新たに6人が加わり全日学へ挑む/全日本大学総合選手権・個人の部 関東予選
ダブルス
レベルの高さを見せつけた。「通って当たり前の気持ちで臨んだ」(船本)の言葉通り、船本・渡部組は3試合で失ったゲーム数はわずかに1と、危なげない試合運びで、本戦に駒を進めた。4回戦敗退に終わった関東学生選手権の反省を生かし、サーブレシーブの強化に取り組んできた。その成果を存分に発揮し、3球目攻撃などで得点を重ねて、試合の主導権を譲らなかった。
船本はこれで3年続けて違うパートナーでの予選突破となった。過去2年は、岡田崚選手(平27商卒・現岡谷市役所)、松下海輝選手(平28商卒・現日鉄住金物流)と4年生の先輩に引っ張られる形だった。今大会は同級生の渡部とのダブルスのため「自分が決めようという気持ちを持って臨んだ」(船本)と、過去2年、予選を突破した経験を生かして渡部を引っ張った。渡部も「安心感があった」と語っており、信頼関係に揺るぎはない。「ランクは必然的に狙っていきたいと思う」(船本)と、抜群のコンビネーションを見せる2人が、本戦でも旋風を巻き起こす。
稲津・鎌田組は新たに自分たちの形を生み出し、全日学への切符をつかみ取った。「最後1点とかリードしている時に、点数が取れなかったりした」(鎌田)と、このペアの弱点は勝負どころでポイントを奪えないことだった。それを拭い去るべく戦術に多様性を持たせて今大会に臨んだ。決定戦では鎌田が相手を崩し、稲津の高い精度のショットで決めるという形がはまり、相手をねじ伏せた。稲津、鎌田共に、違うペアで臨んだ昨年は決定戦で敗れ、一歩届かなかった。悔しさをばねに成長した2年生コンビが、本戦の舞台でも存在感を見せつける。
一昨年にベスト4に入っている滝澤拓真(情コミ4=長野商)・坪金組、春季リーグ最優秀ペア賞の森薗政崇(政経3=青森山田)・渡辺裕介(商2=明徳義塾)組など予選を免除されている4組を加えた計6組で本戦に挑む。昨年はベスト8が最高と明大としてのダブルス3連覇を逃し、不完全燃焼に終わった。昨年逃した大きな勲章を、最強の布陣で取り戻しに行く。
シングルス
4年生の意地を見せた。ダブルスでは既に予選免除で出場が決まっていた坪金。シングルスでも出場権獲得を懸け、決定戦へと勝ち進んだ。1ゲーム目、2ゲーム目ともに競り合いとなるもマッチポイント先取でリードを広げた。「4年生の町(飛鳥主将・商4=青森山田)がベンチに入ってくれて的確なアドバイスをくれた」(坪金)。一緒に頑張ってきた仲間の言葉に背中を押され、第3ゲームで7―10とマッチポイントを握られたが3点差を連続ポイントで取り、ジュースにもつれ込んだ。その後は、互いに1点ずつ取り合うシーソーゲームとなったが最後は「やることは決まっていた」(坪金)と、一球一球に集中して2連続ポイントを奪い、16―14で試合に終止符を打ち勝利を収めた。大学生活最後の全日学でシングルスの舞台でも活躍を目指す。
坪金のほかに、渡部、稲津、古市が本選出場を決めた。3人とも嬉しい全日学初出場だ。渡部は過去2度決定戦で敗れていたが「三度目の正直ということで絶対に勝ってやるという気持ちで臨んだ」(渡部)と惜しいところで出場を逃していた今までの雪辱を果たし、フルゲームの末17―15の死闘を制した。シングルスは予選を勝ち抜いた4人、予選免除で出場が決まっている8人を合わせた12人の布陣で明大勢上位独占を狙う。
今季はこれまで団体戦で春季リーグ、団体インカレを制し、グランドスラムに王手をかけた。昨年の全日学は、昨年はシングルスで森薗が連覇を達成するも、ダブルスは不本意な成績に終わり、3年連続の単複制覇を逃した。秋はグランドスラムの最終関門である秋季リーグ制覇。そして2年ぶりの全日学単複制覇をかなえ、明大が絶対王者であることを証明する。
[加藤真人・花岡桃]
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