
PK戦までもつれるも10―9で日体大に勝利! 準決勝に進出/関東大学トーナメント
試合終了のホイッスルとともに、服部一輝主将(法4=札幌大谷)の元へ選手が駆け寄った。会場に緊張感が漂う中行われたPK戦はどちらも譲らずサドンデスへ。両校の各選手がしっかり決めていき、10人目となるキッカーは公式戦初出場の上夷克典(商2=鹿児島城西)。選手と監督が肩を組んで見守る中、「決めることだけを考えて打ちました」(上夷)。落ち着いてゴールへ流し込み、10人連続成功を果たした。そして、日体大の10人目が放ったボールはゴール上へ飛んでいき、勝利の歓喜に満ちた。
2点リードを生かせず、一気に攻め込まれてしまった。前半4分、佐藤亮(商1=FC東京U―18)が幸先良く先制点を決め、45分には河面の直接FKから追加点と一方的な試合展開となっていた前半。しかし、後半に入ると、開始3分で相手に押し込まれ失点を許してしまう。出鼻をくじかれ日体大に勢いを与え、後半14分にも失点。「ボランチの距離感やCBの距離感が空いてしまった」(柴戸)。空いたスペースを突かれ押し込まれるようになり、流れは決して良くなかった。また、3失点目をはじめサイドから崩されることも多く「DFの組織としても自分としてもレベルが足りない」(服部)。今試合欠場したCBの小出悠太(政経4=市立船橋)と鳥海晃司(商3=ジェフユナイテッド千葉U―18)の穴を埋めきることできず。今季初の4失点を喫してしまった。
チームワークで死闘を制した。試合終了後は、選手全員が勝利の喜びを噛みしめ、屈託のない笑顔を見せた。「全員が信じられたという部分では、相手より勝ったんじゃないかと思います」(木戸)。2試合連続で死闘となるも、互いを信頼し、チームの合言葉スローガンである「一心」で乗り切った。次戦の相手も同じ1部リーグ所属の早大と難しい試合が予想されているが「しっかりとコンディションを整えて自分たちのサッカーをできるように頑張っていきたいです」(服部)。優勝まであと2勝と迫っている。アミノバイタルカップ連覇を見据え、一丸となって勝利をつかみ取る。
[臼井美理亜]
試合後のコメント
栗田監督
「(2点をリードした場面では)次の1点が入れば非常に楽に運べると思ったんですけど、トーナメントなので向こうも出るしかないという状況になってしまい、それをまともに受けすぎてしまいました。精神的には、積極的に自分たちのサッカーを、ギアを上げてやっていこうと入ったんですけど、失点の時間が悪かったと思います。今日に関しては、DFラインがいつもと違うメンバーで柴戸と河面のセンターバックは初めてですし、そこを踏まえたらよくやってくれたんじゃないかなと思います。当初イメージしている交代の切り方ではなかったので、日体大さんの粘りでカードを切らざるをえなくなってしまったという方が正直なところです。丹羽と木戸は45分ずつ、土居は早めに変えて櫻井を入れようかなとか、佐藤亮はできるだけ90分使うということを想定していました。(PKは10人が見事に成功)しっかりと10人が決めてくれたことに関しては非常に粘り強くやってくれたなと思います。1週間に5試合というトーナメントなので非常にタフになってきますから、コンディションを整えて、リーグ戦とは違うメンバーになるかもしれませんし、交代枠をフルに使ってベスト状態で戦うイメージをしています」
服部
「まだまだ甘さもありますし、4失点はDFの組織としても自分としてもレベルが足りないのかなと思いました。立ち上げ当初から一人一人話して、DFのやり方というのは統一していたので誰が出ても同じサッカーできることが今年の明治の特長です。できていた部分とできていない部分がありましたけど、しっかりと話せている選手が多かったので今年の明治はそこがいいのかなと思います。(延長戦に突入する前にチームにはどんな言葉を)一喜一憂しないということはずっと言っていましたし、打ち合いの展開になってしまったので点を入れても入れられてもあまり気にしないで、最後PKになったら勝つという風に言葉を掛けました。(PK戦は)止められなかったのが初めてだったので、もっと練習しないといけないと思いました。でも相手もうまかったですし、コースも全部上のコースだったので。キッカーは練習通りというかしっかりと決めてくれたなと思います。自分にキッカーが回ってくる前に止めようと思っていました。勝てて良かったです。次も厳しいゲームになることは分かっているので、しっかりとコンディションを整えて自分たちのサッカーをできるように頑張っていきたいです」
