準決勝で早大に敗れ連覇ならず 3位決定戦へ/関東大学トーナメント

2016.07.02
 勝てるゲームを落とした。同じ関東1部所属の早大との準決勝は、明大ペースで前半を折り返す。後半に入っても優勢を維持するがチャンスを生かせず、逆に後半20分にミスから失点を許した。負けじと後半32分に岩武克弥(政経2=大分トリニータU18)のゴールで一時は同点に。しかし、後半アディショナルタイムに勝ち越し弾を決められ、無念のホイッスル。大会初連覇には届かず、明日の3位決定戦へ回ることが決まった。

 最後の部分の精度を欠いたことが敗戦を招いた。スコアレスドローで迎えた後半は、前半に引き続き序盤から明大のペースで進められていた。しかし、後半20分に左サイドの高い位置で軽いプレーからボールを奪われたことで、先制点を決められてしまう。「チャンスで決め切れなかったというところと、守備ではゴール前で粘れなかった」と約1年2か月ぶりに公式戦のゴールマウスを守った八谷惇希(商4=清水エスパルスユース)。その後何とか同点に追い付くも、決定力不足と最終ラインのバタつきは変わらず。決勝点となった土壇場の2失点目も簡単に裏を取られてことでGKと1対1にさせてしまった。「両方ともすごいあっさりとした失点で、ああいうところしか相手にチャンスはなかったと思うので、ワンチャンスをものにされました」(鳥海晃司・商3=ジェフユナイテッド千葉U18)。ここ一番でチャンスを生かせた早大の方が一枚上手だった。

 明大らしいポゼッションサッカーを見せることはできた。高さがあり、ハイプレスから裏を狙ってくる早大に対して、明大は下で速くボールを回し、ピッチを広く使って対策。立ち上がりこそ押し込まれることもあったが、徐々にボールを収められるように。失点するまで危ないシーンはほとんどつくらせなかった。また、「下からつないでいってサイドを崩して点を取りにいきました」(栗田大輔監督)とサイドからも積極的な攻撃を見せた。現に岩武の同点ボレーは中盤から細かいタッチで展開して、左サイドから小野雅史(政経2=大宮アルディージャユース)が放った鋭い回転のかかったクロスによって生まれた。盤石の攻撃は幾度となく早大を脅かした。

 最後は勝利で飾りたい。3位決定戦の相手は桐蔭横浜大にPK戦の末、敗れた強豪・国士大。両校とも既に総理大臣杯への出場権は得ているが、アミノバイタルカップの順位によってトーナメントの組み合わせが変わってくる大事な一戦だ。今大会を通して栗田監督は今季初出場の選手を現在3名起用しており、「今日の疲労具合とかあまり出ていない選手も含めてチャレンジしたい」と、次戦ではさらなるオプションを示唆。それでも「誰が出てもやるサッカーは変わらない」(栗田監督)。明大のサッカーでしっかりと3位をつかみ取り、総理大臣杯へ弾みをつけたい。

[渡邊弘基]

試合後のコメント
栗田監督

「ケガ人がやっぱり出てしまっているので、服部は休ませて、その状態でのベストメンバーです。(スタメン起用の八谷は)八谷はレギュラークラスの選手で、1年生のころから服部と競り合ってきた選手なので心配はありませんでした。いい準備もしていたので、動きに関しては問題なかったと思います。(センターバックの上夷は)まだプレーに若さがあったかなと思います。試合に出ないと経験できないものがあるので、そういうところを学んでいってもらいたいと思います。スピードがあるし、ビルドアップのキックの精度も高いです。そこは今日も裏に蹴ってくる早稲田のサッカーにも負けていなかったと思いますよ。(試合展開に関しては)やることははっきりしていたので、相手の力をしっかりと利用していこうと思っていました。相手は裏に走るサッカーなので、こっちは下からつないでいってサイドを崩して点を取りにいきました。あと一歩のところで、FWの選手が裏を狙ったところに積極的にボールを供給するなどができていればシュートチャンスも増えたと思います。誰が出てもやるサッカーは変わらないです。(明日の3位決定戦は)3位決定戦にはなりますけど、チームとして今日の反省を生かしてどのように勝ちにいくかが大事になります。明日のメンバーに関しても、今日の疲労具合とかあまり出ていない選手も含めてチャレンジしたいと思います」

