
男子 8年ぶりのベスト4入りも王者・早大を崩せず/全日本大学対抗選手権
準決勝の相手は、インカレ4連覇中の早大。大事な1番手を任された中平慎吾(農1=尽誠学園)・米澤要(営1=能登)のルーキーペアは、準々決勝に続きこの日2回目となるフルセットに持ちこまれる。しかし最終ゲームは1ポイントもとることが出来ず敗退。「ファイナルゲームをしっかり制するのが課題と言われていた」(米澤)だけに悔しい敗戦となった。2番手の立木雅也(農2=中京)・平井裕之(国際3=高崎健康福祉大附)ペアも相手のペースに飲み込まれストレート負け。後がなくなった明治の運命は、ここまで安定したプレーを見せる丸岡俊介(政経2=尽誠学園)・丸山海斗(政経1=上宮)に託された。対する相手は、春季リーグ戦で2人が見事勝利を収めた安藤圭裕・優作(早大)の兄弟ペア。ゲームカウント0-1から2セットを連取し流れに乗ったかと思われたが、反撃はここまで。最後は自分たちのミスが響き、チームカウント3-5で敗れ、またも早稲田の壁を崩すことができなかった。
ベスト4入りを懸けて挑んだ準々決勝の相手は、8年ぶりにベスト8入りを決め勢いに乗る関西学大。1番手の平井・立木ペアは序盤から巧みな頭脳プレーで相手を翻弄し、3セットを連取する。課題であった試合の入りを克服し、明治に勢いをつける。続く米澤・中平ペアの試合は、フルセットのジュースまでもつれる大接戦。一進一退の攻防が続くが「コーチからファイナルゲームをしっかり制するのが課題と言われていたので、しっかり準備して臨めた」(米澤)と、ファイナルポイント10-8まで続いたシーソーゲームをものにした。結果3勝でストレート勝ち。準決勝へ弾みをつけただけに、選手たちは勝ち切れなかったことを悔やんだ。
「主将という立場を設けてくれたことが、自分をすごく変えてくれた」(藤田京太主将・政経4=高田商)。昨年のインカレでベスト16に終わった悔しさから、チームに変革をもたらすために1年間奔走してきた藤田。限られた練習時間以外では朝や夕方の少しの合間を縫って練習を行ってきた。チーム力の底上げのため、努力を惜しまなかった。さらに今年の春に実力のあるルーキーが入部したことでチームの団結力・活性化につながると考え、ミーティングを開く機会を多く設けた。「今まで勝てるかどうかというチームが、今度は勝っていかなければいけないという責任感を個々に感じてきたと思う」。しかし引退となった今大会、最後の団体戦に出場する4年生の姿はなかった。試合後、藤田は「本当に4年生で戦いたかったし、試合に出させてやれなくて申し訳ない」と本音を吐露。それでも、がむしゃらに駆け抜けてきた4年間に後悔はなかった。「1、2年生には、『お前らの4年間は早稲田が優勝するんじゃなくて、自分たちの力で早稲田を倒して優勝しろ』と言ってある。それを目標に彼らは頑張ってくれると思う」。後輩に託した日本一への道のり。先輩たちが果たせなかった夢を、必ずや後輩が受け継いで一矢を報いていく。
[木村優美]
試合後のコメント
藤田
「自分が主将になったときのチームは、1年生と2年生が主体で頑張ってくれていた。4年生が試合に出ないという中で、自分たちで気持ちを作って、4年生や上の学年の分までよく戦ってくれたと思う。毎年練習量が確保できていない中で少しでも上手く空いた時間を使おうと言って、朝や夕方少しでもボールに触れる時間を増やして、ミーティングも多くして、チーム全体で動けた。日頃の練習ではもちろん試合を想定して、試合に近い形式で普段から取り組んでいた。去年の秋からキャプテンを務め、去年のインカレが終わってベスト16の壁を越えたいということで、秋リーグで3位になって、そこから少しずつチームが変わりつつあるなと感じた。そんな中新入生で良い選手が入部してきて、それがチームの刺激にもなり、今まで勝てるかどうかというチームが今度は勝っていかなければいけないという責任感を個々に感じてきたと思う。自分も含めて4年生は試合に出たかったが、出られないなりにサポートしていこうという気持ちがあった。自分は主将でそういう部分にあまり関われなかったが、それ以外の4年生が上手くチームをまとめてくれたりそういう行動をとってくれたから、後輩たちも上手くやってくれたかなと思う。高校のときの3年間とはまた違った大学の4年間だった。もちろん辛くて逃げ出したいときもあった。同期は本当に良い仲間だった。