ルーキー特集(1)飯島敦也・井戸川涼太

2016.08.30
 期待の新人が躍進を支える。7月の東京都ジュニア体重別選手権では全選手が勝利するなど、その確かな実力を見せた1年生。今週末には東京学生体重別選手権が控え、いよいよ秋季の戦いが始まる。今特集では、未来を担うルーキー9人を紹介していく。

 第1回は、73㎏級の飯島敦也(政経1=国学院栃木)と100㎏級の井戸川涼太(商1=富士学園)の紹介です!

飯島敦也
相手に主導権は握らせない。飯島は自分の柔道スタイルを「組手で相手より先に持って、絶対に下がらないこと」と語る。得意技のキレに課題を残すからこそ、引かずに積極的に攻めることでウイークポイントをカバーしている。長所を伸ばすべく、日々の練習から意識していることがある。それはどんな時でも釣り手と引き手を持って組み手の主導権を握ることだ。社会人選手と練習をするときもそれは変わらず、組手では負けない。柔道を始めたきっかけが兄にケンカで勝つためという、生まれながらの負けん気で勝負に徹する。
 絶対に勝たなければならないライバルがいる。それは立川(東海大)だ。国際大会で優勝経験もある立川と東京都ジュニア体重別選手権の3回戦で対戦した。互角の勝負を演じながらわずかに指導差で敗れ悔しい結果に終わった。「(立川に)勝たないと上に行けないので、勝つことが今の目標」(飯島)と同期のインターハイ王者に対抗心をむき出しにする。因縁のライバルを倒し、大学4年間の目標である全日本の強化選手で活躍するために、日々精進を続ける。

◆飯島敦也(いいじま・あつや) 政経1 国学院栃木高出 173cm・73㎏
 高2でインターハイベスト8に入った実力者。中学時代も全国ベスト8の経験があり、常にトップクラスの実力を発揮している。好きな食べ物はハンバーグ。座右の銘は「一日一日全力を出し切る」。

井戸川涼太
 虎視眈々と相手のスキを狙う。170㎝、95㎏と重量級の中でも小柄な井戸川はパワーではなく「技」で自分よりも大柄な重量級選手に立ち向かう。試合中、相手のわずかな重心移動や足の動きを読み解き得意の大内刈りを繰り出すのが井戸川流の柔道だ。先の東京都ジュニア選手権ではくしくも2回戦敗退に終わったが、その悔しさをばねに来年のリベンジへ向け再発進を誓った。
 そんな井戸川が初めて柔道に出会った場所は、バルセロナ五輪銀メダリストの小川直也氏(平2営卒)が経営する小川道場だった。そこから柔道人生を歩み、最後のインターハイを終えた高校3年次の夏、恩師の小川直也氏から明大進学への声がかかる。「明大で一生懸命練習して結果を残せ。明大なら結果を残せる」。井戸川はその言葉を信じ迷わず明大の畳へ上がった。しかし、そこで待っていたのは毎日の過酷な稽古とトレーニング。特に先輩との乱取り練習では「すごく体が大きくて圧力が伝わってくる」とオーラだけで圧倒されることもしばしば。それでも決してめげることなく稽古をこなすのには確固たる目標があるからだ。「団体戦に出て優勝する」。層の厚い重量級の中でレギュラー勝ち取り優勝をつかんでみせる。

◆井戸川涼太(いどがわ・りょうた)商1 富士学園高出 170㎝・95㎏
 インターハイと全日本高校選手権の2つの全国大会経験者。高校時代に300メートルの階段を毎日駆け上がるなど自主トレーニングを欠かさない努力家。戦国武将好き。座右の銘は「一日一善」。

[加藤真人・長谷川千華]

次回は90㎏級の神鳥剛(政経1=愛知県私立大成)と立石勇太(営1=延岡学園)の二人を特集します。更新は8月31日(水)の夜、お楽しみに!