
立大との伝統校対決 セットプレーで圧倒し快勝/定期戦
主導権を握らせなかった。「試合の入りの部分が意識できていた」(右プロップ矢野祐弥・政経4=徳島県立城北)。前半1分、敵陣ゴール前のマイボールラインアウトからモールを形成。そのままフッカー佐藤公彦(法4=明大中野)が押し込み、先制トライを挙げた。開始から明治が流れをものにすると前半9分、再びマイボールラインアウトからモールを押し込み矢野がトライ。その後も明治ペースで試合は進むが「前半の中盤で疲れてきて、ブレイクダウンやシェイプに人数が偏ってきて球出しが遅れてしまった」と右ロック外岡悠太郎(商2=国学院久我山)。自らテンポを崩し、前半13分には立大にモールトライを献上してしまう。また、コミュニケーション不足からパスミスが多く見られ、決めあぐねる展開に。何とか2トライを追加したものの、入りの流れを継続できず27―5で前半を折り返した。
後半で一気に突き放した。後半2分、巻き返しを図る立大が先制トライ。しかし「トライを取られてスイッチが入った」(右ウイング平間丈一郎・政経3=国学院栃木)。ここから明治の猛攻が開始した。後半8分には立大のハイパントをフルバック山崎洋之(法1=筑紫)がキャッチし巧みなステップで相手を交わすと平間にパス。「どんな状況でもボールを持ってトライしたかった」(平間)とそのままトライラインに飛び込んだ。その後も着実にトライを連取し後半39分には、マイボールラインアウトから敵陣深くまで攻め込み、ラックから岸良祐(政経4=尾道)がタックルをかわしトライを奪取した。後半奪ったトライは圧巻の8つ。最終スコアは79―10で伝統校同士の定期戦を締めくくった。
セットプレー向上
春シーズン右肩上がりの成長を見せているB、Cチーム。これから帝京大、早稲田、東海大と負けられない戦いが続くため、油断は禁物だ。今日の試合では、マイボールから始まった全てのセットプレーをキープする安定感を見せ「フォーカスしていたラインアウトモールを取れて良い入りができた」(左ロック土井暉仁・政経2=常翔学園)と練習の成果を発揮した。しかし「スクラムももっとプレッシャーを掛けて、ディフェンスももっとターンオーバーできれば」(佐藤公)とまだまだ高みに向け貪欲な様子だ。更に精度を高め、今日のようなFWとBKが一体となったプレーを披露してほしい。
B、Cチームは先々週に行われた流経大戦でも大勝を収めており「開幕から少しずつ良くなってきている」と丹羽政彦監督(平3文卒)も及第点を与えている。来週は王者・帝京大との勝負が控えているが「勢いを与えられるプレーをしていきたい」(ナンバーエイト葛野翔太・商4=深谷)と意気込みも十分だ。それぞれのチームが切磋琢磨(せっさたくま)し「MUST WIN」を果たす。
[江原璃那子]
1.PR | 安 昌豪(営1=大阪朝鮮)→17.羽田野(後半9分) | 9.SH | 福田 健太(法2=茗溪学園)→21.加藤(後半9分) | 16 | 松岡 賢太(商1=京都成章)←2.佐藤(後半0分) | |
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2.HO | 佐藤 公彦(法4=明大中野)→16.松岡(後半0分) | 10.SO | 射場 大輔(政経1=常翔学園)→22.二浦(後半9分) | 17 | 羽田野 湧斗(理工3=国学院久我山)←1.安(後半9分) | |
3.PR | 矢野 佑弥(政経4=徳島県立城北)→18.岸(後半3分) | 11.WTB | 石井 雄大(政経2=国学院栃木) | 18 | 岸 良祐(政経4=尾道)←3.矢野佑(後半3分) | |
4.LO | 土井 暉仁(政経2=常翔学園)→20.佐藤諒(後半0分) | 12.CTB | 末廣 将成(商4=京都成章)→23.小椋(後半9分) | 19 | 山崎 悠介(法3=明大中野)←5.外岡(後半0分) | |
5.LO | 外岡 悠太郎(商2=国学院久我山)→19.山崎悠(後半0分) | 13.CTB | 福田 凌平(政経4=佐賀工) | 20 | 佐藤 諒(政経1=国学院久我山)←4.土井(後半0分) | |
