女子 関西学大に惜敗 団体戦はベスト8に終わる/全日本学生選手権

2016.08.08
 ベスト4の壁は越せなかった。団体戦2日目を迎え、準々決勝の相手は関西学大。最初の3戦までをチームカウント2-1とリードして進めたが、そこから望月友美佳(営3=加藤学園)・小谷真由(営2=米子松蔭)ペア、齊藤香純(政経3=昭和学院)・鈴木梨沙(商1=和歌山信愛)ペアがともに敗北。ベスト8という結果に終わった。

 照り付ける日差しの中行われた準々決勝。チームカウント2-1で3試合を終えここで勝ち切ればベスト4という状況の中、勝負を任されたのは、安定した勝率を誇る望月・小谷ペア。しかし序盤から相手に流れを作られ、ゲームカウント3-0と追い詰められる。窮地に立たされたペアを救ったのは、勝利を諦めないチームの声援だった。「チェンジサイズで戻ってきたときにみんながまだいけるとかプラスな発言をしてくれてすごい背中を押された」(望月)と、気持ちを切り替え一気に3ゲームを連取し、ファイナルゲームに持ち込んだ。
 お互いに攻めこみあい、接戦となったファイナルゲーム。勝敗を分けたのは、気持ちの部分だった。「思い切りとかその部分が欠けてしまっていた。どうしようとか気持ちにも迷いがあった」(望月)と、その気持ちがプレーに影響し相手後衛とのラリーに打ち負け惜敗。続く齊藤・鈴木梨ペアもゲームカウント4-1で敗北し、明大の団体戦は幕を閉じた。

 4年生のために勝ちたかった。試合後、選手たちが口々にそう答えるのには理由があった。4年間やってきて、自分たちの代で後輩のために何かを残したい。その思いで4年生が取り組んだのが「日本一にふさわしいチーム作り」だった。4月に行われた六大学春季リーグ戦後のミーティング、日向莉乃主将(国際4=中村学園)は「色々な思いがあって結局戦うのは試合に出てる子。その子たちが他の子の気持ちを理解しようとしていない」といつも以上に厳しい言葉を放った。そこからチームの雰囲気は変わり、選手も応援する側も一人一人がチームのことを思うようになった。変化はすぐに数字としても表れ、大会の成績も上がり始めた。そんな中行われた今回のインカレ。「4年生は私たちを信じてくれていて、本気で応援してくれていて。このインカレで感じたのはチーム力だった」(齊藤)。「チームで勝つ面白さを実感することができた」(望月)。昨年のベスト16から順位こそ上がったものの、目指していた優勝には届かなかった。しかし、コート上で繰り広げられていたのは昨年までとは違う明治の戦い方。1年間かけてチームに尽くしてきた日向主将は先を見据えて語った。「日本一を獲るチームにするのにこの1年では足りなかった。だからこそ来年は絶対獲れる」。
 
 今度は後輩が伝えていく番だ。「教えてもらったことをしっかり後の人たちがつないでいけるようにしていきたい」(小谷)。4年生が残していってくれたものは、これからもソフトテニス部の中で受け継がれていく。

[三ツ橋和希]