河面
「コンディションの問題の部分で多少メンバーが変わるところもあって、自分も久々のセンターバックだったので、柴戸とコミュニケーションを取りながらやっていこうと話をしていました。失点が多かったのは一番の課題ですし、相手も必死にくるのでしょうがない部分もありますけどそれに耐えられる力がもっと必要になると思います。相手が分かりやすくワントップで起点になる選手がいて、その下に15番が結構嫌なポジションにいたので、最初は戸惑いもありましたけど試合の中で話をしながらやっていました。(直接FKでの得点は)蹴るからには自信を持って蹴らないといけないと思いますし、青学の試合の時もニアを狙っていて、スカウティングなどでそこを警戒してくると思ったので、ファーに蹴れば入ると思いました。延長になってもやることは変わりませんし、先に点を取れれば流れは来ると思っていたので焦りはなかったです。追い付かれても割り切って楽しもうと声を掛けました。(PKでは一番手を務めて)相手のGKはデンソーカップでも一緒でPKの練習もしていました。その時は右に蹴っていたんですけど、そういうのもあって真ん中に蹴ることは決めていたので自信を持って蹴ることができました」
木戸
「(途中出場として)出たら絶対得点狙ってこうというのがありました。どういう状況でも自分のポジションとして絶対点を取るっていうのが仕事だと思っていたので、そういった意味では点取れて良かったです。(今日の結果として)失点するのは何か原因があると思うので、誰かのせいじゃなくて、個人個人に問題があると思います。隙を見せずにやっていければもっといいゲームになったんじゃないかなと思います。(3点目のCKからの得点について)状況も状況だったので、交替で入ったら絶対に点を取ってやろうという気持ちでいました。いい感じにボールがこぼれてきて、打たなくても入ったと思うんですけど、やっぱりそこはFWなんで決めてやろうっていう気持ちで流し込みました。たとえラッキーでも、入れることが大事なので、入れようとした気持ちが湧いた結果の得点だと思いました。(4点目の延長前半1分の得点について)詩温君(丹羽)と延長のキックオフから下げずに前に行こうと話していました。最初はミスしてしまったんですけど、スタッフや応援席のみんなが前向きな声掛けをしてくれたので、あとは自分が絶対に決めて勝とうという気持ちでみんなに投げかけて、円陣の時も、絶対に前が点を取ると思っていてと声を掛けました。延長最初のキックオフから信頼関係で点取れたのは明治の強いところじゃないかなと思います。みんながつないでくれたので、感謝しないといけないなという気持ちです。(PKを迎えて)絶対に一本は止めてくれるってみんなで話していたので、全員が信じられたという部分では、相手より勝ったんじゃないかなと思います。みんなが決めれば負けることはないと思っていたので、勝利を信じていました。自分の番が回ってきて、少し緊張したんですけど、しっかり落ち着いて決められたので良かったです。(コンディションとして)復帰後に比べたら徐々に上がってきているのは事実で、練習後に一人できついメニューをやっていたりしています。まだまだなんですけど、継続的にやれば、ケガする前のパフォーマンスよりも上がるんじゃないかなと思います。(課題として)ワンタッチゴールやヘディングも決めたので、バリエーションは増えてきているんですけど、もっとFWらしく、ボールを持ったら仕掛けるというところが自分には足りないって分かっているので突き詰めていきたいです。もっともっと怖い選手になれるんじゃないかなと思います。頭のキレは良くなってきているので、動き出すタイミングであったり、走り負けないだったり、そういうフィジカル的なところをもっと追及できれば、頭のキレとマッチしていい感じにゴール前にいけるんじゃないかなと思います。(今後として)もっと怖い選手になりたいです。自分にボールが来たら点が入るという信頼関係は結果を残さないと生まれないと思うので、結果的にゴール前での仕事を増やして、ゴールを量産出来ればなと思います。いいイメージの中で出来てるんじゃないかなと思います。(準決勝に向けて)このチームのいいところは、一つ一つ目の前の相手に対して勝つところです。準決勝で勝たないと、決勝という舞台はないし、今日の勝ちがなければ、次が無かったので、次の一戦も集中して先を見ずに、あとは気持ちでいけるんじゃないかなと思います」
