ルーキー特集(4)萩尾悠貴・羽田野航

2016.09.02
 期待の新人が躍進を支える。7月の東京都ジュニア体重別選手権では全選手が勝利するなど、その確かな実力を見せた1年生。今週末には東京学生体重別選手権が控え、いよいよ秋季の戦いが始まる。今特集では、未来を担うルーキー9人を紹介していく。

 第4回は、66㎏級の萩尾悠貴(商1=愛知県三河)と60㎏級の羽田野航(政経1=四日市中央工)の紹介です!

萩尾悠貴
 勝利の秘訣は平常心。立ち技だけでなく寝技も得意とする萩尾は、常に次の一手を考えながら試合を進める頭脳派ルーキーだ。試合前に意識することは「気合を入れすぎず冷静になれるように相手を見ること」。そして自分の理想とする試合運びを頭の中でつくり試合に臨む。試合では計画的に相手から指導を奪いつつ、時には得意の背負い投げで豪快な一本を決め勝利を挙げる。
 敗戦が成長のきっかけとなった。大学のレベルに気後れしてしまい柔道に対する熱が冷めかけていた時、萩尾の目を覚まさせたのは東京都ジュニア体重別選手権の敗戦だった。「このままじゃダメだ」。大学デビュー戦で感じたのは焦りだった。その日から萩尾は自分を変える努力を始める。「試合になると組み手ができなくなる」と冷静に自らの弱点を自己分析し、稽古では常に引き手を意識した。同階級の橋口祐葵主将(政経4=延岡学園)にアドバイスをもらいながら組み手を研究する試行錯誤の日々。気づくと「自分の思うような試合運びができるようになっていた」と稽古の成果は目に見え始めている。まだ発達段階だが、目標である個人での日本一に向け成長の一途を辿っている。

◆萩尾悠貴(はぎお・ゆうき) 商1 愛知県三河高出 167㎝・70㎏
 2015年インターハイ出場。同級の羽田野の父の道場で柔道を始める。趣味は食べ歩き。大の甘味好きだが体重管理のため制限している。座右の銘は「意志あるところに道は開ける」。

羽田野航
 軽量級期待の新星だ! ルーキーの中でも最軽量級の羽田野は、先の東京都ジュニア体重別選手権で準優勝と早くも結果を残した選手の一人だ。大学以前の成績も華々しく、2015年インターハイ準優勝や2014年のアジアカデ選手権大会優勝など国内外問わずの好成績。「我慢強さ」が売りだという羽田野は、一度取ったポイントを守り抜き、取られたポイントは取り返す強気な柔道家だ。練習の段階から常に試合を徹底的に意識し試合でその実力を十分に発揮する。
 柔道人生最大の挫折を救ったのは恩師の存在だった。高校2年次に腕を骨折し、医師から「手術をしないと治らない」と宣告され手術を受けた。しかし、手術した腕は思うように動かなかった。「やる気がなくなった」。意気消沈していた羽田野に手を差し伸べたのは、高校の監督であり下宿生活でも面倒を見てもらっていた弓矢竜太監督。監督に連れられ様々な病院を回った羽田野は次第に回復し再び柔道ができるようになっていた。2年生で逃したインターハイ出場も、3年には出場し最後の最後で準優勝という結果も得た。「ありがとうございますと伝えたい」。今も連絡を取り続けている恩師からは次の全日本ジュニア体重別選手権へ向け「全国取れよ」と一言。9月10日に迫る全日本ジュニアで恩師に「優勝」の二文字を届けたい。

◆羽田野航(はたの・わたる) 政経1 四日市中央工高出 159㎝・64㎏
 2015年インターハイ準優勝、2014年全日本カデ体重別選手権準優勝を経験。全日本柔道連盟のC強化選手に選出されている。趣味は友人とショッピングに出かけること。座右の銘は「剛毅朴訥(ごうきぼくとつ)」。

[長谷川千華]

次回はいよいよ最終回、83㎏級山本康生(商1=崇徳)を特集します。更新は9月3日(土)の夜、お楽しみに!