
追撃振り切り順大に2-1勝利で暫定首位浮上/関東大学1部リーグ戦
丹羽はこの日、今季二度目となる2試合連続ゴールでチームに勝利をもたらした。前半20分、鳥海晃司(商3=ジェフユナイテッド千葉U―18)のロングパスに反応したサイドハーフの土居柊太(政経3=浜松開誠館)が斜めの動きでDFラインの裏に抜け出す。最後に土居が上げた速い低めのクロスを、粘り強くゴール前に走り込んだFWの丹羽が押し込み、ゴールネットを揺らした。「何度も何度も練習しているシーンが出た」(栗田大輔監督)とイメージ通りの得点。今季5点目をマークし、得点ランキングトップタイに躍り出た丹羽は「チームが勝つことが一番大切だと思うので、その次に自分の得点というものを意識してやっていきたい」とひたむきにチームの勝利貢献に意欲を見せる。
持ち前の守備が冴えわたった。下からしっかりと組み立ててくる順大に対して、試合開始から選手間の距離を短くしたコンパクトな守備で、相手FWへのパスをシャットアウトし、勢い付かせない。先制しリズムをつかんだ明大は前線からのハイプレスが機能し、相手陣内でのボール奪取に成功。守備で攻撃を勢いづかせ、明大ペースのまま前半を折り返す。後半19分に追加点を挙げるも、その後は一転相手ペースに。23分に1点を返され、さらに同点を狙う順大の猛攻が始まる。しかし、集中した守備を終始一貫し、後半打たせたシュートは1本。失点以外のシュートは許さなかった。前節の専大戦は2-1から追い付かれ痛恨のドローという形で終わってしまったが、その反省を生かし勝利につなげられたことは大きい。「最後は勝つんだというところが一人一人見えたと思う」(栗田監督)。チーム一丸となって粘り強く、体を張ってゴールを守った。
オフェンス面でも体を張ったプレーは見られた。後半27分、自陣に押し込まれていた明大のクリアボールに反応した途中出場の岩田拓也(商4=FC東京U―18)が裏に抜け出したが、キーパーと交錯し転倒。ケガの状態から、プレーを中断し担架で運ばれ、そのまま負傷交代。出場してからたったの5分後の出来事だった。岩田のチームのために体を張った雄姿は勝利への執念を感じさせた。
今節の勝利で満足してはいけない。現在、勝ち点15で暫定首位に立ったが、ここからが本当の勝負だ。「今日勝てたことは大きいですけど、この後負けたら意味がないのでチーム全員で危機感を持って戦っていきたいです」(土居)。次節の対戦相手は国士大。今季こそ調子が落ち込んでいるが、松本(国士大)を中心とした爆発力のある攻撃で昨年はともに優勝争いをした強豪だ。混戦の続く前期リーグ戦も残すはあと3節のみ。首位ターンを絶対的なものにするためにも、まずはしっかりと連勝をつかみ取りたい。
★先輩の激励★
長友佑都(平21政経卒=現インテル・ミラノ)のサプライズ訪問が勝利への力となった。今試合当日の午前中にいつもはされないミーティングが行われ「何を話すんだろうと思ったら長友さんが来ました」(巽)と選手たちも突然の日本代表の登場にびっくり。短い時間ながら質問に対し『うまくいかない時に自分を見つめ直すこと、他のせいにするのではなくて自分に目を向けて自分を信じることがすごい大切』との言葉をもらったそうだ。「今日勝たないと長友パワーが証明できなかったし、長友も俺が来たんだからという話をしていた」(栗田監督)と偉大な先輩の激励に勝利で応えた。
[古賀章太郎]
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試合後のコメント
栗田監督
「なかなか勝ち切れない試合がある中で、毎試合勝敗だけではなくて選手が成長することを常に掲げてきたので、そういう意味ではああいう苦しいゲームを勝ち切れてまた一つ成長できたかなと思います。(暫定首位浮上について)もちろん意識していましたし、前節も勝って首位を取ろうという中で引き分けてしまったので今日は勝って首位を取ろうと臨みました。(丹羽の得点シーン)何度も何度も練習しているシーンが出たかなと思います。最後粘り強くゴール前に丹羽が入ってきてくれて、土居が出してくれたボールも良かったですけど、よく足を出してくれたかなと思います。斜めに入っていったり、常にゴール前に人が入っていくことは常にやってきていることなので、最近は試合でもよくそういう形が出せているかなと思います。(コンパクトな守備が機能していたが)順天堂大学さんも一人一人のレベルが高いですし、細かいパスとドリブルで崩してくるのでそこに対して、ドリブルをさせないだったり、縦パスを通させないというところが徹底できたと思います。気持ちの部分でも最後は勝つんだということが一人一人見えたと思うので良かったと思います」
服部一輝主将(法4=札幌大谷)
