順位決定戦 連敗喫するも格上相手に善戦/東日本学生リーグ戦

2016.05.13
 あと一勝だった。予選グループを2位で通過した明大は、2日目から5~8位の順位決定戦に参戦。昨年より順位を上げるべく、この日の勝利は絶対条件だったが、初戦の専大戦では接戦をものにできずに2-7で敗れた。続く、大本命であった国士大にも3-4で惜敗。勝負どころで競り勝つことができなかったが、チーム全体での手応えは上々だ。残り1試合となる3日目では拓大と対戦する。
 初戦突破で勢いづけた。迎えた専大戦、チーム一発目を任されたのは57kg級の平嶋礼智(文2=玉名工)。「先輩たちのためにも勝たないといけない」。コンディションが良くない中、攻めの体勢から守りのレスリングへと転向していた平嶋。これが功を奏し、最後はわずか1ポイント差で勝ち切った。この流れに乗りたいところだったが、61kg級から86kg級まで5連敗。最後の125㎏級は勝利するも、チームカウント2―5で敗戦を喫した。相手のペースに、自分たちのレスリングを展開することができなかった。

 嫌な流れを断ち切るべく、挑んだ国士大戦。一昨年の対戦ではチームカウント1-6と大敗を喫した格上相手、今年は3-4とあと一歩まで攻め寄った。悔いの残る敗戦とはなったが、その中でいい動きを見せたのが65kg級の菊池寛汰(法1=星城)。「後ろが磐石なので、前の選手が思いきりやってほしいという思いでオーダーを組んだ」という安西信昌コーチの気持ちに応えてみせた。果敢にタックルを仕掛け、第1ピリオドは互角の戦いを展開する。最後はテクニカルフォールで敗戦となるが、首脳陣の期待に違わぬ活躍を見せた。その流れに乗るように70kg級の寺田靖也(農4=八千代松陰)は「すぐに終わらせようと思った」と開始40秒でテクニカルフォールを決め圧勝。86kg級の大山博貴主将(営4=仙台育英)、125㎏級の二ノ宮寛斗(営1=岐南工)も抜群の安定感で勝利をおさめた。「チームとしては底上げができているし、レベルも高くなっている」と大山主将。敗戦の中に見られたのは大きな収穫、チーム全体で確かな手応えをつかむことのできる2試合だった。

 紫紺の底力を見せつける。残すところあと1試合となったリーグ戦、最終日は拓大と相対する。さらなる格上相手との対戦にも「まだ明治はなめられていると思うので、全力で戦って一泡吹かせてやれたら」(平嶋)と勝つイメージはできている。「今日は攻めるか守るか迷ったところで負けたので、最後は攻めきって終わりたい」(寺田)。最後まで諦めずに、その闘志をマット上で体現していく。

[土屋あいり]

試合後のコメント
安西コーチ

「(専大)平嶋が競り勝ってくれたので、あとの選手も俺も頑張んなきゃと思ってくれるところがあったと思う。やっぱり喜多が膝をケガしちゃっていて、試合も勝っていたのでそこは悔しいところだった。(国士大)うちは寺田、大山、二ノ宮と上が取ってくれるので、軽量級でどうやって取るかというところで、メンバー的には菊池、中村、天野でどれだけやってくれるのかという感じだった。後ろが磐石なので、前の選手が思いきりやってほしいという思いでオーダーを組んだ。菊池がポイントゲームをしてくれることは想定して試合で出さしていたし、あのまま勝ちきってくれればいちばんよかった。本人も負けて悔しいだろうし、そこは次に向けて頑張ってくれるのが大事かなと。(明日)もう総力戦で、あと1試合フルメンバーで臨んで、チャンスを見つけるんじゃなくて、しっかり自分でつくっていく。接戦を全部勝って、リーグ戦のいい締めをしたい」

大山
「全部接戦を勝てずに、4年生も落としてしまったので後輩には申し訳ない。初戦の平嶋が勝ってすごく盛り上がったけど、やっぱりここで勝ちきれないのは今後の練習でどうにかしていくしかない。(国士大に向けて)今日は国士に勝ったら順位が上がるから、ここで勝ちにいこうと気持ちは切り替えていった。(3-4)惜しかった。狙い通りというか、計算通りであと一歩だった。自分は何とか意地でもという感じで。ぎりぎりだった。最後まで諦めなかったのがよかった。今日は落ち着かずに上がってしまったので、落ち着いて試合をできていたら最後の国士のような試合になると思う。でも以前は国士に大敗して今年は3-4だったから、チームとしては底上げができているし、レベルも高くなっていると思う。(明日)順位を上げたいので、今まで通りにやって頑張っていきたい」

