QB南が復帰 5TDで専大に圧勝/春季オープン戦

 春季オープン戦は専大に36―7で圧勝し、幕を閉じた。1Q(クオーター)にWR#19山田修平(法4=大宮)がフィールドゴールを決め先制すると、2QにWR#11阪本真一朗(政経3=駒場学園)と森平貴大(営3=横浜栄)がTD(タッチダウン)を決めた。後半も攻撃の手を緩めず、試合を通じて森平が三つのTDを決める活躍を見せるなど36点を稼いだ。ディフェンスチームは2QにTDを許したものの、DB#28杉山将太主将(文4=日大三)のインターセプトなど要所で専大オフェンスを封じ込んだ。

 QB#18南卓真(政経4=日大三)が本来の姿を取り戻した。2Q途中から出場した南はパスを中心に専大のディフェンスチームに的を絞らせず4つのTDをアシスト。春季オープン戦では東大戦でインターセプトを二度許すなど不調で途中からケガで離脱していた。約1カ月ぶりとなった今試合では「周りがよく見えていた」とロングパスとショートパスを自在に操るだけではなく、自らの足でゲインしオフェンスチームをけん引。「出たときにしっかり結果を残してくれるのでこちらディフェンスとしては頼りがいがある」と杉山も南を信頼している。「今年はRBもWRもそろっているのでしっかり使っていけるようにしたい」。南が豊富な人材がそろったオフェンスチームを操り、秋にグリフィンズを関東の頂点へ導く。
 エースQBを争っている。今試合QBのスタメンはQB#15阿江保智(情コミ2=六甲)。南がケガで離脱している期間グリフィンズのオフェンスを指揮し、関西学大戦では強豪相手に臆することなく追い詰める活躍を見せた。「阿江の活躍は刺激になっている」と南もスタメンを争う後輩の活躍を認めている。だが「自分も負けるつもりはない」。経験豊富な南か、春季オープン戦で結果を残した阿江か。グリフィンズのエースQB争いにも注目だ。

 春の最終戦でWR陣が存在感を見せた。グリフィンズが得意としているのがラン。しかし、今試合の五つのTDのうち四つをパスで稼いだ。阪本だけではなくWR#83伊藤卓真(商3=高崎)やWR#89福留優太(商2=鎌倉)など多くのWR陣がオープン戦を通じて成長。特に「触ったボールは絶対取る」ことを日頃から意識している森平は最終戦で三つのTDをもぎ取る活躍を見せ、結果を残した。「ランだけではなくパスでも明治は進んでくると相手に印象づけたい」と森平。今秋はRBだけではなくWR陣もグリフィンズの武器となる。

 春季オープン戦は5勝3敗で終えた。最終戦ではオフェンスとディフェンスともに安定感あるプレーを見せたが「春の課題であったスタートっていうのが正直、改善できたかといわれるとできてない」と杉山は語る。昨秋から立ち上がりを課題としていたが、完全に改善されていないだけに関東の強豪と争うTOP8を勝ち抜く上で一番の懸念材料になっている。「明治らしさを出せたところ、出せなかったところがあったのでそれをどこまで夏合宿を通して修正できるか」(岩崎恭之監督)。31年ぶりの甲子園へ向けオープン戦で出た収穫と課題を再確認し、チーム一丸となり今秋関東の頂点を狙う。

[常光純弘]

試合後のコメント
岩崎監督

「春の最終戦ということで南がケガからやっと復活したので3人ともうまく使って投げれるやつと投げられないやつが大きく分かれたかなと思います。下級生を結構使えたのでその辺で加藤だったりとか、下級生の何人か踏み込める子が出てきたんじゃないかなと思います。やはりディフェンスだったらタックル、明治らしさを出せたところ、出せなかったところがあったのでそれをどこまで夏合宿を通して修正できるかですね。今回ケガ人が多く出なかったのでそれは良かったと思います。最後まで泥臭くやり続けるのがうちのスタイルなのでどこまで体現できるかが、リーグ戦につながると思います」

杉山主将
「やはり春の課題であったスタートっていうのが正直、改善できたかといわれるとできてないですし、結果勝てたのですが、このままでは秋につながってこないと思うので気を引き締めて夏の練習やっていこうかなと思います。南もケガ続きで出れる機会がなかったので、出たときにしっかり結果を残してくれるのでこちらディフェンスとしては頼りがいがあるなと思います。スタートだったり細かいミスそういうのを練習からやってしまっているので、それがないように完璧目指してやっていかないと駄目だなと思います。ディフェンスとしては雰囲気が良くて止まる時しっかり止まるので前の信頼関係が築けてきたかなと思います。お互い信頼しないと、任せる部分任せられないのです。個人スポーツではなく、団体スポーツなので。誰かのためにやるのは当たり前であってそういう信頼関係が大事です。単純なことなんですけど、毎年なあなあになっていたので、そこをしっかりしていきたいなと思います」


「立ち上がりが良くない。いつも通りだったので修正していかないといけないです。自分も試合に出ることが久しぶりで感覚が戻ってなかったが、細かいところを直していけたら大丈夫だと思う。今日は周りがよく見えていました。OLがしっかり守ってくれてレシーバーもしっかり取ってくれたのでよかったです。自分が出ていなかった時の阿江の活躍も刺激になりました。だけど、自分も負けるつもりはないですし、4年である自分がやらないといけないと思うのでこっから頑張っていきたい。今日の自分のプレーも秋につながると思う。投げても良し、走っても良しというバランスの取れたQBを目指したい。今日は反則になったから良かったもののインターセプトされかけたので、こういうプレーを直していかないと秋に強豪と戦ったときに痛手になってしまう。今年はRBとWRともにそろっているのでうまくバランスアタックしていけば強いオフェンスができると思うのでそこを生かすように練習していきたい。秋は日本一しか目指してないので初戦から一戦一戦大事にしていきたい」

森平
「最近練習でも自分の思うようなプレーができていなかったので、TD三つ取れたことは良かったと思う。まだブロックミスやキックでミスがあったのでそこは秋のリーグ戦までに修正していきたい。オープン戦では3人のQBから受けていて特徴も個性もバラバラなのでそこは秋に向けてもしっかりコミュニケーション取って今日みたいにパスを通していければいい。気持ちの面では触ったボールは絶対取るということは普段の練習から心掛けている。そこが結果として出たのはよかったのであとはもっと上を目指さないと秋は勝てないと思うので上を目指したい。ランだけではなくパスでも明治は進んでくると相手に印象づけたい。3年生にもなったのでプレー以外でもチームを引っ張っていかないといけないし、個人的にもキャッチの質や身長が高いので競り合いになったら勝たないといけないと思うので自分の強みをもっと極めていきたい」