男女ともに実力出せず悔しい結果に/全国学生選抜

2016.06.28
 うまく流れに乗ることができず、本来の実力が出なかった。全関東を終え、1週間で調整し挑んだ今大会。男子は、信州大に1中差で惜敗し2回戦進出を逃した。女子は3人で補い合いながら関大に勝利し2回戦に進出したものの2回戦では近大に同中競射の末敗れた。しかし優勝こそできなかったが、体配や射形の美しさが評価され明大の女子としては史上初の射道優秀賞を獲得し、自信をつけた。

 悔しい結果となった。1回戦「安心しながら引けていた」(白川史織・営2=美原)と大前の佐久間香名(政経2=水戸桜ノ牧)の初矢が決まると流れに乗り、12射9中で関西大を下した。しかし、続く2回戦「藁で調整しているときに、何かおかしいと思っていた」と白川は本番でも普段の感覚を取り戻すことは難しく4射中1中に終わった。落の菅渓子(政経3=松本深志)が4射目を放ち、相手の最後の射を待っている時点で同中。相手の4射目が外れたため試合は同中競射にもつれ込んだ。「三本詰めなければ勝てない」(菅)という言葉の通り、9中対10中で惜しくも敗退となった。
 結果は振るわなかったが、収穫もあった。体配や射形を評価し、授与される射道優秀賞を女子部創部初めて獲得した。弓を引くときの姿までも注意して練習を積んでいる日頃の成果が認められ「すごくうれしい」(菅)とここ数年の入賞がなかっただけに受賞の喜びもひとしおだった。今の女子の課題の一つに、試合に毎回出られる安定した選手がいないことが挙げられる。この賞を自信にしつつ、結果も残していけるよう技術の向上を図る。「チーム全体で補っていけるようなチームになれたら」(佐久間)とチーム一丸となり上位を狙う実力に磨きをかけインカレに備える。

 
 「足をすくわれた」(今泉博貴・理工3=芝浦工大属)。決勝トーナメント1回戦は信州大との対戦。中立の行武大樹(農4=福岡大附大濠)や落の今泉が皆中を達成したが、団体としては20射15中に留まり相手の16中に一歩及ばなかった。「普通にやれば勝てると思っていた」(今泉)と予期せぬ敗戦に肩を落とした。「今の明治の実力を再確認した」(佐藤崇仁主将・理工4=成田)と昨年は準優勝しただけにこの結果には危機感すら覚える。夏に行われるインカレまでには1カ月半を切ったが「修正点が自分の中で見つかった」(川久保虹弥・政経1=鹿沼東)。今大会で得た反省を生かし、3連覇の懸かるインカレに向けてさらなる成長を目指す。

 次に控える大会は8月に行われるインカレだ。1年間の照準をこの大会に合わせているといっても過言ではない。ここからどれだけ選手たちの調子が上がっていくかがカギとなる。選手自らが自分の持つ全ての力を出し切れるよう練習を積み重ね、男子はインカレ3連覇、女子は優勝を目指す。

[花岡桃]

試合後のコメント
佐藤主将

「正直に言うと今の明治の実力を再確認したという感じで、全日に向けてずっとやってきているが、その成長が全関の時と比べてそこまで感じられなかったというのがある。全日までには間に合わせたいなと思っている。当たる人に任せているような雰囲気がある。試合に負けるということは出てる人が悪いのではなく、出なかった人が悪い。出なかった人がやらなきゃいけない。今日出た人が抜いたからその人が修正して頑張らなければということを重点的に置かないで、出なかった人がさらに頑張る。そこに重点をおいて頑張っていきたい」