柴戸
「結果勝てたということで、勝負強さというかチームとして勝てたことが大きいかなと思います。PKは緊張しましたが、練習からやっていたので、自信持って蹴りました。(PK戦では全員決めていたが)練習からみんな自信を持って最後決めればいいってことだったので、チームが一つになっていっているのかなと思います。(4失点について)そのことは反省したいし、昭さん(河面)だったり、エビ(上夷)と今後失点を減らせるようにしたいです。また、勝ったからこうやって反省できると思います。攻撃陣には感謝していますし、小出さんと鳥(鳥海)はケガで出られないので、そういう人たちの分も背負ってやっていきたいです。昭さんとのコンビは昨日の時点でメンバー発表されて、いろいろ話があってチャレンジ&カバーを徹底してやっていこうということでした。前半は、距離感よくやれていたんですけど、後半、疲れて足が止まってきた時間や、相手のフレッシュな選手が投入されてから距離感ができてしまいました。後半に、より声を出して徹底していくことができれば、後半も前半のような戦いができるのかなと思います。(後半は3点も取られたが)距離感が一つだと思います。ボランチの距離感やCBの距離感が空いてしまったり、クロスに対する対応だったり、まだまだ足りないところだと思います。何回か振られて、失点してしまったので、人を見ることや最後しっかり競ってフリーで打たせないことは今後徹底して大臣杯にもつなげていきたいです。今後も、クロスを武器にするところもあると思うので、そう言った部分でもっとチームとしてやっていくべきだと思います。(DFラインが特にそうだったが、普段やっていないポジションや出ていない選手がいる中で、プレーするのは)確かにCBでやるのは難しかったですけど、どこで出てもできる選手が良い選手だと思うので、自分としては4失点してしまったが、今後、成長できると思います。チームとしてはチーム一丸ということで、どんな選手が出ても、明治らしい前に前にというサッカーを続けていかないと、大臣杯も連戦になりますし、誰が出ても、良い試合をするのが大事だと思います。試しもあると思いますが、いろんな選手が出た中で、勝ち切って次につなげられたってことはチームとして成長できました。もっと楽にゲームを運べると思うので、もっと精度を高めて、誰が出てもいけるというのは今後のキーになると思います。決勝に行けるよう、次もチーム一丸となってやっていきたいです。(疲れは)疲れもありますが、出られない選手もいるので、そのことを考えれば全然です」
上夷
「(試合を終えて)こういう緊迫した試合の中に出たのは緊張しましたが、90分で勝ち切りたかったです。自分の本職としてはCBなんですけど、まああそこでSBとして使ってくれたってことは、スタッフからの信頼があったからなのだと思います。するとしても右SBで、左SBはあまり機会がなかったので難しかったです。ああいった攻め込まれている中で、ゼロで抑えるのが理想だったんですけど、失点してしまったのがこれからの課題だと思います。でも、できればSBとしてプレーしたかったです。(2年生が出ることが多くなってきたが)いろんなことに慣れていって、少しずつ持ち味が発揮できてきているのかなと思います。(PKは最後のキッカーとなったが)決めることだけを考えて打ちました。自分が決めて、外して勝てたということで、全員決められたことは強みになると思います」
小野雅史(政経2=大宮アルディージャユース)
