快進撃見せるも三つ巴で女子は悔しい3位/関東学生春季1部リーグ戦

2016.05.11
 格上相手に勝利していただけに、悔しい3位となった。関東学生春季リーグ戦が2日間にわたって行われ、女子は1部の舞台で2度目となる戦いを迎えた。初日から上位校との対戦となったが、臆することなくその実力を見せつけ連勝を決めてみせる。昨季1位の早大には惜敗するも通算成績は4勝1敗。2位に位置づけたと思われたが明大、早大、立大とすべてが4勝1敗で並んだため、最後は得失点差で3位となった。

目前で逃した王座への出場権
 2度目となる1部での戦い、得失点差で一歩及ばずに3位でリーグ戦を終えた。2位以上で王座決定戦への出場が決まる今大会。全試合を終え4勝1敗と好成績でまとめ、王座決定戦への出場権は目の前に見えていた。命運を分けたのは、大会最終戦となった早大対立大の戦い。これに立大が勝利し明大、早大、立大の3校が4勝1敗で並ぶも、得失点差で無念の3位。「これが勝負の世界かな」(日向莉乃主将・国際4=中村学園)。自分たちではどうすることもできない結果の行方に、最後はただ立大が早大を下した光景をぼう然と見ることしかできなかった。「でもやりきった結果だったので、しょうがない」と日向。4位だった昨季から、またひとつ順位を上げた。これ以上にない手応えを、チーム全員感じていたのは確かだ。

躍進のカギは初戦の格上破り
 初日のヤマ場を全員で乗り越えた。初戦から、昨季3位の東女体大との対戦。大事な1番手を任されたのは望月友美佳(営3=加藤学園)と小谷真由(営2=米子松陰)ペアだった。「1番というのを任された部分で、勢いをつくっていく気持ちを前面に出していった」(望月)。ファイナルのジュースまでもつれ込む接戦を展開するも、組み始めて約1年が経過しようとするこのペアに死角は見当たらなかった。望月の相手後衛を走らせる絶妙な配球に、小谷が確実なポジショニングでポイントを取りにいった。最後は望月の攻めの姿勢が功を奏し、相手のアウトを誘い勝利を決めた。続いて2ゲーム目のシングルスを任されたのは西永りな(法2=鈴峯女子)。シングルスはいかに粘り強く戦えるかの勝負にも「取れないボールはないと思っている」と西永。持ち味のカットやドロップショットがさく裂すると、相手に流れを引き寄せずに4-0でストレートで快勝。3番手の齊藤香純(政経3=昭和学院)と鈴木梨沙(商1=和歌山信愛)ペアも5-2で勝利し、昨季1-2で惜敗した相手に3-0で雪辱を果たした。
 白星発進を決めたチームの勢いはさらに加速した。次に対戦したのは、昨季2位の立大。チームカウントは1-1となり、勝負の行方は負けられない3番手勝負となった。ここで齊藤・鈴木梨ペアが持ち味を存分に発揮する。ゲームカウント2-4であとがない状況に持ち込まれるも「自信はあったし、絶対挽回できると思っていた」(齊藤)。強烈なストロークで相手のリズムを崩すと、相手の浅い返球には鈴木梨が即座に対応。確実にコースをつくボレーや強烈なスマッシュで、鈴木はルーキーらしからぬ抜群の安定感を放った。4-4でファイナルへ持ち込むと最後はポイント7-0で試合終了。昨季の上位校の東女体大、立大に圧勝し、チーム全員に満面の笑みが広がった瞬間だった。

 まだまだ強くなってみせる。昨季1位の早大には「1歩上をいかれていた」(望月)と0-3でストレート負けを喫するも、2日目には東経大、慶大に連勝。3位の結果には悔しさが残るも、チーム全員が充実した表情を見せていた。しかし、現状に満足することはない。「ここを絶対勝てるというメンタルというのを、もう少しみんなでつくっていかないといけない」(日向)。この快進撃はまだ始まったばかり。7月に行われる東インカレにも、時間は刻一刻と近づいてきた。チームで掲げる「打倒早大」。今年、必ずや達成してみせる。

[土屋あいり]

試合後のコメント
日向

「やることはやったので、4勝1敗というのは秋から考えたらすごい成長も見て取れた。これにくるまでに、みんなでミーティングしたりとか練習してきた結果が3位というのは正直すごい悔しいし、目の前に王座が見えていたので、いけたと思った。でもやりきった結果だったので、しょうがないし、これが勝負の世界なのかなと思う。雰囲気も今までにないくらいみんなでつくってきたものが、ちゃんと試合に出ていた。(5試合の中でカギになったのは)スタートが良かったので、やっぱり東女戦が。もうあそこで今までつくってきたものをこれだけ出せるのかというのがあった。望月・小谷の一発目がすごいいい試合だった。(チームづくり)自分の役割というのをみんなが持って、試合に出る出ない関係なしに。やっぱり団体戦なので、全員に必ず役割があると思うからそこを手を抜かずに全員で戦っていこうというスタイルを取ってきていた。行動でも応援でもそうだし、どれだけ負けていてもみんながすごい声を出して応援していた。(掲げているスローガン等は)」いつも『一人で試合をするな』というのはすごい言っているし、お互いの思いやりが大事だなと思っている。(これから)まず王座が目標だったから、そこを達成できなかったのは悔しいけど、まだ東とインカレがあるのでそこまで残り時間は少なくなってきてるけど練習もそうだし、試合でここを絶対勝てるというメンタルというのはもう少しみんなでつくっていかないといけない。今回は1部ではじめて3位になって、みんないい試合していたのでここに満足することなく、一歩一歩ステップアップして上を目指してやっていけたらいい」

