山梨学大戦で無念の完敗 2回戦敗退に終わる/全日本大学王座決定戦

2016.07.02
 全日本大学王座決定戦2日目、昨年同大会で敗北を喫した山梨学大相手に1-7と今年も敗れ去った。昨年度の雪辱を胸に挑んだが、前半に3失点を奪われる厳しい展開に。佐々木遼(法4=石動)が1点を返して後半戦を迎えるも、明大本来のパスホッケーが見せられずさらに4失点。力の差を見せつけられ、1-7で試合終了となった。明大史上初となる王座制覇の夢は、悔しくも2年連続で山梨学大に阻まれた。

 怒涛の攻撃になすすべがなかった。ディフェンスの要でありながら、高い得点力を誇るエース・谷光未有(法3=天理)を欠いた状況で迎えた今試合。立ち上がりから山梨学大の猛攻を受け、防戦一方の苦しい展開となる。それでもGK國友督仁(政経4=丹生)を中心に、ボールをサークル内からかき出して失点を防ぎ続けた。しかし前半18分、その均衡はもろくも崩れ去る。中盤へのパスをインターセプトされサークル内に持ち込まれると、そのままゴール前に滑り込んだ相手に先制点を奪われてしまう。「つないでいけばいいのに、スクープを上げたりロングボールで処理しようとしていた」(宮田知監督)。明大の強みであるパスホッケーの形が作れず、攻撃の糸口がなかなか見つからない。そして前半23分、32分と立て続けにゴールを決められ、早くも3失点。試合は完全に山梨学大ペースに。それでも前半終了間際、PC(ペナルティコーナー)からのこぼれ球を佐々木が押し込み、何とか1点を返して前半戦を終えた。

 素早いパスワークに終始翻弄(ほんろう)された。逆転を誓い、気合を入れ直して臨んだ後半戦。先に点を取って流れに乗りたいところであったが、チャンスはなかなか訪れない。すると後半8分、PCを与えると4点目を献上。「相手のスピードに付いていけなかった」(小池文彦コーチ)と、連戦による疲れが残る選手たちは山梨学大の速攻に付いていくことができない。そしてこの失点が焦りとなりさらなる失点を生む。後半21分、中央をドリブル突破され5失点目。そしてそのまた2分後、インターセプトからショートカウンターを決められさらに失点すると、後半28分にはPCからダメ押しの7点目を奪われ万事休す。「攻められる時間が圧倒的に長くて苦しい時間に立て直せなかった」(國友)。勝負の一戦は、今年も苦杯を飲まされた。

 一からのチーム作りが始まる。「下の追い上げがあれば上級生も目の色を変えてやる」と宮田監督。また「誰もレギュラーではない状態から競争し合ってお互い高め合っていかないといけない」(國友)と、今後はフィジカル強化とともに、1、2年生の底上げが望まれる。次なる目標は秋季リーグ戦だ。山梨学大とは同プールであり、そこでのリベンジに監督、コーチ、選手一同、執念を燃やす。

[藤田幸大]

試合後のコメント
宮田監督

「今日は主力の谷光が不在だったのでその対策として、DF陣が1人で当たりに行くのを必ず2人でカバーしながら守るように指示した。結局前半の半分ぐらいは0点に抑えられていたが、少しずるずる下がりすぎてPCを取られすぎた。相手にやりたい放題やられて点を取られた。でも前半何とか1点返したので、3―1だから2点差なので後半先にうちが点取ればよかった。うちの選手が持っている力を出せなくて、向こうの選手はリードしていたのでのびのびと自分たちの力をフルで発揮した。この差が点数の差。前半うちがディフェンスを取り返した時に、DF陣が2列目のMFにうまくつないでいけばいいのに、怖がってなのか前戦にフィードしようと思ってスクープを上げたり、ロングボールで処理しようとしたり。後半はMF陣がDF陣にもっと近づいて、うちのゲームであるパスで細かくつなぐホッケーをやれと言ったがなかなか調整できなかった。敗因は、当たりに行った誰かがかわされると向こうがフリーになって、良い体制でサポートが付いてきて良い形でのパスがつながってしまったというところ。選手には悔しさだけ覚えておけ、こんなのもう忘れろ、一からやり直そうと言った。秋に向けて夏に強化したいこととしては、これから試験期間に入るのでしっかり勉強してその合間にフィジカル。特に下級生は18、19で高校生の体では通用しないので、大人の体になる時期。下の追い上げがあれば上級生も目の色を変えてやる。メンバー30人にいてベンチには18人しか入れない。ベンチに入れない悔しさで競い合って底上げしていきたい」

小池コーチ
「チームとして足りなかった点は、自信を持って自分たちのプレーができなかったということ。いつも通りのパスホッケーが全然できなかった。後半の立ち上がりは自分たちのパスホッケーができるかなと思ったが、逆にそれをインターセプトされて点を入れられた。やはり自信が足りなかったと思う。技術面では全然劣っていないが、今日は山梨学大の気迫に押されてしまった。それで、自分たちの持っているものが全然出せなかった。前半のロングパスについては、指示は味方に合わせてつないでいくこと。でも自信がなくて、中盤も落ちてあげられない。全てが焦って、怖いから前に出してしまうプレーが多くなって、全く良くなかった。7失点の要因としては、やはりマークを空けてしまったこと。あと、相手のスピードに付いていけなかった。朝のミーティングで消えないようにすることを言ったが、やはり消えてしまったこと。あとは、自分たちがボールキープしている時もしっかりとつなげていない。気持ちの問題もある。山梨学大を見ると、リーグ戦で法政大に負けて優勝を逃していて、そこからまた練習を重ねてきている。かなりフィジカル面ができている。だからうちもその辺を、今後秋リーグに向けて身体を鍛え直さなければいけない。特に下級生はまだ身体ができていないからしっかりやらないといけない。今後の目標としては秋リーグ、山梨学大とプールが一緒なので、絶対リベンジすることを目標に。選手たちも悔しさを大分感じていると思うので、秋リーグがあって、インカレ。このままだとインカレも取れないので、また身体作りからやっていく」

