ルーキー特集(3)並木泰雅・西園航太

2016.09.01
 期待の新人が躍進を支える。7月の東京都ジュニア体重別選手権では全選手が勝利するなど、その確かな実力を見せた1年生。今週末には東京学生体重別選手権が控え、いよいよ秋季の戦いが始まる。今特集では、未来を担うルーキー9人を紹介していく。

 第3回は、100㎏超級の並木泰雅(政経1=愛知県私立大成)と73㎏級の西園航太(法1=長崎日大)の紹介です!

並木泰雅
 パワー型大物ルーキーだ! 身長183㎝、体重123㎏とルーキーの中で最も大柄な並木はベンチプレス140㎏を持ち挙げる剛腕の持ち主。「これが強さ」と断言する自慢のパワーは、高校時代に自主的に行っていたタイヤ引きやウエイトトレーニングの賜物だ。高校最後の金鷲旗全国大会準決勝では、東の強豪足立学園の大将を相手に襲いかかるような組み手と強引な揺さぶりで指導を4つ奪い投げることなく勝利を挙げた。力で相手をねじ伏せる、強引ともいえるこの戦い方こそが並木の柔道だ。
 自分の弱さも知っている。「メンタルは自分に一番足りないもの」。大学デビュー戦を飾った東京都ジュニア体重別選手権の準々決勝で対戦したのは、最後のインターハイで敗れた因縁の相手だった。内股返しで先に有効を奪った並木だったが、再び内股をかけられ耐えきれず一本負け。あと一勝で全日本ジュニアへの出場が決まる一戦だっただけにより一層悔しい敗戦となった。
 目標はすぐ近くにある。並木と同階級にいるのは小川雄勢(政経2=修徳)や田中源大(政経2=高川学園)など1年次から活躍するエース級の選手ばかり。「越したいというよりも今は早く追いつきたい」と精神面でも尊敬する先輩への憧憬を覗かせる。いつか偉大な先輩と肩を並べるまで並木は本物の強さを求め続けるだろう。

◆並木泰雅(なみき・たいが) 政経1 愛知県私立大成高出 183㎝・123㎏
 高校2年次から団体、個人ともにインターハイに出場。小学1年生から柔道を始めわずか3年で県チャンピオンの座に登りつめた実力者。趣味は風景画のデッサン。座右の銘は「継続は力なり」。

西園航太
 身上は粘りの柔道だ。西園は自らの柔道スタイルを「相手が嫌がる柔道」と評す。その持ち味が生きたのは入学後初めての大会でベスト8に入った東京都ジュニア体重別選手権。一本勝ちは一つでも、組手や足技を使い分け、指導を取らせるなど持ち味を発揮した。
 環境の変化のあった高校時代が自身を成長させた。神奈川県出身の西園にとって、高校があった長崎県はかなり新鮮な空間だった。「とても田舎で周りに何もなかったので、それがとても集中できる環境だった」(西園)という言葉通り、ひたすら柔道に打ち込んだ。その成果もあり、インターハイに出場する選手にまで成長した。明大に進学した理由は「強い明大に入ってもっと強くなりたいと思った」(西園)から。練習の質も格段に上がり、さらに力をつけて臨んだ東京都ジュニア体重別選手権ではベスト8に入った。
 気持ちの面でもさらに成長する。西園はこれまでの自分を顧みて「まだ自分に負けているというか、もっと自分を追い込めるし、甘いかなと思う」と弱さを痛感した。反省を生かし、日頃から一本一本を大切にし、練習を積むことを意識した。心技体をさらに伸ばして、大学4年間の目標である日本一へ突き進む。

◆西園航太(にしぞの・こうた) 法1 長崎日大高出 170㎏・73㎏
 高校時代は九州大会2位、インターハイ出場。目標とする選手は海老沼匡選手(平24商卒・現パーク24)。趣味は映画鑑賞で、お気に入りは「トップガン」。好きな食べ物は生ハム。座右の銘は「一意専心」。

[長谷川千華・加藤真人]

次回は66㎏級の萩尾悠貴(商1=愛知県三河)と60㎏級の羽田野航(政経1=四日市中央工)の二人を特集します。更新は9月2日(金)の夜、お楽しみに!