
筑波大を下し4連勝 勝負の後半戦へ弾みをつける/春季関東学生1部リーグ戦
緊迫した状況でも気負わなかった。1―1で迎えた3戦目。普通ならプレッシャーが掛かる場面だが、渡辺には関係なかった。「平常心で臨めた」(渡辺)と動じず戦い、梅崎(筑波大)を寄せ付けなかった。シングルスの出場は初戦の法大戦以来だったが「しっかり動けていた」(渡辺)と万全な状態で、法大戦と同じくストレート勝ちを収めた。
決して楽な試合ではなかった。初戦でリオデジャネイロ五輪代表のエース・丹羽が坪井(筑波大)に敗れる波乱の立ち上がり。続く町は「丹羽が負けたので頑張ろうと思った」と主将の意地を見せ、原田(筑波大)をストレートで下して五分に戻した。命運を分けるといってもいい3人目。敗れれば筑波大に流れが行く、予断を許さない状況で「いけるボールはいこうと思っていた」(渡辺)という強烈なフォアハンドで得点を重ね、結果、内容ともにチームに流れを引き寄せた。「競りながらも取ってくれた」(高山幸信監督)と指揮官も評価しており、3番手での起用に見事に応えた。勢いに乗った渡辺は、続くダブルスでも森薗との息の合ったコンビネーションでストレート勝ちを収め、ダブルスのリーグ戦での連勝を11に伸ばした。
ここまで、無傷の4連勝は明大と最大のライバルである専大のみ。優勝するためには最終戦の専大戦まで落とすわけにはいかない。しかし、21日に対戦する早大、日大には昨年公式戦で敗れており、簡単な相手ではない。だが「どんどん状態が良くなっている」と町が語る今年の明大はここで立ち止まるわけにはいかない。「残りの3試合が勝負になるので、今まで以上に強い気持ちでやっていく」(渡辺)と語る頼れる男が、グランドスラムへの序章を引っ張る。
[加藤真人]
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