
110mHで高山が16年ぶりインカレV/日本学生対校選手権
ラストイヤーで強さを見せつけた。5月の関カレを明大新記録で優勝という華々しい形で終えて臨んだ今大会。「あまりいい状態ではなかった」と、関カレでのケガの影響を感じながらも予選、準決勝ともに1着で勝ち進んだ。そして迎えた決勝戦。向かい風の吹く中、ピストルの音と同時に飛び出した高山は、接戦を制し、誰よりも早くゴールラインを越えた。本調子でない中でもその勝負強さを見せ、最後のインカレで見事日本一に輝いた。
「タイムが遅いのでそこが悔しい」。序盤はよかったものの、中盤で気が抜けてしまったとレースを振り返り、修正点を挙げた。優勝という結果だけに浸ることなく、貪欲にさらなる向上を目指す。「とにかく自己ベストを0.01秒更新できれば」。その謙虚な姿勢がさらなる成長を予感させる。
「陸上はすごく好きなので」。大学を卒業しても陸上を続けることを断言。明大出身の選手がまた一人、日本スポーツ界でその名をとどろかせる日も近い。
大学の舞台で本領を発揮した。インカレという大舞台で女子100mHの藤森は1年生ながら6位入賞し、健闘を見せた。そんな彼女も、大学デビュー戦の関カレは「自分が変だった」と、自分の走りができず、ほろ苦いものだった。しかし、それから4カ月。環境の変化にも慣れ、新たな気持ちで練習を積んできた藤森は、インカレの場で本来の強さを見せた。それでも「自己ベストにはまだまだ」と悔しさも見せる。目標は「全部の大会優勝で」。笑顔でこう語る藤森の躍進は止まらない。
3日間に渡って行われた今大会。合宿直後で調整不足だったこともあり、期待された長距離、中距離で結果が伸び悩んだ。しかし、その中でも男子1万mWでは野田が4位入賞、塩島亮太(法4=豊科)は6位入賞を果たした。また、男子1500mでは河村が自己記録を更新するなどの健闘も見られた。これから始まる駅伝シーズン、そして来シーズンに向けて再スタートを切る。
[高野夕]
試合後のコメント
塩島
「(初入賞)ようやく自分らしいレースができた。去年の冬から調子が上がってきて関カレと個人選手権で入賞していたので今回はラストという特別な思いを持ってやっていたら入賞することが出来てよかった。今までのレースは気持ちの部分で負けていた。特にラスト5000mくらいになると前の集団に離されてしまうのが課題だったのでそういったところが直ったかなと思っている。今回はそこでの粘りが勝因だったかなと思っています。(レースの良かった点ダメだった点)最初の1000mからあまり調子がよくなく蒸し暑かったが粘りを見せることができて入賞できた。ただ、もう少し前の集団についていきタイムを上げたかった。自己ベストより1分半以上遅いのでそこをもう少し短縮できれば順位も二つ三つ変わってきたのかなとは思っている。(今後)国体とかもあり、残り少ないレースなのでまずはスピードの感覚をもう1度見直して粘れるように作り直していきたい」
高山
「優勝したのはうれしいけど、タイムが遅いのでそこが悔しい。(レース内容は)前半がすごく良かったが、中盤で気が抜けたのか腰が抜けることがあったので、そこが修正しなければいけないところかなと思う。ゴールした後に横に人がいたのであまり優勝した実感はなかった。(予選からの調子は)予選はあまり体が動かなくて、やっと準決勝でいい感じに動いていたが、決勝では向かい風もあり、なかなか体が動かなかった。(関東インカレでのケガは)1回治ったが、8月にまた痛めてしまって、今日もあまりいい状態ではなかったかなと。(練習は)夏にスピードを上げる練習をしていたが、また痛めたので最近は落とし気味に走らないようにしていた。いつも通りやろうかなという感じだったので、プレッシャーとかそういうのはあまり考えずに走った。(卒業後の進路)まだ決まっていなくて9月か10月には決まるかなと。もちろん(陸上は)続ける。目標はやはり自己ベスト。とにかく自己ベストを0.01秒更新できれば」
野田
「(レースを振り返って)体調が良かったので、最初からいつも通り積極的にいったが、思った以上に自分の体が動いてなかった。自分意識と体の状態がマッチしていなくて、思った以上にタイムが伸びずにズルズルと4位でゴールしてしまった。(序盤は先頭に立っていたが)誰も出ないだろうなと思っていたので、自分が行くしかないと思った。いつもだったら東洋大学の松永さんが一気に出てくれるが、今回はいなかったので。(山西に先頭を奪われたが)正直自分の中でいっぱいいっぱいで、もうだめだなと思った。これ以上ペースを上げると警告などが出て、危ないかと思ったのでそのまま行かせた(今日の課題は)合宿明けで疲れがあったが、それは言い訳なので、やはり課題としては調整不足。自分の体調を把握しきれていないと感じた。(今後に向けての取り組み)10月の終に、高畠の大会で50kmに出場するが、今回はトラックだったので、50kmに向けてしっかり距離を踏みたい」
河村
「(レースの感想)昨日までの合宿の中で調整はしていたのだが、関東インカレのようなキレはないだろうなと思っていた。その中でも他の1年生がけっこういい順位だったので、それが悔しかったが、一応及第点かなとは思う。(予選では自己新記録をマークしたが)夏、長距離走を結構して、スタミナがついてきたと思うので、タイムは出るだろうなとは思っていたが、想像以上に速いタイムだった。(今後決勝のようなスローペースに対応するためにはどうしたいか)今まではスピード練習を行ってこなかったが、しっかり走れれば対応できるかなって感じだったので、とにかく今はしっかり練習して、来年しっかりキレが戻った時に、同期に負けないようにしっかり練習を積んでいきたい。(今後の目標は)まだ1年生なので、ガツガツ行けてない感じはするので、学年が上がっていく中で練習を引っ張っていけるようになっていきたい」
藤森
「(今の気持ちは)嬉しさ半分、悔しさ半分。決勝で走れたことは嬉しいが、まだまだ記録がベストに届いていないので悔しい。(目標は)具体的に何位という目標は立てず、決勝ではベストを尽くそうと思っていた。(関カレから大躍進だが)関カレは自分が駄目すぎて、全然自分の走りができなかった。悔しさより、ただ単に自分がおかしかっただけと感じた。今回はちょっとずつ自分の走りができてきた。自分の走りができれば決勝に行けると思っていた。(今後の目標は)全部の大会で優勝すること。あとは、記録を狙っていくこと。(それに向けて)走力が足りていないので、100mが速い人と同じくらいの走力をつけたい。」
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