7年ぶりのグレコ入賞! 奥田が3位/全日本学生選手権

2016.08.26
 7年ぶりの表彰台だ。グレコローマンスタイルの優勝者が決まる大会2日目。75㎏級の奥田海人(政経2=霞ヶ浦)が3位入賞を果たした。インカレのグレコローマンスタイルで明大が入賞者を出したのは2009年以来。他にも85㎏級の大山博貴主将(営4=仙台育英)、永井基生(営2=八千代松陰)、98㎏級の二ノ宮寛斗(営1=岐南工)がベスト8と明大勢の活躍が目立った。
 
 グレコで躍進の3位だ。前日にベスト8進出を決め、準々決勝に挑んだ奥田。自分より体の大きい相手にも冷静な試合運びを見せた。相手を場外に追い込み着実にポイントを重ねると4―0の完封勝ちで準決勝へと駒を進めた。迎えた準決勝、得意のがぶり返しで4点を先制するも相手のカウンターで6点を返される。第1ピリオドの終了間際に場外のポイントを獲得し、5―6で折り返す。第2ピリオドでも2点先制したが、またしてもカウンターにやられて一気に6点を失う。その後は粘るも相手に豪快な投げを決められ最後は7―16でテクニカルフォール負け。「気持ちの強さの面で越されてしまった」(奥田)と、精神面でも相手に圧倒された。グラウンド技が強い宇野(日体大)に善戦したが決勝進出とはならなかった。
 「3位という結果には満足していない」(奥田)。フリーは棄権することに決めて、グレコに集中した中で臨んだ試合だけに悔しさをにじませた。それでもインカレ前の自衛隊合宿では全日本級の選手相手とスパーリングをして技術を向上させた。第1シードの選手相手に押す場面もあり、専門ではないグレコで確かな手ごたえをつかんだ。「おごることなく2位、1位と目指して頑張っていきたい」(奥田)。謙虚な姿勢を持ってさらに上を目指していく。

 大会3日目からは2日間にわたりフリースタイルが行われる。最後のインカレとなる4年生は集大成となるマットで結果を残せるか。「皆が皆優勝を目指して頑張っている」(大山)。雰囲気は最高潮だ。フリースタイルを専門にする選手の多い明大勢、チーム一丸となって金色のメダルを目指す。

[柏崎涼介]

試合後のコメント
中出幹児監督

「4人という結果については満足しているが、やっぱり1名しか入賞できなかったことに関しては決勝までいかせたかったという気持ちでいる。(奥田が3位)本当にもう少しのところで勝てる試合だったと認識している。最初得点を取ったけど、その後の詰めが甘かった。まだ2年生なので、この先優勝を狙ってもらいたい。(このスタイルでのメダルは)学生選手権のチャンピオンはここ20年ぐらい出ていない。特にうちのチームはグレコよりもフリースタイルを中心に練習をしているチームでも、グレコというのは同時に基礎練習として必要。この先、グレコでもチャンピオンを取ってもらいたい。(選手たちの夏の取り組みは)夏というのはスタミナを消費する。特にスタミナをつける練習、例えばインターバルトレーニングや走り込みをやったりだとか。そういうのを重視してこの夏に臨んできた。(フリースタイルに向けて)優勝までは厳しいところもあるかもしれないが、3位以内には数名出させたい」

多賀垣雄副部長
「専門的にグレコをやってる人はいないもんだから、試合としては押されてしまう。でも試合の中にあるワンチャンスをものにしていって耐え切れれば勝てる。今日残った奴らはそれができていたね。奥田も準決勝でワンチャンスをものにしたけど耐えられなかった。勝てるところまで持って行っていたのに。入賞は数年ぶりなので、3位になったことは良いことだと思うよ。グレコで良い成績が残せるというのは力が付いてきている証拠」

大山
「最後、勝てる所だったけど‥。相手が強かったです。敗因としては相手に合わせすぎたこととバテてしまったこと。試合が終わった直後はかなりショックだったけれど、今はもうフリーに気持ちが向いている。計量を終えて、ご飯を食べて、明日に備えたい。(奥田は)ずっと自衛隊の時からグレコをやっていたし、当たり前の結果というか、やれば強くなるということを見せてくれた。一つ一つの技も強いし。あと2年間でまだ上を目指せると思う。グレコはニノ(二ノ宮)も靖也(寺田)もフリーっぽくやろうと。2日目までこれだけ残れたのはやっぱりフリー自体が強くなってきているのかなと思う。皆が皆優勝を目指して頑張っている。明日以降は決勝に行ける人もいると思う」

