二ノ宮、フリースタイルは雪辱ならず準V/東日本学生春季新人戦

2016.06.24
 リベンジとはならなかった。春季新人戦が行われ、フリースタイル97㎏級の二ノ宮寛斗(営1=岐南工)は4月に行われたJOCに続き、決勝でライバルである石黒(日大)に敗れた。上位入賞もリベンジを誓って挑んだ試合での黒星に納得の表情は見られなかった。

 またも優勝にはあと一歩届かなかった。決勝の相手は自身5度目の対戦となる日大の石黒。試合開始約30秒でバックを取られ先制されるとその後もなかなか反撃の糸口がつかめない。二ノ宮が攻めあぐねる中、攻撃の手数の多い相手に一気に主導権を握られ0―4で前半戦を終了。その後も立て続けに得点を奪われ結果は0―10。5―2に終わったJOCより差が開いての完敗に終わった。「分かってはいてもできないということは練習不足」(二ノ宮)と対戦回数の多い相手への対策の不備に悔しさをにじませた。
 だが、二ノ宮自身もこの敗戦を悲観してはいない。「どこができていないかも自分では分かっている」。練習で意識してきた組手に関しては試合の中でも上々の手応えがあった。底知れない探求心を持つルーキーは自身のレスリングに常に真摯に向き合い、さらに高みを目指す。

 大会2日目はグレコローマンスタイルの試合が行われる。フリースタイルを本職とする選手がほとんどであるが、グレコローマンスタイルでの入賞も増えてきた近年。選手たちの上位進出に期待がかかる。

[谷山美海]

試合後のコメント
多賀恒雄副部長
「二ノ宮はいつも負けてる相手にやられちゃったね。レスリングは技をかけた後よりも、かける前が非常に大事。そこの戦い方がよくなればもっともっとうまくなる。後は決勝の相手とはリーチの差があるから、距離を取ってしまうとどうしても向こうのペースになる。接近して戦うことが大事とは本人に話した。奥田、永井は反省しなきゃだめ。2人ともケガがあってあんまり練習はできていなかったけれど、改善していかないと。練習、日常生活を含めた今までのありかたをちょっと反省して貰いたい。平嶋はだんだん戦えるようになってきたね。後はもう少し荒々しさが出てくるといいんだけどね。最後はグランドでやられちゃったけど、やっぱりケガでそこの練習ができていなかった。3人とも、来年は核になって貰わないと困る。ほかの1年生は、杉山は今の自分の力の中でベストの試合をしたよね。そういう面で評価している。(最終日のグレコは)二ノ宮、後は永井と奥田は期待できるね。それと近藤もグレコ専門として頑張って貰わないとね」

奥田
「僕は去年の成績もあって第1シードで組み合わせてもらったけど、期待に応えようとしていたけど1回戦で負けてしまったので不甲斐ない。減量もあったので、結構いつも以上にバテも早くて体力切れしてしまった。結果だけ見ても、自分としても去年より落ちてしまっているかなと思うのでこのままでは終われない。やっぱり自分のできる限りの範囲での減量と、減量して終わりと思っていて試合に向けての気持ちづくりができていなかった。メンタル面もそうだし、体力、技術全部足りていないと思う。多賀先生にも練習量が足りていない、もっと真剣に取り組まないと伸びないということを言われたのでもっと苦しいことを嫌がらずにやっていきたい。例えばトレーニングでもう一回上げるか、上げないかだとか走りとかでもそうだけど自分の壁を超えれれば強くなれると思う。これからは2年から3年になっていく立場になるので、自分のためにもチームのためにも頑張りたい」

永井
「反省しかなくて、去年は3番でそれ以上が課題だったけど3位に入る前に年下の選手に負けてしまった。とても悔いが残っている。終盤のスタミナ切れと、あと守りがまだ苦手で無駄に攻めたりしている。そういうところを直したり、攻め続けるスタミナをつけるのが課題。二ノ宮という強い後輩がいて、博貴さん(大山主将・営4=仙台育英)がいなくなったら僕が一番の練習相手になると思うので、二ノ宮のためにも頑張りたいと思う。去年インカレは1回戦負けで全然ダメだったので、インカレは入賞目指して頑張りたい」

平嶋
「毎回のことなんですけど1試合目に体が全然動かなくて。試合間隔もすごく短かったので疲れも全然とれないまま次の試合をするのが大変だった。点数をリードしちゃうとどうしても守りに入りたくなるので、準々決勝もそこでやられたなって。個人戦は団体戦に比べて勝つことよりも自分の力を試すっていうスタンスで臨んでるんで、積極的にいこうっていう攻めの意識が強い分、失点のリスクもどうしても高い。練習してきたことは試合でも出せたと思うんですけど、負けに繋がったところはやっぱり練習してなかったところだった。多賀先生にも期待してもらってるんで、その期待に応えられるようにこれからも頑張りたい」

米川
「今回は人数が少なかったということもあって3位に入ることができてうれしい。(入賞を)他にも狙える選手がいて、僕は2年生の中ではそんなにパッとはしていなくて今回は人数の関係もあってそこは運に恵まれているかなと。(負けた試合は)やっぱり純粋にパワーが足りないと感じた。パワーとスタミナをつけてくようにこれからの練習をしっかりやっていこうと先生にも言われた。筋トレをメインにしてその中で技の研究とかをしていきたい。秋にも新人戦があるし、インカレも続いていくのでそういった大会で一つでも勝てるように力をつけて頑張りたい」

二ノ宮
「また同じ相手に負けて悔しいって気持ちが一番大きい。今回は相手が攻めてくる機会が多かったこともあって、相手がタックルを得意としていることを分かっていたにも関わらず、2回目しかタックルを切れなかった。分かってはいてもできてないっていうことは、練習不足なんだと思う。何回も試合をやってきて、そこを変えていかないと勝てないんだなってことを実感した。(準々決勝の坂田選手について)高校1年生のときの3月の全国大会と高校2年生のときの国体で二回やって二回負けてて。初めてのときは本当に歯が立たなくて国体のときは3ー6で負けたので、自分が意識していた組手では試合中一度も負けてないと思うし自分の成長を感じられたのはよかったと思う。(2位に入賞した先日のアジア・ジュニアについて)国際大会への出場は4回目だったんですけど、入賞は初めて。2位になったことが自信になるっていうよりも、優勝した選手との差を感じた。レスリングの全てが相手の方が上だったんで、自分を見つめ返すにもいい機会になったかなと。今回は決勝では負けてしまったが、今まで勝てなかった相手にも勝つことができたし、決勝でも最初のタックルに入られる前までは良い組手ができていたと思うのでそこを伸ばしていきたい。どこができていないかも自分では分かっているのでそこを直していけるように練習を頑張っていく」