「1回戦目よりもなかなかチームに貢献できなかったです。守備とか献身的なプレーをやった上で、自分の特徴である攻撃の面を意識してやっていきました。(自分で運んでラストパスするところも多く見受けられたが)大学入った後、自分の課題となっていたので、そこを意識していました。個人的には納得いくプレーができました。決定的シュートは外しましたが、ああいうところに入って行くことが大事になっていくので、これからもっとゴール前で絡んでいければ、幅が広がると思います。ボランチなので、案配につないだり、落ち着かせたりはできていたんですけど、簡単に後ろに下げたりすることが最近多くなっていたので、前を向くことや仕掛けることを何回も言われました。なので、今日はゴールを意識するってことをしました。(大学に入って変わったこと)2年になってから、試合に少しずつ絡むことが多くなって、結果を残さないとすぐに外されるので、結果というのは意識しています。自分は攻撃の選手だったんですけど、明治は守備から最低限の守備はしなくちゃいけませんでした。そこは高校よりも意識しています。プレースタイルが高校で少し変わったのもあって、だいぶ形的にはできていたので、後一個ギアを上げることが大学に入ってよくなってきています。入って1年目はなかなか結果を出せないで、昨年の4年生がだいぶチームができていて、プレーヤー的に差波さん(差波優人・現ベガルタ仙台)に似ているので、そこも意識して1年目はやっていました。でも、大学に入って守備の意識が強すぎて、逆に攻撃の部分が若干曖昧になってしまっていました。攻撃出せないと使われないので、ジレンマはありました。まあ最近もできてはいないですけど、あのシュートだったり、意識はできていますし、試合を重ねるごとに良くなってきています。前までは使われている感じだったから、自分の中で変わらないとって思いました。こういう試合を重ねていって、自信もついていきますし、やり続けることが大事だと思います。出させてくれるチャンスがあればまた頑張りたいです。(ボランチで結果を出すのは難しいのでは)チームの中で一番怖い選手になれればベストです」
佐藤
「(今日の結果として)最終的に勝てたことは本当に良かったですし、自分もアミノバイタルカップ初出場でスタメンということで、結果が個人としても欲しい中、1点目を取れたということは本当に大きかったですけど、内容を振り返った時に、体力的にも落ちてしまったので、そういった意味では、もっともっと向上させるところがたくさんあったので、課題も見えたいい試合だったなと思います。(初スタメンとして)これからスタメンに定着していく中で、やっぱりどうしても欲しいのは結果だったので、貪欲にゴール狙ってほぼファーストプレーでゴール決められたのは本当に良かったです。(得点シーンは)試合前から、スペースが空くって話は聞いていて、実際、試合中に柴戸さんから本当にいいパスが来たので、貪欲にゴールを狙いました。少し相手に奪われそうになったシーンもあったんですけど、そこは自分の持ち味である貪欲さを出して、最終的にはゴール出来たのは良かったです。(今日までしてきた練習では)学年関係なく自分がスタートから出たいと思い続けていて、貪欲にプレーし続けて、プロが決まった4年生の先輩にも果敢に攻撃し続けてやっていきました。スタッフにもスタメンを奪えとずっと言われ続けていて、4年生が活躍している中で、練習していった結果スタメンになったと思います。(栗田監督からは)もう失うものは何もないから自分の実力をここで試してやってこいと言われていました。なので、少し気持ちを楽にして試合に入れたのもあります。あとは後押ししてくれるスタッフや先輩がいたので今回の結果になったと思います。(今日のコンディションは)暑いよりも涼しい方が動きやすいし、今日の気温は体力の消耗という意味でもそれほど負担ではなかったです。ここ最近、試合にずっと出ていなかったので、今日、試合に出てみて、体力が凄い落ちていることがわかりました。練習だけじゃなくて、試合に出ることで体力を戻さないといけないと思うので、試合には出続けたいです。(次に向けて)また明日からの練習でしっかり自分をアピールし続けていきたいです。次、スタメンとして出られるか途中出場かどうかわからないんですけど、試合に出た時に結果を追い求めていきたいと思います。もっともっと上を目指してやっていきたいと思っています。大学サッカーだけでなくて、日本を背負って戦える選手になれるように頑張っていきます」
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