中大を後半シャットアウトし、春季大会初勝利/関東大学春季大会
「軽いプレーでミスしてしまってなかなか流れに乗れなかった」(右ロック古川満・商3=桐蔭学園)。前半13分、右フランカー石川卓(法3=明大中野)が先制トライを挙げる。しかし、中大のシャローディフェンスの前に前半はミスが見られ、前半15分に5-7と勝ち越しを許した。その後も「簡単なキャッチミスとかから崩れていってしまった」(スタンドオフ堀米航平・商3=流経大柏)と点を取っては取られの攻防が続き、明治ペースに持ち込むことができず。スクラムでは常時優勢を継続するも、ラインアウトでのサインミスやゴール前でのディフェンスにおけるミスが続き失点につながった。「先週と似たような形で取られていることが多かった」(左ロック近藤雅喜・商4=東海大仰星)と、流経大戦での課題を克服できず24-19で前半を折り返した。
しかし後半に入ると流れは一変した。後半4分、敵陣10mでのラインアウトからモールで押し込み徐々にゴール中央へ。最後は堀米がパスを受け取りそのままトライ。31-19に点差を広げ、このプレーを皮切りに明治の猛攻が始まる。後半12分、敵陣中央から成田がキックパスで仕掛ける。それに合わせた右ウイング澤田陵(文3=明和県央)がゴール右端に飛び込みトライ。その後も連携プレーでのトライが続き、極めつけは後半34分。葛野翔太(商4=深谷)が強靭(きょうじん)なフィジカルでディフェンスラインを突破し、堀米、澤田とつなぎ最後は梶村祐介(政経3=報徳学園)が中央付近にボールを置き追加点を挙げた。そして後半40分にこの日3つ目となるトライを左ウイング山村知也(営1=報徳学園)が決め、最終スコアは67-19。アタックからリズムをつかみ、後半は0点に抑え切った。
ケガで離脱していた2人が復帰早々活躍した。試合開始直後に石川の先制トライをアシストしたのは成田。その後も前半19分には相手のハイボールをキャッチし、何重ものタックルをかわして独走状態に。最後はフォローに回った山村にパスを放り、自慢の快足を飛ばし好機を演出した。また、フルバックとして最後尾からキックでエリアを拡大しアタックのチャンスを広げ、声出しでもチームを鼓舞。主将の桶谷宗汰(営4=常翔学園)がケガで不在の中、副将としてチームをけん引した。
梶村は後半途中から出場すると、いきなり見せ場をつくる。後半14分、自陣ゴールゾーンにボールが来るも、梶村がキープしそのままライン外に蹴り出す好判断。その後も明治の取りこぼしたボールを再び取り返す場面など、危機を回避するプレーでチームに貢献した。また、後半26分と34分には自らトライを挙げるも「自分ではなくチームで取ったトライ。周りの選手のおかげ」と梶村。攻守にわたりブランクを感じさせない動きを披露した。
[石塚真維]
1.PR | 久原 綾眞(政経3=佐賀工) | 9.SH | 兵頭 水軍(農4=仙台育英)→21.安部(後半21分) | 16 | 大塚 健太郎(商2=佐賀工)←2.佐藤公(後半0分) | |
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2.HO | 佐藤 公彦(法4=明大中野)→16.大塚(後半0分) | 10.SO | 堀米 航平(商3=流経大柏) | 17 | 新妻 汰一(政経1=佐野日大)←1.久原(後半3分) | |
3.PR | 塚原 巧巳(政経4=国学院栃木)→18.田代(後半17分) | 11.WTB | 山村 知也(営1=報徳学園) | 18 | 田代 頌介(政経2=秋田工)←3.塚原(後半17分) | |
4.LO | 近藤 雅喜(商4=東海大仰星)→19.外岡(後半17分) | 12.CTB | 松尾 将太郎(商2=東福岡)→22.梶村(後半8分) | 19 | 外岡 悠太郎(商2=国学院久我山)←4.近藤(後半17分) | |
5.LO | 古川 満(商3=桐蔭学園) | 13.CTB | 尾又 寛汰(商4=国学院栃木) | 20 | 葛野 翔太(商4=深谷)←8.前田(後半20分) | |
6.FL | 辻 惇朗(政経1=常翔学園) | 14.WTB | 澤田 陵(文3=明和県央) | 21 | 安部 耕平(法1=大分舞鶴)←9.兵頭(後半27分) | |
