黄金世代が躍動 リーグ初戦法大を撃破/関東大学男子1部リーグ戦

2016.08.28
 王座進出をかけ、今年もリーグ戦が開幕した。昨年度4位の法大を相手に快勝し、悲願の王座進出へ好発進を切った。ダブルス3戦、シングルス6戦で競われるリーグ戦。幸先よくダブルスで2勝を挙げるとシングルスでも5勝を挙げ、結果は7-2。雨天による中断が相次いだものの実力差を見せつけ、今後のリーグ戦に弾みをつけた。

 主将の勝利で決着をつけた。切詰魁主将(政経4=高松北)の相手は法大主将の長田。シングルス3は、くしくも主将同士の直接対決となった。「競るっていうのは初めから分かっていた」と語る切詰、第1セットを4-6で落とすも動揺は見られない。続く第2セット、立ち上がりにサービスブレークに成功すると相手のバックハンドにボールを集め優位に試合を展開。チャンスボールを攻め切り、6-1で第2セットを奪った。プライドの掛かった大一番はファイナルセットへ。第3ゲーム、先にサービスブレークを奪われるも闘志あふれるプレーですぐさまブレークバック。「主将対決に勝ちたい」と誰よりも声を張り上げ一気に押し切った。勝利の瞬間、ラケットを投げ両手でガッツポーズ。5勝目を主将自らが挙げ、法大戦に決着をつけた。

 どうしても負けられなかった。シングルス5としてコートに立ったのは西脇一樹(国際4=松商学園)。「なかなかいないタイプなのでやりづらかった」と、相手選手の遅いボールとつなげてくるプレースタイルに悪戦苦闘。第1セットをタイブレークの末、落としてしまう。悪い流れになりかけるもここで雨天により試合中断。「いい切り替えができました」と西脇。第2セットを苦しみながらも6-4で奪取。迎えたファイナルセット、相手選手のカウンターショットに苦しみ、2-5の劣勢に。しかし「負けられない理由がいっぱいあった」と、チームの勝利や4年生としてのプライドを胸に奮闘。怒涛(どとう)の3ゲーム連取を決めるとタイブレークに持ち込み、大逆転勝利を挙げた。

 黄金世代の挑戦が始まる。「今年のリーグ戦の目標は全試合に出て全部勝つ」(切詰)。リーグ戦を勝ち上がっていくには4年生4人の勝利が必要だ。しかし「味方の応援がすごいプッシュしてくれた」(西脇)と選手以外が果たす役割も大きい。悲願の王座進出へ、チーム一丸となって戦い切ってもらいたい。

[藤田幸大]

試合後のコメント
切詰

 「ファーストを取られたんですけど、セカンドはいきなりブレークしてからのスタートだったので、とりあえず最初の1、2ゲーム目まで集中してそこを取れば一気にいけるなと思ったので、ミスしないようにラリーをしっかりして入ろうかなと思いました。(雨で中断)競るっていうのは初めから分かっていて、あの雨で相手も確実に合わせてくるだろうし、流れも持っていかれるかなっていうのは考えていたんですけど、澁田が勝ったのが見えて、結構楽になった部分はあったかなと思います。とりあえず焦ることなくしっかりラリーしていけばチャンスはあると思っていました。相手はフォアが強いのでフォアに集めてしまうと打ち込まれるので、バックにバックにと狙って前に詰めるっていう展開がはまっていたのでそこを重視しました。(主将対決)だいぶ意識しました。結構仲良くて普段から話す相手だったんですけど、主将対決に勝ちたいと思っていたので勝てて良かったです。(法大には)去年も6-3で競って勝ち切った部分があって、今回も3-2で中断はしたんですが、僕と西脇がファーストを落としている段階での中断だったので、油断はできない状態でいい緊張感をもってプレーができたので。結果7-2であっさりいけた感じなんですけどプレー的に競ってできたので次に生かせるいい流れができたんじゃないかなと思います。今年のリーグ戦の目標は全試合に出て全部勝つっていうのを目標にしているので、どんな形でもしっかり取ってチームに貢献できればと思います」

西脇
 「(法大戦を振り返って)ダブルスはファーストセット3-1からよくない流れで取られて、セカンドセットから切り替えられてお互いにプレー的にも気合いもでてきてノリに乗ってセカンドセットが取れました。ファイナルセット、1ゲーム目から飛ばしていこうという話をしていていい流れが何球か続いての6-0だったので、あれでチームに勢いがでたのかなと思います。シングルスは最近やったことがない相手だったので、ファーストセットを落としてしまいセカンドセットで雨中断になってそこでいい切り替えができました。そこから苦しみながらですけど、なんとか頑張ってゲームをものにすることができました。ファイナルセットも2-5でその時に味方の応援がすごいプッシュしてくれて、そのおかげで4-5、5-5、5-6、6-6。タイブレークも常に劣勢の立場だったんですけどその中で、仲間の後押し、自分のプライド、同期の中で1人だけ負けるわけにはいかないなど、負けられない理由がいっぱいあったので、それのおかげで勝てたのかなと。(相手選手について)あそこまで球が遅い選手はなかなかいないですよね。普通はある程度、相手も打ってくるんですけど(今回の相手選手は)特別なので。なかなかいないタイプなのでやりづらかったです。(戦術について)昨日、今日と特に変えた点は無いです。相手の苦手なところをついて、得意なところを封じることを徹底してやったので、あとは僕がプッシュできるところをプッシュして前に出ようという作戦でした。シンプルに考えていました。(今後の意気込み)4年生が勝たないとリーグ戦が厳しいのは明らかなので。今回のMVPは吉見ですね。吉見が勝ってくれたのは結構大きいです。正直、3、2、1年生が弱いので。その中で踏ん張って勝ってくれたのは良かったです。僕らとしては、1つでも(勝ちを)取ってくれるとだいぶ気持ちが楽なので、流れがきたのも吉見の功績が大きいかなと思います」