中大にリベンジならず、ベスト8/東日本大学選手権

2016.06.26
中大にリベンジならず、ベスト8/東日本大学選手権
 春季リーグの雪辱を果たすことはかなわなかった。準々決勝の相手は春季リーグでストレート負けを喫した中大。濵中俊生主将(商4=弥栄)をケガで欠く中、チーム一丸となって勝ち進み、セットポイントを握るなど格上の中大を追い詰めた。しかし、要所でのサーブミスとスパイクミスが目立ちストレート負けを喫した。2013年以来の優勝を目指した明大の挑戦はベスト8で幕を閉じた。

 あと1点が遠かった。1セット目は、30点に突入する長いセットとなった。セットポイントを5度も握るも取りきることができなかった。序盤は中大ペースで試合が運ぶ。安井康平(政経4=倉敷商)のAクイックと川村悠希(政経3=雄物川)のブッロクアウトで8-8の同点に追い付くが、両チームともに主導権を握ることなくセット後半にと突入。均衡が崩れた17―17、コンビ攻撃と安井のブロックで連続得点し流れが明大に傾く。そして、加藤寛樹(政経3=創造学園)のバックアタックでセットポイントを迎えるが、大竹(中大)の強烈なサーブが決まるなど、あと1点が取れない。嫌な流れの中、中大にリードを許すと最後は軟打をブロックされ28-30で1セット目を落とす。「出だし、入りの悪さが全てを物語っている」(岡崎監督)と試合の流れを決めるセットとなった。

 1セット目の悪い流れを引きずる展開となった。「1セット目取れなかったというのが1番大きかった」(小川智大・政経2=川崎橘)。頼金大夢(法3=東福岡)のブロックアウトで先制点を獲得するが、4連続失点で1-4と大きくリードされた。相手のサーブミスに乗じ13―14と肉薄するも、終始リードは奪えなかった。最後は中大のバックアタックのフェイントが決まり20-25で2セット目を取り返すことができなかった。

 続く第3セット。速攻を絡めた頼金のスパイクが決まるなど、良い流れができた。7-6から5連続得点で12―6と大きくリードするが、サーブミスを皮切りに3連続失点をすると一気に流れが中大に傾いた。状況を打開すべく、19-17の場面でピンチサーバー山中奏(法4=駿台学園)を投入するも悪い流れは止まらなかった。その後、加藤がブロックに捕まり逆転を許してしまう。加藤のバックアタックで再び同点にするも、最後はフローターサーブが決まり、22-25で落とし、ストレート負けとなった。

 課題を残しながらも多くの収穫を得た。センター線の得点の増加は、成長の証。しかし、まだブロックやサービスなど改善すべき点はある。「中大とはスコア以上の差がある。相手は調子も悪かった」(岡崎監督)と相手のミスにつけこめきれない弱さもみえた。東日本インカレをベスト8で終え、チームは次なる舞台へと進む。見据える先は秋季リーグ制覇・日本一。課題を克服する夏が始まる。

[前田拓磨]

選手のコメント
岡崎監督
「出だし、入りの悪さが全てを物語っている。たらればは、あまり使いたくないが、1セット目にリードしていてそのまま取っていれば気持ちも切れなかったと思う。おそらくそこで気持ちが切れて、2セット目も入りが4―1とかになってしまった。練習がどうのこうのよりも、勝ちたいという気持ちが一番大事だったと思う。中大とはスコア以上の差がある。相手は調子も悪かったし、全日本の石川(中大)もいない。こっちは良くもなく悪くもなかったが、相当な壁の高さを感じた。相手が調子の良い時に勝てないと明大が強くなったなとは思わない。ましてや今回は相手の調子が悪かった時に勝ち切れなかったので、相当な差があると思う。普通にやれば3―0で勝てるような試合だったが、相手の方が、ネームバリューがあってりだとかそういったところで気負っていた。絶対に勝つぞ、という気持ちを選手みんなに持ってほしい。選手に問いかければそういう気持ちは持っていると言うだろうが、どこか足りない。結局、出だしが悪いのは良かった時代も悪かった時代も明治のプレースタイル。相手に合わせるのが、出だしが悪いというのにつながっている。今まで自分も「明治らしいね」と言っていたのがどこか彼らの潜在意識の中にこびりついているのではないかと、とても反省している。気持ちの面で相手に勝ちたい、のではなく勝つんだ、といったマインドコントロールまではいかなくても持っていきたい。気持ちをうまく乗せられれば石川がいない状態なので絶対に勝てた。ただ、バレーはチームスポーツなのでどこかに必ず崩せる部分がある。ここからまた日本一を目指してやっていきたい」

濵中
「まずサーブが弱いのと、ブロックが機能していなかった。春リーグでも全く同じ課題が見えていたので残念だった。向こう(中大)のプレーに関しては、そんなに調子が良い感じではなかったし、こちらもそんなに悪かったという訳ではなかったけど、いまいち、こう競り切れないというか、勝ち切れないというか、勝つべきところで勝てない。1セット目とかは、こっちが常にリードしている展開なのに、雰囲気が良くならなかった。だからプレー以外の部分で、直していかなきゃいけないなってところもあると思った。(東日本インカレ全体を振り返って)1回戦、雰囲気は全然良くなくて、2回戦の対専修でも試合の入りがすごく悪かったけど、途中からこう春リーグのような締まった雰囲気が出るようになった。春リーグ終わってからも、覇気がなかったり試合モードにならなかったりとか、その精神や雰囲気の面で課題が見つかったので、その試合中にそういう締まった雰囲気になれるようになったっていうのは良かったと思う。けれど、逆にいえば他のチームはずっとその大会モードで、コンディションを整えてきているのに、こっちは大会中にやっとスイッチが入るっていうのはやっぱり遅い。そこが他の部との差だと思う。(夏に向けて)夏はまとまった期間があるので、まずはフィジカル作り。それとやっぱり今回も問題になったブロックとサーブを、少しでも改善していきたい」