主将という立場を設けてくれたことが、自分をすごく変えてくれた。責任感だったり、そういう役職をもらったことでこの1年間すごく有意義に過ごせた。自分が4年間過ごしてきて、インカレで早稲田がずっと4連覇している。自分は4年間目の前で早稲田が優勝してくるところだけを見てきた。若い1、2年生には、『お前らの4年間は早稲田が優勝するんじゃなくて、自分たちの力で早稲田を倒して優勝しろ』と言ってあるので、それを目標に彼らは頑張ってくれると思う。今年の代はチーム力もあったし、自分以外の4年生がしっかりしてチームをまとめてくれた。厳しいことも同期に言ったが、みんな最後までついてきてくれて感謝している。逆にみんなに支えられた部分もあった。本当に4年生で戦いたかったし、試合に出させてやれなくて申し訳ない。後輩たちは、団体戦で優勝したことがないので、早稲田始め日体大にも勝って、1回でもいいから優勝してほしい」
平井
「関西は勢いがつくとどうしようもなくなってしまうので、準々決勝は1番手ということで自分から進んでプレーしていった。準決勝の作戦としては、関西学大の前衛がいつもの前衛ではなくてレベルが落ちるということだったので、そこを立木と自分で攻めていくことだった。しかし、自分たちのミスがかなり響いてしまった。ベストではないが、そこそこのプレーは出来た。今年のチームは藤田さんを中心に頑張ってきたが、まだまだ頑張れるところがある。頑張れるところがあるから負けている。夏の合宿も良い感じで入れたが、やっぱり冬場にもっと技術面とか体づくりをしていかなきゃいけないと思う。明日からの個人戦も頑張りたい」
立木
「準々決勝の相手の関西学大は昨日勝利していて、関西のチームは勢いがつくと怖いので、自分たちが必ず1回目で勝って流れを明治に持っていきたいと思って頑張った。早稲田を意識してこれまで取り組んできたので、準々決勝では勝ちたいという気持ちが逆に少し力みになってしまった。始めに力んでしまったのが後々悪い方向にいってしまい、それを止められずに負けてしまった。1ゲーム目でポイント3ー0になったのを取りきれずに、1ゲーム早稲田にやってしまったのが敗因だと思う。早稲田とやるときだけ『自分たちのほうが実力が下だ』と、意識の中で差ができてしまっているので、まずはこれから他の大会で上位まで残って、結果を残して早稲田と対等にやれるんだという思いで挑んでいきたい。明日からは個人戦になって少し気持ちが楽になるかもしれないので、思い切ったプレーで上位にいきたい」
丸岡
「準々決勝は2番のファイナルが接戦で勝って1年生2人が接戦をものにしてきたので、勢いがついて勝つことができた。準決勝での敗因は、競った場面で早稲田の方が力を出していたこと。自分のコンディションはずっと良くなくて、最後は気持ちでやるしかなかった」
丸山
「4年生は最後の大会だが1人も出ていないので、4年生と頑張ってきた分勝って終われればいいと思って挑んだ。準々決勝では前の2組が競りながらも流れを作って勝ってきてくれたので、それに乗っかって自分たちもやっていった。早稲田との準決勝は、前のペアが負けたというのもあるが、最後自分たちが勝ち切れなくて早稲田に思い切ったプレーをさせてしまったのが敗因。もっとチームの意識を上げていって、チームを引っ張る存在がもっと増えていったらまとまるので、そういうことを意識してやっていけば優勝できると思う。団体戦は準決勝で負けてしまったので、個人戦でもし早稲田と当たったらその借りを返せるようにやっていきたい」
米澤
「4年生にすごくかわいがってもらっていたので、どうしても4年生と一緒に優勝したかった。コーチからファイナルゲームをしっかり制するのが課題と言われていた。準々決勝ではたまたまファイナルゲームまでもつれこんだが、それを目標にして挑めたので勝てたと思う。準決勝では、ゲームカウント3ー2でリードしたところから、自分たちが最後の1ゲームが取れなかったのが敗因。そこをしっかり克服できるように、しっかり気持ちを作ったりして練習していきたい。団体力がまだチームには足りない。試合に出ない人も自分の意識をしっかり高めてほしい。明日からの試合では、ダブルスでは優勝したい。学年関係なしに、1年生らしく4年生にも立ち向かっていきたい」
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