【瓦版】接戦制し昨年のリベンジ 団体インカレ奪冠

2016.07.13
 2年ぶりの奪冠だ。大学日本一を決める団体インカレ。準決勝で愛知工大を破り、専大との決勝戦へ。森薗政崇(政経3=青森山田)、町飛鳥主将(商4=青森山田)が敗れる波乱の展開を迎えながらも、5番手の酒井明日翔(政経2=帝京)が、高校時代に森薗とのダブルスで全日本選手権2連覇を果たしたルーキー・三部をストレートで下し、熱戦に終止符。3―2で勝利し、優勝を決めた。

強心臓
 全ての願いが、酒井に託されていた。昨年ベスト4で終わった悔しさを晴らすため、そしてリオ五輪に向かう丹羽孝希(政経4=青森山田)を優勝で送り出すため、絶対に負けられない戦いだった。専大との決勝は、2―2までもつれ込む接戦へ。優勝が懸かった5番手は、酒井。誰もがプレッシャーのかかる場面。それでも、コートにはいつも通りひょうひょうとする酒井がいた。「緊張したそぶりは見せなかった」(酒井)。その言葉の通り、序盤からバックドライブを中心とした酒井らしい攻撃的なプレーを展開。台隅ギリギリを突くボールを何度も、何度も打ち込んだ。終始三部を寄せ付けることなく、ストレートで勝利。「無心でやるとはこういうこと」(髙山幸信監督)。指揮官もうなるメンタルの強さだった。
 名采配も優勝の要因の一つだった。団体インカレは4単1複制。実力者ぞろいの明大だが、全員が出場できるわけではなかった。髙山監督が起用に迷ったのは、有延大夢(商4=野田学園)と酒井。準決勝まで唯一、シングルスで敗戦していた有延だが、大会2週間前に行われた関東学生選手権で優勝。4年生としても、最後の団体インカレだった。それに対し酒井は予選リーグ1回のみの出場と試合数をこなしていない。経験と実力を考えれば、有延を選ぶところだが「僕のフィーリングが酒井だと言っていた」と直感を信じ酒井を選択した髙山監督。その決断は間違っていなかった。
 グランドスラムまであと一冠に迫った。最後の秋季リーグは「何としてでも勝つ」と町。今年こそ、絶対王者に返り咲く。【田中愛】