試合後のコメント
日向主将

「(1年前は)チームじゃなかった。団体戦をやっていても楽しくないし、これでは勝てないという感じがあった。(主将に就任して)やっぱりやるからには日本一になりたいと思って、どのチームが見ても明治いいなとか日本一にふさわしいチームをつくろうと思ってやってきた。技術に関しては個人が一番よく分かっているし、自分で足りないところを練習すればいい。それよりも練習のやり方という面でチャンスボールは声を出して打つとか、良いボールを打ったら仲間がナイスボール!と言うとかそういうことを大事に練習してきた。(変化を感じてきたのは)結果を見ても分かる通り、一個ずつ確実に上がっていっているのは良かった。試合を重ねるたびに良くなっていることは多かった。(今春の)六大学リーグ戦かな。終わった夜にミーティングをして、いつも私は怒っているけどその日のミーティングでは特にきついことをみんなに言った。人の気持ちを考えられないのかという話をした。4年生は4年生の思いがあって、出てる子は出てる子の、出れない子は出れない子の思いがあって。色んな思いがあって結局戦うのは試合に出てる子で、その子たちが他の子の気持ちを理解しようとしていなかった。もうその時点で団体戦は成立しないということを言ったと思う。冬はあまり試合がなくて、春始まって六大学がシーズン最初の団体戦でやっぱりそこから変化を感じた部分はあったと思う。(4年生が試合に出場できなかった)例えば私だったら2年の時に前衛になって、もう部活を辞めようと。私は後衛にプライドを持って高校まで頑張ってきていて、それで大学を選んでいたからそう思っていた。田島(茉美・法4=鈴峯女子)もチャンスがあった中で頑張ってきていて、鈴木(友梨・営4=田村)だってそう。大学って好き嫌いがあるし、色んな思いをかかえて戦ってきていよいよ自分たちの代ってなった時にせっかくやるなら後輩に何かを残したいと思っていた。できることってあると思うし、何とかしようと思ってこの1年間は本当にしんどかったけど意地でやってきた。日本一を獲るチームにするのにこの1年間では足りなかったし、だからこそ来年は絶対獲れると思っている。チームの基盤を作ることが私の一番の仕事だった。(今年の団体戦を振り返って)やりきったんだと思うけど、やっぱりまだ届かなかったというのが正直なところ。でもみんなが頑張っていた。試合に出てない安西(美由希・法1=昭和学院)とか西本(明日香・商1=明大明治)もカバーしようと、1年生だから余計気を張ってやってくれたと思う。もうそこの動きは完璧だった。試合に負けたのは覚悟が足りなかったからだったと思う。でもあの子たちからしたら、これだけ1年間怒られて、団体戦というものを教えられてきた中で先輩のために勝ちたいというのは特に齋藤、望月はすごい思ってくれていたと思う。勝ちたい、勝ちたいっていうのは結局個人の感情で、でも団体は個人の感情があったら勝てない。そこをこの1年間かけてやってきて、あの子たちはチームのためを思ってやってこれたと思う。どの人が見てても、昨年のチームと今年のチームは違うと思う。(今年の代の強みは)素直なところかな。バカだけど。そこは他の大学に比べていいところだと思う。ただがむしゃらさが足りなかった。みんな素直でいい子だから、勝ちたい何とか頑張りたいと思って試合をしてくれたと思うけど、もう一個上の強さが私たちには足りなかった。(個人としては)大学が一番しんどかった。4年間。辞めようと思っていたからなおさらで。最後はキャプテンとして頑張れたのは良かったし、いい仲間で、メンバーが良かった。辞めよう辞めようって言っていた時は田島とかがすごい支えてくれた。キャプテンになってからも、やっぱり1回言ってその通りできることってない。こっちもこっちできついことを言うのはしんどいし、そこの葛藤もあって。でもそこで手を抜くわけにはいかないし、今褒めるわけにもいかなかった。落ち込んだこともあったけどそこを同期がカバーしてくくれた。それで後衛たちがそれに応えてくれた。2年生の髙橋とかはすごい全力でぶつかってきてくれて、1年生も本当に頑張ってくれて、メンバーに救われたと思う。(同期に伝えたいこと)ありがとうしかない。君たちが一緒で良かったですって(笑)。男子のほうも良いライバルで、いい関係を築けたと思う。藤田(京太・政経4=高田商)のまとめ方はすごく優しくて私とは真逆で、自然とこう周りに人が集まってくる。丸岡(俊介・政経2=尽誠学園)とか、平井(裕之・国際3=高崎健康福祉大附)とかすごい好きで、今年は藤田さんのために本当に頑張るって言っていて。そんなこと言ってくれる後輩ができるのもいいチームだってことだから。来年こそは女子は男子に負けないようにしてほしい。(後輩には)団体で勝てる明治にしてほしくて、技術も上がってきたしいいものは持っている。それを生かすかどうかは自分次第で確実に勝ちに結びつけられる、もっと思いやりに溢れたチームを作ってほしい。もう今年男女とも基盤を作りつつあると思うから、今のいいところを引き継ぎつつ、周りから見て明治いいなって、明治じゃんってすぐわかるようなチームにしてほしい」

