2艇が優勝 軽量級選手権の雪辱果たす/東日本選手権

2016.06.27
 インカレ前の最後の大会となる東日本選手権が行われ、明大は女子シングルスカルの瀧本日向子(商2=館林女子)と男子舵手なしクォドルプルの2艇が優勝を果たした。前回の軽量級選手権では惜しくも優勝を逃したが、リベンジを果たすレースとなった。
◆6・25~26 第66回東日本選手権競漕大会(戸田ボートコース)
▼男子シングルスカル 明大(大原)――決勝B組6位
▼男子舵手なしペア 明大B――決勝4位
明大C――決勝C組6位
明大A――決勝B組2位
▼男子ダブルスカル 明大――決勝B組2位
▼男子舵手なしフォア 明大――決勝B組1位
▼男子舵手なしクォドルプル 明大――決勝1位
▼男子舵手付きフォア 明大――決勝2位
▼女子シングルスカル 明大B(瀧本)――決勝1位
 明大A(植松)――決勝5位
▼女子舵手なしペア 明大――決勝2位
▼女子舵手なしクォドルプル 明大――決勝4位

 

 勝ちへの執念が強かった。決勝では、1000m地点を1位で通過したが残り300mで2位の日体大に並ばれる。しかし「軽量級選手権のことが頭をよぎった」(太田)。前回の悔しさを晴らすべく、クルー全員が粘り強いこぎを見せた。ゴールした瞬間太田は拳を突き上げた。「ベストなメンバーで揃えたわけではない」(濱口稜 政経4=法政第二高)。4年生の濱口、櫻井克茂主将(法4=岐阜県立加茂)が、試合経験の少ない石鍋幸太郎(政経3=本所)、太田貴明(法1=岡山東商)を育成する目的で組んだという男子舵手なしクォドルプルのクルー。予選を2位のチームと約9秒差で通過し、決勝ではクルー全員の気持ちで負けないこぎで堂々の優勝を飾り、軽量級選手権のリベンジを果たした。
 女子シングルスカルで優勝した瀧本は今回初めてシングルスカルに挑んだ。「正直不安でいっぱいだった」(瀧本)と語っていたが、最後まで落ち着いたこぎで2位に2秒の差をつけてフィニッシュ。「終わってから、あ、勝ったんだ、と思ってうれしくなった」と笑顔で話した。

 次は三大大会の一つであるインカレ。明大は男女総合優勝という目標をかかげている。今回の大会では2部門で優勝を果たしたものの、これで満足はしない。今回優勝した男子舵手なしクォドルプルはインカレ連覇中。「僕たちが3連覇を飾って、後輩たちに4連覇任せたよ、とつなげていきたい」(濱口)。長い夏の練習を乗り越えて、悲願の男女総合優勝を目指す。

[織田有衣子]

試合後のコメント
濱口
「クルー自体があまりベストなメンバー揃えたわけではなく、僕と櫻井が、試合経験が薄い1年生の太田くんとか、石鍋など、レースであまり活躍できていない人間を育成する目的で組んだクルーで、正直練習の時から出来悪かったんですけど、レースも予選、決勝しか漕いでないですけど、求めていた物が出来た訳では無いですけど、自分たちの今出せる力の範囲の中ではある程度のものは出せたかなと思います。満足いく結果ではないですけど。今日の試合は、僕らのレース展開としては、スタートでしっかり入れて、中盤1000mで差を広げていくのが毎年の理想なのですが、今回は逆にスタートで出れたんですけど、2位の日体大に残り300mで並ばれちゃったんですけど、後は根性でがむしゃらになってしまい、理想と逆のレース展開を相手にやられ、すごい苦しいレースだったんですけど、僕らが持ってるスキルの中では、しっかり決まったかなと思います。危なかっしいレースだったと思います。スタートから500mくらいまでで割といいリズムが作れたかな、と思います。そのお陰もあって、0mから500mは結構差がついたので、そのいいリズムをコンスタントに繋げたかったんですけど、コンスタントで段々失速してしまったので、最初のいいリズムを作れたのは良かったですけど、それをコンスタントに繋げられなかったこどが悪かったです。(インカレに向けて)今日ストロークと、前の2人だった、僕の濱口は2年と3年の時に2連覇し、僕達が作り上げた歴史があるので、舵手なしクォドルプルは明治の物だと僕達は思ってて、そういうブランドを作ってきたので、僕達がしっかり3連覇を飾って、後輩達に4連覇任せたよ、という風に繋げられる為にも、インカレまで3ヶ月空くんですけど、もう1回新たに、このレースで学んだことを活かして、僕らのやりたい事や、僕らが今まで作ってきた船の動かし方、どのような概念、思想で動かすのかは、今年で舵手なしクォドルプルに乗り始めて3年目になるにあたって、ノウハウは分かってるので、どうやったら勝てるのか、後はそれを実現させて、自分がリーダーになって作り上げたいと思います」

