
諱・澁田組が同校対決を制す 佐野・森組は無念の敗退/全日本選手権4日目
諱・澁田組と切詰・西脇組は4回戦で同校対決となった。「正直嫌な気持ちはあった」(諱)という対戦カードだったが、「ドローが決められた時からあたることは覚悟していた」(澁田)と腹をくくって臨んだ。1セット目は2ゲームこそ落としたものの、澁田の正確なサーブと、諱の早いボレーを軸に5ゲームを先取。このままこのセットを取るかと思われたが「2人ともグダグダでだめになってしまった」(澁田)とプレーが単調になったところに付け込まれ、2ゲームを連続で落とす。6ゲーム目を取り何とか1セット目を取ったものの、後味の悪さが残ってしまった。続く2セット目も1セット目の後味の悪さがそのままプレーに影響してしまい「プレースタイルを急に変えてきた」(澁田)と西脇の早いサーブと切詰のボレーのコンビネーションに対応できず6-1でこのセットを献上。勝負はスーパータイブレークに突入した。「先に大きくポイントを離すことだけを考えた」(澁田)と2セット目とは見違えるような連続攻撃で突き放し、10-6で勝負を決めた。試合後には「もう明治で残ってるのはこのペアしかないので、優勝しかない」と澁田。黄金世代最後のペアは1つの目標に向けて残り試合を全力で戦う。
悔しい敗退だ。春関でベスト4入りを果たし、インカレ制覇を目指す佐野・森組が満を持しての登場となった女子ダブルス。第1セットは幾度となくジュースが繰り返され、互いにゲームを奪い合う展開に。一時はゲームカウントを5-4とし第1セット奪取を目前にしたものの、2人の動きはかみ合わず2ゲームを連続して落としてしまう。迎えた第12ゲームでは6度のジュースを経るも最後は力尽き、相手にセットを献上することとなった。佐野は「ファーストセットを取りたかった」と悔しそうに語った。続く第2セットは気持ちを切り替え、自分たちのプレーを遺憾なく発揮。落としたのはわずか1ゲームのみで、一気に第2セットを奪った。試合はスーパータイブレークに突入。しかし、第2セットの勢いそのままにとはいかず、1-1から5連続でポイントを奪われ一気に引き離された。途中、小刻みに点を奪い返したが点差を埋めることはできなかった。最後は佐野が必死に手を伸ばしなんとかラケットに当てるも、ボールはネットを越えず敗戦となった。悔しい結果で佐野・森組にとって最後のインカレが幕を閉じた。
今大会初の同校対決や佐野・森組の初戦など注目カード揃いの4日目となった。しかし、全国の壁は厳しく、勝ち上がったのは男子単2人と複1組のみ。夢破れた仲間の思いも背負ってインカレ制覇を目指す。熱い戦いの日々はまだまだ続く。
[佐々木渉・秋山祥子]
試合後のコメント
諱
「決勝でどうせならあたりたかったんで、まあここであたるかって感じはありましたけど、しょうがないし、やるしかないので勝ちに行きました。正直嫌な気持はありましたし、まあ部内戦で勝ち越してはいたんで自信もっていけたかなと思います。ファーストセットは5-2まですごくよくて澁田も僕もボレーでも結構出られてたんですけど、5-2から5-4に追いつかれた時とか結構引いてしまったりとかポーチに出られなくなってしまったりとかそのままセカンドセットまで続いてしまって、あとは単純なミスとかちらほら出てきたし相手にちょっと乗らせちゃったかなと思いました。(スーパータイブレーク)序盤から押して押してできるだけ差を早めにつけて気持ち的にも2人で話して思い切ってボレーにも出られたし、セカンドセットでできなかったことを修正して2人で話し合ってできたかなと思います。(ペアの渋田選手)心強いですね。最後も結構ここぞというときにいいサーブを決めてくれたし、ポーチにも出てくれたしお互いアドバイスしあったりとか声掛けもできてたのですごい心強いです(目標)ぼくは単複ありますけど澁田はもうダブルスしか残ってないので何としてもダブルスは勝たせてあげたいし、2人で優勝しようと思いますし、そろそろ坂井・古堀(早大)に3連敗してるのでそろそろ勝って優勝したいですね。優勝したら全日本選手権の推薦も貰えるので2人で勝ち取りたいです」
澁田
