専大に快勝で今季初白星! 3人がリーグ戦初勝利を飾る/関東大学2部リーグ戦

2016.06.13
 3部降格の危機を乗り越えた。開幕から2連敗を喫して迎えた第3戦。負ければ3部降格も危ぶまれる中で、今年2部リーグに昇格してきた専大と対戦した。ライトフライ級の工藤洸弥(文2=弘前工)が惜敗し初戦を落とすも、続く笹谷建公(文1=弘前工)がリーグ戦初勝利を決めると一気に巻き返し、3―1で王手を迎える。そしてライトウェルター級の犬島峻平(商2=呉羽)が最終ラウンドで見事にTKOを決めて勝利を確定させた。その後も最後のミドル級まで勝ち抜き6―1の快勝。今季リーグ戦初白星を飾った。

 今までの無念を晴らす勝利となった。明大の白星を目前にして迎えた5番手のライトウェルター級戦。犬島は1年次からリーグ戦に出場するもこれまで1勝も挙げられず。そのため「絶対に勝たなければならない」(犬島)と強気で今試合に挑んだ。しかし背水の陣である専大も開始からエンジンを全開にして攻め立てる。そして第1R中盤、甘いガードを突き破る左ストレートを顔面に食らってしまう。初戦の平成国際大戦でも同じような状況があり、そのときは冷静になれず立て直すことができなかった。当時の反省を生かして、今回は第2R終盤には左右にストレートが決まるなど徐々に挽回していく。着々と流れを手繰り寄せていき迎えた最終R、相手の猛攻をかわして放ったパンチは相手の左肩を痛烈にヒット。「ダウンを取れたのかな」(犬島)と本人はダウンを狙ったわけではなかったが、そのままTKO。家族やたくさんのOBが応援に駆け付けてくれた試合で、明大に今季初の白星をもたらす値千金の一打を放った。

 後楽園ウィナーが続々と誕生した。TKOを決めた犬島の他にも笹谷と永山純礼(農3=いわき秀英)の2人が後楽園ホールでの初勝利を飾った。ルーキーの笹谷は「気持ちで負けるな!」とゴングが鳴る直前に星野隆監督からの激励を背に受けると、第1Rから果敢に攻めていく。第2R序盤に右フックを受けるなど一時苦戦するも、決して屈することなく「がむしゃらにいった」(笹谷)と全力を貫く。そしてその後は頭部を中心にヒットを連発して判定勝ちを収めた。
 
 3年生ながら前戦の中大戦でリーグ戦デビューを果たした永山。ダウンを一発狙いにいくのではなく、近距離からの攻撃を主軸としたインファイトで相手の横腹に向かって右に左にフックを連打して攻めていく。そして最終Rに入ると「本気で倒してやろう」(永山)と、スタミナを余すことなく使い切るように動き続けた。そして判定でレフェリーから手を挙げられた瞬間、満面の笑みを浮かべながら蓄積された勝利への思いを爆発させた。

 今季初勝利を挙げ軌道に乗り始めた明大ボクシング部はもう一つのヤマ場を迎える。次戦の相手は慶大だ。今季はまだ白星を挙げていないが、昨季リーグ戦で明大は3ー4で惜敗するなど実力は均衡している。そして今節は「みんな結構泥試合が多かった」(玉山勝也主将・商4=盛岡南)と語るように、全力さ故に粗さも表れた。次戦ではさらに勝利の質も磨いてチーム2連勝を狙いにいく。

[近藤佑真]

試合後のコメント
星野監督

「今日負けたら3部降格が見えるという状況で、絶対に負けられない試合だった。選手自体それぞれ何をやらなきゃいけないか分かっていた。そういった気持ちを植え付けた。それに向かって練習したのが良かったかなと。キャプテンの玉山を中心によく頑張ったと思う。「今回は自分が出る」と率先して練習に取り組んだのが、チームにも伝わったのかな。私からしたら7ー0でもおかしくない試合だった。今シーズンは全員合わせて1勝しかしてなかったのに、今日はその1勝の工藤以外全員勝った。皮肉なものだけどね。でも工藤もあれで終わるような男じゃないと思うのでね。マネジャー含めて10人のうち選手が9人、その内の7人が試合に出る。やっぱり今日はチームワークの勝利かなと。(犬島がTKO)彼もずっと負けっぱなしだった。あの子は本当に素直なので、頑張ったと思う。今日は家族が全員見に来ていたから、その気持ちが伝わったのかな。1回倒されたでしょ、中から思い切り出せば当たるから、考えないでそれだけに集中しろと言った。良かったと思う」