寺田
「専修大学はもう僕が負けたせいで流れを持ってかれてしまったのが敗因かなと。平嶋がせっかく取ってくれたので。やっぱり平嶋でいちばん下(の階級)が取れたのはチームとしても大きかった。自分の試合は天皇杯で負けてる相手だったので、個人的なリベンジもあった。もう負けたら終わりだったので全力を出したけど、力及ばすという感じでチームに申し訳ない。(接戦を勝てなかった)接戦をものにできない明治の弱さが出た試合かなと。(国士大に向けて)もう7位に上がるには今日国士に勝って、去年よりいい順位を決めようというのが僕ら全体の中であったのでそこに気持ちを切り替えていった。正直、僕ら全員の中で65、70、86、125の4つで取るしか勝ち目はなくて、安西コーチと大山と誰を出すか相談した。負けてはしまったけど菊池でよかったかなと思う。練習では小出とかといい勝負をしていてから、菊池を出したことによって小出も強くなると思うし、菊池も期待に応えたいという気持ちで新人戦ではいい成績を残してくれると思う。(自身の試合)本当は国士の70は内閣で負けてる伊藤くんが来て、リベンジするいい機会だと思っていたがケガで出られなくて。その次の選手に勝てなきゃ、伊藤くんにも勝てないのですぐに終わらせようと思った。(今日の2試合で)専修の松尾くんに対する苦手意識は克服しておかないとインカレでは上位を目指せない。天皇杯のときよりはちょっと差は埋まったかなと思う。チームとしては、昨年はこのリーグに入ってからはボコボコに負ける試合が多かったけど、チームとしての差はないと僕は個人的に思っている。明日1試合勝とうという感じで盛り上がっているので、チームはいい雰囲気。(明日)個人的に74で出ることが決まっていて、相手が高校チャンピオンで和歌山の英雄と言われている人なので、これが高校生と大学生の違いだと見せ付けられるような試合がしたい。今日は攻めるか守るか迷ったところで負けたので、最後は攻めきって終わりたい。もうそれそれがやることをやって、全力でリーグ戦を終わりたい」

平嶋
「昨日からあんまり動きが良くなかったけど、先輩たちのためにも勝たないといけないなって思いながら臨んだ。前々から多賀先生に『最初を取って勢いをつけないと団体戦は勝てない』と言われていたので今日勝てて良かった。今回の大会は自分自身コンディションがあまり良くなかったので、守りのレスリングであまり自分から攻めずに相手をよく見て戦えたのが良かった。明日は1試合だけになるけど、多分他の大学にもまだ明治はなめられていると思うので、全力で戦って一泡吹かせてやれたらなと思う」

二ノ宮
「去年明治は8位だったけど、一つでも順位を上げようっていう気持ちでチームで一致団結して試合に臨んだ。専修大学の試合は自分の試合の前に負けが決まってしまったけど、勝って次に繋げられたらいいなって思っていた。相手は練習だと負けたことがあったけど、しっかり自分のレスリングをすれば勝てると思ったんで思い切っていった。国士舘も同じで流れは良かったけど、自分の前に負けが決まってしまって。でも、大山キャプテンが相手も強かったけど最後まで踏ん張ってなんとか勝ってて、自分の相手も向こうのキャプテンで強い相手だったけど(大山キャプテンの)そういう姿を見て自分も勝とうって思った。2勝って言っても他の先輩に比べて勝てない相手ではなかったので、これといって特別な感情はない。でも、個人的には二つとも勝てて良かった。一回戦は一回目グラウンド技がかからなかったけど、二回目はグラウンド技で勝つことができて良い流れで勝てたと思う。二回戦はテイクダウン取った後も相手が粘ってきてなかなか返せなかったり、しっかりテイクダウン取っておけば二点入るところも一点しか入らなかったり、相手に場外ポイントで一点与えてしまったんで試合を振り返ると10点差で勝てて良かったかなって思う。昨日の夜はまず山梨学院との負けた試合のビデオを見て、自分が押されているところとかしがみ付いてしまったところとかがあったので、今日は思い切った技をしようと反省した。あと勝った試合を見て明日もこうやって気持ち良く試合を終わりたいっていう自分を奮い立たせる気持ちで寝た。明日の試合相手の拓殖大学は一番上の階級の選手は125㎏級のシニアのチャンピオンで、97㎏級も日本のトップクラスの選手なので、これからにつなげられる試合にできたらいい」