望月・小谷ペアがベスト4 優勝ならずも確かな成長/全日本学生選手権

2016.08.10
 ベスト8の壁をついに破った。大学ダブルスの頂点を決めるインカレ個人戦の3日目。望月友美佳(営3=加藤学園)・小谷真由(営2=米子松蔭)ペアがベスト4の快挙を成し遂げた。準決勝は今大会を制した志牟田・地中ペア(神戸松蔭女学大)と対戦。ゲームカウント3-0まで追い込まれた後、背水の陣で2ゲームを取り返すも力及ばずに5-2で敗退となった。

 プレーの安定性が勝敗を分けた。ベスト4に進出して迎えた相手は神戸松蔭女学大。勢いのままに決勝進出を決めたいところだったが、序盤でゲームカウント0-3とリードを許してしまう。「雑なプレーを相手につかれた」(小谷)と相手の虚を突くボレーや強いストロークにも対応できず点が重なっていき、焦りからかアウトも多くなった。「課題は点を決めきれないこと」(望月)と大事な場面で一本を勝ち取ることに苦戦した。そこが穴となり最後は逆転することなくゲームカウント2-5で試合終了となった。

 大きな成長を遂げた。昨年の東日本インカレ前にペア結成となった2人。組み始めた当初は声掛けもうまくできずに「小谷と動きが合わず彼女の良さも引き出せなかった」(望月)と息の合わない状態だった。日が経つにつれてお互いを理解し始めた2人、試合中ではコート上で果敢に声を掛け合う姿が見られた。「今は小谷が何をしたいのかが何となく分かる」(望月)。昨年の4回戦敗退という結果を大きく塗り替え、今大会では昨年の同大会を制した早大ペアに5-1で圧勝。しかし結果を残した分、見えてきた課題も大きかった。準々決勝の東女体大戦ではゲームカウント4-0から点が入らず相手に4-4まで追い込まれた。「競ってきてここ一本欲しい時に取りに行けない弱さがまだある」(小谷)。勝負どころで望月の鋭いストロークと小谷の素早いボレーをうまくかみ合わせることがこのペアの勝利のカギとなる。秋から4年生が引退し新チームになる中、このペアの躍進はチームの必須条件。「団体戦で勝てるペアになりたい」(望月)。彼女たちの戦いはまだまだ始まったばかりだ。

[曽我怜平]

試合後のコメント
望月

「(ベスト4という結果)団体戦でベスト8という結果に終わってしまったので少しでも4年生のみんなと一緒にいたいという思いもあった。初日の杉脇・佐々木ペアに勝てたのはすごくプラスになった。去年の東日本選手権ではベスト4に入れるチャンスもものにできなくて、ベスト4には壁があってその壁をこえられなかった。だから今回は良かった。(勝敗を分けた場面)団体戦では自分たちから攻められなくて1本が取り切れなかった。その反省を生かして自分がちゃんと打って小谷が決めるという形を作るということに専念できたかなと思う。(ダブルスでの課題)大事なポイントでファーストサーブが入らないなど決めきれないこと。リードしていたのに攻められなかった部分があったし思い切りの良さが相手の方が上だった。そのあたりを突き詰めていかないと上には行けないかなと思う。(気持ちの面での課題)団体戦が終わって吹っ切れた部分があったのでそれがいい意味で働いた。攻めの1歩につながった。(ペアを組んでから)組み始めた当初は小谷の動きと合わない部分があったり小谷の良さを引き出す方法も自分ではわからなかった。いい選手だったのに引き出しきれていなかった。でも今は小谷が何をしたいのかが何となく分かる。(ペアの長所と短所)長所は野生のかんではないが、小谷のタイミングが独特。そこはすごく持ち味だと思う。小谷は大学入った当初はスマッシュが不安げだったけどいまはちゃんとボールを追ってくれて助かっている部分が多い。短所はストロークは上がってきているがほかの選手に比べたらまだ不安な部分があるのかなって思う。(強いペアを目指して)個人戦ではこのように結果が出たのですが団体戦で勝てるペアになりたいと思う。攻め切るところをしっかり攻めきって雰囲気が自分たちのペースになるように自分たちの攻めができるようにしたい。(秋から新チーム)4年生の方がすごくきついことも言ってくださっていろいろ考えさせてもらった部分もあるし言われたことに対しすごく悩んだ。ただ、それがあったから雰囲気のよい明治のチームがあるし受け継いでいかなきゃいけないなと思う。団体戦で勝てなかったという部分があるので秋リーグ、六大学リーグあるので強豪早稲田を倒していくイメージでチーム力を上げていきたいなと思う。(4年生の言葉とは)試合に出てる人だけで勝てるのが団体戦ではなく出てる人も出てない人も一つにならないといけないと言われた。考えさせられる。(目標)来年のインカレで日本一をとること。今回早稲田のレギュラーを倒したのでチャンスはあるしメンバーも揃ってくると思うので日本一を取れるチームを作っていきたいなと思う」

小谷
「(ベスト4という結果について)去年優勝していた組み(早大)を2日目の最終戦で倒すことが出来て2人で流れに乗っていけた。(勝敗を分けた場面)優勝した相手に負けた。向こうはやはり安定感があった。球やコースをしっかり攻めてきた。それに対し自分たちは雑だった。そこを相手に付かれたと思う。(今回見つけた課題)前の試合(東女体大)はリードしていたのに追いつかれた。一本のミスで流れは悪くなって追いつかれるのが悪いところ。そこは直していかないといけない。安定感のなさと雑さで神戸松陰には負けた。(気持ちの面での課題とその克服について)ベンチの人から「向かっていこう」などと応援してくれて団体戦と比べたら自分もポーチとかに出ていけた。ただ、競ってきてここ一本欲しい時に取りに行けない弱さがまだあるかなと思う。練習のときから試合を意識してそれと同じ緊張感をもってプレーをしていかないといけない。(1年組んだペア)ペアを組んで日が経ってお互いのこととかわかってきたから試合中も声かけができてきた。そこは成長したと思う。(このペアの長所と短所)長所は後衛の鋭い球で相手を崩して前衛が入れ込むというプレーができること。短所は気持ちが弱くてプレーにムラがあること。(強いペアを目指すために)プレーにもっと安定感をつけて日によってプレーの調子にブレがあるからそこを直していく。(秋から新チーム)4年生が抜けて代が変わったから4年生に教えてもらったことを秋リーグで出す。4年生に教わったこととはベンチの人の分まで戦うということ。そして秋リーグで早稲田を倒して優勝したい」