
駿河台大に圧勝 無敗で57年ぶり1部リーグ戦優勝!/関東学生春季1部リーグ
最終戦で快勝を飾り優勝を果たした。優勝を目前にしながらも「闘争心を持とう」(吉野)と前半から積極的にゴールを狙いにいった。先制点を相手に許すも、2分09秒にはディフェンスで相手の攻撃を崩しボールを奪うと、海老原貴文(農3=藤代紫水)が速攻を決めた。その得点を皮切りに連続4得点を奪取。一気に3点差をつけると中盤には明大側が2分退場の反則を取られ1人少ない5人という不利の状況で、中川翔太(営1=法政二)がシュートを放ちゴールに沈めた。さらに9点リードしていた29分48秒に6m付近から山田信也(政経1=愛知)がダメ押しの1点。また前半残り1秒で駿河台大が少しでも追い付こうとシュートを放つがゴールキーパー・飛知和龍哉(営3=法政二)がセーブ。点差を縮めることを許さなかった。
17―7の10点差で迎えた後半は「申し分ない」(松本勇監督)と言われた前半のディフェンスよりうまく機能しなくなるも逆転のチャンスは与えなかった。29分23秒に門間優次郎(法2=法政二)が鋭くボールをゴールに放ち34得点目を決めるとそのまま34―26で勝利。ブザーが鳴ると同時に選手たちは喜びの声を上げ、57年ぶりの1部リーグ戦優勝をかみしめた。
主将を中心に結束し優勝をつかみ取った。昨年度秋リーグ9位スタートからの下克上を果たし見事優勝に輝いた明大。「キャプテンが樹さんじゃなかったら優勝できなかった」(飛知和)と後輩から思わせるほどチームの優勝に貢献したのはやはり主将の吉野だった。今リーグ戦で個人で合計98点奪い得点王に輝いた吉野の実力はもちろんだが、その実力に劣らないキャプテンシーでチームを引っ張った。吉野が一番大事にしたいと思ったのは「チームの雰囲気の良さ」。コート上では1年生から4年生まで誰もが意見を言い合える関係を作った。先輩と後輩の壁を取り払いコミュニケーションを取ったことでこれまで以上に連携の取れたディフェンスに。さらに吉野のマークが厚くなった時に点を稼げないことで、一人一人が攻めていく気持ちを持った。このことで吉野以外の選手の得点も多く見られ、今リーグでは5人が個人賞に輝いた。
「まだまだこれからチャレンジャーとして戦っていきたい」(吉野)。57年ぶりの優勝を飾った明大が次に迎えるのは昨年度9位で1部2部入替戦となってしまった秋リーグ。吉野以外の得点源も現れた今リーグだがそれでも95得点決めた吉野の存在は大きい。「吉野さん抜きでも点の取れるチーム」(工藤龍毅・政経3=桃山学院)になるためにも秋リーグまでの約3カ月間、どこまでさらに成長していけるかがカギとなってくる。
[村田萌衣子]
試合後のコメント
松本監督
「(57年ぶりの優勝について)単純にうれしい。明治はスポーツ強いし、やっとそこに入れたかなという感じ。とは言ってもまだ関東リーグだから。すごいけど、日本リーグで何度もチャンピオン取ってきた私からみたらまだまだだよね。これからのチームだと思う。(今日の試合を振り返って)57年、115季ぶり、優勝、負けなしのプレッシャーの中でよく勝ってくれたと思う。後半はあんなもんだろう。ディフェンスが崩れるとオフェンスにも影響して矛盾したことをやりだすのだけど、やっぱり調整するのはディフェンスだと思う。だから今日はディフェンスをしっかりしていこうって話をした。でも後半になるとどうしても崩れる。でも前半のディフェンスは申し分なかった。(前年入替戦から1部優勝は)まあ、ありえない事だね。今までないだろう、その日の最初の試合で優勝が決まるなんてことは。それだけすごいことをしたってことだよね。キャプテン中心に選手達がよく頑張ってくれたと思う。(インカレに向けて)関東で勝っちゃったからもう仕方ないよ、当然インカレで勝たなきゃ。目指すは日本一。でもインカレのシードは秋だから、春は一応勝ったけど、やっぱり秋で勝ちたい」
吉野
「泣きそう。うれしい、本当にうれしい。雰囲気良くやってこられて、一致団結できたのが優勝に導けたのだと思う。ずっと首位をキープしていて追われる立場でプレッシャーとかもあった。(駿河台大に)勝って、ブザー鳴った瞬間は本当にほっとした。相手の駿河台には去年負けていたので、首位ということから気持ちが緩んでしまうのが一番怖かった。チャレンジャーという気持ちで、闘争心を持とうと声をかけた。(リーグ全体振り返って)チーム力で戦えたと思う。練習試合もこれまで勝ってなかったが、それはチームにばらつきがあったりとか、みんなの意識が統一できていなかったりしていた。それをうまく統一することでうまくリーグを乗り切れたかなと思う。(後半での気の緩みは)それで前回早稲田戦やられた。今回は本当に最後まで集中を切るなと。点差を0と考えていこうと話した。(得点王に関して)自分が前を狙ってついた結果で、チームも勝ったので前回の得点王を取っているがチームは勝てなかったからうれしくなかったが、今回は勝利に導けたっていうことですごいうれしい。(今後に向けて)春こうやって優勝を取れたのはチームで戦えて調子が良かっただけで実力は全然まだ備わっていない。素直に今回の優勝は喜びたいがまだまだこれからチャレンジャーとして戦っていきたい。春も優勝を狙っていたので、秋も優勝を狙って頑張りたい」
