開幕戦を白星で飾る 79―68で学芸大との初戦を制す /関東大学女子2部リーグ戦

開幕戦を白星で飾る 79―68で学芸大との初戦を制す /関東大学女子2部リーグ戦
 好調な滑り出しだ。2部リーグ戦が開幕した。これから1ヶ月半、毎週2日間という厳しい日程の中で行われる。昨年は創部初の2部リーグに挑み、12位と残留を決めた。2ステージ制となる今季は2部上位を目指す。学芸大との初戦は序盤からリードをすると、点差を11点に広げ、前半は40―29で折り返す。後半に入ると、相手のペースに押される場面が続く。次第に追いつかれるも、最後の最後で粘りを見せ、79―68で勝利を収めた。

 スターターは、藤野希生(国際2=埼玉栄)、坂本真祐(情コミ1=山村学園)、松本真衣(理工3=鵬学園)、多久文乃(情コミ2=東京成徳)、萱沼史織主将(情コミ4=埼玉栄)。

 萱沼と多久の活躍が光った。一進一退の攻防が続いたが、1点リードで迎えた第2クオーター(Q)で本領を発揮した。多久の先制点で口火を切り、6連続ポイントを挙げる。これで流れを引き寄せると、相手のインサイドでの攻撃を許さず、失点を10点に抑え、このQだけで10点のリードを広げた。「渡辺監督にコウさん(萱沼)との合わせ、というのをいつも言われていた」と多久。ガードのドライブによってできたスペースで萱沼と多久が受け、確実に沈めていった。このQの20点中18点を萱沼と多久が得点。この日萱沼は32得点とチームトップを記録し、チームを勝利に導いた。「甘さを詰めていって40点取りたい」(萱沼)とさらなる活躍を誓う。

 なんとか逃げ切った。前半とは裏腹に後半は接戦に持ち込まれた。前半は40―29に対し、後半だけでのスコアは39―39。「ガードがボールを持ってるときに周りが止まってしまっていた」(多久)と機動力が出ない時間があった。松本の3Pシュートで息を吹き返すも、いっときは6点差にまで詰め寄られる危ない場面が続く。そんなチームのピンチにルーキーが5点連続得点で応えた。小野尾梨紗(文1=昭和学院)は左膝の前十字靭帯断裂のため、高校3年の冬以来の公式戦出場。フリースロー、ブザービーターなどの5得点で相手を突き放した。「思いっきりやろうと思ってやった」(小野尾)とデビュー戦を振り返った。

 初戦に勝利した。今大会からリーグの制度が変わり、2ステージ制になる。「目標は2部のAリーグに上がること」(渡辺監督)とBリーグでの2位以上を目指す。「今日勝てたので気持ち的に余裕が生まれる」(多久)。今大会は2日連続同じ対戦相手となる。1日目の勝敗が2日目に大きく影響する。そんな大事な初戦をものにすることができた。「しっかり2勝するところまでが、勝負だと思う」(萱沼)と気を引き締めて臨む。

[古賀章太郎]

試合後のコメント
渡辺監督

「リーグスタートの試合なんで、上を目指すためにも落とせなかった。出だし緊張したのかスコアも伸びたかったんだけど、基本的にはうちはディフェンスのチームなんで前半を30点以内に抑えようと。今日は29点に抑えられたんで何とか勝てた。どこも同じようなレベルなので、1試合を60点に抑えられるような戦い方をしていきたい。うちは勢いに乗れば70点は取れる力はあると思っているのでね。(小野尾について)小野尾はもともと素質がある。ケガがようやく癒えたんだけど、まだ特にディフェンスとかで膝を気にしながら恐る恐るという感じがあるので、これから徐々にという感じ。今日は無難にやってくれた。ガードが本職だし、コントロールがある程度できて、ゲームも読める選手だと思っているんでこれからに期待したい。同じ相手と2試合は初めてのことだし、選手層も厚いわけではないんで、どこまで彼女たちの体がもつか。後半は上位チームとも当たるしうまく調整をやっていかなきゃいけない。同じ相手だし、どこかで休憩を入れなきゃいけないのかもしれない。目標は2部のAリーグに上がること。そのためにはこのリーグ戦で上位2チームに入らなくてはいけない。関東トーナメントを見た感じだと江戸川大が図抜けている感じだけど、そこに善戦して2位までに入りたい。上にいかないとインカレに出るチャンスすらないんでね」