行武
「予選は16中だったが、今の明治からしたら普通の的中だったと思う。全関とは違って、選抜は当てればいいというだけじゃない。座って弓をつらえてなどの体配なども気に掛けないといけないが、あまり万全な状態ではなかった。試合前にはいつも通り落ち着いて射をしようと。初矢を抜いてしまったことは少なからずプレッシャーにはなっていた。(信州大も予選が16中だったが)力の差があるということではなく、自分たちが勢いに乗り切れなくて負けてしまった。信州大というよりは、その次に当たるであろう桜美林大や日大などのことを考えてしまって、目の前の試合に集中できていなかった面もある。全日も5人で引くということは変わらない。全日までの課題としては、今いる5人が安定するように期待。今だったら竹澤が練習からあまり良くない雰囲気なので、初矢をまず安定させること。1年生二人の大会慣れも全関東と選抜でできたと思うので、勝負どころで度胸を強く引けるようにしたい」
今泉
「経験不足というのに尽きる。全関東が終わって1週間、1年生には苦労をさせてしまったと思う。今回正直なことを言うと上級が当たっていなかったので、下級からすれば頼りなかったと思う。自分も調子も良くはなかった。4射3中が何度も出てしまっていて、絶好調というわけではなかった。自分が迷惑掛けていたと思う。この大会で信州大には普通にやれば勝てると思っていた。準決勝、決勝のことを考えていたら足をすくわれた。目の前の試合に集中できるようにしたい。全関の時もそうだったが、一回良い的中が出るとその次に崩れる。そういった部分が課題として見つかったので取り組んでいきたい。厳しいことを言うと大前は初矢を入れて試合の流れをつくってほしい。相手校にも初矢が入っていないだけで良い影響を与えてしまう。インカレでは竹澤には絶対に初矢を詰めてもらって、大前として引っ張ってもらいたい。今の明治は選手層が薄い。去年までは誰がレギュラーになっても良い状態で、レギュラーを奪い合う状態で高的中が出ていた。今年は落差が出ているというか。結局同じメンバーに固まっていて、内部での競争、活気がない。まだ1カ月ちょっとあるので、自分も落として引っ張っていく存在にならないといけない。昨年は柿崎さん(雅哉・平成28年度卒)みたいな周りから見ても絶対に抜かないような、オーラがある不動の落がいた。自分もそういう風な引っ張っていく存在にならないといけない。三連覇が懸かっているので全力で取り組んでいきたい」

竹澤一樹(理工1=鹿沼) 
「(2回戦の1、2射目)1本目に自分が悪い流れを作ってしまって、感覚的にはそんなに悪くはなかったですけど結果的に抜いてしまって、それで2本目に修正しにいったんですけど下に抜いたので上に上にと修正したら今度また前に抜いてしまって結果的に自分が1、2ってばつが続いてしまって、その悪い流れのせいで負けてしまったんだなと思います。(3、4射目)ばつが続いたので絶対抜けないので3本目は取りあえず初心に帰るというかもう一回自分の持ち味を再確認して大切にしているポイントを押さえてやったら3、4本目はなんとかなりました。(他のメンバー)自分がばつって出したのをすぐ後ろの川久保君が止めてくれたのでそこはすごいうれしいんですけど自分が悪い流れから始めてしまったので自分からメンバーに申し訳ないっていう気持ちがいっぱいですね。(今後の課題)全関から選抜は負けが続いたので今全日は連覇してて今年3連覇が懸かっているので全日は何としてでも3連覇を目標に勝てるようにもう一度プレッシャーがかかる場面でいかに自分の射ができるかを普段の練習から考えていこうと思います」

川久保
「自分は練習から高的中が出ていなかったのですが団体戦なので周りの方に助けていただき昨日の予選も通った。決勝で自分が借りを返すじゃないが予選の分まで中てたいなと思っていた。1本外してしまい、そこは反省だなと思います。確実に4本目は当てようという気持ちでした。初矢は2人連続で外すわけにはいかないので、カバーしようという気持ちはありました。修正点が自分の中で見つかったので次の全日までにはなんとか間に合わせたいなと。結構時間もあるのでやって変えていきたいなと思っています」
元川海徳(営1=川崎市立商)
「自分の結果として自分の実力はこんなもんだというのが1番情けない。射の内容も当たった矢の射の内容もいいものではなかったというのが情けない。今日選ばれた理由はわからない。全関東で出来なかったことを挽回する。同じ過ちを繰り返さないようにしたいと思って一週間練習してきた。。結局、結果としてはあまり変わらず。全関東でいい的中が出せなくて、選手として競技力がない。1週間たった今でも同じような的中率で何も変わってない。練習通りにいや、練習以上の結果を残せるような選手になりたい」