6.FL | 高橋 聡太郎(文4=釜石) | 14.WTB | 平間 丈一郎(政経3=国学院栃木) | 21 | 加藤 哲朗(法3=秋田)←9.福田健(後半9分) | |
7.FL | 廣井 雅宇(文3=明大中野) | 15.FB | 山崎 洋之(法1=筑紫) | 22 | 二浦 瑞樹(営1=明大中野)←10.射場(後半9分) | |
8.No.8 | 葛野 翔太(商4=深谷)→24.朝長(後半0分) | 23 | 小椋 統平(文1=京都成章)←12.末廣(後半9分) |
試合後のコメント
ゲームキャプテン・佐藤公彦(法4=明大中野)
「今日は初紫紺のメンバーが多く、気を負い過ぎずしっかり体を当てていこうと話していた。まだ少し無理にボールを放ってしまったりと身勝手なプレーが多かったので修正していきたい。ペナルティーは、しっかりコミュニケーションを取って後ろの人がボールを持っていてほしいのか放ってほしいのか理解できるようにしたい。セットプレーはラインアウトモールもしっかり取りきれた。相手に1本取られてしまったことはゴール前で相手に絶対に取られてはいけないというパッションがまだまだ足りていないと思う。スクラムももっとプレッシャーを掛けて、ディフェンスももっとターンオーバーできればよかった。スクラムは全部キープした。コミュニケーションはまだ2人目の声が出せていなかったり、相手にどう動いてほしいとかが足りない。FWの動きがまだまだで、しっかりシェイプをしていこうと言っているが走れていないためできていない。もっと相手をシェイプしてアタックしていきたい。ミーティングでは無失点でいこうと話していた。今日の失トライも自分たちのミスからだったので気持ちの部分でもっと点を取らないといけない。明日もセットプレーを安定させてやっていきたい」
右プロップ矢野祐弥(政経4=徳島県立城北)
「ミスが多かった。個人的なミスで、オフロードだったり軽いプレーが多かった。(セットプレー)スクラムはもっと相手を押せた。まだまだやりたいことができてないのでこれから修正していけたらいいと思う。(モール)モールはきれいな形でできた。(今日の)良かった点は、みんな気持ちが入っていて試合の入りの部分が意識できていてよかった。次へ向けてまた頑張ります」
左ロック土井暉仁(政経2=常翔学園)
「前半だけの出場だったが、フォーカスしていたラインアウトモールも取れていい入りができた。そこからオフロードなどの難しい状況でボールを放ってミスが続いて厳しかった。思っていたラグビーができなかった。フォワードはラインアウトモールをフォーカスしている。今日は取れて良かった。モールディフェンスは良くなかったが、ラインディフェンスは1人目が低く入ることができた。フォーカスしてたことは今日は前半はできた。自分の課題はディフェンス。プレー中のコミュニケーションも足りてないと思うので、声を出してディフェンス能力を上げていきたい」
右ロック外岡悠太郎(商2=国学院久我山)
「伝統のある定期戦なので、紫紺を着る以上責任を持って臨んだ。敵陣に入ったらどんどんダイレクトでアタックしていこうと話していて、要所で前に出られていたが、前半の中盤で疲れてきて、ブレイクダウンやシェイプに人数が偏ってきて球出しが遅れてしまった。ペナルティーは、自分たちで持っていればよいところで話したりとルーズなプレーが多かった。マイボールはキープできた。ラインアウトはもっと早めに修正できていれば相手ボールも取れていたと思う。ディフェンスはPXYの修正をしようと言っていたが、何本か抜かれてしまったので課題だと思う。まだまだ課題が残る試合だった。もっと前に出られるディフェンスをしていきたい。自分はロックなのでセットプレーで中心となってディフェンスでもチームに刺激を与えられる存在になりたい」
右フランカー廣井雅宇(文3=明大中野)