石鍋
「今日のレースは、前半500mはいい感じで出来たんですけど、中盤で自分自身が気持ちで負けてしまって、日体大に攻められて、自ら苦しいレースに持っててしまった自分の弱さが出たレースだと反省してるので、そこを次回のレースでは落とさないように頑張る、という切り替えが出来るように、これからの練習でやっていけたらいいと思います。明大のクォドルプルはインカレでも優勝してる強いクルーだと思っているので、この大会での優勝は当然だと思ってて、僕的には10秒くらい付けて勝つのがベストだと思ってたんですけど、今回焦って、最後上げて勝ったので、申し訳なく不甲斐ない結果になったと思います。今日の反省点は、1000mくらいから気持ちが滅入ってしまって、自分から重いリズムに移行しまったので、1人がリズムを壊すと、クルー全員が共有する悪循環になってしまうので、次からは自分からいいリズムを作ってクルー全員で共有できる人になりたいと思います。明治のレースプランとして、前半あまり出れなくて、中盤から後半にかけてどんどん突き放していくレースプランでしたが、中盤で気持ちが負ける人が1人でもいると追いつかれてしまう展開だったので、今回は明治の勝ちパターンは出来なかったと思います。僕自身もインカレではあまり結果出せてないので、次にクルーに乗れるとしたら、しっかりメダルを取れるように実力をつけて頑張りたいと思います」

大久保亮(農3=猿投農林・男子舵手付きフォアクルーリーダー)
「(レースを振り返って)予選で負けた日大Aともう一回試合できるとなって、予選はすごく悔しかったし腹も立ったし向こうは1年生が乗ってて、こっちは2、3年生が乗っているのに、どうして負けるんだろうとすごく考えていて、すごく悔しかったし自分の中で上手くいってるいるのになんで勝てないんだろうともどかしい思いでした。体力面では、今回のメンバーに対しては今までやっていなかったが、毎日午後の練習はコースランをしてて毎日4.3kmくらいを時間制限を設けて2週間走り続けていました。そこで、皆メニュー練習していて皆ですごく肺が強くなったよねという話は出ていた。自分の中で今回わかったことですね。確実にインカレにつながると思います。負けた原因はパワーだと思うので、足りなかったと反省しています。(クルーリーダーとして意識したことは)今回のクルーはかなり気を遣いました。自分はかなり闘志を表に出す方なのですが、他の3人はあまり表に出すタイプではなく冷静にという感じで、そこを生かしていきたいと思っていたので、黙々とこぎ続ける、しゃべらなくていいから、黙々と練習をやっていこうと定めていました。良くない所は指摘し合うのですが、メニュー中はしゃべらず永遠とこぎ続けて、僕のイメージですが、日大に見せつける、と言いますかあいつら、不気味だなと思わせるために今回のクルーは、しゃべらなくていいから永遠にこぎ続けるということをキーワードにしましたね。(インカレに向けての目標は)もし自分がクルーリーダーをやるのであれば、結果は残さなければならないと思っているので、その結果が出た時に自分たちの何が良かったのか明確に分かるようにしていたいです」

川野陽平(政経3=熊本学園大付属高・男子舵手付きフォアクルー)
「(レースを振り返って)予選で1位だった日大とかなり良い勝負をしていたから、いけるかなと思ったが、逆風の時に進められるだけのパワーがまだ日大と比べて弱かったですね。(2位という順位について)納得していないです。(レースの反省点について)レースプラン通りに進んではいたにも関わらずパワーが足りなかったことです。ウエイトトレーニングだったり有酸素運動だったりをしっかりして長い時間戦えるだけの力をつけたいです。(良かった点について)コックスの立野のコールに反応できたことです。レートを高く攻めることができた部分は良かったです。(インカレへ向けての目標について)エイトで勝ちにいくこと。今まではフォアに力を特に入れていたが今年はエイトに能力の高い人を集めるので、エイトで勝てるよう頑張ります」