7.FL | 石川 卓(法3=明大中野) | 15.FB | 成田 秀平(営4=秋田工)→23.渡部(後半17分) | 22 | 梶村 祐介(政経3=報徳学園)←12.松尾(後半8分) | |
8.No.8 | 前田 剛(営3=報徳学園)→20.葛野(後半20分) | 23 | 渡部 寛太(文3=愛媛県立北条)←15.成田(後半17分) |
試合後のコメント
ゲームキャプテン・フルバック成田秀平(営4=秋田工)
「今日は反省の方が多かった。先週の流経戦もコミュニケーション不足でそれが失点につながって、今日の前半もコミュニケーションのミスで3本取られてしまった。でも後半は修正して、抜かれる部分もあったがしっかりその後カバーできていたと思う。BKで外2本取られてしまってウイングと自分との間のコミュニケーションがしっかりできていなかったので、後半はそこを修正しようという話をしていた。今日までにフォーカスしてきたところはやはりコミュニケーションの部分で、流経戦では試合をしていてもチームが静かだったり試合前の練習でも静かだったので、もっともっと一人一人のコールが足りないなと思って、それを今週一週間フォーカスしてやってきた。先週の流経戦の時よりは声も出ていたと思うけどコミュニケーション不足で取られるというのが3本あったので、やはり疲れてきていると出なくなってきてしまうと思うけど、そこも頑張って周りからもっと声を出せるようにやっていきたい。ディフェンス面は、セカンドタックルが遅かったというのと、ボールを殺せていないというのを感じた。結構オフトロードでタックルした後につながれるというのが多かったので、そこの速さとセカンドマンがボールに絡むというのを練習でもやっていかないといけないなと思う。BKだったら外側のコミュニケーションと、上がるところと流すところの判断というのが一人一人バラバラだったので、そこを統一してディフェンスしていかなければいけないなと思った。アタックは思ったより後半は良いテンポで出せて点数も重ねられたので、次も今日の後半のような感じでアタックを継続して、ディフェンスは課題となっているコミュニケーションとセカンドマンのファイトというのにフォーカスしてやっていきたいと思う」
左ロック近藤雅喜(商4=東海大仰星)
「前半に相手のアップディフェンスに苦しんだけれど、その中でスコアはできていた。後半にはボールが動く中で、相手の足が止まった時に取るという明治らしいアタックができたと思う。失点はFWの近場のディフェンスだったり、BKのアウトサイドのディフェンスだったり先週と似たような形で取られていることが多かった。修正しなければいけない。今日よかったのは失点しても気持ちが切れていなかったところ。先週にああいったゲームをしてしまったというのを自分たちがしっかり自覚していたのかなと。でもまだまだ課題があるのでしっかりやっていきたい。スクラムは相手ボールマイボールともに100%取れていたと思うけれど、ラインアウトはメンバーが流動的な中でもっと合わせていかなければいけないと思う。(自分自身を振り返って)先週負けた責任というのは相当感じていたし、4年生として、FWリーダーとして引っ張っていかなければいけないと。今日はもちろん課題も出たけれど、後半を0に抑えられたというのはよかったと思う。プレーとしてはボールキャリーのところで前に出られたのでよかったかなと。ボールタッチも増えてきていいプレーを出せてきているので、質をしっかり上げていきたい。次の同志社戦は愛知県ということで僕の地元で思い入れもあるし、自分が育った町なので懸ける思いは強い。春シーズン、一日一日頑張っていくだけです」
右ロック古川満(商3=桐蔭学園)