服部一輝主将(法4=札幌大谷)
「ずっと連戦が続いていたので、今日は休むということでベンチに入りました。外から見ていて出ている11人でも温度差があったと思いますし、それは試合に出ている時には気付かないことだったのであらためて勉強になったというか、もっともっと突き詰めていかないといいチームになっていかないなというふうに思いました。失点に関してもスキというか一本のチャンスを決められてしまったことが原因だと思うので、そこを突き詰めていかないといけないと思います。早稲田さんに気付かせてもらったという部分で甘さというのはたくさんありますし、いい経験をさせてもらったと思います。負けてしまった原因はたくさんあると思いますが、とりあえずは明日なので明日は明治らしく激しくやってアグレッシブに勝ちにいきたい」

丹羽詩温(文4=大阪桐蔭)
「(キャプテンマークを巻いて試合に臨んだ点について)キャプテンマークを巻くことにはなったんですけど、日頃から全員がリーダーシップを取るようにっていうのを意識していたので、そういう意味ではキャプテンマークを巻くことに関して特に問題はなかったと思います。(後半のいい流れのときシュートを決めきれなかった部分は)いい流れの時に点を取れるのがいいFWだと思うので、ああいうところでしっかりと結果を残せるような選手になりたいと思います。(明日の3位決定戦に向けて)今日の負けは、明日勝つことだけに集中して、今日しかないんですけどいい準備をして明日に挑みたいと思います」

八谷
「CBの上夷と僕が新しく入って、立ち上がりは早稲田の厚い攻撃を受けてしまったんですけど、前半途中からリズムが出てきて下で回せるようになりました。後半もチャンスはあったんですけど、先制をされてしまって相手の波に飲まれてしまったのが良くなかったと思います。チャンスで決め切れなかったというところと、守備ではゴール前で粘れなかったことが大きかったと思います。1失点目はギリギリで触ってポストに当たったんですけど、セカンドボールへの反応が遅れてしまったので少し残念な失点でした。2失点目は山内(早大)の方が上だったのかなというところです。崩されたわけではないので、シューターとの1対1で自分の力が発揮できなかったのは悔しいです。(久々のスタメンとなったが)あまり気負わずに4年生らしく堂々としていればいいかなというところで、同期とか後輩とかにも声をたくさん掛けられて少し緊張する部分はありました。それでも20分を過ぎたところからはだいぶ落ち着いてできたと思います。キックだったり指示だったり、ビルドアップへの参加は自分が得意としている部分ですし、そういうところは良かったと思うんですが負けた事実があるので悔しいですね。明日は大臣杯につながる試合というのは間違いないですし、勝って弾みをつけられればと思います」

柴戸海(政経3=市立船橋)
「立ち上がりが悪かった中でも自分たちで修正しながら、ボールを持つ時間を増やして、攻撃もいいシーンが増えてきました。でも、最後のところでラストパスの精度であったり、得点力という部分で少し迫力がなかったです。結果的に1―2で負けてしまい、そういうところで勝負の厳しさを分かっていないところであったり、今後に成長できる部分がまだあると思うので、次は3位決定戦ですけど、この試合を生かして、大臣杯で優勝できるようにチーム一丸になって戦っていきたいです。(後半の流れのいい時間帯に決めきれなかったことについて)自分たちもちゃんと理解していたんですけど、相手の守備のブロックも堅かったので、あと一歩というところで、もう少しアイデアとか工夫が必要だったと思います。でもやっぱり相手の迫力がある中で、自分たちがそれに屈してしまったというか、自分たちが勢いを出して、もっとゴールに迫っていかないと早大のように守ってくるチームに対して点は取れないと思います。(今大会さまざまなポジションで出場していたが)どこをやっても自分の長所を出してチームに貢献していくってことは、試合に出場し続けるっていう意味で大事だと思うし、出場するからには、どこであっても、自分の役割を全うしてチームのために戦っていくってことは、自分の中で決めていることなので、そこの部分は変わらないが、ポジションによってプレーを判断で変えていくっていうことで、常に意識しながらやっています。(今大会は)厳しい試合が続いているので、疲労だったり、選手がけがをしたりっていうこともあると思うので、そこでチーム一丸になって、誰が出場しても明治らしいサッカーを続けていくってことは、総理大臣杯でも大事になってくると思います。今大会に関して言えば、厳しい戦いで総理大臣杯の出場権もつかめましたし、今日は負けてしまったけど、次の3位決定戦は必ず勝って、大会を勝利で終えたいです」