政井拓歩(営4=市立尼崎)
「向こうがいっぱいミスをしてくれている中で、OB方も言われていたんですけど、僕らのミスがあまりにも多かったと思います。小さなミスもたくさんありましたし、単発・流れのミスありましたし、ちょっとミス多かったですね。(課題とするセンター線)センター線は良かったと思いますよ。安井も決めていたし、スパイクに関して、センター線は良かったと思うんですけど、ただその分やっぱり僕らのチームの課題であるブロックという面が、センター線申し訳ないけどまだまだ力が足りないかなと。ブロック力がちょっとない。(今後の目標)僕も4年であと二つしかないのでその二つで中央を(倒す)。石川君も戻ってきますけど、これだけ良い試合ができているので、リーグ戦も全日本インカレも1位というてっぺん目指していきたいと思う」

安井
「春リーグでも中大とセットポイントで負けた。今回も同じことになった原因は一つじゃない。これから一つずつ追求していって、次当たるときは競った場面で勝ち切れるようにしたい。(1セット目ジュースの末に落としたが)気持ちの面というか、一人一人の勝つことへのこだわりが足りなかった。そういう場面で決め切れる中大の方が上なのかなと思う。点数以上に大きい差があると思う。(センター線は当たっていたが)中大の入ったサーブは良かったが、返っていたのは返っていたのでそういう時に決めれたのは良かった。(濱中主将がケガで離脱していたが)政井も小林も自分もしっかり引っ張れたし、3年生も小川も関係なく全員で頑張れたのは良かった。1年生の時自分たちは優勝した経験があったが、優勝できなかったのは後輩に対して申し訳なく思っている。この悔しさをしっかり後輩が受け継いで優勝してほしい。秋リーグまではまだ時間はあるが、明大は1部の中でも一番ブロックが弱い。どういうところが他のチームと違うのかを追求していって、ブロックでも負けないチームにしたい」

山中
「今日はみんなよく動いていたと思うし、負けてしまったけど本当に勝てるような試合ができたと思う。そこで一つ勝ち切れないというのが、今の弱さだったり、課題があるのかなと思う。(東日本インカレの総括)基本的にはあとブロックが少し課題にあるのかなという所と、あとは簡単なサーブミスだとか減らせるミスがあると思うので、そういう所とかこれから練習していけばいいのかなと思う。(今後の目標)しっかり改善点を自分達で把握して、そういうところを詰めていければ絶対勝てないチームはないと思うので、しっかり日本一目指してやっていければいいと思う」

加藤
「力の差は五分五分だったと思っている。20点以降の詰めの甘さで差がついた。向こうは20点以降ミスも少なくなっていたが、自分たちは我慢し切れなかった。自分たちの詰めの甘さが出たセットばかりだった。向こうはサーブミスが多くて、こっちはサーブが当たっていたのでサーブに関してはこっちの方が上だったが、要所、要所でのミスが響いた。センター線、コンビは良かったと思うが、レシーブは相手の方が上がっていた。サーブにしてもブロックにしてもレシーブにしろ20点以降で自分たちはぼろが出る。練習に取り組む姿勢だったり、向上心が足りなかったので、姿勢から変えていきたい。(三日間の連戦だったが)中大にピークを当てていたので疲れとかはあまりなかったし、自分自身コンディションは悪くなかった。ブロックが小さいのでレシーブで補っていかないといけない。ライトレシーブを強化していきたい」

川村
「向こうがミスしてくれたのに、自分たちも要所、要所でミスを出してしまったのが敗因だと思う。点差が離れているうちは雰囲気が良かったが、中大が乗ってきた時に負けてしまう雰囲気になってしまった。いい所でのサーブミスも良くなかった。(東日本インカレを振り返って)キャプテンが不在の中で、3年生が主体となった。そんな中で、気持ちも切れることなく、雰囲気良くやれたところがあったというのはこの先につながっていくのかなと思った。(夏に強化したいことは)ブロックが全然決まらなかったので、ブロックを重点的に強化していきたい」

小川智大(政経2=川崎橘)
「1、2、3セット目も全部集中できて良い形だった。1セット目取れなかったというのが1番大きかった。セットを通して相手のスパイカーにブロックがそろってなかった。自分も含めてライトがそんなに上がっている方ではなかった。もう少し後ろから指示が出せたら良かったと思う。絶対勝てない相手ではないのでいけるかなと思っていた。でも、去年相手は全カレ優勝しているし、すごい自信も持っているチームなので点数の最後の取り方、取るとこを取るというのがうまかった。そこで一つこっちが我慢できたら、もっといい試合ができたし、勝てた。みんなそんなに動きが悪くはなかったし、サーブミスは気にしてなかったので、相手のサーブに対して自分と頼金の2枚で、もう少しAパスの確率を高くしていたら、もっと楽な展開だったのではと思う。(東日本インカレを振り返って)初戦の入りも悪かったし、そんなにいい思い出はないんですけど、去年1回戦敗退しているので、今年は絶対に去年の借りを返して優勝という気持ちも強かったので優勝したかったが、負けてしまったので秋リーグ、全カレと必ず優勝したいと思う。(夏強化したいこと)自分は体が細いので徐々に太くして、チームとしては自分含めてボールの扱いがまだうまくないので、いっぱいボールに触って、一人一人パスのスキルを上げていけたらいいと思う」