「前半FWで我慢できなくて、軽いプレーでミスしてしまってなかなか流れに乗れなくて、そういう先週から出た課題が反省すべきところだと思う。FWはどんどんフィジカルでシンプルに縦当たってブレイクダウン勝って、というのを継続していこうという話だったが、そこで少し食い込む場面とかで無理な態勢からのオフロードとか抜けた後のフィフティーフィフティーのパスとか、そういう自分たちの我慢ができなくて招いたミスで19点というスコアを取られたと思うので、そこがFWの自信持っているところだししっかり我慢してやっていかないといけないと思う。後半良かったのは、しっかり修正できたというのが一つと、途中から入ってきた選手がすごくチームにエネルギを与えるプレーをしてくれたり、外から見ていてダメなところをしっかり理解して入ってきてくれてやらないといけないプレーを全部選択してやってくれたので、そういうところですごく後半は良い流れに乗れたのかなと思う。まだまだタックルの精度であったりとかはもっと上にいけると思うが、先週に比べれば少しはレベルアップしていると思うので、もう少し意識してもう一段階上がれるようにやっていきたいと思う。流すところだったり、FWが順目に回ってなくて外いかれてしまったりとか、個々のタックルミスとか本数は少なかったが確実にいかれているところはあったので、そこをしっかり止めて我慢できるように粘り強いディフェンスができるようにしていきたい。FWはスクラムは結構良かったのかなと思うが、ラインアウトは辻が1年生というところで少しサインのタイミングだったり細かいところのミスがあったので、そこはもう少し自分が気を使って臨機応変にやれたらよかったなと思う。今日までにフォーカスしてきたところは、全体ではコミュニケーションだし、FWだったら8人のパックメンタリティーとブレイクダウンだったりフィジカルファイトとかシンプルなところをこだわってやってきたので、そこが出ていた面もあるしもっと高められる面もあるので、そこはまた反省して来週しっかり消していきたいと思う。今日出た課題としては、FWの我慢するところで簡単なプレーを選択してしまうところと、ラインアウトでいろいろな状況に対応できるように準備をするというのをしっかりやっていきたいと思う。次に向けては、また継続してコミュニケーションの部分をしつこくしつこくやっていって、あとはコーチ陣から言われた課題をしっかり自分たちで受け止めてそこにフォーカスしてやっていきたいなと思う」
左フランカー辻惇朗(政経1=常翔学園)
「先週の流経大戦で良い試合ができていなかったので、チームのスローガンである「MUST WIN」というのをもう一度しっかりと見つめなおして、一人一人が意識してやろうと1週間頑張った。前半のディフェンスがPXYの部分で悪かったが、後半で、今週のフォーカスポイントだったコミュニケーションを意識したら修正することができた。(個人としては)初めてAチームでスタメンという形で出させてもらって、やっぱりまだまだだなと。先輩に気を使ってしまうプレーをなくして、もっと要求していけるプレーヤーになりたい。(今後に向けて)このままAチームに居続けるというのが一番の目標。先輩たちに追いついて、追い越して、1年生からたくさん紫紺を着れるように頑張りたい」
No.8前田剛(営3=報徳学園)
「前半最初のフィジカルファイトのところで、中央としっかり勝負することができた。前半は接った内容になってしまったが、そこで逃げることなく自分たちが体を当てていけたので、後半相手の体力が落ちたところを攻めることができて後半のあの点差を付けられたのだと思う。今日は自分の長所であるブレイクダウンでの勝負を意識してそれを遂行できたのはよかった。来週の同志社は関西で今の4年生の良い選手が集まっていると言われているけど、明治のやることはフィジカル勝負とファンダメンタルなこと。明治のラグビーはFWからなので相手を制圧して、今日みたいな点数を引き離した試合をしたい」
スタンドオフ堀米航平(商3=流経大柏)
「前回の試合で負けて今日しっかりと勝つことができたのはよかったと思う。コミュニケーションは前回よりは取れていたけど、ボールをつなぐ時とかのミスがあったので、もっと細かいところのコミュニケーションを取らないといけないと思った。前半は簡単なキャッチミスとかから崩れていってしまった。前半走っていた分相手の足が止まってきて、外にスペースができてテンポよくアタックできたと思う。今日まではチームとしては、練習中から一番コミュニケーションについて意識してやってきて、今日は流経大の時よりは全員話せていたかなと思う。前半こっちがミスしていて向こうにやられたけど、後半しっかり修正しようというのを自分たちで発信して修正できたので、そこはよかったと思う。今日の課題点としては、もっと一人一人が考えて動いて、スペースに向かってボールもらったりとかするのが大事だと思う。個人的にも、もっとキックの制度を上げていかないといけないなと思った。次も勝ちにこだわって今日の試合よりも次回もっと成長できているように頑張りたいと思う」