森猛(商3=加茂・男子舵手付きフォアクルー)
「(レースを振り返って)自分たちの力を出し切れたレースでした。ただ、個人的には最後のラストスパートではらぎってしまい、ミスオールで迷惑を掛けてしまったので次の大会ではしないよう気をつけたいです。(2位という順位について)今シーズン3つ大会があったのですが、全て2位という。呪われてるのかな、と。なかなか勝たせてもらえないなと思っています。ただ、今回は相手も強かったので僕らのベストを出して負けたので仕方がなかったです。(反省点について)ミスオールしてしまったことです。それ以外は特になかったです。(良かった点について)試合の途中で声が掛かり、皆でいっきに艇速を上げるドライブが掛かる時があるのですが、皆苦しい中上げることができて、追いつけたり、突き放すことができたことです。(バウだからこそ意識したことは)通常はバウはとにかく声を掛けて後ろから励ますような役割があるが、メンバーが皆自分が声を掛けなくともできるメンバーなので、本当に明治のトップクルーだったから、集中してこごうかなと思っていました。なので、そんなに意識していなかったです。(インカレへの目標は)エイトで優勝することです」

瀧本
「予選と準決勝では速さも出せず全力が出せない感じで来ていて、不安でいっぱいだったのですが、練習でやったことや落ち着きを忘れずに、もし出られても落ち着いて相手を抜くっていうことを自分の中で考えました。スタートは出られてしまったが、その後は自分のペースで一本一本伸ばして相手を抜いてそのまま1番でゴールすることができました。
大学で出た大会ではずっとクォドルプルのクルーだったのですが、今回初めてシングルスカルに出場させていただいて、自分自身だけなので正直勝てるかなという不安でいっぱいだったのですが、4年生の方もいる中でしっかり実力を決勝で出せて、最後ゴールしたときの合図の音を聞いたときに、「あ、勝ったんだ」と思いました。ゴールしたときにやっと自分は勝てたんだな、と嬉しくなりました。レースプランは前半から前に出ること。それだけです。あとは落ち着くことです。練習通りにやって焦らずにやりました。特にここで足蹴りをする、とかは決めていなくてその場勝負でやっていこうという感じでした。反省点はスタートとラストのメリハリをつけることです。もっと飛び出すスタートや飛び抜けたラストスパートをメリハリつけてできたら良かったなと思いました。今回のシングルスカルでは自分自身の力をつけることができて、今までとはちがう自分をつくれたのを無くさずにこれからも練習したいです。インカレではこの力をクォドルプルに生かして、明治の目標である男女総合優勝の力になれたらいいかなと思います」

松木健汰郎(法2=熊本学園大学付属高・男子舵手付きフォアクルー)
「(レースを振り返って)一番良いレースが出来たと思うんですけど、日大との差は力で負けたかなっていうのがあります。(2位という順位について)優勝しか狙ってなかったので、悔しいです。(レースの反省点について)今の僕らのベストだと思うので、ウエイトやランニングをして夏までに力をつけていきたいです。(良かった点について)勝負をしかけるポイントを増やしたのが良かったです。(インカレへ向けての目標について)絶対に勝ちたいと思います」

松村美音(法2=熊本学園大附・舵手なしペアクルーリーダー)
「私たちの種目は出艇数が3艇のみで、いきなり決勝だったので、相手のレベルやレーススタイルを把握できないままレースを迎えました。ただ、普段の予選も戦ったことのない相手とレースすることだってあるので、そのことを負けた言い訳にすることはできないですね。一位となった立大は優勝に登りつめてくる相手ではないと思っていました。だからといって本気を出さなくて負けたわけではなく、そのような相手にかなわなないくらい自分たちは弱かったです。なので全力を尽くせたレースではありました。今回のペアを組んだのは3週間前だったのですが、私は去年もスイープだったので1本のオールに慣れていましたが、相方の高橋は今年初めて1本のオールに挑みました。今まで2本のオールでこいでいた人が急に一本でこぐのはなかなか難しいことだと思います。特にペアという種目はそれぞれが片側をこぐので、必ず一つにならないとまっすぐ進まない。そのように不安定な中で動きを確立するのは非常に難しいです。まずはフォアやエイトから始めてスイープの動きに慣れてからペアを組むのが普通ですが、彼女はそのようなステップを踏まずにいきなりペアで出場することになりました。そして自分は教えることが苦手で伝えたいことは色々とあったが、うまく伝えられませんでした。もっと上手に教えることができれば、完成度を高められたのかもしれません。さらに自分がストロークしかうまくこげないので、彼女は必然的にバウを務めることになったのにもかかわらず、たった3週間でここまで仕上げたのはすごいことで、決して彼女の力不足ではないです。レースの内容はスタートしてから500mまでは自分たちがリードしていたのですが、500mを越えてから相手が抜かし始めました。750m地点で集中的にピッチを上げたりと、まだ相手を抜かせると思っていました。しかし、1500mを越えた地点で抜かすには厳しいくらいの差がついてしまいました。ただそこで勝ち負けにとらわれて焦るのではなく、初めてのクルーのレースを楽しみました。インカレでもスイープで出場したいという気持ちが強いです。もちろん、今回の悔しさもあるのでまた同じクルーで戦いたいのですが、明治が勝つことが目標なので、どこに選ばれても与えられた役割をしっかりと果たそうと思います」

