明海大に2―0で勝利 幸先の良いスタートを切る/関東大学トーナメント

2016.06.26
 アミノバイタルカップ初戦突破だ。相手は千葉県大学選手権の覇者である明海大。前半から激しいプレスに苦戦するものの、21分に土居柊太(政経3=浜松開誠館)が先制点を決め、1点リードで折り返す。後半に入るとリズムを取り戻していき、35分に渡辺悠雅(営2=横河武蔵野FCユース)がサイドからのボールをきっちり決め、試合を決定づけた。DF陣も体を張ったプレーで無失点に抑え、2―0で勝利。青学大との2回戦に駒を進めた。

 初戦のプレッシャーを乗り越えた。前半、「負けたら終わりのトーナメントの初戦は雰囲気も環境も違うので、非常に難しいゲームになる」(栗田大輔監督)と初戦が故の硬さと相手のハイプレスによりなかなか勢いに乗れない。チャンスこそつくるものの決め切ることができなかった。そんな一進一退の攻防が続く中、前半21分、細かいパスから展開し、丹羽詩温(文4=大阪桐蔭)が落としたボールを土居がゴール左に押し込み、先制点を挙げる。しかし、流れは変わらず。簡単なミスからピンチを迎え、守護神・服部一輝主将(法4=札幌大谷)の好セーブに救われることもあった。そこで、HTに「栗田監督から前提として『戦え』と言われました」(土居)とギアを上げるよう指示が入る。すると、迎えた後半は守備が安定し出し、徐々に明大らしいサッカーに。打たれたシュート数も前半は3本だったのに対し、後半は1本に抑え、相手に得点の機会を与えず。3試合連続無失点勝利を果たした。

 公式戦初ゴールは試合を決定づけるものとなった。後半35分、道渕諒平(農4=ベガルタ仙台ユース)に代わり投入された渡辺が、左サイドにいた河面旺成(政経4=作陽)の正確なパスを左足で振り切る。ボールはネットに突き刺さり、追加点を決めた。「流れを変えろと言われた」(渡辺)。途中出場後から積極的にサイドから縦へ突破してゴールを狙う姿勢を見せており、「その結果のゴール」(渡辺)ときっぱり。なかなか決定機をものにできなかったチームに得点と勢いをもたらし、期待に応えてみせた。

 総理大臣杯への切符まであと1勝となった。2回戦の相手は中大を延長戦の末下し、勝ち上がってきた青学大。おととしの同大会、同じ裾野グラウンドで1回戦目に明海大を下し、2回戦目に青学大に逆転負けを喫している明大。くしくも雪辱を果たすには絶好の舞台を迎えることとなった。しかし「相手がどこだろうとやるべきことは変わりません」(服部)。信じたサッカーで過去と決別し、切符をつかむ。

[亀井笙子]

試合後のコメント
栗田監督

「負けたら終わりのトーナメントの初戦は雰囲気も違うし、環境も違うので、非常に難しいゲームになると思います。その中で、内容ももちろんだけど、勝つということが一番大切になります。そこに対して全員が頭をきちっとそろえて勝つぞというメンタリティーで臨んで、結果2―0という形で次につながったのでよかったです。計2点だったが、そんない甘くはないですよね。明海大さんだって千葉県の中でしっかり勝ち上がってきていますし、1―0でもいいし、2―0でも良かったです。コンディションが悪くても、選手がどう修正するのかどう勝ち切るのかが大事になってくるので、トーナメントですし、内容はあまり気にしていないです。(いつものメンバーの起用だったが)今年は八つ総理大臣杯への枠があるので、2回戦を突破すれば大阪に行けるので、1戦1戦全力でやるのが明治のスタイルです。(相手が青学大ならおととしのリベンジマッチとなるが)もう忘れちゃいましたね。中央でも青学でもきちっと勝ちたいです」