望月
「和泉のコートで練習している時も風はすごく吹いていたので、まあこんなものかなと感じで入ってそんなに気にはならなかったけどサービスの部分で不安な部分があった。(初戦)王座とかを考えると今日がすごい勝負だったし、1番というのを任された部分で勢いをつくっていく、向かっていくという気持ちを前面に出していった。自分が攻め急いだときもあったけど良かった。(ポイント)今日はよいしょよいしょなところで、2人で展開つくって点を取ることができていたので流れも作りやすかったチームの盛り上がりにもいい感じで働いたかなと思う。(早大戦で3番勝負)前がすごくいい試合をしていたので、その流れで1本でも勝ちたかったという思いだった。向こうのほうが1本しのげるというか、長くラリーができる分、ミスが出てしまったり攻め急いでしまったところを抑えられてしまった。1歩上をいかれていたので、悔しかった。(ペア)組み始めは合っていなかった部分があってコースに打てても生かしきれないというのがあった。今はお互いに動きが把握できてるし、自分の配球に対してポジション取りをしてくれている。そこは1年やってきた分良かったと思う」

齊藤
「1試合目が風で不安とかもありながら、プレーしてしまったのが原因でしっかり取るゲームを取りきれなかったけど、前衛が助けてくれた。2試合入る前にしっかり調整もできていたので自信も持てていた。調子も徐々に上がった感じ。(ポイントになった場面)2試合目の3番目でマッチポイントで2本取られたけど、そこを勝ってなかったら次もいい試合できなかったと思う。負けてたけど自信はあったし、絶対挽回できると思っていた。(東女体大と立教)いつも勝てない相手で負けてたけど、今回はみんなで王座を狙っていくということで決めて入っていたので最初からみんなで飛ばしていった。(ペア)2試合目が終わったあたりから先輩たちにもっと声かけてあげなと言われて、それで梨沙ももっと気楽にいこうってなった。3試合目の時はお互い間もしっかり取れてコミュニケーションも取れていたので良かった。絶対自分がしっかり打ててればやってくれている。ずっと自分が年上の先輩とペアを組んでいて、指示とかをしてもらってばっかりだったからこれからはプレー以外でも自分が進んでやっていかないといけない」

小谷
「ずっとみんなで練習してきていたから、結構緊張はしていたが自信持ってできていたので調子は悪くなかった。(ポイントとなった試合は)1試合目の東女体大との対決で絶対勝つと思っていた。ファイナルになった時には攻めたもの勝ちなので、後衛の人が攻めてくれてそれで勝てたのが大きかった。後ろの人が思ったこととかこうしたらいいということを言ってくれている。最初は強い相手とかとやると2人ともびびって打てなくなってしまうけど、だんだん強い相手にも向かってやっていけるようにはなったかと思う」

西永
「モチベーション的にはどの試合も1部にはシングラーたちが集まる中で私は無名なので、ひたすら向かっていくしかないなと思いながらやっていた。必死にボールを追いかけて、勝っても負けても必死さがみんなに伝わってチームの雰囲気が良くなればいいと思っていた。(初戦)自分でも驚くくらいにすべてが上手くいって、自分から先にポイントを取りにいけたし気持ち的にも余裕を持てた。(シングルスで心がけていること)相手より先にミスしないこととか、取れないボールはないと思っているのでひたすらに追いかけることを大切にしている。私はツイストとかカットとかを多く入れて、相手のリズムを崩していこうかなと思っている。(課題)試合を重ねていくごとに足が動かなくなったりだとか、単発になったりだとかもっと多くラリーをしたりして最後の決め球をもっと正確にコースにつけていきたい。今回はまずに東女と立教を倒せたことが大きなポイントになったと思う。早稲田は倒せなかったけど、まだチャンスがあるのでいつかは絶対倒しにいきたい。(チームづくり)後ろで積極的に声をかけてくれているので『大丈夫だよ』とか、すごいみんなの声が試合中聞こえてくるのでプレーしているときもひとりじゃないと思うし、勇気づけられるし、みんなのために頑張ろうという気持ちになる」

鈴木
「調子はあまり良くなかったんですけど、先輩に助けてもらって何とか勝つことができた。(ポイント)2試合目でマッチ取られていて、そこを取られたらチームが負けてしまうので、何とかして防ぎたいと思っていた。大変だった。(ペア)まだ全然組み始めだけど、いいと思うしこれからまだまだ課題もあるのでそこはしっかりやっていきたい。自分が取れなくてもしっかりカバーしてくれたり、安定してプレーができている。みんなが信頼できるようなプレーになりたい。結構ストロークでミスが多かったので、自分の仕事に専念できるようにしたい」