太田
「練習のころからそんなにうまくいくという感じではなくて、そのまま試合に臨んだのでどうかなという部分はあったのですが、全体としては仕掛けるところで合わないのが出てしまったところがありました。そこで立て直そうと思って、後ろから声を出す役割なのでしっかり声を出したんですがうまく乗らなかった部分はありました。レースは100点満点ではないですが、勝ててよかったです。レース中盤あたりから2位の日体大が追いかけてきて、ほぼ並ばれたところで軽量級選手権のことが頭をよぎって、また2位になるのは嫌だったので全て出し切ってなんとかゴールしました。軽量級の時は1年生が3人いて気を遣ってこぐということはなかったのですが、今回は1年生のクルーは1人だけで、最初から足を引っ張ってばかりだったので、なるべく足を引っ張らないように意識しました。レースプランは最初から最後まで先行して終わるという予定だったのですが、思ったよりも中盤伸びが少なくて相手に追いつかれて、そこで少し焦ってしまいました。でも思ったよりはバタつきはなかったです。インカレではとりあえず舵手つきクォドルプルに出場することが目標です。去年も優勝している種目なので連覇に貢献できるように頑張っていきたいです」

高橋茜(商1=南稜・舵手なしペアクルー)
「今までストロークばかりこいでいたので、バウはほとんど初めてでした。バウは声をかけたり盛り上げる役割なので、ストロークとは違う難しさがあるなと改めて感じました。さらに今回スイープも初めてなので、これもまた難しさを感じました。このレースを経て、インカレではもっと高いレベルで戦いたい気持ちが芽生えました。さらにどちらの感覚も鈍らせたくない思いからスイープもスカルもどちらもこぎたいという欲張りな気持ちもあり、監督や主将と話し合っています。でも、もちろんどちらに選ばれたとしても、全力で頑張りたいと思います」

立野勝輝(文1=猿投農林・男子舵手付きフォアクルー)
「(レースを振り返って)大学入って、大会としては二回目で、自分は先輩に恵まれていて、レース自体は自分たちのベストのパフォーマンスは出せたんですけど、やっぱりそれでも力は足りなかったのは一番悔しいです。(2位という順位について)優勝目指してやってきたので、悔しい思いはあります。インカレで総合優勝するっていうのが一番の目標で、これからそこに向かっていいスタートを切れるんじゃないかなという点で考えれば今回のレースは良かったです。(レースの反省点について)さっきクルーで話し合って、パワー不足という課題は明確に出てきています。(良かった点について)冷静に見れました。アップでクルーが混んできて練習がうまくできないとかがあって、昨日は少し焦ってしまったんですけど、今日はリラックスしてレースの試合展開もうまく運べたので、僕自身、成長出来たんじゃないかなと思います。(レースプランについて)一本目から攻めていき、中盤では高い質力をキープして、最後までというのがありました。日大も中盤の長い領域で、出てくるっていうのが多かったので、決勝のレースは特に1000mから1500mで相手にどれだけ負荷を与えて、ドライブを仕掛けて攻め続けるのを意識しました。ラストスパートも本当だったら300mからなんですけど、今回は400mから仕掛けました。いつもの練習だったらまだ動けるくらいの体力は残ってるんですけど、出し切って倒れるくらいまでやろうというのが今回のレースプランでした。最終的に達成は出来て、ちゃんと表現できたんじゃないかなって思います。今のベストは尽くせました。(インカレへ向けての目標について)二個上に同じコックスの先輩がいて、その先輩のシートを奪わなければ自分のシートはないです。この大会では課題も見つけることが出来て、冷静に周りを見て判断することを改めて考えさせられた大会だったし、インカレは僕が乗って勝ちたいです」