早大に1―0の完封勝利! 昨季2敗の雪辱を果たす/関東大学1部リーグ戦

2016.06.06
早大に1―0の完封勝利! 昨季2敗の雪辱を果たす/関東大学1部リーグ戦

 昨年のリーグ王者を相手に無失点勝利を手にした。7位と低迷する早大との一戦は前半から相手の激しいハイプレスに苦しめられ、チャンスをなかなか作れないままスコアレスで折り返す。しかし、後半に入ると一転してボールを回しながらリズムを作る。迎えた後半28分、ペナルティーエリア付近でボールを受けた木戸皓貴(文3=東福岡)が右足を振り抜きネットを揺らす。その後は相手に決定的なチャンスを作らせず1―0で逃げ切り3連勝。2位筑波大に勝ち点差3をつけ首位をキープした。

 エースが駒場に響く早大の声援を黙らせた。後半28分ペナルティーエリア付近で右サイドの道渕諒平(農4=ベガルタ仙台ユース)からのパスを受けた木戸がドリブルで相手のブロックを外し右足でシュート。ボールはゴール左下に吸い込まれた。「1点自分が取って勝ってやろうという気持ちが結構強かったです」(木戸)。背番号10を背負う男のゴールが拮抗(きっこう)した展開を打破した。前節の国士大戦でも復帰後初ゴールを記録しており、調子を取り戻してきた紫紺のエースは「結構相手もシュートブロックとかしてきたので股が空くなと分かっていたのでそこ狙ってしっかり打った」。激しいプレッシャーで守ってくる宿敵を相手に天性のゴールへの嗅覚でチームを勝利に導いた。

 相手の猛攻を受けながらも開幕戦以来の無失点に抑えた。第2節から前節まで8試合連続で失点をし、守備に課題が残っていた明大。昨季2度敗北を喫した相手に「ロングボールで通してこようとするのは分かっていましたし、そこは悠太(小出悠太・政経4=市立船橋)とトリ(鳥海晃司・商3=ジェフユナイテッド千葉U―18)がしっかりチャレンジ&カバーをしたり、SBのカバーなどが徹底できていた」(服部一輝主将・法4=札幌大谷)と対策。前半は多くのチャンスを許すが、徐々に小出と鳥海のCB中心に最後の部分で体を張ってブロックした。ハーフタイムには「もう一回立ち上がりからつなぐことを意識してもっとスピードを上げていくことであったり、前を意識するというのを修整した」(柴戸海・政経3=市立船橋)とやるべきサッカーを意思統一。すると後半はDF陣や今季初スタメンの中村健人(政経1=東福岡)と柴戸のダブルボランチが相手の速く激しいプレスをかいくぐるかのように速いパス回しを展開。危険な場面を作らせず、自分たちのリズムでチャンスを増やしていった。「いい守備からいい攻撃へ」と明大らしいサッカーを体現し、ゲームを制した。
 
 次節は前期リーグ戦最後の試合だ。対戦相手の日体大は今季1部に昇格してきたばかりで現在7位と順位に開きはあるが「日体大は調子も上がっていますし、非常に強いので、絶対厳しいゲームになる」(栗田大輔監督)。油断は決してできない相手だ。しかし明大も現在3連勝で首位キープと勢いに乗っている。「勝てば前期優勝なので、そこにこだわって今週一週間取り組んで、絶対勝ち点3を取る」(道渕)。「後期の明治」と呼ばれ前期リーグ戦で勝ち点を積み上げることができなかった昨季とは違う。前期1位を取るべく前期最終戦も勝利をもぎ取ってみせる。

[臺佑太]

日付 対戦相手 会場 キックオフ時間 スコア
◆第90回関東大学リーグ戦 前期日程◆
(スコアをクリックすると試合の記事にリンクします)
4・2(土) 慶大 味フィ西 14:30 ○3-0
4・9(土) 法大 味フィ西 11:30 ○2-1
4・16(土) 流経大 たつのこ 14:00 ×0-1
4・23(土) 筑波大 川口 14:00 △2-2
4・30(土) 桐蔭横浜大 BMWス 14:00 △1-1
5・8(日) 駒大 中銀スタ 14:00 〇3-1
5・15(日) 専大 味スタ西 14:00 △2-2
5・21(土) 順大 味スタ西 14:00 ○2-1
5・29(日) 国士大 多摩陸 14:00 ○4-2
10 6・5(日) 早大 浦和駒場 13:00 ○1-0
11 6・11(土) 日体大 味フィ西 11:30
※6月5日時点