服部
「初戦とか相手が都道府県リーグであることを思ってしまう部分もあると思うけど、僕はいつもみんなにみんなでやってきたサッカーをやろうと話しています。前半は硬かったですけど、結果的に1-0で折り返して後半でも追加点を取り、2-0で終われたことはトーナメントの勢い付けとしてはすごくよかったです。(前半は苦しいことも少なくなかったが)硬さというか、ぬるさはあまり感じなかったが、やっぱりそういうところが出てしまったのだと思うので、改善しなきゃいけません。(ハーフタイムを挟み、変わった印象だが)戦術どうこうでなく前線からのハイプレスと運動量、切り替えをもう一度徹底しようと話し合いました。(ボールを持たれることも少なくなかったが)持たれていたというよりは持たせていましたね。そんなに嫌な感じはなかったです。(次戦に向けて)相手がどこだろうとやるべきことは変わりません。前線からのハイプレスによるショートカウンター、行けない場合はしっかり引いてブロックで固め守備から良いリズムをつくっていきたいです」

小出悠太(政経4=市立船橋)
「(今日のコンディションついて)そういった環境に関して前半立ち上がりからガンガンいって自分らが主導権を握って1点取って勝とうっていう話だったので、特に考えていなかったです。風上は取ろうっていう話はしていました。(相手のプレッシャー)明治っていうことで相手は当たって砕けろっていう感じでガンガン来るっていうのは分かっていたので、でもそんな中でもうちょっといいサッカーがしたかったですけど、やっぱり初戦っていうことで勝つのは難しいので勝ててよかったと単純に思っています。(ビルドアップ)そんなにプレッシャーが来なかったので大きなミスはなかったのでそこはそんなにですけど、もっと点を決めるパスだったりっていうのは続けていきたいと思います。(前半危険なシーンが多かったが)自分たちのミスからっていうのは本当なくしていかなきゃいけないところですし、そういった中でもしっかり切り替えて体張って守れたというのはよかったかなと思うので、なるべくそういうミスを起こさないように、起きたとしても体張って守れるように意識していきたいと思います。(次戦中1日での試合)しっかりオフの時に休んで次の試合また全力で全員でプレーできるようにいい準備をして戦っていきたいと思います」

土居
「前半は結構苦しいゲームになった中で、先制点を取れたのは大きいですけど、後半みたいなゲームをやらないと、相手も必死になってやってくるし、自分たちもスキを見せずにやることが大事だと試合を通して感じました。コンディションが悪い中でも、自分たちのサッカーをしなくちゃいけないので、言い訳にしては駄目だと思います。全体的にやることがバラバラになってしまいました。つなぐところと背後に落として一回押し込んでから、また奪って組み立てることとかを後半では割とできたので次のゲームでもやりたいです。(ハーフタイムでは選手間で何か話は)選手間では話していましたが、監督から前提として「戦え」と言われました。やっぱり関東1部の1位として自覚あったプレーをチームの代表としてできているかと言われたら、まだまだできていない部分がありました。自覚を持ってやっていかなきゃ、これから戦っていけないと思います。(ゴールシーン)ペナルティーエリア内に入っていくのはアタッカー陣としてやっていかなきゃいけなくて、その中で丹羽選手が良い感じに落としてくれたので、あとは流し込むだけでした。(2回戦に向けて)自分たちのやるべきことをやって、チームの代表として出ているスタメンの11人で全力でプレーして勝って次に進みたいです」

渡辺
「(得点シーン)いいクロスが入ってきたので、落ち着いてトラップして流し込むだけだったので簡単なシュートでした。(流れが悪い中での交代)初戦ということもあって、しかも(交代した時は)1―0で1点差っていうことだったので何が起こるか分からない状況だったんですけど、自分は取りあえず縦に仕掛けてゴールへ向かうプレーをして流れを変えろと言われたので、それを徹底しました。その結果のゴールだったと思います。(途中ポジション変更)途中で入った櫻井敬基くん(政経3=藤枝東)は右が得意で、自分は右でも左でもどちらのサイドでもできるので自分が左に行きました。(次戦は中1日ですが)疲労を取りあえず抜いて、明日しっかり調整して、またチーム全員でいい雰囲気で入れれば勝利できると思います」