早大に僅差で勝利 無敗のまま最終戦へ/関東学生春季1部リーグ戦

2016.05.17
 激闘の末、接戦を見事制した。無敗で挑むこととなった早大戦。前半は圧倒的なセーブ率を魅せたゴールキーパー・飛知和龍哉(営3=法政二)の活躍、連携のとれた固いディフェンス、そして門間優次郎(法2=法政二)らの素早い速攻で15―8と7点差をつける。後半一時は追いつかれるものの、残り1分で工藤龍毅(政経3=桃山学院)がシュートを決めるとその1点を守り抜き勝利。リーグ戦唯一無敗のまま駿河台大との最終戦につないだ。

 流れをつかみ離さなかった。「8失点に抑えられたことや、速攻で何点も入れるという展開は理想的」と松本勇監督がコメントしたように、素晴らしい立ち上がりだった。最初のシュートに飛知和がナイスセーブ。次の攻撃をディフェンス陣がブロックすると、息もつかせぬ速攻で先制点を決め、相手に主導権を与えなかった。飛知和は相手の最初のシュートを止めた他、速攻や1対1、重要な場面で何度もシュートを止めた。その回数、前半だけで8回。勝利に大きく貢献した。キーパーだけではなく、相手シュートを4回もブロックするなど前半のディフェンス陣は圧倒的であった。2分18秒に1点を入れられて以降10分37秒の2点目を入れられるまでの約8分、自陣のゴールが揺らされることはなく、その間に4点のリード。相手が思わずタイムアウトを取るもその勢いは止まらず、7点差をつけて後半へ折り返した。

 課題が残る試合にもなった。前半驚異的な強さをみせた明大であったが、後半になるとパスミスやファウルなど「つまらないミス」(松本監督)が連発。「ディフェンスで守ってリズムを作り速攻につなげていたが、(今回は)何もできなかった」(吉野主将・政経4=千葉県私立市川)というように、いつもであればオフェンスかディフェンスのどちらかが崩れても、どちらかで持ち直すことができていた。しかし、早大の猛烈な追い上げにより焦りから周りが見えなくなり、どちらも崩れてしまう結果になった。

 最終戦は駿河台大との対戦になる。現在明大は7勝1分けでトップ。駿河台大に勝てば57年ぶりの優勝となる。昨年の秋リーグでは敗戦していることもあり「本気でぶつかっていきたい」(吉野)と気合十分。昨年の借りを返し、無敗のままリーグ優勝を狙う。

[日野空斗]

試合後のコメント
松本監督
「(全体を通して)プレッシャーがあったんだろうね。でも立ち上がりが非常によくて、結果的には工藤が決勝点を決めてくれたのでよかった。リーグを通して7点差がつけば負けることは無いというジンクスがあった。今大会で8点差が覆ることがあったがとりあえずは安心していた。とはいえ相手は早大。練習試合では負けることが多々あったし、あのまま勝てるような相手ではなかった。(好調だった前半について)8失点に抑えられたことや、速攻で何点も入れるという展開は理想的で、前半の試合運びは100点満点に近い。文句なし。(後半点差をつめられた要因)立ち上がりはよかったが、前半飛ばしすぎで後半足が止まってしまっていた。樹へのディフェンスが強くなってきた時、樹が点を取れないと悪い流れが広がってしまうところが課題。オフェンスでのパスミスなどで相手ボールになってしまうという1番悪いパターンがよくあった。つまらないミスではなくシュートで終わらせたかった。(リーグを通しての収穫)工藤がかなり伸びてきている。相変わらず門間も点を取ってくれるので心強くなってきた。速攻もかなり早いので、そこをチームの力としていきたい。(57年ぶりの優勝目前、次の試合について)昨年駿河台には負けているので気を抜かずに勝ちたいと思う」

吉野
「(後半は)周りが見えなくなってしまった。僕がそうなると、みんなもそうなってしまう。僕が言ってあげられるようにならないといけないと思った。どんどん追われて、今までだったらオフェンス取れなくてもディフェンスで守れたり、どっちかができていた。ディフェンスも駄目、オフェンスも駄目、速攻も駄目でやられるばかりだった。受け身になっていた。周りが行き詰ってしまったときに自分が攻めるしかないなと思っていたが、悪い形になってしまった。全然攻められなかった。いつもディフェンスで守ってリズムを作り速攻につなげていたが、(今回は)何もできなかった。やられるだけやられた。あとは僕が行く前にフローターの2人が前を全然狙わなかった時間があったので、そこをもっと自信を持って。最後工藤が勝ち越しのシュートを決めたように、一人一人が前を狙ってほしい。(試合前は)吐きそうなぐらい緊張していた。明治首位にきていて、応援してくださる人もいてプレッシャーを感じるが、チームみんなが支えあって盛り上げてやれている。気持ちが少し楽。(応援団が来たこと)明治が首位キープしていることで来てくれてすごく嬉しい。パワーをもらった。まだ1試合残っている。今リーグは僕ら9位スタートでチャレンジャーということを念頭に置いてやってきた。昨季駿河に負けていると思うので、本気でぶつかっていきたい」