攻撃で魅せ学芸大にストレート勝ち / 春季関東大学1部リーグ

2016.05.09
攻撃で魅せ学芸大にストレート勝ち / 春季関東大学1部リーグ
 リーグ戦後半の第1のヤマ場である学芸大に勝利した。体格、プレースタイルが似ている学芸大に、始めはテンポよく攻撃を決め1セット先取。2セット目では、相手の得意とするブロックに捕まりサイド攻撃が決まらず、一時リードを許すという場面もあったが、3セット目からは今回の攻撃の要と定めたクイック、バックアタックを順調に決め結果は3-0。前日の日大戦に続くストレート勝ちとなった。

 攻撃の策が光った。「最初はセンター線で押して、途中加藤(寛樹・政経3=創造学園)とか濱中さん(俊生主将・商4=弥栄)が生きてくると思った」(辰巳遼・文3=清風)。 第1セットは190㎝のセンター小林凌(政経4=桐生市商)や同じくセンターの安井康平(政経4=倉敷商)が相手ブロッカーを引き付けサイドスパイクで得点を奪っていった。濱中主将がコースを狙ったスパイクで得点し15-13、その後1点を取り返されるが、すぐさま小林がBクイックスパイクを決めリードを譲らない。その後も安井がAクイックで点を追加。さらにはエース加藤のバックアタックが決まり、一気に波に乗り19-16。最後は相手のミスにより25-18で敵を20点台に乗せることなく1セット目を先取した。
 しかし、完全に明大のペースとは行かなかった。2セット目、立ち上がりから学芸大の得意とするブロックに次々と攻撃が阻まれる展開が続く。セット間初の攻撃、加藤のライトからのスパイクが完全にシャットアウトされ失点。学芸大の攻撃に勢いが付き、序盤4-6とリードを奪われた。しかし、明大も攻撃の手を緩めず加藤、頼金大夢(法3=東福岡)がそれぞれスパイクで得点し、9-9の同点に持ち込む。しばらくは相手のブロックに苦しみシャットアウトを避けてバックアタックやBクイックを多用し、得点を重ねていく。そして21-21の局面、今試合攻撃の要であった加藤のスパイクが決まると同時に流れを取り戻し、25-22でなんとか2セット目を死守した。
 流れが明大に傾いた。序盤3-6と点差をつけられるも、辰巳と小林のブロックで相手の攻撃を封じ込め1点を獲得。その後は辰巳のツーアタック、小林のサービスエースで連続して加点、さらには加藤の圧巻のバックアタックが決まるなど、多彩な攻撃を仕掛け4点を巻き返した。その後は点を取って取られての攻防を繰り返したが、終盤相手のサーブミスもあり、リードを保ったまま25-20で3セット目も勝ち取った。結果は3-0で明大が勝利した。

 次の対戦相手は今季から1部リーグに昇格したばかりの中央学大だ。「中央学大は、明治が負けた東海大に勝っているので今乗っていると思う」(加藤)。攻撃面に優れたチームであり、ブロックの上から叩き込むような強打スパイクが予想される。主将の濱中は「全体的に高さのあるチーム。こっちがしっかりレシーブをして拾って繋ぐバレーを展開できれば、勝てる相手」と勝利への強い自信を見せる。この勢いに乗って中央学大にも勝利を収めたい。

[杉江夏海]

◆春季関東大学1部リーグ戦日程表◆
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日付 対戦相手 場所 スコア
4・9
専大
立川市和泉市民体育館
○3{25―18、25―20、25―16}0
4・10
筑波大
立川市和泉市民体育館
●0{20―25、21―25、15―25}3
4・16
早大
東海大湘南総合体育館
○3{25―15、25―18、25―19、25―20}1
4・17
東海大
東海大湘南総合体育館
●0{19―25、20―25、19―25}3
4・23
順大
新日鐵住金君津体育館
○3{18―25、15―25、25―23、25―16、15―11}2
4・24
中大
新日鐵住金君津体育館
●0{23―25、30―32、19―25}3
5・7
日大
日体大健志台米本記念館
◯3{25―19、25―22、25―19}0
5・8
学芸大
日体大健志台米本記念館
◯3{25―18、25―22、25―20}0
5・14
中央学院大
日体大健志台米本記念館
5・15
日体大
日体大健志台米本記念館
5・21
駒大
日体大健志台米本記念館

