
インカレへ向け全国を経験 団体は男子3位と女子2位/日本学生選抜選手権
「ピークを今回の大会に合わせていこうと思っていた」(玉城主将)。その言葉通り、今季初の全国大会に対する選手たちの思いは強かった。しかし、伏射とSBR(スモールボアライフル)で玉城主将、SBRで柳川由太郎(法3=明大中野)、AR(エアライフル)で石田祐一(法1=金沢辰巳丘)など男子勢がファイナルまで駒を進めるも目立った成績を残せなかった。伏射2位という好成績を収めた玉城だが「正直2位という結果には満足もしていないし、どちらかというと悔しい思いのほうが強い」と笑顔はない。しかし、強化中のSBR種目の一つ、伏射で結果を出したことは団体にとって、そして明大にとっても大きい収穫となった。
インカレに向け好材料だ。柳川はSBRを初めてまだ3か月ほどだがファイナルに進出。ファイナルでは1姿勢目の膝射で崩れてしまい8位で射を終えたが「当たらない経験を積めたのでいい経験になった」と今回の結果を前向きにとらえている。全国の舞台を経験した柳川がどこまで成長していくのか注目だ。
課題が明白となった。女子総合は関東学生選手権春季大会で優勝していたため期待がかかっていたが、結果は2位と悔しさの残るものとなった。「SBRに関しては普段通り撃っていれば勝てるだろうという安心というか、自信があった」(永澤瞳・農3=栄北)と今年から練習量を増やしていたSBRでは今大会含め2大会連続で1位と結果が表れるも、ARでは結果が付いてこない。ARは春季大会でも5位と課題意識があったが今大会でも5位と振るわなかった。「絶対的練習量が必要だと思う」と佐橋朋木監督が言うように、ARはここから立て直していく。
全国という経験を得た明治はさらに羽ばたく。今回の結果は満足のいくものとはならなかったが、秋のインカレへ向け成長の糧となる選抜になった。「まずは下地から」(玉城主将)とそれぞれがあと3か月をどのように過ごしていくのか指針ができたはずだ。明大射撃部悲願の秋インカレでのアベック優勝へ向け成長の夏が始まる。
[東後太一]
試合後のコメント
佐橋監督
「元々エアーに関しては男子も女子も課題を持ってきたのですが、それがここの試合で表れてしまったのかなと思います。SBとエアーの両方を兼ねてる人が多いんですけど、どうしてもSBが練習過多になっている部分もあるし、エアーは非常に繊細な競技なのでSBを撃ったりとかするとエアーとのバランスを保つことが難しいんですよ。撃てる選手はバランスとかコントロールできるんですけども、そういうことがまだできていないです。両方撃ってコントロールできるような絶対的練習量が必要かなと思います。またエアー単体で見たときに、他の学校に比べて足りていないものはあると思っています。これから分析して後期に向けて戦っていかなければならない課題にはなります。女子に限らず男子も含めてもう一回見直さなければならないです。男子はエアーで点数を放されてしまったのはこれから巻き返しを図るのに一番大きな結果になってしまったかなと思っています。他はプロウンも3かけも順位は3位なんですけど、ほんのちょっとのきっかけで巻き返せるくらいの点数なんですよね。ただエアーが本当に点差がついてしまっています。(SBの実力がついてきたのでは?)まだまだですね。勝ちましたけど。ただ昨日風が強い中で崩れず自分の射撃をしてくれたのはすごく大きいです。自信になると思います。男子も悪い悪いとは言いつつもスコアとしてはそれなりにまとめてきている状況です。ただプロウンはみんなあと10点以上は撃たなきゃいけないです本当は。それは後期の課題です。だいたいみんな射撃自体はできあがってきているところなので、あとはもう細かな技術とかを修正していくことによって、SBはまだまだ他校と戦える力はあると思いますね。練習時間とか足りていない中で、技術的なところというのは部員たちは特にSBを連携とってやっているところがあって、そこが練習量が少ない中でも結果が出たのではないかなと思います」
玉城主将
「今季最初の全国大会にということに対して特に緊張したということはなかった。自分はピークをここに合わせていこうと思っていて、インカレ前の大事な一つの通過点という意識でやっていった。今回は緊張もなく、しっかりと目的を持って射撃ができたかなと思う。男子もだし女子もだけどやっぱり1位じゃないのは悔しい。でもまだインカレが自分たちの最終的な目標なのでそこまでに修正できれば今回の結果も無駄にはならないと思う。自分個人の結果に対しては何にも手ごたえはない。2位は今までたくさん取ってきたことがある。でも2位をとったからと言って何か残るものがあるかと言われたら何にも残らないのだと思う。なので正直2位という結果には満足もしてないし、どちらかというと悔しい思いのほうが強い。全国大会ということで関西の大学も来ていたのだけれど、関東と関西を比べるとやっぱり関東のほうが絶対にレベルが高いという自信もあるので、堂々と関東代表だと思ってやっていった。