「監督には前日から、紫紺を着ている責任を感じてプレーしようと言われていたので、みんな体を張れて良かった。10点という失点は与えなくていい点数だったので、そこのチームの完成度を高めていきたい。チームとしてフォーカスしていたのはキャリアーのスティックとそこに寄る2人目3人目の質を高めるということ。僕はこの試合でボールキャリアーにいこうという意識があったので、FWとしてスクラムも圧倒できて結構良かったのではないかと思う。反省点としては相手のタックルを受けたときにボディーコントロールをすることができなかった点。もう少しボディーを下げて、高さを意識していきたい。次の帝京大は絶対に勝たなければいけない相手だし、日本一になるには絶対に当たる相手だと思うので、どのチームで出ても自分の仕事ができるように体を張って頑張りたい」
ナンバーエイト葛野翔太(商4=深谷)
「前半に若干攻めあぐねたのと、自分たちのミスから取られたのでそこは悪かったかなと。その場面で、もう一回堅くいこうというふうに言えばよかった。セットプレーはスクラムを取れていましたし、ただもっと言えば相手ボールの時にもっとプレッシャーを掛ければボールを取れたかなと思った。個人としてはいつも以上に抜けることができなかったので、相手の立ち位置見ながらもっと切りに行くランニングができたらと思う。自分からいいプレーをしないと下は付いてこないので、勢いの与えるプレーをしていきたい。次の帝京大はやはりコンタクトが強いと思うので、自分からコンタクトで勝って勢いを与えていきたい」
スクラムハーフ福田健太(法2=茗溪学園)
「最初のフィジカルファイトのところではBKとFWが共に前へ出て最後はFWが決めるというゲームプランはできていた。でも、相手の立教の低いタックルでディフェンスされて明治のやりたいラグビーができなかった。もっと簡単にアタックできていればより点数も入って楽に勝てていたと思う。監督に試合前自分からは仕掛けないで、FWとBKを生かせるようなパスを出すように言われていて、今日はそこを意識していた。前半は相手のテンポに合わせられてウイングに走られることも多かった。ハーフタイムでは基本的なセットをしっかりすることから考えでいこうと話し合って後半は立ち直ることができた。まだ春なので難しいサインにこだわらず、それぞれが自分のフォーカスポイントを決めてそれを意識していくことが大事」
左ウイング石井雄大(政経2=国学院栃木)
「全体的にBKもFWもコミュニケーションが取れていて、その連携でしっかりトライが取れていたのでナイスゲームだったと思う。最後のトライは、前にスペースがあって絶対トライが取れると思ったので、自信を持ってBKでトライを取ることができた。前半は相手のディフェンスの組織がちょっと分かっていなくて裏にずっと放って攻められてアタックができていなかったので、そこを後半で修正できたところがスコアが伸びた原因だと思う。後半はポスト側からディフェンスの詰めるとか流すとかしっかりコールして、全体で統一したディフェンスができた。(前半立大にトライを取られた後)トライを取られても自分達のやるラグビーは変わらないので、ぶれないようにというのを話していた。立大はディフェンスがいいチームなので、どうアタックするかが明治の考えるところなので、そこをしっかりと前半後半で修正できてアタックができていたのでスコアが伸びた。コミュニケーションというところにフォーカスして練習してきたが、コミュニケーションが取れていなくてっていうところのミスが何本かあったので、コミュニケーションミスをなくしていきたい」
右ウイング平間丈一郎(政経3=国学院栃木)
「前日に監督から今日の試合でパッション出していこうと言われて、今日はみんなもうパッションが出していけた。前半少しミスが多くて、うまく攻められなかったけど、今日はいい試合ができた。(ミスは)細かいもの。コミュニケーションが取れなくてミスをしたりいらないオフロードをしてしまって自分たちのミスでトライを取られたので修正していきたい。ディフェンスはバックスで余られてしまったり、詰められてトライを取られたりしてしまった。ディフェンスの外からのコールをしていきたい。(立大にトライ取られて)パッションが足りなかったという話が出た。後半も変わったメンバーが試合に乗りきれてなくて、でも立大にトライを取られてスイッチが入ってしっかりやっていこうと。4年生が中心になって話し掛けてくれて助かった。(ご自身のトライは)味方がチャンスを作ってくれたので、それをトライしただけだけど、どんな状況でもボールを持ってトライしたかったので、フォローしてトライというのも大事だと思うのでその点ではよかった。(課題)コミュニケーションが足りてないし、小さなミスを修正していかないとAチームで試合できないと思うのでしっかり修正して上のチーム目指して頑張りたい。次は帝京なので、近年BC戦で帝京大に勝てていない。帝京大目指して頑張っているのでBCで勝ってAでも勝てるように頑張りたい」
