
圧倒的強さ見せつけ、3連覇つかみ取る/東日本大学リーグ戦
王者の前に壁はなかった。予選リーグを怒涛の勢いで突破し、迎えた決勝リーグの初戦相手は国士大。序盤の3人が1分以内に勝利するとその後の副将戦、大将戦も勝利し7―0で完勝した。優勝が懸かる2戦目の相手は中大に圧勝した早大だった。この大会で3年前、早大に王座を譲り渡している、負けることは許されなかった。先鋒・百合草春男(文3=桜丘)が1分以内のスピード勝利。次の次鋒戦では松本崇雅(文2=初芝立命館)が果敢に攻め胴蹴りで先制するもその後相手も粘りを見せ引き分けの1―0で辛勝、続く参峰・林力希(法2=明大付属中野)は残り1本の取り合いという所で胴蹴りを決められ敗北。中堅・川崎大輝(法2=東大阪大学柏原)は反撃ままならず2本先取の惨敗を喫した。この悪い流れを断ち切ったのは古屋敷だった。組み倒しからの抑え面突き。歓声が沸き起こり、すぐさま再びの抑え面突きを決め完勝した。そして3―2で迎えたチームカウント。ここ一番でマットに立ち上がったのは玉置裕也(文4=大阪商業大学堺)だった。開始4秒で面突き、すぐさま抑え面突きを決め、開始17秒での瞬殺。副将としての貫禄を見せつけ、結果4―3でなんとか早大に勝利を収めた。最終戦の中大は6―1で圧勝し連覇を成し遂げた。
今回、原田がチームの舵を託したのは玉置だった。ツートップでやってきた玉置には全幅の信頼を置いていた。その結果は連勝に連勝を重ね3連覇。玉置は最優秀選手賞を獲得し副将として、またチームの主力としてしっかりと役目を果たした。「集中力が切れてたところがある。意識が低かった。それを修正しないと」と玉置。3連覇に宿る栄光の中で冷静にチームの修正点を考える。そこに確実な実力が垣間見えた。
今後、矢野杯、全国選抜と試合が続く。昨年の全国選抜は涙の準優勝。この一年間、練習時間が変わらない中、下半身強化などの練習量は増やしてきた。「みんなよかった」と玉置が語ったように練習の成果が確かに実を結んでいる。全国選抜まであと少し。この一年、報復の牙を研いできた明大は勝利の第1歩を強く踏みしめ全国選抜優勝に照準を合わせる。
[藤田幸大・松本直也]
試合後コメント
原田主将
「僕が大会に向けて、試合でなくちゃいけないのに、ケガで出れないなんて主将としてありえないです。俺と玉置のツートップでやっているので、こういう時頼りになるし、玉置がリーダーシップを発揮してくれました。すごいチームも良い雰囲気になってきました。勝つべきところはしっかり勝って優勝できたかなと思います。正直早稲田とかはもう少し圧勝できたんじゃないかなと思います。早稲田もうちと比べてメンバーが薄い中でも気持ちを前面に押し出してうちを倒そうとしてきたので苦戦しました。早稲田が明治を倒そうとする勢いをつぶしてくような気持ちでやっていかないとこれからも苦労するなと思う試合でした。僕が新入生の時からそうなので、そこが変わらず課題です。全体的にメンバーが成長したかなと思います。もっと強くなってくれる期待はさらに増えました。明日から切り替えて、矢野杯です。上位はすべて明治が占めたいです。団体戦は選抜大会での優勝が前期1番の目標なので今回の大会を通過点だと思ってチーム一丸となってまた頑張っていきたいです」
玉置
「今回はみんなが全員力を出し切れたと思います。でも悪かった点もある。やる気のスイッチが無かった。特に予選リーグ。集中力が切れていたし、試合に出ているという意識が低かった。そこはちゃんと反省して日頃からしっかり修正していきたい。あとチームも盛り上げていきたい。最優秀選手賞がとれたのは、ケガをし緊張していたが、原田がケガで欠場とのことで自分がチームを引っ張っていくという気持ちが強くなったから。みんな今回はしっかり動けていたと思う。勝つ気持ちはもてていたんじゃないかな。練習の成果も出た。自分の特技もだせた」
百合草
「(優勝後)チームとして優勝できて嬉しいですけど、個人的には最後の試合で引き分けてしまったことが悔しいです。他の試合もまだまだ自分の力が出し切れていないのでそこもちょっと悔しいですね。(今大会振り返って)勝とう、勝とうという気持ちが強すぎて、1本は取れているんですけど、少し力が入ってしまいました。1度も負けなかった点が唯一良かったところです。チームとしては1、2年生が頑張ってくれたところが良かったです。去年まではあまり勝てなかった選手も今年度になって、勝てるようになっていました。(新体制のチームについて)今年度のチームは1年生から4年生までいろんな人が強くて試合に出場できますし、団結力がありますね。(全国選抜に向けて)選抜は今日みたいな試合をしていたら負けてしまうので、しっかり準備して優勝します」
由良
「敢闘賞とれてめっちゃうれしいです。技のレパートリーが少ないので、増やすために打ち込みで回し蹴りとかパンチ以外のコンビネーションを練習して、今回一試合目に回し蹴りが決まったのがすごくうれしかったです。(加藤との対決について)去年も戦って、代表戦で負けたのでリベンジで勝ちたかったですが、お互いばててしまって引き分けになりました。でももう少し頑張ればいける気がしました。中堅が勝ってくれたので、勝たなくちゃいけない試合だったのに勝てなかったことが詰めが甘いなと思いました。次はそういう時にも勝ち取れるような選手になりたいです。(後輩の選手が入ってきますが)自分も上級生になったので1年生が不安にならないよう絶対的な存在になって安心して拳法ができるようにさせていきたいです。9月の大会から3人で出れると思うので、フルで出るためにももっとしっかり頑張っていけたらなと思います」
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