萱沼
「相手のファールをこなせるようにできたのがよかった。相手がファールを多く積んでくれたから、結構余裕ができて、フリースローに持っていったりできた。そこは明日も続けようって話してた。プレッシャーに負けないで試合を進めて、ファールをもらえたところがよかった。(後半は)点差を詰められていた。得失点差で成績も変わってくるので、できるだけ点差は離したかったけど、結構相手の勢いも強くて、急いで攻めなくていいときに、攻めてしまって、ミスをして、相手に得点される場面が何回かあった。そこは、しっかり一本決めようってみんなで話したいと思う。接戦のところで、離すためには、攻めるかどうかを見極めるのを改善していきたい。(リーグ戦の制度変更について)どうなるんだろうっていう感じ。未知すぎて、やってみないと分からない。とりあえず、今日勝ったのは大きいが、明日も勝たないと意味がないので、しっかり2勝するところまでが、勝負だと思う。今日終わっても、まだ半分なので、気持ちの整理が難しい。明日はまた違う作戦で相手はくると思うので、そういう駆け引きがあるので、その時にどうなるかを見極めてプレーを選択しなければいけないと思う。(チームトップの32得点だったが)意識はあんまりしてなかった。それよりも反省が多すぎた。周りが見えていなくて、判断が荒くなってしまったので、冷静に相手を見て、いないんだったら、しっかり落ち着いて打てばいいし、いるんだったら体を使いながら打てばいい。32点取ってても、外している方が多いので、そういう甘さを詰めていって40点取りたい。もっとシュートセレクションをしっかりしていきたい。(チームとしての意識)学芸大に昨年のリーグ戦と練習試合で勝っているので、相手は悔しい思いをしていて、今日は勢いがすごいと思った。だから、相手の勢いに負けないように自分たちができることをして、そうすればファールをもらえると思った。(明日への意気込み)明日も勝ちます」

多久
「今年からリーグの制度が変わって、同じ相手と2回連続で戦うので、1試合目は絶対に勝たないと2試合目は精神的に苦しい。練習時から1試合から絶対勝とう、出だしで離されないようにしようと意識していた。今日はコウさん(萱沼)を中心に声出してみんなで盛り上げていけた。(第2Qでのリードについて)上がドライブしてきてくれたので、私はそこに合わせられたのが良かった。渡辺さんにコウさんとの合わせ、というのをいつも言われていた。今日はコウさんに付いてた相手が大きい人で、私に付いてた人は小さい人だったので、そこのズレも利用して。(後半は)ガードがボール持ってる時に周りが止まってしまっていた。疲れもあって動けていない部分もある。でも速攻が出た時もあったのは良かった。センターがもっとスクリーンして、フォワードを動かすと同時に、チャンスがあったら自分ももっと攻めたい。(次も同じ相手だが)今日負けてたら次は勝たなきゃって焦りがあったと思うけど、今日勝てたので気持ち的に余裕が生まれる。やれるってことが分かった。明日も攻めて、来週につなげたい。今年は絶対に結果残して、来年以降どんどん上がっていけるようなリーグ戦にしたい。全部勝つくらいの気持ちでいく」

小野尾
「(初の公式戦)初めてでちょっと緊張したが、思いっきりやろうと思ってやった。(ケガは)左膝の前十字靭帯切ってしまっていて、高校3年生の冬の前に切ってしまってからずっとできなくて今日復帰した。(ブザービーターを決めたことは)うれしかった。(明日への意気込み)相手から今日とは違った攻めとかも来ると思うから、そこをしっかり見極めて自分たちのプレーをできるようにしたい」