齊藤
「どの試合も紙一重で、大事な場面で取り切れなかったのが一番の敗因だったかなと思う。その取り切れなかったというのは結局気持ち的に少し中途半端なところがあったからで、少しのミスだったり打ち切れなかったことにつながってしまった。(ペアで振り返って)とにかく2人で強気でどんどんやっていこうと言っていた。1試合目は気迫で相手を押していってその中でも余裕がなかったり急いでしまったりしたところがあったが最後は勝つことができた。2試合目も強い気持ちを持って臨んでいこうといったけど、やっぱりやっていく中でここ一本というときに決め切れない場面が何回かあって、そこでゲームを落としてしまった。結局自分の気持ちがのっていればどんなボールも打てるし、走るしという感じなので、受け身になった展開から入ってしまうと自分のリズムでなくなってしまう。(東インカレから)技術面で言うともっとしっかり角度をつけたボールというのを監督から言われていて、ボールの長さであったりを意識してやってきていた。その他の技術じゃない部分ではインカレでしっかりみんなが一つになれるように普段の練習から元気よく盛り上げていこうと言ってきていた。(手応えは)自分たちが角度つけたボールを打てばポイントになるし、流れにはのれていた。盛り上がりの面でもみんなが後ろから声を出してくれていた。このチームで一試合でも多くやっていきたかったんですけど、やっぱりどこか足りないところがあるから負けてしまうわけで。4年生が最後だったのでもっと一緒に戦いたかった。4年生は私たちを信じてくれていて、本気で応援してくれていて。笑顔で終わりたかったけどこういう形になってしまったのが悔しい。(4年生が引退してチームは新体制になるが)このインカレで感じたのはチーム力だったと思う。今回は4年生が本当に引っ張ってきてくれていた。次は自分たち一人一人がチームのためを思ってプレーしたり、応援する方もプレーしてる人と同じ気持ちでやったりというのをみんなでやっていきたい。(選手権に向けて)いつも一つずつやっていってるので個人戦だけど団体戦のつもりで戦っていきたい」

望月
「(1試合目の総括)やっぱり自分たちが一番で起用されたこともあって昨日同様チームの流れを作っていかなければいけないということもあって、気持ち的には思い切っていこうというのがあったし、みんなもそうやって声を掛けていただいていたので、途中崩れた場面もあったけどペアの小谷と声を掛け合えてすごいいい流れでゲームを持っていくことができた。(2試合目の総括)相手の方がここ一本しか残っていないという部分で割り切っていた部分があったし、自分たちが先に行かなければいけない場面で相手の方が割り切って攻めていた部分があったのでそこの部分が最初3ー0とリードされてそこから追う場面になってしまったので自分たちから先に行ければよかった。(3ゲーム連取してファイナルゲームに持ち込んだ)3ー0だからやるしかないという部分もあったし、チェンジサイズで戻ってきたときにみんながまだいけるとかプラスな発言をしてくれてすごい背中を押された部分があったので、自分もやるしかないんだという気持ちでやれた。(あと一歩勝ち切れなかった原因)コーチ陣とか監督陣にも言われたけど一本を取り切る思い切りとかその部分が欠けてしまっていたかなとも思うし、何かどこかで取られたらどうしようとか気持ちにも迷いがあった部分があったのでそれがプレーが出てしまった。そこを上手くつなぎとめてくれてたのがペアの小谷だと思うので、そこの一本を取り切る力を持ちたいと思う。(団体戦の感想)キャプテンの日向さんを中心にみんなでやる最高の団体戦ということをずっと言われ続けてきてすごい今まで悩んだ部分もあったし、自分に自信がなくなったときもあったけどこの2日間みんなで戦い抜いて団体戦というのが楽しかったし、自分だけが勝たなきゃいけないとかじゃなくてチームで勝つ面白をすごい実感することができたかなと思う。自分たちがこのインカレ終わって世代交代だけどそういったときに自分たちがもっとチームを引っ張れるようにしていきたいしもっとチームの中で自分たちが今日取り切れなかった一本をチーム全体で取り切るような声かけや雰囲気作りを意識してやっていきたい」

