115㎏未満級で快挙 上位3人が明大勢/東日本学生個人体重別選手権

2016.07.25
 明大選手が土俵で輝いた。予選トーナメントを勝ち抜きベスト8に入ると、9月に行われる全国学生個人体重別選手権(体重別インカレ)に出場権を得られる今大会。115㎏未満級に出場した藤原竜平(政経1=埼玉栄)が1位、前田将吾(政経2=宿毛)が2位、川村希(政経2=埼玉栄)が3位と明大勢が上位を占めた。また同じく115㎏未満級に出場した東龍輝(政経1=文徳)と、135㎏未満級の田原勇也(政経3=報徳学園)がベスト8と健闘した。この成績により明大は5人が全国への切符を手に入れた。

 軍配は藤原に上がった。藤原と前田の同校対決となった115㎏未満級決勝戦。「普段の稽古では苦手な相手。今日は思い切りいこうと決めていた」と藤原。立ち合いから前田の下手へ入り、出足の鋭い動きで前へと進んでいった。互いにまわしをつかみ数秒間探り合うも、最後は藤原が寄り倒しを決めて勝利した。準決勝、決勝と続いて一学年上の先輩を倒し、大学の土俵で早くも一つ目のタイトルを獲得。これには小川清彦総監督も「上級生との試合だったけど、度胸と天性の相撲勘で優勝できたのかな」と舌を巻いた。一方、敗れた前田は取組後、悔しそうな表情を浮かべるも「今日はまだ通過点。自分のいいところを磨いてやっていきたい」と前向きに振り返った。

 個人戦は輝かしい成績となった。しかし、先日の全日本大学選抜相撲大会で予選敗退をするなどチームは団体戦に苦しんでいる。「みんな自分を信じて自分の相撲を取り切れば団体戦もいい結果につながると思う」(川村)と今回の勝利を次へとつなげる。8月に行われる全日本大学選抜十和田大会が次の団体戦だ。インカレ優勝に向けてこの夏、一回り成長した姿を見せてほしい。

[鈴木貴裕]
  
試合後のコメント
小川総監督

「115kg未満級は入賞できるとは思っていたんですけど、やってみなければ分からなかった。115っていうのは相撲だと小さい階級だから、Aクラスの主力はやっぱり135以上の階級が多いんですよね。それでも115にだってAクラスでレギュラーで出場している選挙もいるし、そういう中で上位3位までを独占できたことは良かった。みんな体が大きくなる途中だから、来年は115に出ているようじゃダメだからね。階級を上げてみんな入賞できるように、一つの過程として。藤原は、1回戦は少し固くなっていたけどあとは度胸をみせた。高校時代の大舞台での経験もあるし、そういう土俵での度胸があって、集中して取れたかなと。決勝、準決勝でも上級生との試合だったけど、度胸と天性の相撲勘で優勝できたのかなと思います。チーム全体でいえば、5人が全国にいくなんて記憶にないくらい。田原も135でいい相撲取っていたし。食事も稽古もみんなで競って、来年はもっと上の階級で優勝するように。相撲も体もレベルアップして、それで団体で勝てればと思います」

田原
「いつも通りできました。金沢のときが良かったので、その流れでいけるように集中してモチベーションを上げていきました。ケガはもう気にしてはないです。準々決勝で負けたんですけど、立ち合いは良かったのですがもう一歩足を前に出すことができなかったです。もう一歩足を前に出せればっていう反省点を、8月の十和田大会や全日本体重別とかまでに克服して、上を目指して頑張りたいです。115未満で後輩たちが入賞してくれたので、自分も負けちゃいけないって思ってやれました。チーム全体的でも悪くはなくて、次につながる大会になったと思います」

川村
「今回は嬉しいけど目標は1位だったので悔しい部分もある。準決勝で敗れたのは立合いでまわしが取れなかった。自分は同じ体格の相手がどちらかというと苦手だった。自分よりもでかい相手に勝つのが自分の相撲。(明大が上位を占めたことは)みんなに力がついてる証拠。全日本では入賞を目指してやりたい。来週から千葉、青森と合宿があるので練習して結果を残したい。みんな自分を信じて自分の相撲を取りきれば団体戦もいい結果になると思う」

前田
「自分のこれからの課題が見つかった試合だった。試合に向かう前に、メンタル面で焦ってた部分があった。窮地のプレッシャーを乗り越えられるよう改善していきたい。(母親の応援)高知から朝一の便で何時間もかけて駆けつけてきてくれた。試合前に頑張ってねと声をかけてくれた。試合後はよかったと言ってくれた。(決勝の相手が明大)相手どうくるか知っているだけあってやりづらいというのもあった。今日はまだ通過点。終わったことは仕方ない。このまだまだ自分のいいところを磨いてやっていきたい。(昨年と違う階級での出場)大学入学前は、今よりさらにひとつ上の階級に出ていた。1年生の頃は、都会の慣れない環境で過ごして30キロから40キロくらい体重が落ちてしまった。やっぱりレギュラー入ってやっていくにはどうしても体重増やさないといけないと思って20キロくらい体重を増やして、ひとつ階級を上げれた。甘いものを食べて体重を増やしても意味がないので、栄養も考えて、一日、一升ぐらいは食べている。しっかり体は動いていると思うので次に向けてトレーニングをしていきたい。全国は上位目指して頑張っていきたい」


「初戦と2回戦が結構高校時代から強い相手だったので思いっきり当たって勝利できて自分の相撲が取れたと思う。頭を上げると自分の不利な体制になってしまうので上げないように意識した。ベスト8に入って全日本に出ることが目標だったが、できたら入賞したかった。(川村との一戦は)立合いで変化されて、バタバタしてしまい自分の相撲が取れず、悔しかった。全日本で入賞するためにも夏の合宿では気を引き締めてやっていきたい」

藤原
「今日は取れると思ってなかったので嬉しい。全日本に出れるベスト8が今日の目標だった。(決勝の相手が前田)普段の稽古だと苦手な相手だった。立ち合いがうまいので相手の優位な形に持ち込まれてすぐに負けてしまうことが多かった。今日はうまくやられないように考えて、先輩だし思い切りいこうと決めていた。立ち合いは待ったになって変化して、2回目の時に下に入って勝った。結果には満足している。すぐ引いて負けることは無かったし良かった。先輩について応援してもらったことも力になった。(全日本に向けて)一勝でも多く勝てるように、もっと体を大きくして力をつけていきたい」