「2点目を先に取れたことが勝てた要因だったと思います。2-1の状態で今までは追いつかれることもあったんですけど、しっかりとつなぐという意思統一ができていたので1点で抑えることができたと思います。(前節ドローの悔しさは)前節は自分のミスで引き分けになってしまったので、今週1週間悩みながらもしっかりとトレーニングできましたし、今日もプレー自体は悪くなかったと思います。(暫定首位に立ったが)首位に立ち続けることはプレーヤーとしてもちろん目指さないといけないところですけど、目先の1位はそんなに意識はしていないです。最終的に首位に立っていないと意味がないので。(コンパクトな守備が機能していましたが)順天堂大学さんは何度も試合をしていて後ろからしっかりとビルドアップしてくるチームなので、しっかりと引いて行ける人から行くということができていたので良かったのかなと思います。(次節国士大戦に向けて)昨年は何回も苦しめられましたし、今シーズン楽な試合は1試合もないので、しっかりと準備して試合に臨んだらおのずと結果が付いてくると思います」
巽
「個人的に決勝点を取れたのは、まあ方向ミスっちゃったんですけど、それが勝ち点3につながったのでよかったかなと思います。まさかあのシュートで入ると思わなかったので、でも点は点だと思うので。普段あまりシュート打たないんですけどとりあえず打ってみようと思って、打ったことで入ったので。もともと後ろのCBをやっていたのでシュート練習はしていないですし、そんなシュートを打つこともないので。土居からのボールが結構強くて、土居が持った時にくれるかなと思っていてそうしたらシュートを打とうと考えていて、もう少し弱いパス来るかなと思ったんですけど結構速くてそれでもいいやと思って振り抜きました。びっくりしてます。(3試合連続スタメンですが)CBだったのでボランチですけど監督からしっかり役割は言われているので、その役割をしっかり全うしようと思ってプレーしています。アンカーではね返すところしっかりはね返して、あとはつなぎの面でしっかり前に縦パスをつけられるようにというのは言われています。自分が結構アンカーの位置なので海は攻撃参加を前でできるように監督からも言われていますし、海ともそういうふうに話しています。もう少しもっと自分と海のところでボールをさばけるように、特に後半とかは必要かなと思います。(長友選手から激励を受けたと)びっくりしました、本当。サプライズで、ミーティングあるよ、みたいな。普段公式戦の前にミーティングないんですけどやるよ、みたいな感じで何を話すんだろうと思ったら長友さんが来ました。「うまくいかない時に自分を見つめ直すこと、他のせいにするのではなくて自分に目を向けて自分を信じることがすごい大切」と言われました。短かったので1人質問して答えてくれた感じです。すごかったですよ。僕たちが2年生の時にもいらっしゃって、4年間で2回も会えるなんて相当な奇跡というか。(次節国士大戦ですが)相手に大きいFWがいると思うので、自分が競るということが多くなると思うんですけど、しっかりそこではね返すようにしたいです。無失点で終わりたいですけど、勝つことが大事だと思うので、失点してでもそれより多くの点を取れればいいと思います。ゴールは取れればいいかなと思いますけど、それより守備の方で貢献したいと思います」
丹羽
「これまでの試合で先制して最後追いつかれて落とすというゲームが続いていたので、今日は先制点が勝ちにつながったので良かった。チームが勝つことが一番大切だと思うんで、その次に自分の得点というものを意識してやっていきたいです。(ゴールシーンを振り返ってみて)練習の中でもクロスから中のポジションを意識して取り組んできたので、それが試合に出たのがよかったと思います」
土居
「勝ち切れたことが一番大きくて、先週の専修とか筑波では最後に追い付かれて勝ち点3を取れなかったので、今日はしっかりと勝てたことが良かったと思います。得点が欲しいなとは思っているんですけど、アシストでも数字として結果が残るのでチームに貢献できたかなと思います。(中央でボールをさばく場面が多かったが)どっちかというと相手の中間ポジションで受けて、ゲームメークをすることは意識しているので、そういうところで受けられているときはチャンスもつくれているので続けていきたいと思います。(暫定首位に立ったが)勝てば首位ということはみんな分かっていましたし、1試合をしっかりと戦っていくので、今日勝てたことは大きいですけど、この後負けたら意味がないのでチーム全員で危機感を持って戦っていきたいです」
鳥海
「いい形で2点取れたのがよかったですけど、やはり1点失点してしまったのがよくないので0を目指したいです。前節のミーティングであったんですけど、開幕前と今ではディフェンスラインの上げ下げとかの意識が薄れているというのがあって、それを練習から一週間取り組んで今日は後ろから積極的にラインを上げたりコントロールをしっかりできたので良い守備ができたと思います。そういうところをミーティングで指摘されたので僕と悠太くんでラインコントロールしようということで、開幕前みたいなサッカーを目指してやりました。(暫定首位という意識は)特に意識はしていないですけど、前期終わった時点で首位だったらいいなと思います。(次節は国士大戦ですが)もう一回守備から入って0で抑えて攻撃は点取れたらいいなと思います」
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