玉山主将
「今日は個人的には今までにないくらい泥試合をしてしまって、改善点がたくさんある。ガードも広くなってしまって、パンチも全部大振りだったのでいらないパンチをもらってしまった。いつも通りアウトボクシングしていればこうはならなかったと思う。もっと相手の倒し方を練習しないといけないなと思う。今季初勝利ということで、後輩たちがみんな頑張ってくれたので自分としては本当にうれしい。やはり人数も少ないので一人一人が頑張らないといけなくて、みんな今までの練習でずっと試合負けながらも心折れずに頑張ってくれたというのは本当に感謝している。今日は絶対に勝たないといけないという気持ちは強かった。ここが正念場だなと思っていた。後輩が勝っていたので、自分も気分が上がってやらなくちゃいけない、キャプテンが負けるのは笑えないなと、絶対に勝たないといけないなと思って試合に臨んだ。減量中にマネジャーの鎌田についてきてもらって走っていたが、一人で走っていると心も折れるので、本当にマネジャーには感謝している。全日本ランキングで今1位ということで、良い成績を残してからのこの泥試合は恥ずかしいし悔しい。次は慶応との戦いになるが、こんな泥試合をしないようにきれいに勝ちたいと思う。チームとしては全勝が目標。後輩たちも絶対やってくれると思うので、期待していてほしい。今日はみんな結構泥試合が多かったので、そこをしっかり見つめ直してフォームとか攻め方とかを一から頑張らないといけないと思う」

永山
「今日の試合も相手が高校時代選抜3位で、正直対戦相手に恵まれていないなと最初は思った。でも今日は、ライトフライ級の工藤から負けている雰囲気はないなと思った。それでいけるのではないかという気持ちがあって、ガンガン攻めたらなんとか勝つことができた。今日は試合内容を良くしようとかではなく勝ちにいった。今回は去年卒業された先輩とかも応援に来てくださって負けられないなと思った。試合中監督に、お前が今日の試合のカギを握っているとプレッシャーをかけられた。逆にそれで負けられないという気持ちを強く持てた結果、勝てたから良かった。試合内容としては、第1Rは正直言って自分が取ったと思った。でも第2Rで相手のうまさが出てきて、正直取られたかイーブンかなという感じで、自分が勝っているとは思えなかった。でも一つ前の試合に出場した内野が2年前に負けた相手と戦ってリベンジで勝っていて、それを見ていて正直同期でもすごいなと思った。俺もこういうふうに勝ちたいなと思って、第3R目は本気で倒してやろうと向かっていった。判定でもいいから勝ちたいと初めて思った」

犬島
「今回は明治が崖っぷちに立たされていたし、自分は今まで負け続けていたので絶対に勝たなければならない試合だった。第1Rでグローブの上からやられたのでそこまで効いたわけではないが、相手から左ストレートを顔面に受けてしまった。ガードが顔から離れていて、その甘いガードを狙われてしまったと思う。他にもパンチを何度もくらっていたのでダウンしてもおかしくなかった。初戦の平成国際大戦では相手のパンチをくらってから冷静になれずにその後ダウンを2度浴びてTKOになってしまったので、ダウンをくらった後は相手のパンチを冷静に見ようとそのときの反省をしっかりと生かして立て直していった。最終RでTKOを決めたがダウンを取れたのかなという感じで、まさか相手の肩が外れていたとは思わなかった。なので最初からダウンを狙いにいったパンチではなかった。今まで負けてきて悔しい思いをしてきたし、たくさんの人に迷惑をかけてきたので、今回良い姿を見せることができてよかった。だが完全には勝ちきれていないと思うので、次戦では完全勝利を収めたい。今は少し興奮しているが、あと2試合あるので初心に帰ってしっかりと気持ちを切り替えて戦いたいと思う」

笹谷
「相手も1年生だったので負けられない気持ちで向かった。コーチから第1Rを自分のものにするようにと言われていたので、後のことは考えずに最初から全力をぶつけにいった。しかし第2R序盤に気持ち的に油断していたところがあって、ガードが甘いところに一発くらってしまった。だが、このままじゃ悪い流れを引きずってしまうなと思い、がむしゃらに動いた結果巻き返すことができた。初めて自分で勝利を挙げてチームに貢献することができたのがとてもうれしい。次戦も自分は最初の方の試合に回ってくるので、次の選手に勢いづけられるように働きができたらいいなと思う」