悲願達成ならず 二ノ宮がグレコでも準優勝/東日本学生春季新人選手権

2016.06.25
 新人戦は両スタイルともに悔しい銀で終わった。二ノ宮寛斗(営1=岐南工)は大会初日に引き続き決勝へと駒を進めた。結果はフリースタイルと同じ準優勝。JOC、アジア・ジュニア、新人戦と入学後に出場した大会での成績は全て2位入賞となっている。好成績を収めたものの、優勝を誓い今回の試合に臨んでいただけに悔しさもひとしおだった。
 
 1位の壁は高かった。順調に勝ち進み優勝に王手をかけた決勝戦。「相手が自分の得意な形に持ち込ませてくれなかった」(二ノ宮)となかなか攻め切ることができなかった。2―4とリードを許したまま迎えた第2ピリオド。積極的に技を仕掛け途中流れを引き戻したようにも思われたが、あと一手が足りない。ラスト30秒、最後の瞬間まで攻撃の手を緩めることはなかったが、得点が変わることはなく2-4で敗北。一年生王者になることはできなかった。
 やはり目指すは表彰台のてっぺんだ。入学から早4カ月。JOC、アジア・ジュニア、新人戦とすでに三つの大会に出場した二ノ宮だが、結果は全て2位。「まだまだ甘いところがある」(二ノ宮)と大学レスリングのレベルの高さを肌で感じた。「何か勝つために新しい武器なり、考え方というものをこれからやっていかないと」(安西信昌コーチ)。8月のインカレで悲願の優勝を手にするためにも、これからの2カ月は試行錯誤の日々が続く。

 悔しさの残る大会となったが、両スタイルでの2位入賞という結果は決して悪くない。この経験を糧にさらなる飛躍を目指し、インカレでは大学入学後はまだ手にしていない金メダルをその首にかけたい。

[谷山美海]

試合後のコメント
多賀恒雄副部長
「二ノ宮は俺は優勝してもらいたかったけどね、投げのたった一発でやられちゃったね。グレコは一発が大きい。でも攻撃的なレスリングをやっていた、そこは評価できる。勝ちへの執着が強いと、やはり雰囲気もよくなるし見習うべきところだよね。インカレはベスト4の実力はある。やっぱりライバルは石黒(日大)。石黒対策をどうするかだな。3、4年生にも強い選手が何人かいるけれど、そこにはあまり引けを取らないだろうね。(大会の2日間を終えて)結局二ノ宮頼みみたいな感じになっちゃったでしょ。フリースタイルでは平嶋も戦えるというか、目処が立ってきたんだけど。周りの選手にもっと頑張ってもらわなきゃいけないね。チームとしてはテストまでは体力強化と技術練習をしっかりやる。実践練習からは少し遠ざけて基礎を見つめ直す期間にするよ」

安西コーチ
「(二ノ宮について)2試合とも内容は似たようなところで負けているので、今のままでは勝てない。何か勝つために新しい武器なり、考え方というものをこれからやっていかないといけないところ。全体的に戦いっぷりはいいので、これからそういう気持ちをしっかり持っていってほしい。JOC、リーグ戦、アジア・ジュニア、新人戦でここまでずっと戦いっぱなしだったので、気持ち的にもここが一つの区切りかな。全部2位で本人が思うところはあるので、そこを僕は励ましたりもせず、追い込んだりもせず見守ろうと思う。本当に戦いっぷりがどんと構えるようになったし臆せず戦える選手だし、後は自分の勝てない選手にどうやって向かっていくか。(フリーの)準決勝で日大の坂田に負けてたらしいけど今回はテクニカルで勝って、本人にとってはあれが大きな収穫だったと思う。でも石黒にはテクニカルで負けてしまったから、また頑張る理由があるということで頑張ってほしい。(全体的に)試合見ていて思ったのが、入ってきて3カ月の1年生、1年半の2年生、その中で選手がどう変化してきたかというところで、できることが伸びていたり、だめになっていたりしている。それぞれができることを増やさないと、このままやっていっても伸び率としては少ないと思う。もっと幅の広いレスリングを目指してもらって、特徴のあるところで勝負していけるように練習していってほしい。(今後の練習で)悪いところを自分で見つけて、認めて、改善策を考えて練習してできるようにようにする、そこに尽きると思う」

永井基生(営2=八千代松陰)
「明治は普段グレコの練習はしないが、昨日(ベスト)8で終わって悔しい思いをしたので、普段の練習を生かしたレスリングをしたいと思っていた。去年はグレコではあんまり活躍できなかったんで、その分今年は気合いが入っていた。グレコローマンはタックルがない分点数が入りづらいので、守りは考えてやった。(準決勝の)相手は押しの強い選手で、いなしも上手いし全体的に押されていた。全力でいっても、いなされてポイントを取られてしまうと思ったので、力の入れ加減が大変だった。最後の方は疲れもあって審判に点を取られてしまったり。(フリーで準々決勝敗退、グレコで3位という成績)満足はしてない。8月のインカレでは去年と違って両スタイルで出場するつもりなので、行けるところまで行きたい」

二ノ宮
「(決勝の相手は)強いとは分かっていたが、高校生のとき勝っていた相手だった。自分がかける技もなかったし、相手が自分の得意な形に持ち込ませてくれなかった。そこをワンチャンス作れたら良かった。相手はそのチャンスをものにできていた。(グレコでの大会出場は)高校生のときにグレコの全国大会で優勝したこともあるので、グレコは思いっきりやろうと思った。元々中学までは柔道をやっていて、投げるのはあんまり苦手じゃなくて。投げは上手くできたかなって思う。(今大会の98㎏級は激戦だったが)2位っていう結果はやっぱり悔しい。昨日負けて、今日はグレコで優勝を狙っていたので。この大会が終わると次のインカレまで2ヶ月あるのでそれまでに自分の足りない所を直していく。インカレに向けて自分を追い込んでいきたい。(大学に入って約4ヶ月経ったが)高校とは違って大学では自分で考えて練習をしないと勝てないし、次のステップには進めないと感じた。試合間隔が近い分ウェイトトレーニングもしっかりできてなかったし、まだまだ甘い所があるのでそこをしっかり練習していきたい」