
あと一歩で決勝進出逃す/全日本大学選抜金沢大会
あと一歩、決勝に進むことができない。予選1回戦では今大会準優勝校・東洋大を相手にストレート負け。続く予選2回戦では日体大に2-3で敗れ、迎えた3回戦。対する専大は、明大とほぼ互角。田原勇也(政経3=報徳学園)と名和の連勝でいい流れを作った。しかし、その流れに乗れず。大将の前田将吾(政経2=宿毛)は持ち前の思い切りの良さを発揮できず、相手の寄り切りに屈した。「一人一人は少しずつ力がついているけど、勝ちに対するチームの執念が足りなかった」(小川清彦総監督)。宇佐大会、宇和島大会、金沢大会と続いた団体戦でまたしても予選敗退。力不足が浮き彫りとなった。
上級生が成長をみせた。東日本学生選手権では0-5で完敗した日体大に、二陣・田原が立ち合いから踏み込んで懸命に前へ押し出し、まずは一つ白星を獲得。「いい内容だったと思います」と田原。引いて負けた1回戦の東洋大戦での反省を生かし、今度は攻めの相撲を貫いた。そして主将の名和も続いた。「二陣の田原もいい相撲で勝ったので、その波に乗って」(名和)。勢い余った相手のスキを逃さず、はたき込みで仕留めてみせた。これで一時は2-1でリード。二本柱となりつつある上級生2人の勝利で、日体大を追い詰めた。
団体戦上位進出のカギを握るのは下級生だ。今大会出場メンバー5人のうち3人は1,2年生。結果が振るわなかった下級生たちの今後の成長が団体勝利へと導く。来週行われる東日本学生個人体重別選手権で問われるのは個人の力。名和は「気持ちを高めて、集中を切らさずにやっていきたい」と意気込んだ。個人で結果を残し、団体勝利へ。全員が全国に駒を進める結果となることに期待したい。
[臼井美理亜]
試合後のコメント
小川総監督
「今日のいい点は、田原が日体大戦で前に出ていい相撲を取った。東洋大のときも田原は良かったんだけど、引いて流れを自分で変えてしまったので『引くな』と。『攻めきれ』ということで。それが課題だから。攻めて、攻めて、相手が引いたところに乗じていけた。(東インカレで完敗した日体大に2-3)今回2点先取して、2-1になったんだけど副将と大将で負けてしまった。勝ちたかった専修にも負けてしまって。チームとして一勝もできなかった。チーム力はちょっと力不足だね。川村は先鋒で思いっ切り取れなかったかな。当たるのに精いっぱいでまわしにも手がかからないで。川村らしい思い切りのいい相撲が取れなかった。力がついていることは、最後個人戦のとき見えたので、全体的に言えることはチームとして勝ちたかったということ。日体大に2-2で大将の前田に回ったけど、前田も今日は固くなった。大将だから。専修も2つ取っているのに後ろの二人が勝てなかった。リードしているんだから思い切って取ればよかったが、取り切れない。その辺の弱さは大反省点。名和が復活したので引っ張ってくれると思う。一人一人は少しずつ力がついているけど、チームとして勝てないっていうのは、勝ちに対するチームの執念が足りなかった。1年生の藤原や東も入れてメンバー争いだね。名和と田原が二本の柱としてできかけているけど。あとは誰が出ても変わりがないから、そこから抜け出さないとね。二人じゃ勝てないから。(来週の)体重別は全員がベスト8以上に入って、全国に駒を進められるように」
守重監督
「まだまだ力が足りない。上位に入るチームに対して勝負にならないと、なかなか上に行けないと思う。日体戦は、まだ力がないので勝ち切れないのはしょうがない。でも、最後は完全に勝って終わらないといけない。上に追い付こうと努力しないといけないし、同じレベルのチームも力をつけてきているので、そこにしっかり勝てるようにならないといけない。これから十和田(8月の全日本大学選抜十和田大会)があるが、まだ力をつける途中段階なので、インカレに向けてしっかり力をつけて頑張ります」
名和
「1回戦は、自分自身の復帰戦だったので、緊張していた部分もあって、自分の相撲は取れてなかった。でも、勝負はできていたので次につながるんじゃないかと思います。2回戦は、負ける相手ではなかったので確実に勝ちにいった相撲でした。二陣の田原もいい相撲で勝ったので、その波に乗って勝てました。三回戦は、チームとして勝たなければならなかったという思いがありました。久しぶりの大会出場で、まだ動きも100パーセントの力ではないが、インカレに向けて、練習量や質を高めて、立ち合いに100パーセントの力を出せるようになれば上に行けると思います。強い気持ちでやらないと勝ち上がれないと思うんで、集中して、特に立ち合いと手を出すことを意識してやっていきたいです。来週に向けて、一週間で変わるってことはないと思うが、気持ちを高めて、集中を切らさずにやっていきたいです」
田原
「団体戦は1回戦(東洋大)も負ける相手ではなかったし、1回戦負けたのは悔いが残っています。2、3回戦は吹っ切れたというか、自分の相撲を取ることに集中しました。1回戦は集中力が欠けたというか、自分の相撲を通せなかったです。勝ちにこだわり過ぎて、結局消極的な相撲になってしまいました。以降は集中して自分の相撲を取ろうとして結果も勝ちにつながって、自分の相撲が取れていい内容だったと思います。監督にも言われたんですけど、一人が強くても団体では勝てないので。チームで勝てるように、あと十和田とインカレがあるのでチームが勝てるようにみんなでレベルアップしていかないといけないです。あとインカレまで3か月くらいあるので、しっかり頑張ってインカレにつなげたいです。(来週の東日本学生体重別選手権の出場は)初めてです。個人戦なので自分の相撲を取れば勝てると思います。今回の金沢は、いいところもあったんですが、悪いところも出てしまったので、いいところを自信にして、悪いところをなくして、今後の試合につながるように頑張りたいです」
前田
「そんな大きな大会じゃないので、どこまで通用するのか試した。その結果課題がたくさん見つかりました。やっぱり2回戦、2-2で大将の自分に回ってきて、田原先輩と名和先輩が2点取ってくれたのに勝てなかった。チームとして勝つにはもう1点が必要。回してくれたからには、あそこは勝たなきゃいけなかったです。今年からレギュラーになって試合出るようになったので、相手も立ち合いで警戒して動いてくる相撲が多かったです。警戒されても、勝たないといけないと思います。ある程度研究されてはきている。夏は体づくり。筋トレとか。気持ちの面とかも鍛えていかないといけない。自分が最後の1点取るってぐらいにならないと、インカレで上位を目指すには。自分はあまりプレッシャーは感じないけど、2-2でくると、どうしても勝ちたいっていう気持ちで固くなるというか、力を入れすぎてしまいます。勝つために練習していたが力は出し切れなかったです。しっかり狙えるくらいの実力はついていると思うので、上位狙って全日本に出られるように頑張っていきたいと思います」
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