試合後のコメント
濱中

「後半戦のヤマ場は、日体大と学芸大だと思っていた。今日やった感じでは、こっち側もかなり調子は悪かったけど、向こうもそんなに調子は良くなかったとも思う。学芸はブロックがいいというイメージだった。確かに今日戦ってみてやっぱり(学芸のブロックは)いいなと思ったけど、こっちのブロックもしっかり機能していたし、逆に相手はブロックを抜けたボールを拾えていなかった。こっちはレシーブもちゃんと拾えていたので、そこが差になったと思う。(今回の攻撃については)サイドを中心に考えているわけじゃない。3枚ブロックに付かれる時は、大体キャッチが乱れている時なので、とりあえずまあキャッチはきちんと返そうと。そもそもの攻撃のコンセプトとしてはクイック、速いバック中心、からのサイドの展開なので、そう(3枚ブロックに阻まれてしまうようなサイドの攻撃を)している時は、敢えてそうしているんではなくてそうせざるを得ない形になってしまっているだけ。なのでその前提を大事にして、そこに集中しようと思う。サーブカットは今、頼金大夢(法3=東福岡)と小川智大(政経2=川崎橘)の二人にやらせているが、相手がサーブが強そうな選手の時は自分が加わるという形をとってやっていた。(今日全体の反省点として)今日は全然調子は良くなかった。やっぱりネット際が全体的に弱いからそこを直すっていうのと、後はリバウンドをもう少し多くしたい。上手くリバウンド取られずにネットに掛ける場面だったり、ブロックが3枚がっつり来てるのに、思いっきり打ってしまうとか。そういう時はやっぱりリバウンドをとって展開したりとか、そういう形を取りたかったけど、今日は特にそうできた場面が少なかった。今日の出来を点数で表せば、100点満点中だと30点くらい。(次に当たる中央学大について)全体的に高さのあるチームだけど、レシーブはあまり得意でなさそうなので、逆にこっちがしっかりレシーブをして拾って繋ぐバレーを展開できれば、余裕で勝てる相手だと思う。けれどやっぱり一番は、格下の相手だからと言って気を抜かないこと。気持ちづくりが何よりも大切だと思う」

小林
「ストレートで勝てるとは思ってなかったので正直嬉しかった。加藤をエースに置いているので、裏の攻撃だと加藤がつぶれてしまうのでセンターはBクイック中心で攻撃していた。今日は加藤が中心で活躍してくれたので僕もたまに上がってくるトスを決めた。(レフトに3枚ブロックがついて)ブロックに引っかかってたし、立ち上がりで一本決められるコンビがあまりなくて、立ち上がりで決められいいけどサイドに頑張ってもらうしかない。昨日学芸大の試合を見てブロックのシステムを作ったのでセンターが高くて、時間差なしのサイドですごくやりやすくて守備は良かった。個人的には後半になってくるにつれブロックがクイックについてきていたのでやりにくかった。今日は加藤に打たせて勝つ試合。(自身のプレーでは)クイックが通らなかったのでスパイクでは貢献できなかったけど、その分サーブで崩すことができてよかった。正直もっと苦しい展開が続くかなと思ったけど、ここを勝てたということは大きい。(勝利の要因は)終盤のミスが少なかったのと攻め切れていたこと。サーブにしろトスアップにしろキャッチも返って、終盤で集中力が高かった。(修正点)全部Aパスが返ってからのクイックしか使えてないので、割れた後のクイックも使えるようにしてサイドも楽になってくると思うしセッターも組み立てやすいと思うので、少しでも相手の注意を引けるように。この後の日体大も粘り強くていいチームなので、粘りで負けないようにしていきたい。ここまできたらもう全勝したいので、自分の仕事をすること、4年生なのでコートの中で引っ張っていける存在になりたい」

加藤
「学芸大はブロックが高いので、リバウンドを何回もとってやらないとダメだと思っていたけど、スパイクがドシャットされることが多くてチームメイトを苦しめてしまった。それでもスパイクを決め切れるところは決めきれたのでよかったと思う。1セット目がコンビがあまり合わなかったのでセッター的にもトスを(自分に)上げられないかなと思ったが、2セット目後半からはバックアタックが結構合ってきたので3セット目から打数を増やしてもらった。要所要所でセッターがトスを上げてくれたので、その思いに応えたいという思いを持ちながらスパイクを打った。
次の相手である中央学院は、明治が負けた東海大に勝っているので今乗ってると思いますし、明治はブロックが低いのでその上から叩いてくると思うんですけど、泥臭く粘って粘って粘ってボールを落とさなければ勝てると思う。僕はレシーブというよりも決定力の方で求められると思うので相手に負けないように頑張りたい」

辰巳
「相手は昨日と違ってリードブロックで来ていた。最初はセンター線で押して、途中加藤とか濱中さんとかが生きてくると思った。特別Bクイックにこだわっていたわけではないが、最初はセンター線を使っていこうと意識して使っていた。セッターの勝負どころでは加藤にボールが集まるので、その時に少しでも相手のブロッカーがセンター線を意識するようにと心がけた。(練習試合では)加藤がたまたまいなくて。ライト側の攻撃があまり通らなくて負けた。でも今日は加藤がいてライト線で得点ができたので、相手も絞りにくかったのだと思う。(2セット目中盤から)バックアタックも多かったが、自分はブロックできるように打ちやすいトスをあげるようにした。スパイカーの引き出しに任せるというか、得点するかもう一度自分たちのボールにするかの判断をやっていってもらえば楽な展開になると思った。リーグの後半戦だったら日体大戦が山場だと思うが、今日はそれに次ぐぐらいだと思う。自分たちは練習試合だが学芸大には負けているイメージがあったので、その学芸に3 ー0で勝てたということは内容はどうであれ良かったと思う。これで5勝3敗で負けてる三つは上位校だが、そこを倒さないと日本一は達成できない。応援も頑張ってくれているのでプレーでそれに応えたい。終わったことはしょうがないが、ここからまたしっかり勝っていきたい」