東農大にSO戦の末勝利 春季リーグ3位で幕引き/関東学生春季1部リーグ戦

2016.06.06
 東農大との3-4位決定戦が行われ、引き分けの末SO(シュートアウト)戦で勝利した。前半18分、大嶋元気(法2=今市)が先制点を挙げると、続く前半30分、谷光未有(法3=天理)がPC(ペナルティーコーナー)を決め2-1と勝ち越す。後半に入ると序盤流れをつかめず逆転を許すが、三島理(法4=岐阜総合学園)の同点ゴールで試合はSO戦へ。1番手の川村敬亮(政経3=今市)が外すも、後の4人が決め4-3で勝利。そしてこの結果、春季リーグを3位で終えることとなった。

 混戦を制した。SO戦では期待されていた一人目の川村がまさかの失敗。出ばなをくじかれる。そしてSO戦において絶対的信頼を寄せられている、GK國友督仁(政経4=丹生)も連続でゴールを許しひやひやする展開に。「流れが悪くなるかなと思ったが、次がしっかり決めてくれて流れが作れた」(小池文彦コーチ)と、2番手谷光の技ありシュートでいい流れを呼び寄せる。4番手の太田陸登(理工1=今市)もルーキーとは思えない安定感で決め3-3。「決め切れて期待に応えられたのはよかった」(三島)と、最後は後半同点ゴールを決めた5番手の三島がしっかりと沈め、勝利を手繰り寄せた。

 前半の流れを生かせなかった。「やれることはやろうという気持ちで出た」(大嶋)と今リーグ、ベンチ入りすら少なかった大嶋が前半18分、先制点を決め喜びのガッツポーズが飛び出す。しかし、すぐにPCから失点。それでも前半30分に谷光のPCで2-1とし、なんとかリードで折り返す。そして後半立ち上がり、初スタメンとなったGK塚田駿(文1=今市)がかわされ、立て続けに失点し2-3。逆転を許し、その後も東農大に攻め込まれる時間が続く。だが後半26分、PCからチャンスを演出する。「ずっと練習してきた流れ」(三島)と、松波大介(営4=岐阜各務野)のアシストから三島がゴール。高校時代からのコンビプレーで貴重な同点をもたらした。

 課題の残る春季リーグとなった。連覇をかけて挑んだが、結果は3位。敵の横の動きへの対処、ディフェンス力、得意としていたはずのPCの不発、また4年生のリーダーシップや気持ちの強さといった精神面で成長しなければならない点もある。だが「太田、館、野原、塚田が結果を出している」(宮田知監督)と、ルーキーたちの成長など収穫もあった。3週間後には全日本大学王座決定戦が控える。その初戦の相手も今回と同じ東農大だ。明大らしいパスホッケーとPCで快勝し、初の王座優勝を狙う。

[南川美冬]

試合後のコメント
宮田監督

「今日はもうリーグ戦の優勝はないので、先発メンバーも若手を入れて、王座に向けて試した。そういう意味では形自体はつくれていて、前半リードしながら展開ができていた。法大戦の時もそうだったが、敵の横の動きについていけていない。1人が抜かれても次がカバーしないといけないのに、その対処ができていない。2点目はゴールキーパーまでかわされてしまって、横の動きへの対処が今後の課題。勝因は、最後まで絶対追いつくんだという気持ち。リードされた時に主将の松波には言ったのだが、もっと松波が右の軸で組み立てるのがうちの一つの形なので、チームが苦しい時に「俺にボールをよこせ」ってリーダーシップをゲームの中で発揮してもらいたい。春季リーグを通してFWの出来としてはまだまだ。はっきり言って、満足していないのは佐々木。4年生で一番経験豊富なのに、無得点で全然結果を出していないから。リーグ通してFWはそれなりに点数を取っているが、相手を崩してっていうきれいな形はまだまだ作れていない。春季リーグの収穫としては新入生の太田、舘、野原、塚田が結果を出している。それに負けないように、上級生が目の色変えてやってくれればいい。これから王座だとかレベルの高いチームと戦っていかないといけないので、次は精神的な強さも含めてあと3週間強くなるための練習を繰り返しやっていけたらなと思う。練習を繰り返しやっていけたら、王座までにいいチームができる」

小池コーチ
「前半リードで終わって、後半すぐに追いつかれて追い越された。ディフェンスが守りきれてない。あまりいいゲーム展開ではない。攻められた時に早い段階でタックルにいけていない。そこからずるずるいっている。早くチェックしにいくように指示は出してはいるが、できていない。今後の課題になると思う。SOについてはその時のでき。昨日も練習させたが、ほとんど外している。集中力と相手キーパーの差。メンバーは昨日大体決めていた。最初一番期待していた川村が外してしまって、流れが悪くなるかなと思ったが、次がしっかり決めてくれて流れが作れた。國友は必ず何本か止めてくれる。SOになった時に信頼している。期待通りのプレーで勝ち取れた。本当は70分間のうちに追いついて、追い越していかないといけない。そこが物足りないということを選手たちには伝えた。やっぱりどうしても逆転されてしまうと消極的なプレーが目立つので、4年生が引っ張っていかないといけない。松波キャプテンを中心に、追いついたら逆転するんだという気持ちが出てきていない。強い気持ちになってほしい。気持ちの問題。先週法大戦でもったいない残念な結果に終わったけど、選手たちの中で去年春リーグを取れたという甘い気持ちが出たのだなと。優勝への姿勢が少し足りなかった。一週間ペースを上げて練習してきて、3位という結果をつかんだのでよかった。FWの得点力不足はまだまだ解消されていない。サークルインした時、焦ってシュートにいってしまう。もう少し冷静にしていかないと駄目。引きずってからパスを出すなどができていない。試合経験を積んで養っていきたい。王座までにタックル、PCを修正し、もう一段階レベルアップして頂点を目指す」