順位 チーム名 勝点 総得点 総失点 得失点差
◆順位表◆
【第10節終了時点】
明大 21 20 11
筑波大 18 18
法大 17 11
順大 16 20 16
慶大 16 17 18 -1
桐蔭横浜大 15 12 11
日体大 14 11 13 -2
専大 12 15 16 -1
早大 12 11 12 -1
10 駒大 11 13 14 -1
11 流経大 11 15 -6
12 国士大 24 -15

試合後のコメント
栗田監督

「昨年やはり2敗して、優勝も早稲田に持っていかれていたので、同じ相手に3回負けはないぞっていう強い気持ちで臨みました。そこをプレーでどうやって表現するのかというのが課題だったけど、苦しいゲームでしたが、1―0でしっかり勝ててすごく成長したゲームだったと思います。早稲田は気持ちも強いですし、前に前に来るサッカーなので、相手を見ながら明治らしくしっかりボールをつないで良いタイミングで背後を狙っていくことをしました。ボールをつなぐことが目的になってしまい、ゴールに対して積極的に仕掛けていくことが、ゴールから優先して考えることが、つなぐこととゴールに行くってことがつながっていなかったので、ハーフタイムに修整しました。後半の立ち上がりはいつも明治らしいサッカーになって、またその中で苦しい時間も生まれましたが、木戸がよく1点を決めてくれて1―0という形でゲームを終えることができました。明治の10番なのでそれなりの結果と責任感を出してもらえる期待を込めています。(勝ち切れる)よく服部を中心に考えてまとまって自分たちで解決するってことができているからでしょう。チーム全体としてもスタッフが全て指示してその通りにやるのではなくて、そこから選手たちが作り出していくということを追求してくれている結果です。(最終節に向けて)日体大は調子も上がっていますし、非常に強いので、絶対厳しいゲームになると思うんですけど、何とか勝って前期を終わりたいと思います」

服部
「開幕戦以来の無失点だったので、そういう部分ではGKの自分としてはすごくうれしかったし、相手も昨年優勝した早稲田ですし、僕のデビュー戦も明早戦で1―2で負けて、後期も連勝でいこうとなっている2節目に1―2でまた負ける屈辱的な感じだったので、最初からここで勝てれば上に行けるなという位置付けで個人的にいました。ゼロで抑えて勝てたのはだいぶ大きいと思います。割り切って攻められても、最後体を張って守ればいいやとみんなで意思統一していまいした。ロングボールで通してこようとするのは分かっていましたし、そこは悠太(小出)とトリ(鳥海)がしっかりチャレンジ&カバーをしたり、SBのカバーなどが徹底できていたので、良い風に試合を運べたのかなと思います。ファーストで負けない部分や負けてもセカンドを拾うということは話していました。特に前半はプレッシャーが今までの相手以上に速くてうまくつなげない部分もあったんですけど、明治の三原則がある中で、球際で負けてしまうというのは改善しなければなりません。相手の運動量が落ちるは分かっていましたし、いくらプレッシャーが来ても下でつなぐというのは僕らも徹底していました。正直意思統一できていれば何でもできるメンバーがそろっていると思うので、全員でつなぐのか蹴るのかがはっきりできていなかった部分がありました。でもハーフタイムを挟んで後半に入ると意思統一がしっかりできていて、良いゲームができていました。(木戸さんがナイスゴール)僕らの10番ですからそういう仕事をしてくれる存在ですし、ケガ明けして乗り越えて、毎日毎日しっかりトレーニングしているのは見てきたので、その部分が実ったんだと思います。でもまだ10番なのでもっと点をバンバン取ってくれる10番になってほしいと僕は思います。あんまりリーグ首位ということは考えずに、いつもの明治らしく戦っていきたいです」

