大亀、三好が全日本出場決定 決勝戦で二人の同期対決/関東女子学生選手権

2016.05.15
 明大からは5名が出場した今大会。各選手が奮闘する中、女子主将の大亀杏(商4=守谷)と昨年の全日本3位の三好絢女(営4=麗澤瑞浪)が決勝戦に進出。明大選手同士の頂上決戦となった。延長戦までもつれ込む熱戦の末、勝負を制したのは大亀だった。他の3名は健闘むなしく全日本には手が届かなかったが、明大選手が優勝、準優勝で全日本進出という華々しい成績を収めた。

 大きな快挙を成し遂げた。全日本出場権を懸けた5回戦に駒を進めた大亀、三好。大亀は相手のスキを突いたコテを決め、1本勝ち。全日本出場権を手にした。一方、三好は卯月(十文字大)相手に両者譲らず勝負は延長戦に持ち越し。均衡を破り、三好が相手のメンに対して返しドウを決め、全日本出場を決めた。その後も二人の躍進は止まらず、確実に勝ち進んでいく。そして迎えた決勝戦。同期対決を迎えるにあたり「楽しんでやろう思った」と語った大亀に対し「胸を借りるつもりで挑んだ」という三好。会場中が注目する中、両者一歩も譲らぬ攻防を繰り広げ、延長戦に突入。勝負を決めたのは三好のスキを突いて打った大亀の引きメンだった。大亀の優勝でチームメイト同士の戦いの幕が下された。試合後には、普段から親しい同級生との戦いについて両選手は「うれしかった」。相手のことをよく知るからこそ意識し、刺激し合っていた二人。全国の舞台でも活躍が見られることを期待したい。

 明大選手が1位、2位を占め、5人中2人が全日本出場を決めた今大会。善戦を繰り広げた大亀、三好はもちろん、敗戦した選手たちも「悪い試合ではなかった」という水田孝信監督の言葉にもある通り、それぞれにとって次へとつながる試合となった。今回大躍進を見せた剣道部女子選手たち。今後のさらなる活躍に注目したい。

[高野夕]

試合後のコメント
水田監督

「(決勝戦について)決勝戦はお互いが明治の選手同士だったから、どちらが優勝してもいいというように思っていた。(大亀について)主将を中心に女子にまとまりがある。そして大亀自身も優勝に向けて日々稽古に精進していた。それが今回の結果に結び付いたのだと思う。(三好について)昨年は全日本で3位だったのだが、今日の試合は1回戦から苦戦した。しかし、一戦一戦確実に勝ち上がってだんだんと調子が上がっていったと思う。(敗退した選手について)5名中3名は全日本に出場することができなかったが、決して悪い試合ではなかったと思う。しかしやはり、攻めが少し足りなかったかなというふうには感じた。(今後の展望について)7月には男女共に選手権があるので、それに向けて精進したいと思う。また、秋には団体戦がある。とりわけ女子は3年連続で全日本に出ていないので、今年は全日本出場を目指して頑張っていきたいと思う」

大亀
「うれしい。団体戦ではないが、いいスタートが切れたかなと思っている。まさか同門対決になるとは思わなかった。でも楽しんでやろうと思ってやった。何も考えてなかったので。でも同門だったのでとにかく引き技とかは狙っていこうと思ってやった。(三好は)勝負強い。落ち着いているふうにしていた。この経験を生かして全日本でも思い切りのある試合をしていきたい。(決勝戦は)楽しんでやろうという気持ちだけだった。同級生だったので本当にうれしかった。(三好との対戦を意識し始めたのは)準決勝の時点で隣に三好がいるのを見て、決勝でやりたいなと思った。最終学年なので楽しんでやろうというだけ。プレッシャーも無いので。大学に入ってからそういうのが全然無かったので、新鮮だった。自分がこんなところに入っているんだと思って。(対戦相手としての三好は)やりづらい。ここは打ってくるだろうと思って避けられたりしていた。決勝が一番難しかった。絞って1本決められたらなと思っていたので、それが決められたので良かった。強かった。自分がキャプテンなので意地としても負けたくなかった。(明大でワンツーフィニッシュ)関東なので。全日本で優勝したいというのが正直な気持ちなので。この経験を生かして全日本に向けて頑張っていきたいと思う。決勝で勝てて良かった。最終学年で成績を残したいというのは思っていたので、決勝でできるとは思っていなかったのですごくうれしい。やはり優勝を目指して頑張っていきたいと思っている。(最後の会話で)三好が『足がつった』と言っていた。でも『楽しかったね』という話はしていた。欲を言えば、全日本でもまた決勝でやりたいなという気持ちはある。(全日本に向けて)優勝目指して頑張る」

三好
「(普段の稽古では)私はいつも負けている。決勝戦も胸を借りるつもりで決勝戦に挑んだ。私たちが入ってきてから3年間、団体戦で全日本に行けていないので、個人戦の結果はもちろんだが、やはり今回結果が出たからこそ、最後の年の団体戦は必ず出場するだけでなくて、出場して全日本でも結果を出すのが個人としても全体としても目標なので、もっともっと鍛錬していかないとだめ。(7月の個人戦、目標)個人戦は昨年よりも良い結果を残したいというのはあるが、まだ足りないところも課題もたくさんあるので、一戦一戦目の前の試合をやっていくという思いだけ。(大亀が決勝の相手ということ)数少ない三人しかいない同期の中で、三人で切磋琢磨(せっさたくま)しているうちの一人。なかなか同じ大学同士で、個人戦の決勝をやるっていうのも簡単なことではないので、素直にうれしいという思いはある。試合に負けたのは悔しいが、やっぱり最後の年で関東で結果を残せたのはうれしい。(決勝後話したこと)素直に参りましたっていうのと、おめでとう、杏とできてうれしかった、また全日本頑張ろうって伝えました。(今年ラストイヤーどのような気持ちで臨んだか)やっぱり心のどこかには昨年よりも上の結果を残したいという気持ちはあったのだが、もう一度初心に、挑戦者の気持ちで一戦一戦やっていくという気持ちを自分の中で持ってやった。気負いせず、けど勝ちに貪欲になるっていうのをいろんな方から言われていたので、本当に忘れないようにやった。昨年、最後の最後まで気力と体力、集中が途切れてしまったというのが課題だったので、どんなにきつくても、どんなに強い相手でも集中を切らさず、本当に勝ちにこだわるというのを大切にした。(やりづらい部分はあったか)やっぱり普段からやっていて、手の内をお互い知っているので、どうしてもうまく試合運びだったり、お互いにできなかった部分があったと思う。(意識したこと)つばぜり合いの技が(大亀)ちょっと冴えているのは分かっていたので、気を付けたのだが、最後の最後は一瞬気を抜いたところを打たれてしまった。(今度どのようなパフォーマンスを見せたいか)全日本の個人戦をまた一から挑戦者の気持ちで結果を残すために頑張るというのと、団体戦は重きを置いて絶対に勝ちたいのでみんなで一丸となって稽古を積んでいきたいと思う」