鳥海
「残念ですけど、明日の3決に向けて頑張りたいです。少し足のケガがあってあまり良い状態じゃありませんでしたが、試合に出たからには勝たなきゃいけなかったです。早稲田は上に強いので、下でつなぐということは前半から徹底してできました。でも、決めるところや守るところをもう少し突き詰めていかないと勝てないと思います。(DFラインのバタつき)まだまだ若いというか、もっと経験を積んでいかないと後ろがバタついたら試合にならないので、もっとやっていかないといけません。両方ともすごいあっさりとした失点で、ああいうところしか相手にチャンスはなかったと思うので、ワンチャンスをものにされました。ああいうところをしっかり守れないといけません。プレスも来てはいたけど、広く使うことで、剥がせるところは剥がせました。やっぱり山内くん(早大)はすごいと思います。(上夷とのコンビ)いつもは小出くんと組んでいて、引っ張っていってくれていたんですけど、今度は引っ張る立場になってまだまだ難しい場面がありました。小出さんの存在が大きかったですし、来年のことを考えたらもっと自分が引っ張っていかないもいけないなと思いました。(3決に向けて)総理大臣杯のやる組み合わせとかも決まってきますし、そこを考えたら3位にいた方がいいので、必ず勝って終わりたいと思います」

岩武
「(シュートシーンを振り返って)左サイドからクロスが上がってきて、こぼ
れて来いと願ったら来て、力まず振り抜いたらうまく決まりました。(DF面は)一発で決められちゃったんで集中して、もうちょっとディフェンスラインを合わせて、特に今日はちょっといつもと違うメンバーだったんでそこをもうちょっと話し合っていけば防げたかなって思います。(明日の3位決定戦に向けて)もう決勝には行けなかったんで、あとは全国に向けて3位でしっかり終われるように頑張ります」

上夷克典(商2=鹿児島城西)
「2失点して負けたというのが、結果として出ているのでとても悔しいです。いつも悠太くん(小出)とかが出ている中で、自分が初スタメンとして出させてもらって、結果として勝ちで終われなかったのは課題だと思います。早稲田相手にこれだけできたことは一つの自信になりましたし、この経験を生かして日々進化して大臣杯で借りを返せるように今日からしっかり準備していきたいです。(試合自体は悪いゲームではなかった)結果として見た時に2失点していて、それはつまり3点取らないと勝てないことなので、1失点だけで抑えたかったです。ゴールエリアに入られたってことは失点の確立も増えますし、ゴールエリアに入らせないことができなかったことも課題です。自分もそうなんですけど、応援とかあって声が通らない中で、頭が止まって周りを見れていなかったのが自分の課題だったので、修正していきたいです。(鳥海とのコンビ)鳥くん(鳥海)はカバーリングとかもうまくて思い切ってプレーできました。(3決に向けて)しっかり3位決定戦に勝って、大臣杯に向けて良い準備をしたいです。

中川涼真(農1=浜松開誠館)
「(公式戦初出場だったことについて)自分が入ったときにはすでに負けていたので、初出場とは関係なく、出たら点取って同点にしたいと考えていました。(交代する前に監督からは)思い切って、自分らしいところを出してこいと言われました。試合には出場できたが、点も取れなかったので、これからは少ない時間の中で結果を出さないといけないと思いました」