フルバック山崎洋之(法1=筑紫)
「チームとしては、昨日コーチ陣と話し合ったフォーカスポイントを達成することができた。ダウンボールだったり、コミュニケーションがフォーカスポイントだった。自分としては、試合を重ねることでプレーに余裕が出てきた。特にトライのシーンは落ち着いてプレーできた。オフェンスは最低限のことができたが、ディフェンスが駄目でタックルが全然できていなかった。これからタックルを練習していきたい。(1年で試合に出ることについては)先輩が頼もしく、伸び伸びとプレーできる。自分は思いっきりやるだけ。次週の帝京戦は体を当てるディフェンスを意識してやりたい」
岸良祐(政経4=尾道)
「(自身のトライについて)味方がうまくつないで付いてきてくれたのでトライを決めることができた。ハーフタイムで修正できた流れのまま後半の最初は良かったが、疲れが出てきてミスが多くなってきたので残り10分のところで精度を上げていかなくてはならないと思ってプレーした。自分の持ち味である重さを生かせた。(今後へ)チームとしてフォワード全体がディフェンスの回数を重ねたとき、それぞれの立ち位置にすばやく立てなかったことがあったので、もう少しそこの反応を早くしたい。声を掛けて、いつもやっている練習の精度を上げていきたい」
佐藤諒(政経1=国学院久我山)
「監督の方からはどんどんボールに絡んでいけというふうに言われていたので、ハーフからのハイパントのところでしっかりキャッチしてマイボールで出せたのは、自分の入りとしてよかったと思う。その後もボールを持つ機会があって、ラインアウトからハーフから直接もらってアタックしたときに相手の穴を見て立ってドライブできたので良かったと思う。改善点としては自分自身、フランカーとしてタックル回数を増やしていかなければいけないと思った。自分はそこまで器用な選手ではないので、体を当てること、ハードファイトすることを意識してしっかりとアピールしたい。明治大学の今年の目標である『MUST WIN』に少しでも力になれたらと思う」
小椋統平(文1=京都成章)
「思い切りのいいプレーはできたと思うけれど、パスしなければいけないシーンで要所要所ができていなかったので、そこを反省したい。(ビックタックルは)高校時代から得意だったので、狙える場面でしっかり仕留められてよかった。タックルは持ち味なので、フィジカルを生かしたアタックをしっかりできたらなと思う。帝京大戦ではもっと声を出して、いい意味で1年生らしくないプレーができたらいいなと思う。しっかりアピールするところはアピールして、これからも自分らしいタックルやアタックをできたらと思う」
朝長駿(農2=長崎北陽台)
「後半からの出場で最初から自分の持ち味が出せていたのでよかった。今シーズンは前半が点を取れない部分があって、今日も前半に取れていなかったので後半から自分が入って、まずトライに貢献したいと思った。試合前のミーティングでも言われたけど、バックサイドのディフェンスが大切と。そこがまだ確認しきれていなくて抜かれたシーンがあった。スクラムはプロップ陣が頑張って押してくれてクリーンなボールを出せていたと思う。ゴール前で自分がレートで入ったところで、ゴール前でスクラムトライを取ろうと思っていたけど自分がボールをこぼしてしまって申し訳ない。今日は自分の持ち味を最初から出せてよかったのと、まだディフェンスでラックサイドが甘かったので修正していきたい。次出れる機会があったら今回みたいに自分の持ち味出して飛ばしてディフェンスも修正してチームに貢献したい」
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