左ウイング山村知也 (営1=報徳学園)
「前半は連携がうまくとれずにトライされるシーンがあったが、後半はボールを動かして一つ一つのプレーを大事にできた。自分らのプレーに持っていけた。ハーフタイムにコーチやリーダーの指示があり、一人一人のディフェンスに対する意識が高まって、後半は0に抑えることができた。(自身の三つのトライシーン)前のスペースが空いた状態でパスが回ってきたから、あとはトライを取り切るだけだった。流経大戦での自分が指示を出せなかった反省を生かして、周りの状況を伝えたことでトライにつながった。チャンスでトライを取り切れたのはよかった」
左センター松尾将太郎(商2=東福岡)
「前半は2人目のタックラーがダブルで下から入ってきていたのでそこから失点につながった。今日は自分の中でディフェンスをしっかりやっていこうと思っていたので、一発目に下から入っていくのはできていてよかったと思う。あと、相手が早く出てきていた時の自分たちのアタックが深さを保てなかったという今後の課題も出てきた。来週もあると思うのでどの試合のカテゴリーで出たとしても自分のやることをしっかりやっていきたい」
右センター尾又寛汰(商4=国学院栃木)
「今日は点差こそ離れたが、それとは関係なく明治側の問題として、流経大戦で出た課題をつぶしていこうというターゲットでやった。だがセカンドのファイトのところなどでPXY(ディフェンスの立ち位置)ができていなくて、後半こそ0点に抑えられたが入りが甘く、前半かなり点を取られてしまった。明治のBKは、先週の流経大と同じかなり出てくるディフェンスに対してのアタックが苦手で、まだ判断が悪い。BK同士のコミュニケーションもなくて、相手の良い判断で出足を止められたりだとか、抜かれてしまったところが多かった。これはみんなで練習しなければ改善できないミスではなく、一人一人の意識で改善できるミスだと思う。(次戦へ向けて)主将の桶谷から「MUST WIN」という目標を掲げたのはいいが、その責任が伴うはずなのにチャレンジできていない、と全員に話があった。まず個人個人が日頃の練習から「MUST WIN」を意識しなければいけない。自分はもちろんだが、下級生にも浸透させていけるように4年としての自覚を持って、声かけしていきたいなと思う。そして、桶谷や秀平(成田・営4=秋田工)がプレーに集中できるように、楽させてあげられるように、個人としても頑張っていきたい」
右ウイング澤田陵(文3=明和県央)
「先週、流経大に大敗して、明治はこのままではダメだと話していた。この1週間は相手のシャローディフェンスなどに対抗できるように練習してきた。前半はひっかかってしまうシーンもあったけれど、後半はしっかり修正してできたのでよかったと思う。失点は流経大戦と一緒でフィフティーフィフティーでパスをしてしまって、それが溢れてターンオーバーされてしまった。相手にいい形で持って行かれて取られてしまった。ディフェンスうんぬんの前に自分たちのミスがなければ、マイボールを失うこともないと思う。個人としては後半にフィットネスの差を見せることができて、走り勝ててトライを取ることができた。走ることができたのがよかったと思う。自分はボール持ってなんぼの選手だと思っているので、トライする力やゲインする力では負けたくない。次の同志社はもちろん明治が全力を出さなければ勝てないチームだと思うので、ボール持ったらトライする気持ちで全力で走りたい」
梶村祐介(政経3=報徳学園)
「前半は先週の流経戦とあまり変わらずよくなかった。自分が出場した後半はチームとしても自分自身もディフェンスが安定し、ボールもうまく散らせてよかった。終了間際はスコアしたい気持ちが前に出てワンパターンになった。勝ちは大事だが秋に向けて色んなパターンを増やしたい。(自身のトライシーン)トライは自分ではなくチームで取ったトライ。周りの選手のおかげ。前半にスコアを与えてしまうことが多いので、立ち上がりを直したい。FW、BKの連携をうまく取り、ゴール前でのチャンスを取り切ることを徹底したい」
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