松波主将
「予選プールで3勝して、結果は3勝ということでいい流れというかいい感じでは来ていたが、基本的にはあまりよくない試合ばかりだった。内容が悪いのに勝っているのでみんなが安心してしまって、法政にそこを突かれてやられてしまった。リーグ戦の課題としては、攻めきれていないとかであったり自分たちの流れをつくり切れないこと。やっぱり相手の流れになった時に点数を取られてしまっていて、毎試合全部点数を決められて勝っている部分はあったので、ディフェンス力が足りなかったかなと思う。FWの得点力不足というのをリーグ前に言われていたのでFW主体の練習ばかりしていて、それで結構結果に結びついているのかなと。法政戦は少し動きが悪かった部分があったので確認をするように、しっかり自分たちのプレーができるような練習を多めに取り入れてやった。これからの練習はまた走り込みから始めて体力面を、王座は連戦になってくるので走り込みを多めにしたいと思う。個人的にみんなSOを練習してきた部分があるので、それが今日のこの結果に結びついたのかなと思う。東農大は流れに乗せるとガツガツ来てしまうので、そこをしっかりDFが守り切ってFWに転じられるようにしたい」

三島
「自分自身が最初のシュートを外さなければ楽に勝てた試合だと思う。就活の影響で全体練習じゃなくて個人練習が多くなっていている状況だが、今日の試合で王座に向けてやっていけることはたくさんあることが分かった。SO戦は練習していたし、その中で外しているわけではなかった。みんなの代表だし宮田さんにも信じてもらえていたし、SOは気持ちだと思うのでそれを決め切れて期待に応えられたのはよかった。本当はSOに持ち込もうとは思ってなかったし、70分間で決めきれなかったのは反省しないといけない。70分間で決めきれるのがベストだし、今日のゲーム展開では決めるべきだったと思う。相手も宮田さんが言っていた通りなのだが、集合時間もダラダラでそんなチームに負けたくない宮田さんの気持ちもあるし、自分たちもそういう気持ちはあったのでSO戦で勝つという結果にはなったが、勝ちきれたということは王座にいい流れをつくれたと思う。3点目も松波とずっと練習してきた流れで、同点に追い付かないといけなかったからあそこで点数を取れたのは大きかった。松波とは高校からずっとやってきた流れでお互い信頼していると思う。自信があるプレー。春季リーグ戦でFWが点を取ることは目標としていたことなので、全試合でFWが点を取ったということは一つ課題を改善できたと思う。だけど、まだまだディフェンスとして一瞬の気の緩みで相手のドリブルでやられるのは上手い下手ではなくもったいない。今後の練習から気を抜かないことが大切だし、これから大切になってくるのは70分間の集中力。相手も勝ちたいわけだし、一瞬でもそこを突かれたら厳しい試合になるのでその一瞬を抜いたら全国では勝てないと思う。王座は強いチームばかりだから厳しい試合が続くし、負けたら終わりなので一戦一戦大事にしていかないといけない。少し期間が空くがこの期間で修正できるところは修正して、普段の練習から4年生が引っ張れるところはもっとあると思う。前回の試合以外はいい方向に持っていけていると思う。王座も自分たちは最後なので、監督・コーチの期待に応えるということもあるが、OBの方にも結果を見てもらいたいので、大舞台でもっと活躍できるようになりたい」

大嶋
「昨日のミーティングで、東農大は王座の1回戦で当たるのが決まっているので、その前に一回叩いておこうということで意識を統一していた。この前大敗している分みんなで話す機会というのが増えてきて、どこが悪かったのかというのをみんなで話し合ったり個人的にも話したりして、そういうのが多かったので、今日もあまり悪いところは多くなかったかなと思う。雨降っているというのもあったがそういうのも乗り越えていけていたので、今日は立ち上がりからチーム的には良かったと思う。後半最初向こうのペースでいっていたので、一回こっちのペースに戻すためにディフェンスから落ち着いてやろうというのを意識してやっていて、カウンターも少しずつ決まるようになってきた。それで流れを引き寄せられたと思う。SOには明治は自信があるので、いけば勝てるなというのはあった。春リーグは5試合のうち2回しかベンチに入っていなくて、最近はずっと出ていなくてフラストレーションも溜まっていたので、メンバーに選ばれたからにはやれることはやろうという気持ちで出た。その結果がゴールにつながったと思う。後半の途中に一回シュートチャンスがあったが、そこを決めきれないのがまだ足りない部分なのかなと思う。王座に向けては、今日見ていても分かったが農大はスピードもあるし力もあるチームなので、しっかりサイドからのケアやPCだったり自分たちの攻めをもう一回確認して、万全の態勢で臨めたらいいと思う。やっぱり関東には負けられないという気持ちがあるので、もう一回法政にチャレンジできるように1回戦からしっかり調整して合わせていきたい」