小谷
「やっぱり自分たちが2回目の試合に出た時に0ー3まで持っていかれたけど、そこから流れを変えてファイナルまでいって、でもそこで負けてしまったのがチームの敗因だと思う。監督やOBの人たちも言っていたが、気持ちの部分で競っている時にどうしても前衛は逃げてしまって、後衛は相手がポーチとかで出てきて決められてしまっていた。前衛がポーチとかに出られないという気持ちの弱さが敗因に出た。(東インカレから)莉乃さん(日向主将・国際4=中村学園)が中心にチームをすごくまとめてくださって、試合に出てる人は出れない人の分まで気持ちを背負って声をしっかり出してプレーするということを徹底してやってきた。全然まとまりがなかったチームだったけど、4年生がチームのためにすごく考えて動いてくださってそれで雰囲気も変わったし最後はみんなが一生懸命になってプレーすることができた。4年生のおかげでみんなが変われたかなと思う。(2年目のインカレ)去年より成績が上がったというのは良かったけど、今回はみんなすごく気持ちが入っていて優勝目指していたので負けたのは悔しい。(ペアとしてつかめた手応えは)去年より簡単には負けなくなったというのは成長したかなと思う。やっぱり気持ちが全然弱いからそこは2人でもっと強くならないといけない。やっぱり4年生でまとめてくださっていた方がいなくなるから、そこでまずは気が抜けないように4年生に教えてもらったことをしっかり後の人たちがつないでいけるようにしていきたい。(選手権に向けて)やっぱり団体戦で満足のいく結果が出なかった分、個人戦はしっかり上位を目指して団体戦のリベンジをしていく」

髙橋
「(相手の印象)正直関西であまり情報とかもなかったので、逆に相手も自分たちの情報がわからない状況なのかと思ったので、相手が何かする前に自分たちから攻めようという気持ちではあった。(ネット際での失点)本当はそれを逆に決めていきたかったけど今日は攻めに迷いがあって、昨日とかだったらしっかりコースを決めて振れてたけど今日は変に欲が出たり野悩んだりってのがプレーで出てしまって、決めきれなきゃいけないネットプレーを今回は決めることが少なくなってしまった。(みんなの団体戦)本当にサポートしてくれる方々とか、応援してくれる特に4年生が、チームのためにいろいろ考えて行動してくれたので、私たち選手はその応援してくれるチームのために本当に一本一本大事に死に物狂いでやってきた。(団体戦の感想)今回優勝をみんなで目指してた中でのベスト8で、悔しい気持ちがいっぱいなのでその悔しさを明日の個人戦とかこれから先にもつなげてその悔しさを晴らしていきたいと思う」

西永
「(相手の印象)先に一方的にやられて、自分たちが受け身になったと思う。後衛の人はやったことがある人だったので結構意識していたけど相手のペースにもっていかれて取れたゲームだけ自分たちのいつものいい感じのゲームに持っていけたけどやっぱり3ー0からの巻き返しだったので惜しかったなと。1ゲーム目の入りからもっと攻めなければいけないし、3ー0になるまでの間のゲームをもうちょっと改善していく必要があったと思う。(団体戦の感想)初めてインカレの団体戦に出させてもらったがすごい後衛のサポートもありながら昨日は2年生らしく一生懸命できたし無心でチームを盛り上げて戦い抜けたと思った。(個人戦の目標)団体戦で勝てそうな試合なのに負けてしまったり悔しい思いをしたのでダブルスでは悔しさをバネにもっと上を目指してシングルスも一試合一試合課題が見つかったのでそこを改善しながらやっていきたいと思う」

鈴木
「今まで以上にチームの雰囲気も盛り上がってよくできたと思う。(みんなでやる団体戦)喜ぶときはみんなの方を向いて喜んで雰囲気を盛り上げたり思い切り相手に向かっていってそれを表現できるように頑張っていた。(試合の流れ)1試合目は自分たちのペースにしっかり持っていけて本当に勢いにのって勝ち切ることができたけど2試合目は焦ってしまってしっかりと取り切ることができなかった。(1試合目、2連続で落としてからのファイナルゲーム)4年生が最後なので4年生のためにも自分たちがしっかりしなきゃと思って相手に向かっていった。(団体戦の感想)4年生が最後だったので、このチームでできる最後の団体戦だから今まで以上にしっかりやっていこうと思った。ちゃんとチームの雰囲気もよかったし負けたけど本当によかったと思う」