
早大に逆転勝利 予選プール首位通過を決める/関東学生春季1部リーグ戦
FWが躍動した。後半3分、平井一樹(文2=天理)が右サイドでボールを受け、そのままサークルインしていた千原へとパスし同点ゴールを決める。この得点を機に一気に明大ペースに持ち込み、後半10分には野原が、16分には三島がそれぞれ追加点を挙げた。また、2点目の勝ち越しゴールは野原にとって大学初得点となり「ただがむしゃらにやった」(野原)と、その喜びをかみしめた。そして「FWが決められたのは良かった」(小池文彦コーチ)と、課題の一つであるFWの得点力不足に明るい兆しが見えるものとなった。
「出だしが悪かった」(三島)。前半は明大の武器であるPCを三度獲得するも、決定力に欠き得点にはつながらず。「攻め込まれたり、攻めているけどシュートを打ち切れない場面が続いた」(千原)。そのまま試合は攻防を続け、前半32分。PCを与えるとあっけなく先制点を奪われてしまう。「前半は安定感がなかった」(平井)と、PCも決まらず相手のペースに飲まれ、攻め込まれる時間が続き苦しんだ。
今回の試合によって春季リーグ予選プール1位通過が決まり、また全日本大学王座決定戦への出場権も獲得した。次戦は順位決定戦予選・法大戦となる。法大とは相性が悪いと言われている明大だが、さらに進化したFWやルーキーの活躍があれば決して勝てない相手ではない。課題はまだまだ残っているものの、この3連勝の勢いのまま春季リーグ連覇に向け戦っていく。
[東後太一]
試合後のコメント
宮田知監督
「今日は結果オーライ。前半PCをしっかり決めていればもっと楽な展開ができたが、負ける気は全然しなかったので落ち着いてやれば相手は後半足が止まると思っていた。でも平井が後半のスタートでよく粘って一人でサークルインして、味方の千原の上がりを我慢して我慢して待ってリターンのパスを出して、それでまた決めた千原も褒めてやらないといけないが、そこで追いついたのはベンチワークも楽になって良かった。野原も何かやるだろうなという期待感で今日出すことにしたが、案の定敵ががっくりするようなシュートを決めてくれたので、これで大学のホッケーに馴染んでもっと活躍してくれるだろうなと思う。失点が毎試合あるというのは気になるところではあるが、まあ勝てばいいわけだから。今日はFWには、お前たちFWなんだからもっと貪欲にボールを呼べというふうに指示して、それで平井とか千原とかは積極的に動いてくれていた。FWのフィールドゴールの得点力不足というのが今年の課題だったので、今日はフィールドだけで3点入れてくれたから、もっともっと競い合って頑張ってくれればなと思う。3戦全勝1位通過で、次2位の法政とということで、法政もここのところ日本リーグとかで結果だけ見ていると良いチーム状態なのかなという感じなので、万全のチーム状態で順位決定戦に臨みたいなと思う。」
小池コーチ
「前半は攻めていたけれど点が取れなくて、FWが冷静にプレーできずに苦労して結局相手に先制されてしまった。でも、最初から自信はあって選手たちにもそう言い聞かせていた。後半に予定通り3点取って、楽なゲームではなかったけれど勝って首位抜けできた。早稲田の宮崎主将がかなりハードに動いていくるので、明治のDFの前田(隆昭・営2=丹生)におさえさせた。全体的なレベルを見てもやっぱり明治の方がレベルは高いので心配はしていなかった。でも、先に1点取っていないと何が起こるかわからないから、先制するように指示はしていたんだけど逆に取られてしまった。ただ後半の早い時間から1点返せたのでもうこの後はいけると思った。どんどん前でディフェンスするよう言って、指示通り前でボールが取れたのでそれが結果につながったのだと思う。FWは落ち着いてできるようになっている。あと1年の野原が1点押し込んだのはかなり自信になっていると思う。その後の動きが良くなっていたし、今後の決勝トーナメントにつながってくる。課題はやっぱり全体的に、特にFWがサークルに入ってから冷静にシュートだったりができていないところ。前半はまさにそうで味方に合わせたパスができていないからシュートまでいけていない。まだまだ慌ててしまうので修正していきたい。次戦の法大は苦手意識があるだけで勝てない相手ではない。ただ今年の法大は強い。実力的には互角以上の戦いができると思う。あとはPCの精度をもっと上げて、FWの冷静なサークルインしたときのプレーを修正していければ絶対に勝てる。優勝目指してこのままやっていきたい」
松波大介主将(経営4=岐阜各務野)
「前半は少し相手のペースで点を取られてしまったのでもったいなかった。後半はこっちでボールキープできて、点も取れたのでよかった。早稲田のFWで主将の宮崎君はほとんどフルで出ているので、後半は疲れてくるだろうなとは予測していた。キープ力と突破力がある選手なので、最悪反則で止めることと前田がマークについて確実につぶす作戦だった。普通に点が取れたら取りたいとは思っていたが、チャンスをものにできなかったというのが課題点。今のところリーグ3戦やってなんだかんだ点が取れているので、そんな得点力がない感じもしない。でも、自分たちが得点できるから勝てるんじゃないかっていう思い込みをし始めると点が入らなくなる。得点力不足に関しては、ちょっとずつ上がってきてはいるけどまだ達成点は低いかなと思う。3戦終えて最初の2戦は先制点が取れたが、今日は取られてしまった。いつも取れていた分もったいなかったし、点が取れていると安心しちゃうのかもしれない。それとディフェンスをもっと固めていきたいと思う。次の相手は法政になると思うが、今年はあんまり戦っていないのでわからないが強いと聞いている。なので、先制点を取って自分たちの流れにできればなと思う」