松波大介主将(営4=岐阜各務野)
「スコアのまま。なんともいえない結果だった。力の差が大きかったと思う。もう少し点差は離れないとは思っていた。こっちもベストメンバーで臨めなかったが、この点差になってしまったのは後半先に点を奪われてしまったことだと思う。スピードとパスがつながっていたことが今の自分たちと山学の差。梅雨なのでこういう暑さの中での練習がなく、昨日の疲れもあって足が止まってしまった。法政のときも今回の試合もそうだが、自分たちのホッケーが全くできなかった。自分から攻撃を始めないといけないが、全然パスターゲットが見つからず、その打開策も見つけられないままずるずる70分間やってしまったことがよくなかった。秋シーズンまでに一番大事なことは失点を少なくすることだと思う。今季無失点の試合がまだないので、ディフェンス力の向上とFWがワンチャンスをものにできるようにすることは重要だと思う。山学が今日片方サイドにプレスをかけてきていたことでみんなボールをもらうことに萎縮してしまって、ボールを持つ自分の方が強いはずなのに相手の方が強いという心理状況に陥って攻撃全体の動きは固くなってしまっていたと思う。春シーズンの収穫はFW。なんだかんだ毎試合FWが点数を取っているということは大きいと思う。秋はリーグ戦で山学と同じプールで対戦することが決まっているので、そこでリベンジして予選プール1位通過を決めたい。その流れでリーグのトーナメントを優勝する。そして秋のインカレの全国制覇に良い流れをもたらしたい」

國友
「今日はずっと攻められていてすごくきつい試合だった。失点以上の差はないかなとは思うが、決めるところを決めるというところが山学はできていたので、それがそのまま結果に出た。敗因は、相手がゴール前に対してすごく厚みのある攻撃をしてきて、自分が止めても何度もしつこくシュートを打ってこられたというところ。あと、山学は組織ディフェンスがすごくできていて、自分たちも右サイドが全然攻めることができなくてそこからカウンターが多かったので、そこが敗因かなと思う。審判の方に自分のセービング数が31本だったということを聞いて、31本止めたのに対してシュートが7本入っているので少なくとも40本近くは打たれていることになるので、圧倒的な攻め方の差が出たかなと思う。攻められる時間が圧倒的に長くて苦しい時間に立て直せなかったというのは、谷光がいないということの原因かなと思う。前半の最後にこっちが1点取って流れに乗っていきたかったが、攻め方がなくて取られてすぐカウンターで逆にあっちが流れに乗ってしまって、出鼻をくじかれた。時間も限られて減っていく中で、後半始まったスタート時点で3点取らないと勝てないという焦りもみんなあったと思うので、そういうところでどんどんどんどん負の連鎖が起こって悪い方向にいってしまったかなと思う。DFが冷静にならないといけない場面で焦ってしまい、それによってどんどん失点してしまったと思う。課題としては結局初戦も通してディフェンス面だと思う。今大会に対してはすごく思い入れが強くて2年前の3位という結果をどうしても超えたかったが、遠く及ばない結果になってしまったので悔しいという気持ちしかない。FWは昨日もかなり良かったので今日も昨日のイメージのままいこうという形でいったが、攻められる時間が長すぎてFWがFWとしての仕事をさせてあげられなかったというのが、自分たちとしては少しつらかった。FWもディフェンスで下がるばかりだったのできつかっただろうなと思って申し訳ない気持ち。自分が一番フィールドを見れるしもっと統率できればよかったが、力不足だなと思った。今やるべきこととしては正直全てで、山学にはフィジカルもテクニックも精神面も全部負けていたと思うので、本当に一からチームを白紙に戻して、誰もレギュラーではない状態から競争し合ってお互い高め合っていかないといけないなと思う」

佐々木
「どんな形であれPCが入ったのはよかったが、チームの調子を含めメンバーがいない中で戦わなければいけなくて、チームを調節する人もいなかったし立ち上がりからすごく悪くて今季中で一番悪い試合だったのかなという印象。前半はまだ付いていけている部分は多かったと思うが、後半にかけてみんな疲れもあって足が動かないというのはチームの課題なのかなと思う。体力を強化しなければいけないなというふうには思う。パスも受ける側が動かないともらえないので足腰を鍛えるというのと、トラップを受ける側の動きと出してもちょっと遅かったりして相手のディフェンスがうまくてプレス(圧力をかけてくること)がうまくはまって、自分たちのホッケーができなかったというのが今日の一番の反省点。山学は毎年思うが勢いに乗ってくると段々良くなってくるチームなので、前半すぐ1点を決めさせてしまって乗せてしまったというのが良くなかったという印象。チームの体力の底上げとミスを減らすことが一番大事だと思う。中盤、FWどこのポジションであっても大事だと思う」