「ちょうど自分の調子が上がってきていたので、出してもらえたのかなと思っている。一射目、ここで絶対にあてないと気分的にも下がってしまうので。絶対にあてよう、と思うがあてようと思いすぎると当たらないので、落ち着いて引いた。トーナメントだと入れて当然、といった感じで同中競射が始まってしまうので同中になった時点で、これは三本詰めなければ勝てないなと感じていた。(射道優秀賞を受賞したが)本当にうれしい。日頃OBの方から指導をしていただいたので。体配だけじゃなくて弓を引く姿も評価されていると思う。私自身がきれいな射ができたという自信はあまりなかったが、一緒に引いていた2年生二人がすごく上手なので。私も普段から二人を見ていて上手だなと思っている。二人がいてくれたから取れた。今まで女子は射道優秀賞を受賞したことがないと思うので、本当にうれしい。もちろん勝った方がうれしいが、私は入部してから試合には出させてもらっていたが形に残るようなことが全くなかったので、すごくうれしい。順位が本命だが、形に残るようなものがひとつできてうれしい。今日はこの三人が出たが、毎回試合に出るメンバーが安定してない。私を含めてちゃんとあたる人、固まっている人がいないことが不安要素。みんなが試合に出ることを想定して高め合っていきたい。大会に向けての気分の持っていき方は明大はうまいと思っている。全日ではもちろん優勝を狙っていく」
佐久間
「(1回戦)自分としてはよかったなとは思うんですけど、思ったよりかは気分的には落ち着いて引けたかなと思っていて4本詰められたのはよかったかなと思います。全体的にもいい感じにはできたかなと思います。初戦にしてはうまく流れがつかめたと思っています。(2回戦への意気込み)2回戦は近畿大学さんということで全日で負けているところなので、1回戦でも10中出していたので、でも相手は相手で自分たちは自分たちでやることはやろうという話はしていたので相手のことは気にせずに自分のやることをしっかりやろうという意気込みで臨みました。(1射目から2射目での修正)1射目がかなり甘い矢が出てしまったのででもそこであわててしまうとそこからが崩れてしまうなと思ったので取りあえず深呼吸して落ち着いて大きく引けるように縮こまらないように気を付けて引いてました。(同中競射に関して)ちょっと危なかったので7-7で競射になるのかってところでせっかく競射という機会が与えられたので絶対に抜けないなと思って落ち着いて気持ち的に負けないように強い気持ちをもって挑もうと思ってひきました。(2回戦負けに関して)やはり優勝したいと思っていたので一戦一戦勝っていこうと思っていたので2回戦で負けてしまったのはすごく悔しいですし自分が初矢を入れられなかったっていうのが本当に悔やまれるんですけど、2回戦敗退っていうのはすごく悔しいんですけど、今回射道優秀賞がいただけるらしいので自分たちがやってきたこと認められたというかいい結果につながったのでそこはよかったかなと思います。(今後の課題)個人としては1本目から入れられるようにすること。大前というポジションにいるので初矢入れることがチームの流れにもつながると思うので初矢を確実に詰められるように的中伸ばしていけるように意識して、気持ちでも負けないようにするのと自分の甘い矢を出さないように厳しく甘くならないようにやっていけたらなと思います。全体としては全関から始まってチームとしてのまとまりは悪くないと思っているのでチームの結束力とチーム全体で連続で抜いたりしないようなチーム全体で補っていけるようなそんなチームになれたらと思います。そのチームの一員に入れるように頑張りたいと思います」
白川
「1回戦目は大前が結構流れに乗って初矢も入れてくれたので、安心しながら引けていた部分も多かった。前のおかげで当たったかなというのはあります。2回戦目は正直、2回戦目に入る前の藁で調整しているときに、何かおかしいと思っていたが思った通りの結果がでたと思います。練習でもあまり絶好調という感じでいけてた訳ではなかったので 練習通りの結果が出たというように思っています。緊張するのが得意ではないので、緊張というよりかは楽しむぐらいの気持ちで2回戦を待っていた。1回戦の時でも前が抜いたときに同じときに抜いてしまったのでそちらを2回戦目でやらないようにって考えてたものをやってしまった。心の中では焦りというか不安な気持ちが多くなってしまった。次も引きずるというか不安なままいってしまったので結構悪い矢が出たかなと思っています。同中競射は4射引いて1中だったので不安が継続していたのですが不安なままいっちゃだめだなって思って、からだの中心から切るような強く放すような気持ちでやった。逆に気合いが入りすぎて、手の方だけ頑張っちゃったというのはあります。射道優秀賞は的中が出てなくても射の方を見ていただけたというのは嬉しかった。まだまだ全然できていないところが多いんですけど少し自信になっていったかなと思います。今まで試合前に上り調子でいくことが少なかったので次の試合こそは確実にあてて安心できる選手といいますか、土台となれるような選手になって全日は優勝したいですね」