小出
「久しぶりの無失点だったので手応えあったので最終節に向けて頑張っていきたいです。(開幕以来の無失点勝利でしたが)試合中に無失点勝利というのは意識していなくて試合に勝つということを意識して、試合終わって無失点だったかよかったねという感じだったので、まずは試合に勝つということが大事だと思っているので無失点にこだわりすぎずこれからもやっていきたいと思います。(攻め込まれる時間も長かったですが)早稲田は試合前から分かっていることだったんですけど気持ちも全開で、気持ちあらわに戦ってくると思っていたので、まずはそこの面で負けないというところもありますし、そこで戦うのではなくしっかり技術の面でつないでシュートに持っていくということだったり、テンポよくパスを回してというそういったところでしっかり上回っていこうということだったので、前半最初は少しうまくいかなかったですけどしっかり自分たちで耐えて後半でああやって点取れたということは本当に大きかったなと思うのでよかったです。(ゲームプランとしては)本当は立ち上がりに点取れればよかったんですけどそんなにうまくはいかないのでしっかり前半無失点で終えるということだけを考えて、危ないシーンもありましたけどしっかり体張って守れたのでそれはゲームプラン通りという感じでしたね。(HTで話したことは)球際の部分で負けているところが多々あったので修正するというところと、後半勝負だぞというところの意識統一はしました。(次節が最終節ですが)中断期間に向けてチームの状態もいい感じで夏に向けて入っていきたいですし、まずは内容がどうであれ集中応援もありますし結果にこだわって勝って前期終えたいなという思いは強いです」

道渕
「(今日の試合を振り返ってみて)早稲田は守備堅くて攻撃もすごい力のあるチームでピンチもあったんですけど、そういうなかで勝利できたというのはこれからのチームの一年というのを考えたときに、一番大きいのかなと思う。早稲田は前から来たりと守備においてすごい強みを持っているチームだったので、僕らはポゼッションして、蹴り合いにならないように下からつなぐっていうのを意識した。(点を取れない苦しい時間帯が続きましたが)前半は外に張りすぎていて、FWとの関わりだったり、ゴールからの距離が遠くなったので、後半は内側のポジションでプレーして、FWと関わっていっていって点を取れるようにってことを意識した。(木戸へのラストパスは)自分の態勢も悪かったので、いいパスではなかったけど、相手の体勢も悪かったので、通るって思いながら、アウトサイドで出した。(前期最後となる次の試合への意気込みは)勝てば前期優勝なので、そこにこだわって今週一週間取り組んで、絶対勝ち点3を取ります」

木戸
「早稲田ということで絶対厳しい戦いになることは分かっていたので、それと昨年2敗した相手なのでみんな気持ち入っていました。前半は結構苦しかったんですけど守備陣がしっかり0で抑えてくれて、これは絶対1点取れば勝つゲームだなと思っていたのでそこに神経を注いで得点できたというのは今の明治のスタイルというか、調子がいい理由じゃないかと思います。(ゴールシーン振り返って)DF陣がよく頑張って守ってくれたので、後半も中盤くらいからチャンスも増えてきて攻撃陣でいけると思っていたのでゴール前イメージ通りに、結構相手もシュートブロックとかしてきたので股が空くなと分かっていたのでそこ狙ってしっかり打ったので入ってよかったです。(2点取ってくると宣言していたようですが)2点取りたかったんですけど前半最初から相手が結構がつがつ来たので苦しいゲームになるというのは最初から分かったので、1点自分が取って勝ってやろうという気持ちが結構強かったです。(お互い決めきれない場面も多い中でした)こういう試合って絶対チャンスが少ないので、そこをものにした方が勝つゲームだったので、前半から自分も結構シュート打って外れていたんですけど感触は結構よかったのでポジティブに捉えて、後半相手が落ちてきたところで自分が決めて勝てればいいなという理想通りのゴールだったんじゃないかなと思います。(前半0で折り返してのゲームプランは)0で抑えた、でも攻撃陣は得点が取れていないっていうのでストレスというのはなかったんですけど、相手にサッカーを合わせずに自分たちのサッカーで変えずに後半もやれれば絶対チャンスは来るっていうのはHTに話したので、そこは修正できてなおかつ自分たちのサッカーをぶれずにできたからああいう得点が生まれたんじゃないかなと思います。(首位キープですが)一戦一戦戦わないといけないので、そこが今できていると思うので次も絶対満足せずに相手のサッカーをさせずに自分たちの強みを出せれば絶対勝てるので、そういう自信はここ何試合かで出ていると思うのでそこに満足せずに絶対勝つという気持ちで残り一戦勝てば自ずとそういう順位はついてくると思うので、まずその一試合絶対勝つというところに向けて一歩一歩段階踏んで上がっていければいいと思います」

