青学大に競り勝ち7位/関東大学選手権

 延長戦まで集中を切らさず勝利した。関東大学選手権の最終日は青学大が相手。第4クオーター終盤に土壇場で同点に追い付かれたが、落ち着きを失わなかった。オーバータイムでそれまで以上にチームが引き締まり、一時は6点差まで開く。最後は1点差で振り切り92―91で勝利。秋につながる内容で最終戦を締めくくった。

 スターターは齋藤拓実(営3=桐光学園)、會田圭佑(法4=市立柏)、小谷拓哉(文4=育英)、森山修斗(政経2=瀬田工)、今川友哲(営2=大阪桐蔭)。

 最後まで持ちこたえた。「オーバータイムに入ってからガードがゲームをコントロールしていた」と山本健一監督が言うように、延長戦で一層コートの集中が増した。明大のボール占有率は高まり、試合終了までリードを譲らなかった。吉川治耀(情コミ3=京北)のバスケットカウントに始まり、5分間の延長戦で明大は16得点。残り数秒に3Pシュートの連発で詰め寄られたが、92―91の1点差で逃げ切った。
 昨年は接戦にもつれると苦しんでいた。オーバータイムでは歩が悪く昨年は3戦2敗。体力や集中力が課題に挙げられることもあったが、この日は粘り強い試合運びでそのイメージを払拭(ふっしょく)した。「接戦で勝てたというのは本当に大きい」(田中井紘章主将・政経4=山形南)とこの一戦で自信をつかんだ。
 窮地を切り抜けていた。序盤からリードを守っていたが、第4クオーター残り2分半になって初めて同点に。しかし終盤になってのピンチにも動じなかった。落ち着いたパス回しから点を狙うなど、それまでと変わらずゲームを組み立てた。駆け込んで攻めてくる青学大と一進一退の攻防が続いたが、すわ逆転かという場面を持ちこたえ、延長戦に持ち込んだ。

 内容の質を重視して臨んだことで、立ち上がりから連携がかみ合った。特に前半は「みんな動けていてオフェンスが止まることがなかった」と齋藤。前日の中大戦で30失点と苦戦した第1クオーターで26―19とし主導権を握った。齋藤が繰り出す正確なパスは続々とシュートまでつながり、アシストはこの試合だけで12。得点数も11まで伸ばしダブルダブルを達成した。また、今大会のアシストランキング1位にも輝いた。

 今日のようにリードを守り切る試合が「明治の勝ちパターンなのかな」(山本監督)と理想の試合運びも見えた。新監督を迎えて初めての公式戦は収穫を得て幕を閉じた。

[渡辺由理佳]

試合後のコメント
山本監督

「終わりよければ全てよし。最後1点差だったけど勝ちは勝ちだから、気持ち的にもリラックスしていて良い終わり方だったと思う。(立ち上がりは)試合前のミーティングで、昨日の反省に注意して第1クオーターの入り方をしっかりやろうということを伝えたことがコートで表現できたのでよかった。(第4クオーターは失点が多かったが)こっちは体力もないし相手も実力のあるチームなので、あれはあれでしょうがない。こういったタフなゲームをいかにミスなく勝利につなげるか。最後は勝ちにつながったのでそれは気にしていない。4クオーターの残り2分くらいでガードが凡ミスしてしまったのでオーバータイムに入ってしまったが、オーバータイムに入ってからガードがゲームをコントロールしていた。最後つめられたことはつめられたけどしっかり勝ちをもぎ取ったので結果オーライ。今後の課題ができたということで全然問題ない。ある程度リードして追いつかれても追い越されないようなゲーム展開が明治の勝ちパターンなのかなというふうに思うので、そういった試合の入り方とかリードしている時のゲームの組み立てとかいうところを大事にしないと」

田中井主将
「監督から勝敗関係なく自分たちが持っている力を出して何が足りないのか何が課題なのか、そういうことが分かるようなゲームにしていこうと言われていた。それでみんなゲームの最初から攻め気を持って攻めていたのでそこがとても良かった。接戦で勝てたというのは本当に大きいし、今日の最後までゲームをコントロールしたバスケができたのは良かったと思う。これからもっとレベルアップできるようにしていければ。去年からリードしていると自分たちは勝ちのムードになれるところがあって、そういう時は勝っているからこその余裕が生まれてガード陣のコントロールもうまくいっている。負けている時こそ冷静になってコントロールできるかが重要で、今日も競ってきたところでターンオーバーしたり、詰めの甘さも見えた。(主将から見たMVPは)しいていえば小谷。あいつのスコアとか数字には出にくいところでの頑張りがなければチームとしてまとまらない。昨日までシュートが入らなくて悩んでいたようだが、そこを自分で脱出してそれでシュートも入るようになったし、パスをつなぐとかディフェンスで相手の好きなようにやらせないとかポジションの取り方とか1つ1つを見ると小谷の動きが良かったから、点差も開けたし最後まで落ち着きのあるゲーム運びができた」

小谷
「昨日(中大戦)が全然だめで、シュートはいらなくてどうしようかなと思ったが、やはりディフェンスでの声かけとかリバウンドの面で今日は貢献しようと思っていた。それがいい感じにかみ合ってシュートも打てたし、という感じ。今までやってきたディフェンスだったり、リバウンドだったりをしっかり自分が率先してやって、それがチームに結びつけばと思っていた。(要所でいい場所にいてシュートが決まっていた)そういうのが得意というか、相手のところにちょっと行ってパスもらってとかそういうプレーが自分らしいと思っている。今年から4年で最後だし、思い切ってやろうと思ってシュートも積極的に打っているということもある。昨日は良くなかったがとりあえず切り替えてとりあえずできることをやろうと、シュートが入らなくてもディフェンス、リバウンドはできるように心がけていた。
(大会を通して収穫は)ある程度はできることはできるし自信もっていいのかなと感じたことと、まだまだ課題はシュートの確率とかコミュニケーションとかまだまだな部分はいっぱいあるのでそれが見つかって良かった」

齋藤
「(チームの反省点)1回点差が開いていたのに途中相手につめられてしまった。これが自分の反省点ともつながっていて、そのつめられてしまった原因が自分のターンオーバーや、第3クオーターのファウルでの終わり方だったと思っている。相当大きなミスだったと感じている。(流れを譲らなかった要因は)出だしがよかったのが大きかった。これまでの始まり方と違っていて、しかも途中追いつかれた時も落ち着いて点を重ねられたというのはチーム的にも大きな自信になった。(12アシストという活躍の要因は)前半は特にみんな動けていてオフェンスが止まることがなかったので、結果的にアシストに繋がったのだと思う。自分だけでなくチームのアシストもかなりよかったと思う。(大会を通しての個人的な収穫)まだゲームをコントロールしきれてないというのを実感している。今後はもっとしっかりとゲームをコントロールできるようにしたい。そして3年生なので1年、2年だから許されるということがもうない。下級生をサポートしつつ引っ張っていくという上級生としての自覚を得ることができた。 (9月の公式戦まで)今大会を通してうちのチームはまだまだ若いなと思った。よく言えば伸びしろがあるということなので次までの数カ月で成長していきたい」