「ドローがもう決められたときにあたることは覚悟してたんで当たるってなった時も緊張はしましたけど気負ったり絶対に勝たなきゃいけないなみたいなのはなくて、がむしゃらにやろうと思いました。いつも部内で練習試合をしても接戦なのでとりあえず思いっきりやったほうが勝てると思ってやったので思いっきりやることだけ意識して頑張りました。実際僕と切詰はシングルも負けてダブルスしかなかったので負けたほうは最後のインカレなので、終わっちゃうっていうプレッシャーもあって、実際ほんとは他校の人とやりたくて、ほんとは嫌でした。(2セット目)気を抜いたとかそういうわけでは全然なくてただ、向こうもプレースタイルを急に変えてきましたし、本番の試合なんで焦ったところもあって、そういうところもほんとは試合の途中で修正していかなきゃいけないんですけど。2人ともグダグダになってしまったのであのスコアになってしまった。(調子は良かったか)僕は比較的ミスも少なくて決めた数も少なかったので諱はミスも多かったですけど決める量も多かったのでそこがいいバランスが取れてたのかなと思います。僕は前でもしっかりミスらずつなげてあいつは前でしっかり決めてくれて、お互いができることをお互いがやってたので良かったと思います。(スーパータイブレーク)10ポイント勝負なのでとりあえず思いっきりやることだけ考えました。先に大きくポイントを離すことを意識してそれ以外はほんとに考えてなかったです。プレーのことを考えてもキリがないので相手より先に攻める。それだけでしたね。(諱選手)心強いですね。シングルでもあれだけ活躍しててダブルスでも僕がいい時はあったんですけど、終盤はほんとに助けられた。最後のマッチポイントも追い込まれててエース決められる心の強さっていうのは普通の人にはないと思います。そういうところはほんとに助かります。(意気込み)切詰にも勝って、あいつの最後の試合を勝たせてもらったんであいつのためにも明治のためにも、もう明治で残ってるのははこのペアしかないので、優勝しかないですね」
森
「今年は単複ともに本戦に上がれたのですが、シングルスは2回戦で負けてしまって、ダブルスしか残っていませんでしたし、春関の結果も良かったので優勝を狙っていました。負けてしまって悔しいです。1セット目は、あまり安定していなくて、1度4-3でリードしたときに私が1本打ち切るべきところを守るだけになってしまって、相手のミス待ちになってしまいました。そこを取り切れていればと思います。2セット目は、1セット目のことは忘れてとにかく取ろうと話していました。守りに入らずに攻めていこうと話していたら取り切れて一気に奪えました。スーパータイブレークは、私がダブルフォルトをしてしまって、そこから流れを失ってしまいました。今までだったら、1セット目が上手くいかなかったら引きずってしまうことが多かったのですが、今回は最後のインカレということもあって2セット目に切り替えることができたのは成長できたところです。今回は後輩がとても頑張ってくれて、シングルスも5人上がれて、ダブルスも頑張ってくれています。私たちが先に負ける訳にはいかないということを意識しましたが、プレッシャーという気持ちではなくて、後輩たちが頑張っている分自分たちも引っ張っていこうと思いました。今回はとても良い形でインカレに臨めました。2部校の中でも明治は本戦に出ている人数が多いです。この勢いにのって、今年は絶対に1部に昇格して歴史を残したいです」
佐野
「(試合を振り返って)最後のインカレだったので森と春関でベスト4だったので絶対に勝ちたかった1戦だったんですけど、相手も関東で1部でバリバリやっている相手なのでしっかり自分たちのテニスを最初からしていかないといけないと思っていたんですけどあんまりうまくかみ合うことができず自分たちの流れがつかめないままファーストセットが終わってしまったのでそこが本当に何本も取れそうなゲームがあったんですけどそこを取り切れずに5-7で落としてしまったのがまずファーストセットを取りたかったっていうのがあります。セカンドセットは自分たちの形っていうか、しっかりラリーしてポーチ出たりだとかストレートに強気で攻めていくことができたのでセカンドセットの試合を最初からできれば勝てたんじゃないかなっていう風に思います。(スーパータイブレークについて)自分たちが引いてしまった部分があったので、また私の短所でもあるんですけど競ったときにちょっと消極的なプレーが出てしまうところがあるのでスーパータイブレークは前に前にって思ったいたんですけど、やっぱりどうしてもちょっと下がって逃げてしまったっていう部分があったのでそこでしっかり自分たちからポイントを取りに行ければスーパータイブレークも取れたと思うので悔しいです。(リーグに向けて)リーグではずっと一部昇格することを目標に4年間やってきたので、後輩たちもインカレで頑張ってくれて今までで1番本戦に上がったりだとか本戦でも勝ったり1番二部の中でも明治が結果を残していると思うのでしっかり二部で勝って去年負けた入れ替え戦で勝って明治らしいプレーで昇格できたらなって思います。ひとまず今はリーグ戦の二部との戦いに向けて調整していきます。インカレ終わって全員で集まってまたしっかり1から練習していこうと思います」
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