
チーム石井最後のインカレ 笑顔と涙の最後/全日本学生選手権
チームを一心に引っ張り続けた。「一生忘れることのできない思い出になった」(石井主将)。第一種目の跳馬から始まり最終種目のつり輪での演技のこと。第四種目のゆかとその次のあん馬でミスが出てしまい点数が伸びず最後の種目に臨んだ石井主将。不安の中、つり輪へ手を伸ばそうとする石井のそばには自然と平野達哉(商4=豊浦)、齋田祐暉(文4=サレジオ学園)、湯浅剛至(営4=埼玉栄)の他の4年生が集まり最後の演技を行う主将の背中を押した。団体メンバーの平野に加え補助選手として団体メンバーを支えた齋田と湯浅の3人と石井主将が「一つ」なった瞬間だった。「今でもずっと心に残っている」と仲間の思いを胸に最終種目に挑み、大きなミスもなく無事に演技を終えることができた。演技を終えた石井主将は応援席の仲間に一礼すると真っ先にメンバーの元に駆け寄り成功の喜びを分かち合った。「最後この全日本インカレという大舞台で一つの目標に向かって全員で取り組めたことは本当によかった」(石井主将)と最後の団体戦を後悔なく終えることができた。
絶対的エースを超えた。ゆか、あん馬のミスが響き総合得点が伸び悩んだ石井主将を古谷、大谷、白木の下級生3人が初めて総合得点で上回った。特にルーキー白木は初出場ながら78.800得点でチーム一番の点数をマーク。そんな下級生を見て石井主将も「これまで掲げてきた1部昇格を達成できるメンバーがそろっているので頑張ってほしい」と後輩に対し思い残すことはない。明日で4年生は引退を迎え、チームは新たな世代へと引き継がれる。まだエースはいない。だがだからこそ、チーム全員が同じ立場で切磋琢磨(せっさたくま)し合える環境がある。「安寿賀さんや雄大もいるのでみんなで向上していってみんなでチームを底上げしていきたい」(大谷)。悲願の1部昇格への道をこじ開ける。
いざ、決勝へ挑む。全日本インカレ最終日に行われる種目別の決勝進出が決まった古谷、西戸、大谷、白木。それぞれ得意種目の鉄棒、平行棒、つり輪、あん馬種目での出場だ。今大会が初出場の白木も「出るからにはしっかりとベストを尽くせるようがんばりたい」と決勝の舞台に臆することなく挑む。各学年のエース演技に目が離せない。
[長谷川千華]
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