半の部分を修正しようということで入って、修正できたし全体的に固いゲームができたのはよかったです。でも、まだまだ反省することはありますし、まだやっていかなきゃいけなき部分はあるのでそこを修正して駒澤戦に向けて準備していきたいです。専修がするサッカーはもともと分かっていましたし、自分たちは回される中でも打たせない、クロスあげさせないって部分を徹底していこうということだったので、そこの一対一の部分やゴール前での一人一人の責任感はかなり見られました。持たれる時間は多かったですけど、ブレずに戦えたというのは今日無失点で勝てた要因です。(相手の33番の対応)前半では少し浮いてしまって、そこから展開されるシーンは多かったのですが、HTでトップに少し33番を見させて、展開してくる最初の部分を抑えて、自分とハヤくん(早坂)のツーボランチで相手のツーシャドーを意識しながら、出られる時には出る対応をしていきました。後半は一人一人のプレッシャーの掛け方もよかったですし、次の予測もできていました。でも、疲れもあって出足のところで遅くなるのもあって、そこをしっかりできないとインカレに向けてつながっていかないのでもっと突き詰めていきたいです。(早坂選手とのコンビ)本当に気を使ってくれて、気配りができる選手でとてもやりやすいです。ポジション取りや声掛けにバランスも取れますし、足元も技術があって展開力もあるので、戦うって場面もところどころ見られていたので本当にやりやすい選手の一人です。(コンビ相手が激戦区となっているが)去年から結構変わったりしていて、誰が相方になっても自分のやることは変わらないですし、自分の出したい部分を出しながらコンビ相手の特徴を理解した上で二人で協力しながら、中盤の部分を二人で圧倒しようと考えています。(勝ち点差9点だが)自分たちは後期は後期で考えているので、後期は圧倒して1位でも圧倒してやっていくとチームで決めています。目の前の1試合1試合を戦っていくしかないかなと思います。いつ足元をすくわれるかわかれてここから落ちていく可能性もあるので、やることをしっかり一人一人考えて一心になってやっていかなきゃいけません。疲労もないわけではないですが、出たくても出られない選手もいるので、試合に出るからには、強い責任感と覚悟を持って戦わなきゃいけません。また、出られない人や応援してくれる人のためにもピッチに立ったら全力でやっていきたいです。(専大戦に向けて)相手のサッカー自体は今回とは変わってきますが、自分たちのやることは変わらないので、相手を見ながらしっかり次も無失点で抑え、この3日間しっかり準備したいです」
富田
「後半の残り30分くらいに投入されて、運動量と守備を求められていたので、まずはそこから入りました。自分が軽いプレーをすると失点したり、流れを変えてしまうので、気持ちはしっかり入れて入りました。みんなで取れたゴールでたまたま自分が決められただけです。正直狙ったところには蹴れていないけど、ゴールに近かったのでとりあえず思いっきり蹴ろうと気持ち込めていったたまたま神様コースにいきましたがまぐれです。ファーに流れてきて、ニアに狙い過ぎるとキーパーが来るかなと思ってあえてファーを狙ってはいたんですけど、上にいったのはたまたまです。(ゴールは大臣杯以来)長かったですね。点に関わらないと前線で出ている意味がないので、結果を残せてよかったです。でも、まだまだ守備だったり改善点はたくさんあるので、連勝を止めないことはもちろんですけど、個人のスキルアップもしていきたいです。(丹羽選手が下がったあとはツートップのポジションにいったが)いつもやらないポジションだったんですけど、明治で求められていることは変わらないので、守備とかも意識してやりました。(交代の選手の活躍)明治は誰が出てもスタメンの選手と変わりなくプレーできるのが明治の良いところです。応援の選手はもちろん気持ち一つになっているので、誰が出ても結果を残せると思いますし、そこには明治の層の厚さがあると思います。(今後に向けて)個人の結果もうれしいですけど、チームが勝つことが一番なのでこれからも明治らしさを持って勝っていきたいです」
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