柴戸
「(前半の早大のプレッシャーが激しかったが)もともと前から来るってことであったり、プレッシャーが速いということが分かっていたので、その中でも自分たちが蹴らずに下でパスしていこうということだったので、そこでかわすことができたシーンもありましたし奪われてしまったシーンもあったので、より精度を高めていって早稲田の速いプレスをかいくぐれるようにもっと練習して精度を上げていきたいと思います。(後半落ち着いたが)もう一回立ち上がりからつなぐことを意識してもっとスピードを上げていくことであったり、前を意識するというのはハーフタイムに修正して、そんな中で早稲田の守備のスピードが落ちてきたので自分たちがペースを握れたというのもありますし、やっぱりゴールから一人一人が意識して前へとつながるという意識がありましたので、そういったところでペースが握れたと思います。(完封勝利について)こういう試合を拾っていくということが優勝につながると思いますし勝負強さがこのチームにも出てきたのかなと思うので、こういうところは続けながらも前半で点を取れる力強さをもっとチームとしてやっていければよりいいチームになるのかなと思います。(中村健とのボランチコンビ)健人は前で仕事をするということで相手の1・5列目でスペースができるということで、そこで健人に収めさせてより攻撃を活性化させるということだったのですが、最初は自分と連携が取れなくてスペースを相手に与えてしまったりプレススピードも速くてうまくいかないシーンが多かったのですが、途中から2人で修正してうまくいったシーンもありましたしそれをもっと立ち上がりからやっていくことだったり、今後に向けて精度を高めていくことはお互い成長できるのでいい刺激になるのかなと思います。(次節に向けて)日体大戦は集中応援なので、もっとチームとして勢いを持って立ち上がりから相手を圧倒していけるようにやっていくことと自分たちが守備から主導権を握りながらいい攻撃につなげていくことができていったらまた勝利をつかめると思うので、次節必ず勝って後期やアミノバイタルカップにつなげていけたらと思います」

鳥海
「(今日の試合を振り返って)早稲田は去年2試合リーグ戦で負けているので、絶対負けないということを掲げてチームでやってきて、それで勝てたのでよかったです。(前回は負傷退場でしたが)今日また同じところを切っちゃって、でもたぶん縫わなくてもいいので、これは大丈夫です。(無失点に抑えた)正直相手のミスで救われたって場面もあるし、やっぱり完璧ではなかったと思うんで、次節からもう一回やっていければいいなと思います。(次の試合に向けて)集中応援だし、やっぱりチームの勢いを乗せたいので勝って終わるということを目標にやっていきたいです」

中村健
「(今日の試合を振り返って)初めてのスタメンで、自分は守備が得意じゃないんで守備に不安があって入ったんですけど、周りの選手が結構サポートしてくれて、自分が前に行けるようにしてくれて、少しずつ自分の強みである攻撃も出せてきて、自分のペースもつかめてきたので、そんなに悪くはなかったと思います。(先発メンバーになった経緯は)今日の早稲田はプレスとか結構速いサッカーで来るんですけど、そういう中で今回明大はパスサッカーで徹底的につなぐっていうようなスタイルでやるって今週は決めていたんで、そういう意味で自分に役割が回ってきて。ポジションも自分はもともとボランチとか中盤の選手なので、こういう本来のポジションであるところで出られるのはうれしいですしやりやすいです。(柴戸とのボランチは)とても気を配ってくれて、自分が上がったら下がってくれたり、上がれないときは上がってくれたり、少し苦しいパスとかしてしまったときも全部きれいに返ってくるのでやりやすかったです。(次の試合に向けて)次も出られるかは分からないんですけど今週1週間またアピールして使ってもらえるようにがんばります」