法大に競り勝つも早大に大敗 7年連続の準優勝/東京六大学リーグ戦

2016.09.11
 またも2位にとどまった。リーグの垣根を超えて六大学の選手が集う今大会。昨年敗戦を喫した法大に僅差で勝利し、お互い全勝同士で臨んだ早稲田戦。六大学2番手の汚名返上のためチーム一丸となって挑んだものの、結果は1―7と惨敗。早大の優勝は15回目となり、明大は7年連続の2位と王者の貫禄を見せつけられた。
 早大の壁は厚かった。昨年は1998年以来17年振りに早大に勝利しながらも法大にまさかの敗戦。涙を飲んだ。今大会も明早戦の結果に優勝が託された。最初の70㎏級を落とし、早くも早大に流れが向かうなか登場したのは97㎏級の二ノ宮寛斗(営1=岐南工)。開始1分30秒にバックポイントを奪い先制すると相手に手綱は渡さなかった。続けざまに相手の後ろに回りローリングで2回転。第1ピリオドを8―0で終えた。第2ピリオドも果敢に攻め続け最終結果は10―0。頼れる1年生が1―1とし勝負を振り出しに戻した。
 しかし、続く試合で太刀打ちできず4連敗。この時点で明大の負けは決まったものの一矢報いたい第7戦。マットに上がったのは74㎏級の本多正龍(営3=島原)だ。常に攻めてくる相手に屈することなく応戦。1分16秒で場外に押し出され先制されるも、直後に相手の後ろを取ってみせ2―1とリードし第2ピリオドを迎える。しかし、その後は続けざまにバックを取られ結果は2―9。「勝てる相手だったのに相手の止まらない攻撃に終盤ばててしまった」(本多)と体力面の課題が露呈した。最終試合もフォール負けを喫し、最終スコアは1―7。二ノ宮の勝ちでなんとか全敗は防いだものの王者早大の前に力負けした。
 
 先日のインカレでは確かな手応えをつかんだ明大勢。しかし、目の前にそびえる早大の壁はたやすく越えられるほど低くはなかった。「来年に期待したい」(大山博貴・営4=仙台育英)。団体戦は春のリーグ戦まで間が空く。後期は個人戦が続くなか、一人一人が課題克服を目指して練習に励む。今後の選手の活躍に期待だ。

[谷山美海]

試合後のコメント
中出幹児監督

「去年も2位で、今年こそはと優勝を狙っていましたがやはり早稲田との差はあるなと感じた。選手は力を十二分に発揮したと思いますが、いかんせん力の差が明らかになっている。後期はそこを埋められるかが大事になってくると思う。こういった大会で普段1部校として戦う大学と2部所属の大学が戦うことは、お互いにとっても刺激になる。集まれる時には練習会もしたりできたら、伝統の六大学から競技の盛り上げ役として一役買える日が来るだろうね」

安西信昌コーチ
「万年2位という結果。驚きもしない結果。それでも、いい意味でちょっとずつ変化はある。勝ちたい気持ちを持って、もがいていることとかね。本当に勝って欲しいなと思っていつも見ている。法大戦は一試合一試合を見たら何も驚かない結果。勝つべき人が勝って、勝てたというかね。法大ともそれぐらいの差しかない訳だから、もっと練習しなければいけないなと。秋も大会はいっぱいあるから、全員優勝目指して頑張って欲しい」

大山
「2位で残念。昨年早稲田に勝っている中だったので、今年こそはという気持ちだったんだけどね。早稲田も戦力アップしていた。監督から早稲田は大山が出ろ、という事でその試合だけ出る予定だったけれどそれ以外も結構危ないなとなって出ました。法大戦とか勝ててよかった。下級生にもメンバーはある程度残るので、来年に期待したい。個人としてもまだ全グレや内閣があるので、優勝目指して頑張ります」

本多
「僕は練習でできることが試合じゃ発揮できないタイプで、なるべく実戦で経験を積みたくて早大も含めいろんな試合に出させてもらった。早大に関しては練習じゃ勝てる相手だったんでいけるかなと思ったけど、2ピリ目で動けなくなったりとやっぱり課題がある。このままだとまた海人に出場機会を取られるなって。(早大戦について)最初はポイントを抑えて、自分がいけると思ったら一気に攻めるっていうのをやって上手くはまった。勝てる相手だったのに相手の止まらない攻撃に終盤ばててしまった。安西コーチとも話して、後半の試合の組立てと体力面が今後の課題。(今後の意気込み)やはり来年4年生になってリーグ戦にも主力で出たいし、チームの順位も自分の力も上げていきたい」

奥田海人(政経2=霞ヶ浦)
「これからリーグ戦などで大事な試合は本多先輩と僕のどちらかが出なければいけないので、交互に出て経験を積もうってことで早大戦には出なかった。相手がいるスポーツなんで相性だったり、調子だったりを照らし合わせてどちらが出るか決めている。本当は早大戦も出たかったけど、大事なところで出られなくて情けない。自分が出れば何か違ったかもしれないので悔しい。(出場した全試合でフォール勝ち)大会ルールでテクニカルフォール勝ちがない分試合を決めるにはフォール勝ちが一番だし、内容点も高いので。(試合に出ていない際も他の選手への声出しがよく聞こえますが)やはり団体戦なんで盛り上げていかないと。学年関係なく声出していこうとは1年次から意識してやっている。(今後の意気込み)先日まで全日本合宿にグレコで参加していて、そこで良い技術を教えてもらったのでまずは10月の全グレで結果を出したい」

二ノ宮
「昨日まで全日本合宿に参加していて疲れが残る中での試合だった。自分が任された試合は全部勝つというのと、テクニカルフォールがないのでできるだけフォールで勝とうという気持ちで臨んだ。実際はフォールに持っていく技がなくてフォールできずに勝ったっていう感じだった。自分はどんどん攻めて点を取って勝つっていうスタイルなんで、後半はばてて全然点数が取れなかった。それがこの大会独自のルールでの難しさだった。普段の試合でも競ったときは6分間戦わなきゃいけないので体力不足なのかなとも思った。(今日の試合で感じたこと)日頃から早大の1年生と仲良いが、やはり意識の差を感じる。そこが早大との差なのかなと。自分の力だけじゃどうにもならないこともあるかもしれないが、それでも自分は団体戦で負けちゃいけないポジションにいたい。どの試合も絶対に勝つっていう気持ちでこれからも臨んでいきたい」