工藤
「うれしい。実感がまだ湧かない。すごいというか勢いできてしまったというのがある。本当に勝った時は本当にうれしかった。(主将に関して)すごいキャプテン。自分も活躍できるし、チームも生かせる。怒って伸ばすのではなく、引っ張っていってくれるリーダーシップがある。周りもよく見えていて。下級生からしたら上級生は親しみにくいと思うが、そんなのがなくて。1年生でも気軽にしゃべれる存在。(次に向けて)今回王者になったので無敗を続けて日本一を目指して頑張りたい。吉野さんに(マークが)厚くなった時にみんな焦るところがあるので、そこを僕が支えたい。吉野さん抜きでも点の取れるチームに。秋には4年生も戻ってくるのでそこでチームでまとまって、ベンチも入れ替わり入れ替わりでもチーム力が落ちないチームを目指したい」
飛知和
「(優勝は)まだまだ実感が湧かない。57年ぶりに優勝できたのは一つの自信になった。(チームに関して)コートに入ったら学年とか関係なく言い合えた。自分としてもやりやすかった。本当にみんなでやっているという感じが練習からあったのですごく良かった。本当に学年関係なく誰からもここはこの方が良いというのがあった。(主将に関して)樹さんは練習中本当に厳しい時もあるが、しっかり良いところはほめてくれる。本当にチームを引っ張っていってくれた。僕が調子悪い時も、アドバイスや励ましたりしてくれた。一人一人のことを考えてくれていた。ありがたかった。得点源ということもあるがこの優勝はキャプテンが樹さんじゃなかったら優勝できなかったのではないかなと思う」
宮崎大樹(営2=法政二)
「今は(優勝した)実感が湧いていないが、みんなでつかみ取った優勝なので素直にうれしいとしかいいようがない。(試合前は)もう優勝とかはなしで一応絶対に勝つという気持ちだった。プレッシャーはないと言ったらうそになるけれども、まあいい意味でのプレッシャーはかかっていたのでプラスに捉えた。明治が今まで勝ってきた理由としてディフェンスが良かったというのは一番だと思うので、今日の試合もディフェンスからリズム取って試合が組み立てられたというのが一番良かったと思う。優勝が見えてきたというのは、国士が筑波に負けたからというものではなくて、自分たちが1勝1勝してからという感じだった。初戦の日体大と次の筑波大は昨年から見たら全然勝てなかったチームだった。だから新チームとして昨年とは違うんだというところを見せられればいいなと思っていて。最初いい感じで勝てたのでそこがやはり一番流れが良かったと思う」
門間
「やっぱり最後気を抜いたら絶対にやられると思ったので、しっかりチャレンジャーの気持ちを忘れずに1点でも勝てればいいという気持ちでそれができた。試合の入りとしてはこのリーグの締めとしてやりきろうとした。全く昨年の秋は結果出していなかったし全く分からなかったので取りあえず一試合一試合集中していこうという感じで上位を狙えたらいいなという感じだった。昨年と違うのは1人1人が強い気持ちで臨めたというのが秋よりもいい結果を出せたんじゃないかと思う。(昨年の入替戦があり)どん底まで経験したからこそ強くなったと思う。(吉野さんに代わって)雰囲気とか試合は楽しんでいこうとか合宿も今年はみんな気持ちが一つになったので強くなれたと思う。リーグ戦一試合一試合が楽しめた。それでも個人的には今日はあまりいいプレーができなかったのでまだまだ課題はたくさんある。秋リーグとかは春優勝していて追われる身になるが、そのプレッシャーに負けずに一戦一戦戦って負けずにまた優勝狙えたらいい」
中川
「(今日の試合を振り返って)自分はディフェンスだけになってしまうが、チームのために自分のできることをやろうと思った。自分にできることは足を動かすことと声を出すことなので、それを意識した。(1年生にして57年ぶりの優勝ということについて)全員がチャレンジャーということで挑めた。先輩方や周りの方に声を掛けていただいたので、その分頑張ることができた。1年生としてできることをやってチームに貢献できたと思う。(インカレに向けて)やっぱり自分のできることを精いっぱいやりたい」
山田
「(1年生にして57年ぶりの優勝ということについて)初戦からすごい緊張して、最後もすごい緊張して。緊張するタイプだったが、先輩方から思い切りやってこいと声を掛けていただいて最後まで頑張ることができた。(インカレに向けて)まだオフェンスで吉野さんに頼りがちなところがあるので、コンビネーションなど鍛えたい。個人的には体力面が問題なので、夏しっかり走り込みたい。1年生というのはあるが、声をしっかりだしてチームの中心的存在になれるようにしていきたい」
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