奥田
「3位というのは最低の目標だったので、もう一個勝ちたいというのがあった。準決勝、惜しいとこあったけど勝ちきることできなくて3位という結果には満足していない。(準々決勝を振り返って)今までは大技に頼って大きな技決めたいという気持ちが出て逆転負けとかされることがあった。今回は着実に勝とうと思って、腕とりとか押し出しとか、小さく小さく点を重ねていけたのが今回の勝ちにつながったのだと思う。(準決勝を振り返って)以前に一点もとることができずに負けた相手だったので、まず僕から思い切って技をかけようと思った。技がかかったのはよかったけど、日体大の選手はグラウンドが強くてそこの対応が僕はまだ未熟だった。そこを防げるようになれば結果変わってくるかなと思う。相手は力も技も僕より上だった。(相手との差は)グレコを専門にやっている選手なので、勝ちへの執念というか、死に物狂いでやっている。僕は気楽に思い切ってやればいいやという気持ちだった。そこの気持ちの強さの面で越されてしまった。グレコの練習は基本グレコローマンの試合が近づいてくる2週間前とかにしかやらない。グレコの練習でもっと色んな技とか聞いたりして強化したら伸びていくと思う。(フリーに向けて減量中だが)実は僕、明日フリーに出ない。5kgオーバーになってしまっていて。なのでとりあえずグレコに集中しようと思って、先生からもそういう指示があったのでコンディション面での不調はなかった。グレコは75kgで出て、フリーは70kgなので減量が追いつかないので今回は棄権しようかなと思って。今回たまたま組み合わせとかの関係で3位に入れただけなので、これにおごることなくもっと上を目指してやっていきたい。自衛隊合宿や校内合宿など強化を重ねてくれたサポートがあったので技も身について、そういった環境のおかげでグレコの技術が向上したのではないかと思う。自衛隊のグレコローマンの選手は全日本級の選手ばかりでそういった選手とスパーリングや技術練習をしていくなかで、ひとつでも技を盗めればいいなと思ってやったのが強化につながった。今まででベスト8が続いていたので、その壁を越えられたのが僕の中ではよかった。おごることなく2位、1位と目指して頑張っていきたい」

永井
「相手は西の選手でやったことがなくて、グレコを専門的にやっている大学だったのでそんなにチャンスはないと思っていた。僕もそんなにグレコはやっていないから、フリーな戦いだった。後半でワンチャンスがあって、そこをものにできなかったのが大きかった。同じ階級だと力がスタンドで普通に押し負けちゃうので、それに対抗できる力を身に付ければ自分のスタミナも使わないで上手く戦えるかなと思う。(フリースタイルに向けて)2回勝ったら第一シードの人と当たる。そこまではいきたいと思って、相手は強いけど自分の得意技がどこまで通用するかというのを、通用したら自信になるだろうしそこを重点的にやっていきたい。ツーオンワンを自衛隊合宿から意識してやり始めて、相手のやりずらい組み手、嫌がるレスリングをちょっとはできるようになってきたかなと思う。1、2回戦目も普通に強いので、一戦一戦を気合い入れてやっていく」

二ノ宮
「相手がフリースタイルが強い選手で、グレコでも高校生の時に自分の2個上で優勝している選手だった。思い切ってやろうと技とかもかけようと思っていたが、なかなか相手の方が力が強かったりだとか身体が大きいぶん圧力もかけられていた。ただ何もできずに負けちゃったという感じ。自分の動きの中では技の差はそんなになくて、崩したりとかもできていた。やっぱりパワー不足というのと、思い切って仕掛けることもできなかったのでそういった面はここからつなげていきたいと思う。(フリースタイルに向けて)フリースタイルは準々決勝で一つヤマ場なので、そこまでしっかり勝ち上がっていく。準々決勝で当たるのはグレコの新人戦の決勝で負けた選手がたぶん上がってくる。準決勝では第一シードの人、決勝では新人戦を負けた石黒(日大)か、今日のグレコで負けた園田選手(日体大)と当たると思う。壁はあるが一つずつ勝ち上がって、出るからには優勝を目指していきたい」