関西の大学に絶対に負けるはずがないという意識で射撃ができていたと思う。日大はやっぱり強い。日大は四年生2人がしっかりと撃ってくる。それに比べて明治は今4年生自分だけでSBR撃っているので、やっぱりしっかりと点を稼ぐことのできる4年生がいるというのは脅威になっている。でも、その日大の4年生2人と敵として勝負できるのはやっぱり楽しいというのもある。団体として全国の大学と対等に戦っていけたのは今回の収穫。もっと細かいところを改善できたら日大にだって勝つ見込みは十分にあると思う。個人としては3×40の競技で自己新記録を出すことができたので、より自分が明治射撃部を引っ張っていくというイメージになってきている。今回の大会はインカレに向けて自信をつけることができる結果になったと思う。明治としての課題は全国のボーダーを通過したのが13人と少なかったところ。次は部の全員が出れるようになればいい。個人としては1発1発に対してまだ甘えが見えてしまうところが課題。9.9点を10点にできないのは甘えが出ているからだと思う。インカレまでまだ2ヶ月以上ある。これからはたくさん練習できる期間なので、休むことなく練習していく。まずは下地作りから。みんなが自信を持って射撃ができるような過ごし方をしていきたい。」
小畑まゆ(国際4=園部)
「(SBR1位)1位だったけれど、2位と3点しかか差がなくて、自分たち3人とも良くなかったので。(ARが課題)練習量は多い子と少ない子がいるので、もちろん増やしていかないといけないのだけど、質を上げたい。SBは射場がないので、少ない時間の中で集中するので質も成績も上がるのだけど、AR射場はあるけど流れで練習しているような感じがするので、質を上げていきたい。全国大会は空気も独特。みんな男子も女子もそれぞれの種目でどれも良かったというのがない。順位じゃなくて点数がだれ一人満足いくものではなかった。インカレでは一人一人がやり切ったと言えるようにしっかりやっていきたい」
時田亜也加(農4=鶯谷)
「(SBR女子団体1位に貢献)納得はいかない。(法大にSBRで迫られたこと)たぶん撃つだろうなとは思っていたのだけど、あそこまで迫られるとは予想はしていなかった。もう少しSBRで点差を広げられたら良かったなと思う。(全国の舞台でSBR1位)かなりの収穫。(ARが振るわない理由)ARはけっこう繊細な競技なので、プレッシャーとか呼吸とかで10点から遠退いてしまうことがあるので、練習通り大会でも撃てるというのは去年から言ってたのだが、課題かなと思う」
柳川
「(SBRファイナル8位)最初の姿勢が当たらなかったので、順当な結果だと思う。まだSBR始めて3ヶ月で3姿勢のファイナルも2回目だったので、優勝もやることやったらできるんだろうなと思いながらも、練習、経験値を積んでいきたいなという思いで臨んだので、そういう意味では前回のKとPは当たってはいないけど無難にこなせてしまったので、当たらない経験を積めたのでいい経験になった」
永澤
「能勢射場は夏になるとすごい暑くなるので試合入る前に水分補給と体調管理を気をつけて入りました。あとはできるだけ一定で焦らず撃つこと、(暑い)環境に合わせて撃つ事を意識してやりました。だいぶ落ち着いては撃てていたので、耐え切れたかなと思います。結果は正直物足りないです。いつもより2~3点くらい低い点数なので。10点は入るんですけど浅い10点が多かったので切れが悪かったのかなと思っています。(SBは)正直点数に関しては普段より低い点数だったので納得はいってないです。選抜に入る前に一般の大会で入っているので、その時の感覚が悪かったというか、本調子から少しずれた感覚がでてきてしまったので、悪いイメージをなくして良かったところだけを意識して、そのイメージを持ちながら試合に入りました。その中でいつもより撃ててなかったんですけどそこまでどん底に落ちることもなく最低限の点数は撃てたかなと思っています。自分以外のメンバーの方は大体普段通りの点数を撃ってくださったのでよかったですね。3×20のところでトラブルがおきて1時間くらい試合が中断してしまったんですよ。その中でも自分はあと立射の一姿勢だけだったのでそこまでのメンタル的なブレはなかったんですけど、時田先輩はプロウンのときに全体が終わるまえに個人的が反応しなくなったトラブルが起きて、射座移動が3回くらいあったんですよ。それがだいぶ稀なことなんです。その中で時田先輩は普段通りの点数を撃っていたのですごい落ち着いて撃ててたんだなと思います。SBに関しては普段通り撃っていれば勝てるだろうという安心というか、自信があります。自分がいつもより点数を外してしまったときは焦ったんですけど、皆さんが頼もしかったのでありがたかったですね」
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