國友督仁(政経4=丹生)
「今日は前半拮抗していて攻めたり、攻められたりという状況が続いて自分のミスで失点してしまった。自分の課題はPC守備なので甘いコースだったが決められてしまったのは反省したい。フィールドは少し中盤のマークが甘くなるところがあったが、しっかり動けて修正もできていたのでよかったと思う。宮崎はシュートが早いのでサークルから遠くてもずっと集中していないとやられる。マークは徹底させた。ディフェンス陣は疲れていると思うが、すごく走ってくれてキーパーとしてすごく安心して見ていられた。この暑さの中かなりきつかったと思う。フィールドの選手の凄さを今日改めて感じた。後半へばってきていたので、今日はよかったが、これが山梨学院みたいに交代しても層が厚いっていうチームには走力の差が目に見えてくると思うのでそこをしっかり埋めていきたい。予選プールでは東農大に戦術で、駿河台には技術で、早稲田にはフィジカルで勝ちたいといったが、まだまだ60点。勝ってはいるが、東農大には3点取られて、早稲田には先制されたりして流れが悪い中での試合で理想的な勝ち方ではなかった。リーグ戦残り少ないしここまで全勝だから、残りの試合も全部勝って去年できなかった全勝優勝をしたい」
三島
「出だしが悪かった。最初引いてしまったのでパスが長くなってFWがもらっても単発で攻めていて分厚い攻撃というのができていなかった。相手は勢いでガンガンきていたので前半はうまくいかなかったと思う。あとは開始すぐ取ったコーナーを取っていたらもっと流れが変わっていたと思う。ゴールの場面はもらったらFWなので絶対決めてやろうと思っていて、それが結果にも結び付いたのでうれしかった。ただ、まだチャンスは多くあってそこを決めきれなかったのは残念だった。まだ練習不足だと思う。FWが試合で結果は出ているところは全体的に成長してきているところではあると思うが、まだ決めるところを決めきれないので得点力不足と言われてもしょうがない。法政はDFの吉村とFWの後藤が要注意だと思う。この二人がしっかり対応できれば怖くはないと思う。去年優勝している雄飛(平28文卒)さんのチームには負けたくないし雄飛さんには負けたくない。だから、今年も優勝していい報告ができればいい」
千原
「今日は前半があまり良くなくて、攻め込まれたり攻めているけどシュートを打ち切れない場面が続いて、相手に1点決められてしまった。それで後半からは前半に比べて良くなったので、点がとれたと思う。今シーズンはシーズン始まってからあまり調子が良くなくて、チームのために結果も残せず個人的にも気分が下がっていたのだが、今日貴重な先制点を決められたのですごくうれしかった。本当に素直にうれしくてもうそれだけ。同点弾ということで相手の流れを断ち切れたのもよかったし、チームとしての流れをつかめるきっかけにもなれたので本当によかったと思う。これからはトーナメントなのでそういう点を取れる人が出るべきだし活躍できると思うので、これからそういうところに磨きをかけてまたチーム一丸となってメンバー争いを含めて頑張りたいと思う。シーズン始まってからずっとFWが弱いと言われてきてそれは実際そうだったと思うが、それでもFWなりに頑張ってきて徐々に点を取れるようになってきたというのは成長だと思う。だから今後もFWの中でもメンバー争いを頑張って、そうすることで今日みたいなFWだけの得点で勝てるという試合が増えると思うので、やはり得点にこだわってみんながメンバーに入るという強い思いを持って頑張っていきたいと思う。次は法政ということで、法政も今シーズンすごく強いチームなので気を引き締めないと負けると思うし、でも自分たちの力を出し切れることができれば負ける相手ではないと思うので、日々の練習から真剣に取り組んで、またメンバー争いもあると思うのでそこでも負けないようにまたこれから頑張りたいと思う」
平井
「前半が全体的にFWでボールがおさまっていて安定しなかった。そこの部分を後半修正していった。自分がパスを2回つないでそれが決まったので良かった。アシストしたときは味方の選手というより空いているスペースを見てパスしている。そこへうまく味方の選手たちが入ってきてくれたのでこのゴールはあった。予選3試合を振り返って、ちょっとずつ細かく動けるようになってきている。最初はおおざっぱな動きだったけれど2試合目、3試合目になるにつれて味方の選手がやりやすいようにボールをもらいにいけたり、ディフェンスもできたりするようになってきているかなと感じている。あとは焦らないように心がけていくのが大事になると思う。次の試合でやることはとにかく点を取っていきたい」
野原
「自分はこれまでのリーグ戦2試合で結果を残せていなかったので、今日出れるかなと思った。試合出場時間は短かったが、チャンスもあって点がとれたので、リーグ戦始まってやっと仕事ができたかなと。(大学初得点となったが)なかなか余裕をもってプレーできてないので、得点も冷静にというよりもただがむしゃらにという感じだった。得点をとってないというのが、自分にとってはすごい焦りではあったので、1点取れたのでひとまずほっとしている。(FW内でのマッチングは)千原さんとは幼稚園から一緒なので、考えていることが共有できていると思う。宮野(嵩大・理工3=鹿沼)さんはスピードがあるので、テンポよくボールを動かしてくれてやりやすい。(反省点は)なにより余裕がないこと。ボールが落ち着かないし自分が思ってるプレーを全然できていない。ミスして焦ってという悪い流れになっていたこと。今日はその流れを断ち切れてほっとしてます」
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